『恐怖の結界呪法』(2021.1.16) |
《粗筋》 フレイザードに殺されそうになったレオナを、間一髪で助けたダイ――その時、他のメンバーはまだ塔の頂上についてさえいなかった。 だが、エイミはバダックに見張りに残るように頼む。 一方、フレイザードは突然、乱入してきたダイに苛立ちを隠せない。 その攻撃をまともに食らうも、フレイザードは口から吹雪を吐き出して半減する。が、ダイは素早く身を反転させ、彼から距離を取った。 ほんの一瞬、瞬きをしていれば見逃しそうなごく短い間の攻防――ダイの速さに、驚きを感じるフレイザード。 が、ダイは凍り付きながらも剣から炎を生み出し、魔法剣で逆に攻撃を仕掛ける。ダイの一撃は、フレイザードの氷の腕を見事に切り落とした。 腕のなくなった肩を押さえつつ、フレイザードはダイの実力を再確認する。クロコダインやヒュンケルとの激戦を勝ち抜いたことで、ダイが成長していることを悟ったフレイザードは、その対策として「アレの出番かもな……」と、考えていた。 そして、その場にいたレオナもまた、ダイの成長を見て取っていた。 その時、ポップとマァムが縄ばしごで降りてきた。続いて降りてくるエイミを見て、ダイはみんなを頼む。 ダイの隣に並んだポップは、ちょっと優勢な感じじゃないかと軽口を叩くが、ダイは微塵も油断がない。 驚くポップだが、フレイザードの注意は完全にダイに絞られていた。 全身を白く光らせたフレイザードは、全身から氷と炎の岩を撒き散らす氷炎爆花散という技を繰り出す。 この攻撃は、一同に深刻なダメージを与えた。 負けるもんかと起き上がるダイだが、フレイザードは指を軽く振り、おまえはもう負けたと宣言する。 気球船に残っていたバダックはダイ達に助太刀はいらないかと声をかけるが、その直後、地震のような揺れが塔を襲う。 さらに、反対側の端からは氷の塔が出現した。 あまりにも不敵に言い放つフレイザードに、ポップが反発を感じ、魔法を放とうとする。 ギラを撃とうとするポップだが、全くの無反応。もう一度ギラを唱えても、呪文は出ない。 魔法が利かないなら剣とばかりに、ダイは剣でフレイザードに斬りかかる。だが、彼の氷半身に斬りかかったダイは、驚愕に目を見張る。 お返しとばかりに、ダイを掴んで床に放り投げるフレイザード。すぐさまの攻撃をなんとか避けたダイだが、続く追撃につかまってしまう。腹を殴られ、投げ飛ばされるダイ。 急に強くなったフレイザードに疑問を感じるポップだが、事実はその逆だった。 そのやり方が汚いと怒り、正々堂々と戦えないのかと訴えるダイ。 「オレは戦うのが好きなんじゃねえんだ……勝つのが好きなんだよぉおおっ」 見知らぬ武器に一瞬緊張を見せるフレイザードだが、カチカチと空しい音を立てるだけ。作動しないことに気づき、笑いを浮かべる――。
まだ生きてはいるがホイミも使えず、このままではみんな死んでしまうと訴えるエイミ。 その間も、ダイは果敢に戦っていた。 生き残った人でなんとか気球船で逃げようと提案するマァムに対し、ダイはあんな卑怯な奴に負けたくないと拒絶する。 その時、フレイザードはポップを捕まえていた。 「選ばせてやるぜぇ? このまま凍りつくかぁ? それとも……燃えさかりたいかぁ?」 だが、そんな風に余裕を見せていたフレイザードも、マァムとダイが逃げる、逃げないで揉めているのに気づき血相を変える。 ポップをダイ達に投げつけたフレイザードは、倒れているレオナに近寄り、頭を鷲掴んで持ち上げる。 その光景に、目を見張る一同。 悲痛にレオナを呼ぶダイに、フレイザードはパプニカ王女の氷漬けは気に入ったかと揶揄する。 レオナは、ちゃんと生きている。 姫を置いて逃げ出せないだろうと、挑発的に凍りついたレオナを抱きしめる素振りを見せるフレイザード。 それに完全にキレたダイ、マァムの腕を振り払ってフレイザードに襲いかかる。我を忘れて、素手で戦いを挑むダイにフレイザードはご満悦。 「いいぞ、その調子だ! その調子で……オレに殺されに来いっ」 ダイが戦う中、マァムはポップを呼ぶ。 「このままじゃ、みんな全滅よ! 一旦抜け出して、チャンスを見つけるの!」 バダックにも手助けを求め、脱出を図るマァム達。 その間も、ダイは戦い続ける。 フレイザードの氷の腕をまた切り落とすのに成功するが、彼はさしたるダメージを受けた様子はない。 再びマァムがダイに脱出を呼びかけるが、レオナがやられたことに怒りを感じるダイは、聞く耳を持たない。 ダイにゴメンと謝りつつ、マァムはダイを担いで逃げようとする。 マァムが途中まで登った段階で、バダックは気球船を発信させ逃げにかかる。
ギラの詰まった魔弾銃の弾を投げつけ、フレイザードのメラゾーマで上手く誘爆させた……よくそんなことを思いついたと、マァムの機転に感心するポップ。 そして、エイミは北に逃げるように兵士に指示を出す。 「へへ、お姫様、そこで待ってろよなぁ。あんたを見殺しにするような、勇者じゃないんだろぉ?」 凍りついたレオナの氷像――そこから、気絶したままのダイが被さる画面へと移行する。 気球船の中では、ポップがレオナを置き去りにしたことを嘆いていた。 その時、エイミが後方を見て叫ぶ。 結界を出たので呪文が使えると、みんなを励ますエイミ。それに応じ、ポップもヒャダルコを、マァムも魔弾銃を放つ。 敵が多すぎるとなげくポップ。 「だめじゃあ〜」 墜落するのかとポップは早くもビビっているが、マァムは諦めないようにといい、魔弾銃を放ち続ける。 このままなら大渦に飲み込まれるかと思った時、海岸の大岩が横にずれるように動き、その置くの洞窟からにゅっと手が突き出された。 敵がいなくなり、なんとか岸まで持たせようと皆、次々と重りを投げ捨てる。岸までとはいかなくても、浅瀬までなんとか持った気球船。 なんとか助かったダイ達――ポップは、洞窟から閃光がでて自分達を助けてくれたと話す。そこに行こうと決意するエイミ。 だが、洞窟に辿り着くやいなや、中からぶっきらぼうな声が「さっさと帰れ」と突っぱねてくる。 「あ、あなたは!? マトリフおじさん!」 嬉しそうに呼びかけるマァムの声に反応してか、振り向いたのは奇妙な帽子を被った頑固そうな老魔道士だった――。 《感想》 『フレイザードぉおおおっ、おまえの悪漢っぷりはすげえよぉおおっ!』 と、叫びたくなる回でしたね♪ 即続きではなくオープニングが前回のラストをそのまんまでしたが……まあ、前回ラストの使い回しはジャンプアニメの定番と思って我慢しましょう♪ ダイが先んじた件、わかりやすく紹介されていたのにもビックリ。 ……っていうか、この時期、まだルーラも使えなければトベルーラの存在すら知らなかった頃なのに、よくもまあ、そんな思い切った真似を。 この時点なら、エイミさんが命令を下すのが妥当ですよね。そして、留守番を命じられたバダックさんが意外そうに「え?」と聞き返しているのも良かったですが、頷く部下達と一緒に並んで真剣な顔をしているポップに、思わず笑っちゃいました。 ついでに、ゴメちゃんがバダックさんの肩に乗っているのが、可愛い〜っ。 ダイがマヒャドで凍らされて魔法剣で溶かす際、ちゃんと水がしたたり落ちているのも芸が細かくって感心しまくりました。 また、レオナがダイを見て成長を喜ぶシーン! 縄ばしごで参戦するポップ達、よく見ると原作との差がっ。 おおっ、もしやアニメ版ポップの方が運動神経がいい?(笑) また、倒れているマリンさん、今度はマントでしっかりと身体が覆われていましたね。……原作ではマントがはだけて太股丸出しポーズだったのですが……お色気クオリティのバラツキ度が分からないです(笑) 前話ばりの隠れたお色気を、密かに期待していたのに〜。 ポップが優勢だと軽口を叩いたり、腕が再生した際のギャグな顔を見せたりと、お調子者キャラを強く出し始めたのは嬉しいところ。 フレイザードの氷炎爆花散、ダメージ演出が強くなっていますね。レオナなんか飛ばされ、柱に当たって落ちるというすごく痛そうな演出に! また、ダメージを受けながらもエイミさんがマリンさんをしっかりと抱きしめているシーンがいい感じ♪ 原作では倒れているシーンではみんなバラバラだったのですが、姉を思うエイミさんの必死さが伝わってきます。 痛がるポップを叱責するマァムの台詞が、微妙に改変されていますね。負けるもんかというダイの台詞、気球船に残ったバダックさんの台詞にも、やっぱり微妙な改変。 氷炎結界の描写は、派手で良かったです! のちにマトリフ師匠が言っていたように、フレイザードがレベルアップしたらメドローアを打てた可能性があるんじゃないかと、ワクワクしましたね。 フレイザードの挑発にポップが強がるシーン、「泣いて謝っても許してやんないからなっ」と、ちょっとビビった感じの台詞が付け足されているのに満足です♪ こういう、ちょっとした台詞がポップらしいですね。 また、ギラを放ったのに効果が無いのを、魔法の杖にハマったオーブにフレイザードを映し込む表現も良かったです。原作では一回しか唱えていなかったギラが、二回唱えているのも好印象。 で、面白いのがフレイザードの台詞が逆転していること。 で、説明をきちんとしてダイを踏み踏みしながら「やっとルールがのみこめた〜」発言をしている辺りが妙に律儀(笑) マァムがフレイザードの攻撃を避けるシーン、原作では後方への空中一回転でしたが、アニメではタンブリングでしたね。原作の動きの方が不自然なので、アニメ版の動きの方がいい感じ♪ フレイザードがマァムの魔弾銃に反応を見せたのは、いい改変♪ 意外と用心深いフレイザードなら、見たことのない武器を警戒するのはありそうですしね。 エイミとの会話後の、マァムの葛藤がいいです! ポップがフレイザードに首を掴まれ、脅しているシーンにゾクゾクッ。 原作ではギャグっぽく、かつどうでもよさそうだったフレイザードのポップへの攻撃が、アニメでは一気にシリアス風味にっ。怯えているポップがよーく見ると鼻水を垂らしている辺り、お約束ですねえ(笑) んでもって凍りついたレオナにフレイザードが抱きかかえるシーン、原作でもあるのにアニメだと尚更悪役感が増している感じ♪ フレイザード、この時点でレオナが凍らされても生きているとちゃんと教えてくれているのが親切。原作をよく読んでみたら、凍っても生きている発言はもっと後でなんですよね。 説明が基本的に原作よりも分かりやすく、それでいて挑発的になっているのが、いい改変です。 後、マァムの説得も原作との差が大きかったですね。 原作マァム「どのみち全滅したら姫も死ぬのよ! 生きていれば必ずチャンスはあるわ!」 アニメマァム「このままじゃ、みんな全滅よ! 一旦抜け出して、チャンスを見つけるの!」 うーむ、アニメマァムの方が無難さを感じますが、原作マァムの説得下手な感じの方が好みですね。 原作でもそうですが、エイミさん、マリンさんをお姫様抱っこできる腕力があるとはすごい! フレイザードの「勇者ちゃんよぉ」の言い方、相手を小馬鹿にしている感がすっごくていい感じですね。原作にはなかった台詞を、次々口にしていますよっ。 で、マァムがダイをぶん殴るシーン……あ、あのー、どう見ても後頭部を殴っとりませんか!? ボクシングで言えば一発で反則打になる部位を、武器で思いっきりいっていますねー。ライオンヘッドも一撃で怯ませる打撃を、遠慮なしに。 魔弾銃の弾の誘爆説明も、アニメは分かりやすくなっていますね。原作ではフレイザードの説明が、アニメではポップの質問でマァムが解説しています。 エイミさんが北に逃げるように指示だしするのも、アニメならではの改変ですね。 気球船で、ポップがレオナを助けられなかったとぼやく台詞、原作であった「姫様、キレイな娘だったよな」が省かれていたのが、あれっと思いました。 ところでフレイム達、フレイザードのような炎の揺らめき描写は一切ないんですね、さすが下っ端雑魚敵。 フレイムに襲われて、魔法も使わずに杖をぶんぶん振り回すポップの焦りっぷりが可愛くて好きです。この、間の抜けた行動が好きなんですよね〜。 気球船からの脱出時はアニメと原作は同じで、マァムはダイ、バダックさんはアポロ、エイミさんはマリンさん、ポップは兵士、神官達二名はそれぞれ兵士を助けています。 ……明らかに、ポップの腕力不足を感じますね(笑) なんか、引きずりそうにやっと支えている感じでしたし。それに比べ、マァムはダイを俵のようにしっかりと片手で肩に抱え上げ、片手でそれを支えているという余裕差がなんとも。 そしてそして、ついにマトリフ師匠登場っ。 |