『氷炎将軍フレイザード』(2021.1.9) |
《粗筋》 勇者……それは、魔王を倒す使命を持つ者。 壊れてしまった鎧をトンカチで叩いて直しているのは、バダック。 ヒュンケルがいたはずの地底魔城跡は、まだ煙を上げているのが見える。 ヒュンケルのことが好きだったのかと聞くポップに対し、マァムはまだ自分の感情が分からない様子だ。それでもヒュンケルに心を寄せ、悲しんでいるマァムに対して、わざと明るく振る舞って彼女を励ますポップ。 そんな思春期な二人と違い、純朴なダイはバダックに直してもらった鎧が新品みたいだと大喜び。 とりあえずこれで装備が整い、レオナを助ける準備は出来た。 が、バダックは突如、神殿に行こうと大声を上げる。 『我、勝てり』の意味を持つ赤い信号弾上げれば、レオナ達も安心して姿を見せるだろうとバダックは言う。 しかし、ダイは意気揚々として、自分に任せろという。 が、見事に瓦礫を吹き飛ばしたまではよかったものの、炎が地下倉庫内に入り込んでしまい、煙が上がり始めた。慌てて避難するダイ達だが、倉庫からは派手な信号弾が複数上がる。 地下倉庫を確かめたバダックが全ての信号弾が吹っ飛んだことを確認し、さすがに責任を感じてしょげかえるダイを、ポップは軽く蹴飛ばしつつ文句を言う。 そんな折、空に不思議な飛行体が出現した。 同時に、気球に乗っていた若い娘も地上にいるバダックに気がつき、気球船を下に下ろすように指示をだす。 が、バダックは恐れ多いことを言うなとポップを一喝。 エイミがレオナの知り合いと知り、レオナの居場所を尋ねるダイ。 「みんなー、安心していいぜ」 が、エイミはダイのみに注目し、彼に『本物の勇者ダイ』なのかと問う。 空に浮かぶ気球船に乗り込むダイ達。 ダイはダイで、お姫様に憧れるポップにド直球に真実をばらす。レオナは可愛いけどズバズバ言うタイプで、マァムよりも性格はキツい、と。 ポップ「マァムよりキツいだなんて、大丈夫か、その姫様!」 そのやり取りをきっかけに、マァムとポップのケンカ(ただし、一方的)が勃発する。
その頃、バルジ塔では兵士達が食料を争ってケンカ騒ぎを起こしていた。 レオナ「離しなさい」 レオナの声に、その場にいた全員が動きを止める。つかつかと兵士達に近寄ったレオナは食料の入った袋を掴み、手を伸ばして塔の外へとつきだした。何をするのかといぶかしがる兵士達に、レオナはきっぱりと言い放つ。 レオナ「捨てます」 残り少ない貴重な食料が今にも捨てられそうになっているのを見て、慌てる兵士達。 我欲で争うならば魔物も同然だというレオナは、自分達の行動に誇りを持てと諭す。 レオナ「魔物と同じ道を歩むぐらいなら、人間として飢えて死にましょう」 レオナのその言葉に深い感銘を受けた一同は、反省し、謝罪する。 レオナの元気の源は、勇者ダイ。 明るい雰囲気に包まれたその場に、不意に現れたのは炎と氷の身体を持つ化け物――氷炎将軍フレイザードだ。 レオナを守ろうと飛びかかった兵士は、一瞬でやられてしまった。 それでも果敢にフレイザードと戦おうとする兵士達だが、彼は口から炎や氷を噴き出し、その上で攻撃を仕掛けてくる。 マリンと連携し、相手の炎の半身には氷系呪文で、氷の半身には炎系呪文で攻撃するアポロ。 弱るどころか、歓迎されていると高笑うフレイザード。 しかし、フレイザードは全く慌てた様子も見せない。
が、フレイザードはそんなアポロを一蹴する。 それに対し、倒れたまま動けないレオナ。
レオナに止めを刺そうとするフレイザード。 レオナの気丈さに、フレイザードもさすがに驚いた様子。が、だからといって攻撃の手を止める男ではない。 だが、一本のナイフがフレイザードの肩に刺さる。 《感想》 『ポップのアニメオリジナル台詞が増えている〜〜っ』 あと、opの前にこれまでの粗筋がついたーっ。でも、勇者の伝説がデロリン風でラスボスがバラモス(仮)なのに笑っちゃいました。 今時アニメっぽく、1クール事にオープニングやエンディング差し替えを期待していたのに〜。少なくとも、冒険王ビィ○はちゃんと変わっていたのにー。 と、愚痴はさておき、ポップがマァムを励ますシーン、すごくよかったです! マァムを気にせずにはいられないポップの雰囲気そのままって感じが、すっごくでていました。 で、逆に残念なのが、レオナの居場所が分からないとバダックが暴露して、ダイがこけるギャグシーンがなくなったところ。神殿に行くのじゃと叫ぶシーンは辛うじてありましたが、神殿を吹っ飛ばして閉まった後、実際にめちゃくちゃ小さく縮んでしまうギャグシーンもなくなっちゃいましたね。 で、ダイの活躍シーンは原作の構図を尊重しつつ、勇ましさや格好良さがアップしています! バトルシーンの力の入れっぷりは、相変わらずすごいですね〜。 でも、原作でポップがダイに文句を言う時、ダイの首を絞めつつわめき立てていたのが、普通に文句を言うだけに収められていました。ギャグっぽさを感じさせるシーンは、とことん削られる方針なんでしょうか。 ポップがダイを軽く蹴飛ばすシーン、お間抜けでちっとも力がはいっていない音に笑いました。しつこく何度も蹴るポップが、妙にかわいい〜。 代わりのように、ポップがダイに『おまえな。ヒャドで氷結大地斬とか、そういう頭はないのかよ』と文句を言うシーンが増えていたのが嬉しいですが♪ まあ、ヒャドで凍らせちゃったら火薬は爆発はしなかったかもしれませんが、より強固に瓦礫が固まっちゃいそうな気がするんですけど(笑) 昔も思いましたが、ゴメちゃんに隙間から中に入ってもらって、火薬を頑張って運び出してもらうんじゃダメだったんですかね? パプニカの気球船を見て、ポップが「鳥……じゃあねえな」という台詞を言っていますが、これも原作にない新台詞ですね! なんかスーパーマンのお決まり台詞っぽいですが(笑) エイミを見た時のダイとポップの表情も、ポップが美人に見とれる反応を強めて、ダイの表情を普通っぽく変えている感じ。基本的にダイは崩れた顔をしない方向性にしているっぽいですね。 エイミさんらに、ポップがやたらと出しゃばって自分を売り込んでいるお調子者っぷりを発揮しているのが、見ていて実に楽しいのなんの♪ 気球船に乗り遅れそうになったゴメちゃんが飛んで追いつくシーンとか、原作にはないちょっとした動きの見せ方もいいですねえ〜。 ポップの台詞改変も、確かめて楽しい部分です。 ポップ「……それ……本当に女なのか?」 と言っていましたが、女性差別に繋がりそうな台詞はオールカットしていく方針みたいですね。 そしてそして、ついにレオナの再登場っ。 捨てる振りをしているだけのが見え見えな感じで、後で兵士達に分け与えるのも、そうするとわかりきっていた感がありすぎですね。まあ、食べ物を無駄にせず後でスタッフがみんな美味しく食べました、というのは時代なのかもしれないですが。 台詞や表情はすごく好きなだけに、なにやら引っかかりを感じてなりません。 レオナの「背が低いのが難点だけど」の台詞が、「背が低いのがアレだけど〜(略)家庭教師も送り込んだし」と改変されているのは、気に入りました♪ アポロが、レオナが信じているからダイが来るのを信じる、というシーンは、レオナに対して真正面からそう語っているのは、解釈差にビックリしました! で、フレイザードは相変わらず改変台詞が多いっ。 兵士が倒されて、それぞれ氷づけにされたり、炎で焼かれたりしているのは原作通りですが、それをアポロが解説するシーンはアニメ独特でした! なんか、切れ者っぽくてかっこいい! フレイザードの動きや、口調は大好きなんですが、二種類の魔法を腕を交差させて受け止めるシーンだけは、ちょびっと残念。 あ、フィンガー・フレア・ボムズは気に入りましたともっ! マントが大きくまくれ上がって、マリンさんの太股からお尻のラインが丸見えなんですがっ。なんか、この倒れているマリンさんって、なかなかに肉枠的でなまめかしいのですがっ。しかも、傷だらけってところがなんともかんとも。 前にパーフェクトブックでマリンさんのお尻の魅力を力説したファンレターが掲載されとりましたが、こうしてどーんと見てしまうと、確かに納得してしまう魅惑のお尻……っ。 女性蔑視発言とエロシーンは控える方針、どこにいった(笑) 原作では、股間を読者に向けてドデーンと大の字に倒れてアポロが一番目立つ位置にいたし、隅で倒れていたマリンさんの身体はしっかりとマントで覆われていたのに……ここぞという時だけ、なぜにお色気追加? いいぞっ、もっとやれ(笑) マリンさんの思わぬサービスシーンのせいか、アポロやフレイザードの台詞改変はあまり気になりませんでしたよ〜。 原作 アニメ ……おや? アポロさんが女性に対してフェミニストなのではなく、マリンさんに個人的な感情を持っているように聞こえてしまうのはなぜ?(笑) フレイザードも「男も女も関係ねえ」が「誰であっても関係ねえ」になっていますしね。まあ、フレイザードの場合は男女平等な気がするんですけど、それでもダメなんでしょうかね? それと、レオナがフレイザードに反撃するためにヒャドの魔法を使うシーン! あれもアニメの改変ですね。 諦めずに最後まで足掻くレオナの精神力と、それをさらに絶望に追い落とすフレイザードの性格が、くっきりと浮き彫りにされた感じでした。 そして、予告は相変わらず次回のネタバレをしていくスタイル。 《おまけ・新装版コミックス》 9巻、やったぁーっ、武闘家マァム登場! 腰を少しひねって蹴りを食らわせているので、胸の盛り上がりがこれまでかと言わんばかりに強調され、迫力のある太股どころかお尻が半分丸見えで、青パンツがばっちりと拝めるんですが――いいんでしょうか、これ。 ……うん、アニメでこのポーズをすることはないなと確信できる露出度と、妙に思い切りのいい感じが実にいいっ。漢らしさすら感じる躍動感溢れたポーズが眼福でした♪ 個人的に、お色気と女の子っぽさ(もしくはロリ)を前面出しまくりの昨今の萌えキャラとは一線を引いた、強さを追求するあまり思い切った行動を取り、その結果溢れてしまう女性らしさがすきなもので。 背景の建物はロモスの武闘大会の舞台っぽいですね。そして、お楽しみの敵キャラはやっぱり超魔ザムザ! 色合いが文庫版で書き換えられた赤茶色バージョンじゃなく、緑色の毛皮に赤い角、青い皮膚という派手で合成生物っぽいチグハグな色彩バージョンのザムザですね。連載時の色彩です。 ……よりも、画面の端に左端に映り込んでいるダイの左手のインパクトが大きいのですが(笑) そう言えば8巻時にはみ出ていた赤い部分、マァムのブーツだったとは。てっきりザムザの一部かと勘違いしていましたよっ。 そして、10巻ではダイの剣を構えたダイとミストバーンが登場! イラストギャラリーつきで、ジャンプのおまけイラストや漫画の書き方4コマなども再現されているのも嬉しい点ですが、当時のジャンプの切り抜きを持っている身からすると、ありがたいのかどうかよく分からなかったりしますけどね(笑) |