『恐怖の結界呪法』(2021.1.16)
《粗筋》 

 フレイザードに殺されそうになったレオナを、間一髪で助けたダイ――その時、他のメンバーはまだ塔の頂上についてさえいなかった。
 一人で飛び出していったダイを心配してぼやくポップや、意気盛んなバダック。

 だが、エイミはバダックに見張りに残るように頼む。
 気球船をいつでも出せるようにしておいてと命じるエイミに、部下達は真剣な顔をして頷いた。





 一方、フレイザードは突然、乱入してきたダイに苛立ちを隠せない。
 肩に刺さったパプニカのナイフを引き抜き、乱暴に床に投げ捨て、ダイに殴りかかる。
 それを躱し、大きくジャンプしてフレイザードに斬りかかるダイ。

 その攻撃をまともに食らうも、フレイザードは口から吹雪を吐き出して半減する。が、ダイは素早く身を反転させ、彼から距離を取った。
 これらの攻防は、パプニカのナイフが床に落ち、一回弾んだ間の出来事だった。

 ほんの一瞬、瞬きをしていれば見逃しそうなごく短い間の攻防――ダイの速さに、驚きを感じるフレイザード。
 ダイの方は、ヒュンケルの仇も討つと気合いを入れている。
 そんなダイに、フレイザードはマヒャドを放った。相手を凍らせてから炎でダメージを与える、彼お得意の戦法だ。

 が、ダイは凍り付きながらも剣から炎を生み出し、魔法剣で逆に攻撃を仕掛ける。ダイの一撃は、フレイザードの氷の腕を見事に切り落とした。
 切り落とされてもなお、炎に包まれて燃える腕を見て、フレイザードは自分自身で氷の腕を切り落とし、ダメージを最小限に抑える。

 腕のなくなった肩を押さえつつ、フレイザードはダイの実力を再確認する。クロコダインやヒュンケルとの激戦を勝ち抜いたことで、ダイが成長していることを悟ったフレイザードは、その対策として「アレの出番かもな……」と、考えていた。

 そして、その場にいたレオナもまた、ダイの成長を見て取っていた。
 苦手だった魔法も使えるようになり、見違えるほど強くなったダイを見て、涙ぐむレオナ……。

 その時、ポップとマァムが縄ばしごで降りてきた。続いて降りてくるエイミを見て、ダイはみんなを頼む。
 倒れている兵士を見て辛そうな顔をしつつ、手当てしようとするマァム。
 エイミはアポロを手当てしようとするが、アポロが自分よりもマリンの手当てを優先するように頼む。

 ダイの隣に並んだポップは、ちょっと優勢な感じじゃないかと軽口を叩くが、ダイは微塵も油断がない。
 その時、フレイザードが突然、笑い出した。
 王女であるレオナより、ダイの方が大きな獲物だと見切ったフレイザードは、気合いと共に氷の腕を再生させる。

 驚くポップだが、フレイザードの注意は完全にダイに絞られていた。
 腕を握りしめ、気を高め出すフレイザード。攻撃の気配を感じたダイは、みんなに伏せるように指示を出す。
 が、それは一手遅かった。

 全身を白く光らせたフレイザードは、全身から氷と炎の岩を撒き散らす氷炎爆花散という技を繰り出す。
 その場に居た全員がダメージを受け、吹き飛ばされる。
 その攻撃は、塔の下にいたフレイムやブリザード達からも見ることが出来た。

 この攻撃は、一同に深刻なダメージを与えた。
 倒れたレオナを見て、彼女の名前を呼ぶダイ。
 痛みのあまりポップは転げ回って喚き散らすが、マァムは痛いのはあんた一人じゃないんだからみんなを助けるようにと叱責する。

 負けるもんかと起き上がるダイだが、フレイザードは指を軽く振り、おまえはもう負けたと宣言する。
 今の攻撃は、フレイザードへの部下達への合図でもあった。

 気球船に残っていたバダックはダイ達に助太刀はいらないかと声をかけるが、その直後、地震のような揺れが塔を襲う。
 そして、島の端で火山が爆発したかのような揺れと共に、炎の塔が突然出現し、そびえ立つ。

 さらに、反対側の端からは氷の塔が出現した。
 炎の塔の周りではフレイム達が炎魔塔の完成に狂喜し、氷の塔の周りではブリザード達が氷魔塔の完成に踊り狂う。
 バルジの島を挟んで二つの塔が完成した瞬間、それぞれの塔の天辺に生み出された固まりからエネルギー場が伸び、中央部分でぶつかって光り輝いた。
 
 それと同時に揺れがようやく止んだが、ただならぬことが起こったことに違いは無い。
 それは、氷炎結界呪法――フレイザードが自信満々に掲げる常勝不敗の戦法。

 あまりにも不敵に言い放つフレイザードに、ポップが反発を感じ、魔法を放とうとする。
 が、フレイザードは避けるどころか、全くの無防備でそれを見ているだけだ。

 ギラを撃とうとするポップだが、全くの無反応。もう一度ギラを唱えても、呪文は出ない。
 ダイもメラを放とうとするが、失敗に終わる。
 マァムは呪文が封じられたのかと考えるが、フレイザードはそれを「ルールがまだわかっていねえみたいだな」と嘲笑する。

 魔法が利かないなら剣とばかりに、ダイは剣でフレイザードに斬りかかる。だが、彼の氷半身に斬りかかったダイは、驚愕に目を見張る。
 力が全く入らないのだ。
 そんなダイを、ニヤつきながら見ているフレイザード。

 お返しとばかりに、ダイを掴んで床に放り投げるフレイザード。すぐさまの攻撃をなんとか避けたダイだが、続く追撃につかまってしまう。腹を殴られ、投げ飛ばされるダイ。

 急に強くなったフレイザードに疑問を感じるポップだが、事実はその逆だった。
 ダイ達の方が弱体化しているのだ。
 炎魔塔と氷魔塔により生み出された結界呪法により、フレイザード以外の者の呪文や力を封じている。今のダイは、普通の人間以下の力しか出せない。

 そのやり方が汚いと怒り、正々堂々と戦えないのかと訴えるダイ。
 が、フレイザードはそんなダイの言葉を一蹴する。

「オレは戦うのが好きなんじゃねえんだ……勝つのが好きなんだよぉおおっ」
 
 ダイを蹴飛ばし、皆殺しだとダイ達三人に襲いかかってくるフレイザード。その猛攻を、今のダイ達は躱すだけで精一杯だ。
 攻撃を躱しながらマァムは魔弾銃を撃とうとする。

 見知らぬ武器に一瞬緊張を見せるフレイザードだが、カチカチと空しい音を立てるだけ。作動しないことに気づき、笑いを浮かべる――。


 調子に乗りまくったフレイザードは、ダイとポップに攻撃を集中させていた。
 マァムはエイミにマリン達の安否を問う。

 まだ生きてはいるがホイミも使えず、このままではみんな死んでしまうと訴えるエイミ。
 それを聞いて、マァムは悩みながらも決断する。

 その間も、ダイは果敢に戦っていた。
 だが、弱体化は激しく、フレイザードに簡単に跳ね飛ばされてしまう。剣を取り落とし、転がるダイをマァムは助け起こし、撤退を提案する。

 生き残った人でなんとか気球船で逃げようと提案するマァムに対し、ダイはあんな卑怯な奴に負けたくないと拒絶する。

 その時、フレイザードはポップを捕まえていた。
 首を掴んでポップを高く持ち上げたフレイザードは、面白半分のようにポップを脅し、弄んでいた。

「選ばせてやるぜぇ? このまま凍りつくかぁ? それとも……燃えさかりたいかぁ?」

 だが、そんな風に余裕を見せていたフレイザードも、マァムとダイが逃げる、逃げないで揉めているのに気づき血相を変える。
 ダイが逃げないと言っているにも拘わらず、フレイザードは手をこまねいている気は無い。

 ポップをダイ達に投げつけたフレイザードは、倒れているレオナに近寄り、頭を鷲掴んで持ち上げる。
 絶対に逃げようなんて気が起こらないようにしてやると言い、フレイザードはレオナの身体を凍らせていく。

 その光景に、目を見張る一同。
 気球船横から覗き見たバダックも、レオナの惨状に驚愕する。
 気を失ったまま、氷の中に閉じ込められるレオナ。

 悲痛にレオナを呼ぶダイに、フレイザードはパプニカ王女の氷漬けは気に入ったかと揶揄する。
 怒りのままに突撃しそうになったダイを、マァムが抱き留める。
 荒れ狂うダイを前に、フレイザードは得意げに解説する。

 レオナは、ちゃんと生きている。
 だが、禁呪法で生み出されたこの氷は、砕くことも出来なければ呪文でも溶かせない。術者であるフレイザードを殺さない限り、この場から動かせない。

 姫を置いて逃げ出せないだろうと、挑発的に凍りついたレオナを抱きしめる素振りを見せるフレイザード。
 どこまでも挑発的なフレイザードの笑い声が、塔だけなくバルジ島全体にまで響き渡った。

 それに完全にキレたダイ、マァムの腕を振り払ってフレイザードに襲いかかる。我を忘れて、素手で戦いを挑むダイにフレイザードはご満悦。

「いいぞ、その調子だ! その調子で……オレに殺されに来いっ」

 ダイが戦う中、マァムはポップを呼ぶ。
 エイミと協力し、脱出するように呼びかけるマァム。ポップやエイミも、レオナを見捨てるのかと消極的だが、マァムは強く訴えかける。

「このままじゃ、みんな全滅よ! 一旦抜け出して、チャンスを見つけるの!」

 バダックにも手助けを求め、脱出を図るマァム達。
 エイミはマリンを抱き上げる。

 その間も、ダイは戦い続ける。
 がむしゃらにフレイザードに突っかかっては、すっ飛ばされることを繰り返す中、床に落ちているパプニカのナイフを見つけて転がりながらそれを拾い上げ、反撃に転じる。

 フレイザードの氷の腕をまた切り落とすのに成功するが、彼はさしたるダメージを受けた様子はない。
 結界内では、フレイザード以外の者は五分の一の力に激減する。
 その状態でここまで戦えることに感心はするものの、致命傷にはならない。
 余裕たっぷりに腕を再生させ、ダイを殴り飛ばすフレイザード。

 再びマァムがダイに脱出を呼びかけるが、レオナがやられたことに怒りを感じるダイは、聞く耳を持たない。
 絶対に逃げないと言い張るダイを、マァムは後ろからハンマースピアで殴りつけ、気絶させる。

 ダイにゴメンと謝りつつ、マァムはダイを担いで逃げようとする。
 フレイザードがメラゾーマを打って止めようとするが、マァムは腰のベルトから魔弾銃の弾を捕りだし、放り投げる。
 フレイザードの指に見事に刺さった弾は、大爆発して黒煙を噴き上げる。
 その隙にダイを担いでハシゴを登るマァム。

 マァムが途中まで登った段階で、バダックは気球船を発信させ逃げにかかる。
 炎の腕を焼かれ、消滅させてしまったフレイザードは、「あの女」への怒りを燃やしていた――。






 一方、気球船内では、マァムは気絶したダイを籠に寄りかからせるように座らせていた。
 今の爆発が何だったのかと問うポップに、マァムは自分のしたことを説明する。

 ギラの詰まった魔弾銃の弾を投げつけ、フレイザードのメラゾーマで上手く誘爆させた……よくそんなことを思いついたと、マァムの機転に感心するポップ。

 そして、エイミは北に逃げるように兵士に指示を出す。
 入り組んだ海岸があるから、そこに隠れる予定だ。
 しかし、フレイザードが炎魔塔のフレイム軍団に気球船を落とすように指示を飛ばす。

「へへ、お姫様、そこで待ってろよなぁ。あんたを見殺しにするような、勇者じゃないんだろぉ?」

 凍りついたレオナの氷像――そこから、気絶したままのダイが被さる画面へと移行する。

 気球船の中では、ポップがレオナを置き去りにしたことを嘆いていた。
 それに対して、謝罪をするマァム。
 だが、ポップも、そしてバダックも彼女を責めるつもりはない。マァムの気持ちは分かっているし、全滅を避けるためだと理解している。

 その時、エイミが後方を見て叫ぶ。
 後ろから迫ってくるのは、無数の炎の揺らめき――フレイムの軍団だ。
 焦って、杖を振り回して急ぐようにバダックに頼むポップ。
 エイミはヒャダインをフレイムの群れに打ち放ち、蹴散らそうとする。

 結界を出たので呪文が使えると、みんなを励ますエイミ。それに応じ、ポップもヒャダルコを、マァムも魔弾銃を放つ。
 だが、数が多すぎる上にフレイム達は乗っている者の手の届かない範囲にへばりつき、気球船を燃やそうとする。

 敵が多すぎるとなげくポップ。
 ワシに任せろと勇ましく舵を取るバダックだが、どんどん航路が下がり、大渦に落ちそうになるのを見て、思わず叫ぶ。

「だめじゃあ〜」

 墜落するのかとポップは早くもビビっているが、マァムは諦めないようにといい、魔弾銃を放ち続ける。
 それでも、どんどん硬度を下げていく気球船。

 このままなら大渦に飲み込まれるかと思った時、海岸の大岩が横にずれるように動き、その置くの洞窟からにゅっと手が突き出された。
 手に握られた杖から、凄まじい魔法が一閃し、フレイム達を一掃する。

 敵がいなくなり、なんとか岸まで持たせようと皆、次々と重りを投げ捨てる。岸までとはいかなくても、浅瀬までなんとか持った気球船。
 それを見届けたかのように、洞窟の中に見えた人影は奥の方へと消えていく。

 なんとか助かったダイ達――ポップは、洞窟から閃光がでて自分達を助けてくれたと話す。そこに行こうと決意するエイミ。
 意識がある者達は、意識がない者達を助けて洞窟に向かうポップ達。

 だが、洞窟に辿り着くやいなや、中からぶっきらぼうな声が「さっさと帰れ」と突っぱねてくる。
 干し魚をくわえて、帰れと繰り返す男に、マァムが助けを求めて近づく。背を向け、誰にも関わりたくないと突っぱねる謎の男を見て、マァムは表情を変える。

「あ、あなたは!? マトリフおじさん!」

 嬉しそうに呼びかけるマァムの声に反応してか、振り向いたのは奇妙な帽子を被った頑固そうな老魔道士だった――。
 

 

《感想》

『フレイザードぉおおおっ、おまえの悪漢っぷりはすげえよぉおおっ!』

 と、叫びたくなる回でしたね♪

 即続きではなくオープニングが前回のラストをそのまんまでしたが……まあ、前回ラストの使い回しはジャンプアニメの定番と思って我慢しましょう♪
 もしかすると、今回からずっとこれまでの粗筋が冒頭につくのかとヒヤヒヤしていたので、そうじゃなかっただけでもめっけもんです。

 ダイが先んじた件、わかりやすく紹介されていたのにもビックリ。
 今までずっと、気球船が塔に着陸直後にダイが動き出したのだと思っていたのですが、まさか塔に辿り着く前に自力で飛び降りていたとは。

 ……っていうか、この時期、まだルーラも使えなければトベルーラの存在すら知らなかった頃なのに、よくもまあ、そんな思い切った真似を。
 ダイの無茶をぼやくポップのセリフが付け加えられていた点や、バダックさんが留守番していた事情の会話も加えられているのが嬉しい!

 この時点なら、エイミさんが命令を下すのが妥当ですよね。そして、留守番を命じられたバダックさんが意外そうに「え?」と聞き返しているのも良かったですが、頷く部下達と一緒に並んで真剣な顔をしているポップに、思わず笑っちゃいました。
 いや、おまえは留守番じゃないから! 突撃班だからね!?

 ついでに、ゴメちゃんがバダックさんの肩に乗っているのが、可愛い〜っ。
 自己流の分析では、弱きものの純粋な願いを叶える神の涙は、その場に居る一番弱い者の側に寄り添いがちだと考察しているんですが、もしこの考えが当たっているのなら、この場で最弱なのは……ゲフンゲフン、いえいえ、これは飽くまで自己解釈です(笑)
 
 パプニカのナイフが床に落ち、跳ね返る間に交わされるダイとフレイザードの戦い演出が、一瞬の間での攻防という戦いという演出が憎らしいまでに素晴らしく、格好良かったーーっ!

 ダイがマヒャドで凍らされて魔法剣で溶かす際、ちゃんと水がしたたり落ちているのも芸が細かくって感心しまくりました。
 凍らせたものを、炎の剣で一薙ぎにするってのもいいですね〜。演出的に分かりやすく、派手で見ていて気持ちいいです。

 また、レオナがダイを見て成長を喜ぶシーン!
 レオナの瞳の中にダイが映り込んだ演出が、実にびゅーりほー♪ フレイザード同様にダイの成長を認めているのですが、反応が大違いですね。

 縄ばしごで参戦するポップ達、よく見ると原作との差がっ。
 原作ではどう見てもマァムが真っ先に降りていて、ポップが縄ばしごの途中に居る図だったのですが、アニメ版ではポップが真っ先に、次がマァムでした。しかも、二人とも縄ばしごをろくに使わず、途中から飛び降りてましたね。

 おおっ、もしやアニメ版ポップの方が運動神経がいい?(笑)
 そして、原作ではダイはエイミさんとマァムに怪我人の手当を頼み、ポップの名前を呼んでなかったことに今更気づきました。
 アニメ版では、ポップ、マァム、エイミさんの順番で呼んでいます。

 また、倒れているマリンさん、今度はマントでしっかりと身体が覆われていましたね。……原作ではマントがはだけて太股丸出しポーズだったのですが……お色気クオリティのバラツキ度が分からないです(笑) 前話ばりの隠れたお色気を、密かに期待していたのに〜。

 ポップが優勢だと軽口を叩いたり、腕が再生した際のギャグな顔を見せたりと、お調子者キャラを強く出し始めたのは嬉しいところ。

 フレイザードの氷炎爆花散、ダメージ演出が強くなっていますね。レオナなんか飛ばされ、柱に当たって落ちるというすごく痛そうな演出に!
 ……ヒュンケルがマァムを突き飛ばすのはダメで、フレイザードの暴力はやりたい放題なんかい(笑)

 また、ダメージを受けながらもエイミさんがマリンさんをしっかりと抱きしめているシーンがいい感じ♪ 原作では倒れているシーンではみんなバラバラだったのですが、姉を思うエイミさんの必死さが伝わってきます。

 痛がるポップを叱責するマァムの台詞が、微妙に改変されていますね。負けるもんかというダイの台詞、気球船に残ったバダックさんの台詞にも、やっぱり微妙な改変。
 特にここら辺りの台詞に拘りはないので、分かりやすくなったなぁとの印象。まあ、バダックさんのぼやきがなくなったのがちょっと寂しいですが

 氷炎結界の描写は、派手で良かったです!
 派手な動きや光の描写もいいですが、結界の説明をするフレイザードが胸の前で人差し指から微弱な炎と氷の魔法らしきものを生み出し、結界の魔法を再現している芸の細かさに感動しました。

 のちにマトリフ師匠が言っていたように、フレイザードがレベルアップしたらメドローアを打てた可能性があるんじゃないかと、ワクワクしましたね。

 フレイザードの挑発にポップが強がるシーン、「泣いて謝っても許してやんないからなっ」と、ちょっとビビった感じの台詞が付け足されているのに満足です♪ こういう、ちょっとした台詞がポップらしいですね。

 また、ギラを放ったのに効果が無いのを、魔法の杖にハマったオーブにフレイザードを映し込む表現も良かったです。原作では一回しか唱えていなかったギラが、二回唱えているのも好印象。
 ダイのメラ失敗も可愛かったですし♪

 で、面白いのがフレイザードの台詞が逆転していること。
 原作ではダイが「まさか」と言った時点で、フレイザードは「やっとルールが飲み込めたみたいだな」と言っているのですが、アニメでは逆に分かっていない発言をしています。

 で、説明をきちんとしてダイを踏み踏みしながら「やっとルールがのみこめた〜」発言をしている辺りが妙に律儀(笑)

 マァムがフレイザードの攻撃を避けるシーン、原作では後方への空中一回転でしたが、アニメではタンブリングでしたね。原作の動きの方が不自然なので、アニメ版の動きの方がいい感じ♪
 でも、マァムの動きが三人の中で一番華麗っ(笑)
 まあ、ダイがちょうどダメージを受けたところなので、その分、動きが悪いって感じなんでしょうね。ほぼポップ並だし(笑)

 フレイザードがマァムの魔弾銃に反応を見せたのは、いい改変♪ 意外と用心深いフレイザードなら、見たことのない武器を警戒するのはありそうですしね。

 エイミとの会話後の、マァムの葛藤がいいです!
 悩み、瞬きから苦痛の表情を見せ、一転して決意の表情を浮かべる――この細かい表情の変化の最中、ダイが戦っているのか剣の音がかすかに聞こえるのもナイス!

 ポップがフレイザードに首を掴まれ、脅しているシーンにゾクゾクッ。
 凍らされるか、燃やされるのかどっちがいいかと脅すサディスティックさ……嫌いじゃないっす!

 原作ではギャグっぽく、かつどうでもよさそうだったフレイザードのポップへの攻撃が、アニメでは一気にシリアス風味にっ。怯えているポップがよーく見ると鼻水を垂らしている辺り、お約束ですねえ(笑)

 んでもって凍りついたレオナにフレイザードが抱きかかえるシーン、原作でもあるのにアニメだと尚更悪役感が増している感じ♪
 うっ、禁断のフレイザードがポップやレオナをアレコレ……なR18展開に目覚めそう♪ そこにマリンさんも加えたいな……って、ぁああっ、いけないいけない、鬼畜方面な妄想コーナーじゃなくって、感想に戻ります!

 フレイザード、この時点でレオナが凍らされても生きているとちゃんと教えてくれているのが親切。原作をよく読んでみたら、凍っても生きている発言はもっと後でなんですよね。
 ……凍った段階で死んだと誤解していたら、どうする気だったんだろ?

 説明が基本的に原作よりも分かりやすく、それでいて挑発的になっているのが、いい改変です。
 で、ダイがキレる瞬間の目がよかった!

 後、マァムの説得も原作との差が大きかったですね。

原作マァム「どのみち全滅したら姫も死ぬのよ! 生きていれば必ずチャンスはあるわ!」

アニメマァム「このままじゃ、みんな全滅よ! 一旦抜け出して、チャンスを見つけるの!」

 うーむ、アニメマァムの方が無難さを感じますが、原作マァムの説得下手な感じの方が好みですね。
 最悪の場合を口にしつつも、根拠もなく楽観的な感じがいかにもマァムっぽい気がして。
 アニメマァムは、良くも悪くもそつが無い感じの説得です。
 
 脱出シーン、原作ではバダックさんが梯子を下ろし直すシーンがありますが、アニメでは梯子はそのままですね。
 原作ではポップがマリンさんを、エイミさんがアポロを、マァムが兵士をそれぞれ助けていますが、アニメではエイミさんがマリンさんをそのまま助けていますね。

 原作でもそうですが、エイミさん、マリンさんをお姫様抱っこできる腕力があるとはすごい!

 フレイザードの「勇者ちゃんよぉ」の言い方、相手を小馬鹿にしている感がすっごくていい感じですね。原作にはなかった台詞を、次々口にしていますよっ。

 で、マァムがダイをぶん殴るシーン……あ、あのー、どう見ても後頭部を殴っとりませんか!? ボクシングで言えば一発で反則打になる部位を、武器で思いっきりいっていますねー。ライオンヘッドも一撃で怯ませる打撃を、遠慮なしに。
 ……せめて、首に手刀でおなしゃす(笑)
 殴られたダイが、目を白く見開いているのが印象的でした。

 魔弾銃の弾の誘爆説明も、アニメは分かりやすくなっていますね。原作ではフレイザードの説明が、アニメではポップの質問でマァムが解説しています。
 うむ、分かりやすくて良いけど、マァムの立ち位置が「質問に答えてくれるお姉さん♪」でポップが「お間抜けな質問をするおバカな生徒」になっている気が……(笑)

 エイミさんが北に逃げるように指示だしするのも、アニメならではの改変ですね。
 入り組んだ海岸に隠れる予定……発想的には、マトリフ師匠と同じだったわけですな。

 気球船で、ポップがレオナを助けられなかったとぼやく台詞、原作であった「姫様、キレイな娘だったよな」が省かれていたのが、あれっと思いました。
 えー、別に女性差別とも思えないのにこれもダメって、なにが引っかかるの?

 ところでフレイム達、フレイザードのような炎の揺らめき描写は一切ないんですね、さすが下っ端雑魚敵。
 氷系呪文をかけられると灰色になる演出は、気に入りました。

 フレイムに襲われて、魔法も使わずに杖をぶんぶん振り回すポップの焦りっぷりが可愛くて好きです。この、間の抜けた行動が好きなんですよね〜。

 気球船からの脱出時はアニメと原作は同じで、マァムはダイ、バダックさんはアポロ、エイミさんはマリンさん、ポップは兵士、神官達二名はそれぞれ兵士を助けています。
 この中でマァムとエイミさんは相手をお姫様抱っこ、ポップは肩を貸していて、残り三名は相手をおんぶしています。

 ……明らかに、ポップの腕力不足を感じますね(笑) なんか、引きずりそうにやっと支えている感じでしたし。それに比べ、マァムはダイを俵のようにしっかりと片手で肩に抱え上げ、片手でそれを支えているという余裕差がなんとも。

 そしてそして、ついにマトリフ師匠登場っ。
 世捨て人っぽい声の印象が今の時点ですでにイメージ通りですが、これで怒りに満ちた声や、ふざけた声がどう演じられるのか、今から楽しみでなりません♪
 来週はポップとマトリフの修行が中心っぽいですしね。

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