『決着の瞬間(とき)』(2020.12.26) |
《粗筋》
もう一度、ライディンを撃つようにと指示を飛ばすポップだが、それは一歩遅かった。再び闘魔傀儡掌でダイの動きを封じたヒュンケルは、必殺技ブラッディースクライドで止めを刺す。 ヒュンケルの攻撃を受ける刹那、ダイは圧倒的な敗北感を味わう。
ダイが倒され、ポップが殺されそうになっている光景を見て、マァムは必死になってヒュンケルに訴えかける。 ヒュンケルとマァムの会話に見向きもせず、ポップは倒れたダイを心配し、放心状態に誓った。だが、ダイが生きていることに気づき、途端に元気を取り戻す。 しかし、強い衝撃で意識を失ったダイは悪夢の中にいた。
15年前、地底魔城に攻めてきたアバンと戦い、敗北したバルトスは死を覚悟した。だが、アバンはバルトスが首から提げていた星の飾り物を見て、彼に子供がいることを推察。 そんなアバンに感服し、バルトスはヒュンケルのことを打ち明け、育ててくれるようにと懇願する。魔王ハドラーが死ねば、バルトスも死ぬと分かっていたからこその頼みだった。 アバンに敗れたハドラーは、大魔王バーンに救われたと言う。身体を癒やすためこれから13年間の眠りに就くというハドラーは、その前にバルトスを処分しにきた。 勇者に見逃された地獄の門番バルトスは、皮肉にも守るべき魔王ハドラーにより致命傷を負った。 真相を知ったヒュンケルは、激しい衝撃を受ける。すぐには受け入れきれず、嘘だと魂の貝殻を投げ捨てるヒュンケル。 雷と同時に、ダイがふらりと立ち上がる。 ポップの言葉も聞こえていない様子のダイは、意識がない様子だ。武闘家などが戦いの中で意識喪失しても無意識で戦い続ける時があるが、今のダイもそんな状態らしい。 そして、戦いに応じようとするヒュンケルをマァムは必至に止めようとするが、その言葉も彼の心に届かない。真実を受け入れきれず、マァムを突き飛ばすヒュンケル。 魔王軍として戦うと言い張るヒュンケルと、闘争本能のみのダイの戦いが始まる。だが、ダイの動きにいつものスピードはない。 魔法を弾く鎧すら切り裂く魔法剣に驚くヒュンケル。剣と魔法を同時に使える存在など、人間以上の存在としか思えない。 ついにヒュンケルの剣を跳ね飛ばし、止めを刺そうとするダイ。が、ヒュンケルの闘魔傀儡掌のせいで、またもダイは空中で動きを止められてしまう。 繰り返した特訓のせいか、ダイは無意識のままで稲妻を呼ぼうとする。そんなダイに、ヒュンケルは剣を持ち直し、必殺技を放った。 今度は雷の魔法をまとった剣が、ライディンストラッシュとしてヒュンケルを襲う。 それを止めたのは、マァムだった。 倒れているヒュンケルを膝枕するマァム。その姿を見て、ダイは正気に戻る。 マァムの聖母のような優しさに、心を動かされるヒュンケル。 残されたダイ達はマグマから逃げようとするが、もう周囲を囲まれている。闘技場の上の方まで逃げる体力も残っていない。 自分の足を焼かれながらヒュンケルが思うのは、クロコダインのこと。かつての盟友の想いを今こそ痛感し、彼の強力を借りたいと願うヒュンケル。 マグマに飲まれそうなヒュンケルを見て、悲痛に叫ぶマァム。 そんな彼らに、片手をあげて別れを告げ、マグマに沈むヒュンケル。
が、フレイザードは白々しく不運な話だと言ってのけ、勇者を道連れにして死亡したヒュンケルに対して、形ばかりの賞賛を口にする。 ヒュンケル亡き後のホルキア大陸討伐に、フレイザードが名乗りを上げる。すでに勇者亡き後、パプニカの王女レオナを殺すだけ……歯ごたえのない仕事だとフレイザードは高笑うのだった――。 《感想》 今回の冒頭を見て真っ先に思ったこと…… 『寸暇を惜しんであちこち削りまくっているくせに、なぜに冒頭に使い回しシーンを入れるっ!?』 ヒュンケルが殴る前、ダイがそれに気づいてポップと忠告するシーンも削り、原作ではひっくり返っていたポップのダメージシーンおよび、ダイがポップを抱き起こすシーンをも削っておきながらっ。 って言うか、ダイ、敵を警戒するのもいいけど、も少しポップのことも心配してあげてよ〜。 あ、でも、ダイが敗北感に打ちのめされるモノクロ的画面演出はいいですね、すっごく気に入りました♪ そう言えば、ほぼカットだけだったので良く分からなかったのですが、マァム、右手で荷物を胸に抱え込んだままで四つん這い進みをしていましたが、あの姿勢だと、相当無理があるのでは……。 けど、ポップがおれのせいだと嘆くシーンが追加されてるーっ♪ う〜む、これまでは自分で解釈していた部分が、アニメのおかげで思ってもみなかった新解釈が加えられるのって、超新鮮ですね♪ でも、ゴメちゃんのシーンはカットされがちなのか、ゴメちゃんがダイの元に飛ぶシーンも省略されてる〜。ポップがジリジリと匍匐前進でダイに近づくシーンもないし〜。ポップがダイをひっくり返して傷を確かめるシーンも、省略済み。 ダイの悪夢がシリアス化したのは、嬉しい変化。ヒュンケルが巨人化した表現や、ダイの迷いを表すように画像を揺らがせる表現、いいですね♪ 魂の貝殻、なんか乙女チックなパステル色に……ッ(笑) 小さいヒュンケルが、実に可愛いのなんの♪ ちびヒュンケルがこんなにも可愛いとは……何かに目覚めてしまいそうです♪ 特に、バルトスに上げるための星の首飾りを得意そうに上に掲げているヒュンケルの笑顔がダイっぽくて、無邪気な感じ。 これは、バルトスさんが土下座してまで頼み込むわけです。って言うか、原作では土下座シーンなかったのですが……アニメ版バルトスさん、めっちゃ必至ですね。 アバンがハドラーのところに向かうのを見て、バルトスさんがため息をついたシーンも追加シーンですね、ここも、よかった! バルトスにしてみれば、ヒュンケルのことを可愛がりつつも、いつか人間の元へ返してやらなければという想いがあったでしょうから、信頼できる人間に託せると分かってホッとした気持ちと、寂しい気持ちがあったでしょう。 ……戦いには不満が残りますが。バルトスさん、せっかく剣を持った手が6本あるのに右上腕一本しか使わないってどういうこと!? アバン先生が剣をはね除けるのも、2本しか払っていないのに全部落とされているしっ。 腕が複数あるのなら、複数あるなりの戦い方ってのがあるんじゃないでしょうかね!? 打ちかかって相手の剣の動きを止めつつ、他の剣で止めを刺すとか! っていうか、原作がそうだったとは言え、せっかく6本剣を持つんなら剣の種類とまで言わなくても長さや細さは変えたらいいのにと思っちゃいましたよ! 下の方の手には細身の剣を持たせてスピードアップを狙い、大振りをしやすい上の剣は重厚さを強める、とか。 ハドラーが地下に現れるシーン、血まみれじゃなくなっている〜っ。でも、服の破れ方は原作よりひどくなっていますね、ヘソチラしとりますよ、魔王様(笑) え、これ、サービスシーン? それとも、血まみれイクないの年齢制限? なんか、出血具合が回によって大幅に違うのはなぜ? ハドラーが歩くシーンはダメージがある感じになっているのに、見た目は外傷なしで服が破けているだけだし……はっ、こーゆー感じのダメージ描写ってR18なRPG同人ゲームでよく見るパターンだっ(笑) と、余計な方向に思考がズレましたが、怒りに燃えるハドラーもよかったです♪ バルトスの最後の言葉を聞くヒュンケルから、ダイが起き上がるシーンへの流れや描写も良かったですし。 原作ではダイとポップ、ヒュンケルとマァムの動きを交互に挟みつつ話を続けていましたが、アニメではヒュンケルの過去をまとめている感じで見やすいし、目覚めた後のダイの動きも自然になりましたしね。 でも、ポップがダイの足にしがみつくものの、振り切られるシーンがあっさりしすぎていてるのが残念。原作ではポップがズルズルと引きずられている感があったのに。 ヒュンケルがマァムを突き飛ばすシーン、ソフトになってるー。女の子には優しいフェミスト設定が強化されてる? そして、原作ではマァムは壁に思いっきりぶつけられていたのに、アニメではよろけて女の子座りするだけのダメージのなさ。っていうか、アニメのマァムって女子力が急上昇していない!? 意識喪失中のダイの動きが、少し残念。 魔法剣の派手さには、満足しましたが♪ 原作では炎の範囲がもっと広い感じでしたが、実際に使うことを考えればアニメ版の方がいい感じですね。 遠間から一気に踏み込み、一撃離脱を繰り返すヒットアンドアウェイ攻撃、そうそう、こういうのを見たかった〜っ♪♪♪ ライディンストラッシュ後、ダイが剣を振って雷の余波を振り捨てる演出、カッコイイ! 原作では怒りを感じさせる表情を残していたけれど、アニメ版の無表情の方がより殺意に満ちた感じがしていいですね♪ でも、ダイを止めようとマァムが駆け寄ってくるシーン……ここは必要だったのか疑問。今回のアニメ、全体の位置関係を見せるかのように俯瞰図からキャラを移動させるシーンがちょくちょく入るけど、ここは原作通り、いつの間にかマァムが二人の間に割り込んで欲しかった〜っ。 全景にされちゃうと、ダメージで動けないポップはともかく、やんわり突き飛ばされただけのマァムが、なぜ戦いが終わるまで離れたところで見ていただけだったの、って突っ込みたくなるし。 そこに不満はあれど、雲が晴れるシーンの演出は実に良かったです! 原作ではもっと後に青空から光が差しているのが分かりますが、天使の梯子が出現するならこのタイミングしかない、とばかりの感じに空が晴れゆく動きに感動しました! マァムの聖母シーン、原作の表情や構図をちゃんと踏襲しているのは嬉しいっ。だけど……もうちょっとこう、バースというか下から見上げている感が欲しかったぁ〜。 いや、旧アニメに比べると神シーンと言いたくなるような聖母シーンになっているんですけどね。でも、欲を言わせてもらえばもう少し、見下ろし感が欲しかった〜。 そう言えば、戦い後、ダイの所にポップが駆け寄ってきましたが、原作ではヨレヨレだったのにそれが表現されていないのが、ちょっと残念。……あれ、そう言えば、ポップって大抵の戦いでヨロヨロになっているか、立つ力も無く這いずっているイメージが(笑) マァムのべホイミシーンに、ポップが自分が先だろとぼやくシーンがいいなぁ。 『女の膝枕』がただの『膝枕』に変化しているなど微妙な差はあれど、フレイザード、基本的に台詞増やされてるー。 っていうか、フレイザードのリアクションが全般的に増やされているのがいい感じ。炎を生み出すシーンでは、ちゃんと炎側の身体が燃える演出になっているし、去る時もちゃんとキメラの翼を使って去る演出が加えられているし。 ん? ……ってことは、フレイザードってルーラが使えない人だったの!? うわーっ、30年経って初めて知りましたよっ(笑) ヒュンケルがクロコダインを回想するシーンが、超絶格好いい! マントをなびかせたクロコダインの後ろ姿、絵になりますな〜。 でも、アニメで見てもやっぱり、突然ダイ達を岩の上に載せて投げるシーンは、不自然というか無理がある気が……。 マグマの噴出も派手になったのは、やっぱりガルーダがこっそりヒュンケルを助けた伏線のためですかね? モルグさんの死亡シーン、きっちりと出てきたのは嬉しいけど悲しい〜。 魔王軍勢揃いシーン、フレイザードの目立ちっぷりが楽しかったです♪ フレイザード、いい味出してますねえ。 予告では、なんと言っても三賢者に興味津々! そう言えばコマーシャルで、クロスブレイドやダイコロが第二段発売されたとかでていましたね♪ |