『いざパプニカ王国へ』(2020.12.5)
  
 

《粗筋》

 戦いが終わったばかりの王間で、ロモス王はダイ達に宝箱を与える。新しい衣装を着て、国民の前に出て欲しいと言うのだ。それは、紛れもなく勇者のお披露目である。

 新しい衣装に身を包んで王宮のバルコニーから顔を出したダイ達を、ロモス国民は諸手を挙げて歓迎する。その中には、ポップに忠告を与えたまぞっほの姿も混じっていた。

 ロモス国民達の祝福を聞いて、ポップは頑張ることの大切さを実感し、マァムもそんな彼を見直す。チームワークがようやく生まれ始めた勇者達にはまだ自覚はないかもしれないが、すでに人々は『小さな勇者ダイ』の存在を認めていた――。

 そして、ブラスをデルムリン島へと送り届ける航路をとりながら、ロモス王が貸してくれた帆船は大海原を軽快に走っていた。
 ブラスとの別れのせいでちょっぴり元気のないダイを、ポップは持ち前の調子の良さで励ましつつも、マァムに馴れ馴れしくしすぎるせいか、彼女からの評価はちょっと低い感じだ。

 精神的にレベルアップしたなどと大口を叩く割に、突然出現した怪物にビビるポップだが、聖水を撒きながら進むこの船は怪物を寄せ付けない。
 パプニカに行きたいダイの希望に添って、船はホルキア大陸へと向かう。だが、パプニカが魔王軍の猛攻を受けていると聞き、不安を感じるダイ。
 レオナを助けるためにも、パプニカに向かおうと決意を新たにする。
 
 その頃――鬼岩城では、ハドラーが心臓の間で魔法の儀式を行っていた。大魔王バーンよりベギラゴンの呪文を授けられ、爆裂呪文(イオ)と閃熱呪文(ギラ)の二種類のを極めたハドラーは、ザボエラに魔王軍六団長を集結させるように指示をだす。
 いよいよ本格的に、ダイを抹殺するために動き出したのだ。

 所変わって、北方に存在するオーザム王国。
 炎の腕が一人の人間を掴んで燃やし、氷の腕が一人の人間を凍りつかせる。それを行っているのは、氷と炎が半々で融合した異形の魔族……魔王軍六団長の一人、氷炎将軍フレイザードだった。

 人を倒すことが面白くてたまらないとでも言わんばかりに高笑い、暴れまくるフレイザードに部下達が六団長集結の命令を伝える。
 それを聞いてすぐに何かを察し、鬼岩城に戻ったフレイザードに声をかけたのはザボエラだった。

 ザボエラから情報を聞き、蘇生液につかって治療を受けているクロコダインの姿を見て、ダイの実力を冷静に分析するフレイザード。
 炎のような粗暴さと、氷のような沈着さを併せ持っているのだ。
 
 そこにやってきたのは、超竜軍団長の竜騎士バラン。
 たった一週間で城塞王国リンガイアを潰してきたという鬼神ののような強さに、ザボエラやフレイザードすら畏怖を感じずにいられない。

 ますます威風を増したハドラーを交えて、七人が座れる円卓の椅子が4つまで埋まった。まだ来ないヒュンケルやミストバーンを非難するフレイザードだが、音もなくその場に出現したのはミストバーンだった。幽霊のようにいつの間にか出現する不気味さだった。

 負傷したクロコダインを除けば、後、ここにいないのはヒュンケルのみ。
 だが、それに関してハドラーからの謝罪があった。ハドラーは全軍でダイ討伐に乗り出すつもりだったが、大魔王バーンがヒュンケルにダイ抹殺の与えてしまったのだ。

 パプニカ港についた船長は、すっかり様変わりした荒れ地に驚きを隠せない。危険と判断したダイは、自分達を下ろしたら船長にすぐに離れるようにと頼む。
 ポップは帰る手段を失ったことを気にしているが、レオナを心配するダイはそれどころではない。

 荒れ果てた町並みに、愕然とするダイ。
 そんな中、瓦礫の中から骸骨兵士達が出現する。戦おうとするダイ達だったが、一振りされた剣が怪物どもをなぎ払った。
 その太刀筋は、紛れもなくアバン流刀殺法大地斬。

 それを放った長身の男……彼もアバンの弟子だと判断するダイとマァム。が、ポップはまだ不信感を持っている様子だ。
 ダイは進んで男に話しかけ、事情を聞く。

 彼の名は、ヒュンケル。アバンの一番弟子だと名乗る彼を、ダイとマァムは無条件で信じるが、ポップは彼を疑い、証明としてアバンのしるしを見せるように要求する。

 引っ張り出されたアバンのしるしは、間違いなく本物……だが、自分を素直に仲間だと認めるダイ達に対して、ヒュンケルは高笑いする。
 アバンの使徒でも、正義を見限る者はいる、と――彼は魔王軍不死騎団長、ヒュンケル。

 自ら悪に身を売ったと宣言するヒュンケルの合図で、さっき崩れたはずの骸骨兵士達が復活する。
 アバンを蔑み、罵倒するヒュンケルに怒りを燃やすダイは、ヒュンケルとの戦いを始める。

 しかし、速度でも力でもダイよりもヒュンケルの方が上だ。海波斬でも通用しないことに業を煮やしたダイは、決め技であるアバンストラッシュの構えを取る。
 だが、必殺のその一撃をヒュンケルは余裕の笑みで受けきっていた――。


《感想》

『Yhoooooo! 六団長(4/6)集結っ、カッコイイーーッ!』
 と、叫びまくりたい回でした! 魔王軍ッ、集まるとこんなに格好良いとは……っ、クロコダインとヒュンケルの不在が惜しくてなりませんでしたよ! あの場に6人全員がそろって会議をするのは、さぞ壮観でしょうね。
 揉めまくりそうですが、そこがいい!

 とにかくリメイク版では、魔王軍のキャラ描写とバトルシーンがすごいですね!

 フレイザード登場シーンがまた、いいですっ。
 氷と炎身体を半身ずつ見せ、最終的にそれを一つに合体させることっていう演出はいいですね〜。

 昔、○ジンガーZで男女の身体が合わさって出来た阿修羅男爵という敵キャラがいて、異形さを演出するのを見るのが楽しかったんですが、それを思い出しました。

 欲を言えば炎が揺らめく演出が、もう少し派手な形だともっと嬉しかったんですけど。単に炎が揺れるエフェクトで表現するのではなく、実際に輪郭線にも揺らめきが欲しかったかなー。まあ、この先の彼の出番の多さやバトルシーンを考えると主線に演出を入れたら大変なことになるので、妥当な線だとは思うのですが。

 声が思っていたよりも無骨な印象で、乱暴者なイメージ補正がいい感じ。ザボエラが知的キャラっぽいので、彼とのセリフの対比が実に良かったです♪

 そして、バランの声がすごい!
 元々好きな声優さんですが、覇気に満ちた大物っぽさがたまりません♪ うっわー、青さを感じさせるハドラーよりも下手すると大物感がありますね、そこが実にいいっ。

 ミストバーン、声が若っ。っていうか、合成音声みたいにエコーをかけたような声を想像していたのですが、そのまんまなんですねー。……バーン様がミストに喋るなと命じたわけですな(笑)

 ただ、ミストバーンが登場する時の演出が短かったのがちょっと残念。もっとホラーっぽく、不気味さを感じさせるようなゆっくりめの演出で空間からにじみ出て欲しかったですねー。

 戦いの場なら瞬間移動でパッパッと現れた方がいいですが、今回は魔王軍メンバーのお披露目なだけに、彼らの怖さの演出は欲しかった。

 と、思いっきり感想が魔王軍に偏りましたが、主人公のダイ達だって見逃してないですよ! え、ええっ、ホントですっ。

 ポップの表情にもっと凝って欲しかった!
 ダイが勇者だと言われて否定し、ポップやみんなも勇者だと言うシーンで、ダイの台詞より前からポップが穏やかな顔でダイを見ている風になっていたけど、あれはちょっと違う気が〜っ。

 原作だとポップは、せっかく勇者になれるのに否定したダイに対して怒って、ダイの意見を聞いて少し驚き、納得してしゅんとした表情を見せる、と短い間にコロコロ表情を変えていたのにーっ。
 でも、ダイが照れるシーンはめっちゃ可愛かったのでそこは大感激!

 しかし、デルムリン島の護衛兵士達の出番がまるっとカットされとるーーっ。ブラスじいちゃんと別れがないまま旅だったシーンも、挿入されなかったのは残念。原作にも無かったから、仕方が無いと言えば仕方が無いのですが。

 船の船長さん、役職と名前ぐらい表示しても良かった気がするのですが、名無しみたいですね。でも、名前も出なかったのにずいぶんと熱いキャラよのう。もっと落ち着いた感じのおじさまかと思っていたのですが。

 でも、ダイ達の乗っていた船が原作通りの女神が聖水を流す船だったのが嬉しい点。シーンが短すぎてはっきりとみえなかったけど、女神像だけ白いとは思いませんでしたよー。
 髪の毛と船が一体化しているデザインが気に入っていただけに、もっと自然に溶け込む色合いを想像していました。

 ポップがマーマンにビビったのはいいとして、マァムに隠れるシーンが無かったのが残念! どうも今回は動きが硬いというか、ただ立っているだけな演出が多めなのが悲しい〜。表情も動きも、もっと増やして欲しいです。

 ヒュンケルとの出会いで、ポップとマァムのやりとりが削られていたのも残念で残念で! ポップの「まあ、実際、ダイは子供だけどよ」の台詞も削られていたし、本当に合間合間のちょっとした息抜きシーンが潰されまくっていますね。

 でもまあ、旧アニメでヒュンケルの美形に舞い上がったマァムが、やけにかわい子ぶって自己紹介する演出がなかったのにはホッとしましたけど。
 妙にキャピキャピしたマァムは、旧アニメで未だに残っている不満の一つだったんですよー。

 などと色々文句を言いまくりましたが、バトルシーンは良かったです〜っ。
 ダイの盾を使うシーンや、剣と一体化したような盾のデザインに感動しました! あの青いカタツムリみたいな盾、好きだったのにすぐ壊れてしまうので、動いているところを見られて嬉しい限りです♪

 しかし、次回予告……っ、なぜ、完全鎧化した武装ヒュンケルの姿をすでに見せちゃうかな〜っ!? ここは、変身寸前の姿を見せて気を引き、引っ張るシーンじゃ内ですかねえ!?

 うう、来週の鎧化シーンが楽しみなような、怖いような……っ。
 旧アニメでは、どこのシルバー聖闘○かと言いたくなるような派手目の変身シーンでしたが、原作の重厚さの重視した変身を期待したいです。

 後、どうでも良いことに気がついたんですが、ヒュンケルのアバンのしるしも金鎖でマァムと同じタイプですよね。でも、ダイとポップは紐っぽいのを見ると……予算削減?(笑)

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