『大魔道士マトリフ』(2021.1.23)

《粗筋》

 洞窟の中で出会った人物に助けを求めるマァム……その相手は、彼女の知る人だった。
 マトリフおじさんと呼びかけ、ダイを洞窟の壁に下ろすマァム。

 マトリフと呼ばれた男は嬉しそうに相好を崩し、マァムの名を呼びながら彼女の元に駆け寄ってきた。
 大きくなったと喜ぶマトリフの視線の先は、マァムの胸。
 手をわきわきと動かしつつ、それだけ大きくなったらもうぱふぱふできるんじゃないかとセクハラ発言を噛ます。

 怒ったマァムが拳で殴りつけようとするが、それをスッとかわしで彼女の背に回り込むマトリフ。
 お前のオムツを替えたこともあるんだから、挨拶のぱふぱふぐらいいいだろうとヌケヌケと言い放つマトリフに、マァムがこのおっさん全然変わっていないと、怒りの拳を握りしめる。

 明らかに親しげなやり取りに、マァムの知り合いかと問うポップ。
 それをマァムが説明するよりも早く、バダックがマトリフの名に思い当たる。
 勇者と共に魔王と戦った魔法使いの名が、マトリフ。
 彼はかつて、パプニカ王家に仕えていた魔法使いでもあった。
 
 アバンの仲間と知って驚くポップに対して、マァムはさらに詳しく説明を加える。
 アバンを初めとして、マァムの父で戦士のロカ、母で僧侶のレイラ、そして魔法使いのマトリフの4人パーティーだった。

 マァムの説明に、レイラは元気かと問うマトリフ。
 まだ独身ならオレが結婚してやるぞと、がははと笑う。その様子に少しうんざりした様子を見せつつも、マァムはマトリフが昔はよく自分の家に遊びに来ていたことを語る。だが、こんなところに住んでいたのは彼女も知らなかったようだ。

 こんなスケベジジイが勇者のパーティーの一人かと、呆れるポップ。
 マァムもいつもは会いたい人ではないと言うが、今日は別だという。
 バダックは噂に高いマトリフに会えたと無邪気に喜び、エイミも真剣な態度で姫の救助への助力を願う。

 しかし、バダックやエイミの要請をマトリフは鼻をほじりながら拒絶する。
 以前、魔王との戦いの後、パプニカ王家の相談役となったマトリフは、才能を恐れられたのか周囲の者に疎まれた。
 魔王を倒すまでは頼っておきながら、いざ戦いが終われば掌を返す人間の薄情さに嫌気が差し、洞窟に隠れ住むようになったという。

 会話の最中、一人、椅子に座ったマトリフは、どうせことが終わったのならまた恩を忘れるだろうと決めつけ、もうこれ以上手を貸すつもりはないと、犬でも追い払うように手でシッシと払う。

 そんな、と思わず声を上げるマァム。
 その後に、力強く「そんなことはありません」と言い切ったのは、ダイだった。気絶から目覚めたダイは、そんな人間ばかりではないと強く主張する。
 アバン先生の仲間だったのならば、それが分かるはずだとマトリフを睨むように見つめるダイ。

 その目の光の強さに、マトリフは若き日のアバンの面影を見いだす。
 名を問うと、ダイは自分はアバン先生の最後の弟子だと答える。
 最後という言葉を聞きとがめるマトリフに、ダイはアバンが自分達を守るために死んだことを告げる。

 アバンの死に、顔を俯かせるマトリフ。
 ダイはアバンの死に報いるためにも魔王軍と戦う決意を告げ、力を貸してくれと熱く頼み込む。
 ダイの説得に、マトリフは一瞬瞑目し、「話してみろ」と告げる。
 それを聞いたダイ達は、目を輝かせて喜んだ――。





 洞窟の入り口の隙間からバルジ島を見ながら、マトリフはフレイザード使ったのが伝説の禁呪法だと説明する。
 その頃、バルジ塔の天辺では、レオナの氷像の傍らでフレイザードが暢気に寝転んでいる所だったが、ダイ達はもちろんそんなことは知らない――。

 結界を破壊するためには、結界の外から回り込んで2本の塔を破壊するようにと説明するマトリフ。
 そのためには、ド派手に爆発する爆弾が必要だという。
 それを聞いて爆弾作りに名乗りを上げたのは、バダック。
 ド派手な爆弾を作れと念を押すマトリフに、そんなの無くてもおれの呪文で吹っ飛ばすから平気だ、と調子よく言ってのけるのはポップ。

 マトリフが一瞥すると、途端にきょどって目をそらし、ごまかすように口笛を吹き出す辺りが小心者っぽい。
 そんなポップをじっと見て、マトリフはアレがアバンの弟子じゃあるまいな、とマァムに確認し、弟子に取ると宣言する。

 見込みがあるのかと一瞬喜ぶマァムだが、マトリフの意図は逆。
 あまりにも弱そうなので、そのままでは死ぬから面倒を見てやる気になったらしい。
 アバンよりきつい地獄のスペシャルハードコースで鍛えてやると、ニヤリと笑うマトリフ。






 その頃、鬼岩城ではハドラーがザボエラ、バランにこれからの戦略について語っていた。
 総攻撃をかける――それが、ハドラーの立てた作戦だった。

 フレイザードの禁呪法の弱点である二つの塔の破壊……ダイ達がそれを狙ってくるのは明白。
 つまり、相手は戦力を二分してくると言うこと。
 そこを狙って残る全軍団を集中させ、ダイを抹殺するのが目的だ。

 その戦略に、感心したように頷くバラン。
 が、ザボエラはその作戦がフレイザードに割り込む形になることを心配する。手柄にうるさいフレイザードが、黙っては居ないのではないか、と。

 しかし、ハドラーにとってフレイザードは禁呪法で生み出した分身であり、親と子の関係に近い。親には逆らうまいと、ハドラーは判断している。

 総攻撃が確定したことに、面白いと士気を高めるバラン。超竜軍団の出番だと、背を向けてすぐさまそこを出て行こうとする。
 が、ハドラーはそれを引き留めた。

 ミストバーンの攻めるカール王国が手こずっているので、バランにはそこに向かって欲しいと頼むハドラー。
 だが、バランはその命令に納得しきれない。
 ハドラーの命令の矛盾を指摘し、ダイとバランの顔合わせを防ぐ意図があるのかと問い詰めるバラン。

 ハドラーは冷や汗を掻きつつも、命令を変更しない意志を伝える。
 それに対し、バランは魔軍司令の顔を立てる形で引いてくれた。命令通り、素直にカールに向かうバラン。

 そのやり取りを見ていたザボエラは、ハドラーの命令の不自然さではなく、バランの特異性に目をとめていた。
 ハドラーがここまで別格扱いしているバランの正体に、思い巡らせるザボエラ。

 そして、ハドラーにもハドラーの思惑があった。
 バランであっても、カール王国はそうそう落とせないはず……つまり、時間稼ぎが出来ると言うこと。
 バランが居ない間に、なんとしてもダイを倒そうと考えるハドラー。
 立ち上がり、彼は声も高らかに宣言する。

「バルジの島をやつらの墓場とするのだ!」





 同じ頃、ネイル村――。
 平和な村に、突如、空を切り裂く音と光の固まりが降ってくる。轟音と共に突然現れたのは、しっかと着地したマトリフと、無様に転んだ格好のポップだった。

 痛みにうめきつつ周囲を見回したポップは、ここがネイルの村だと気がつく。
 これが瞬間移動呪文、ルーラだと説明するマトリフ。
 そこに駆けつけてきたのは、マァムの母レイラと、村の少女ミーナだった。

 久しぶりの再会に戸惑うレイラに、マトリフはマァムにあったことや、ムチムチした感じが若い頃のおまえみたいだと軽いセクハラをかます。
 ポップの耳を引っ張り、引きずっていくマトリフ。
 ミーナはマトリフを意地悪そうだと感じたらしいが、レイラはマトリフが修行をつけるのならポップが強くなると確信していた。
 マトリフは、魔法使いの頂点に立つとまで言われた男なのだから――。





 そして、いきなりハードな修行が始まった。
 みっともなく逃げ惑うポップを負うのは、ひつじ系の怪物にまたがったマトリフ。
 こんなんで強い魔法が使えるようになるのかと叫ぶポップに、マトリフはこんなのはタダの準備運動だとうそぶく。
 杖で怪物の尻を叩き、口から攻撃を吐かせる。文字通り、尻に火がついていっそう速く走り出すポップ。

 が、地獄の修行は始まったばかり。
 滝壺近くの川に、手を縛られ重しの石をつけられて沈められたポップ。必死でもがいているが、脱出できない。
 そんなポップに、マトリフは身体全体から魔法力を放出するようにアドバイスする。
 溺れる寸前に、やっと脱出に成功し、咳き込むポップ。
 それを見て、マトリフはニヤリと笑みを浮かべていた――。





 一方、マトリフの洞窟ではエイミや神官が怪我をした人達の手当てをしていた。
 その奥で、ダイとマァムが実戦形式の特訓をしていた。
 ただし、ダイは目隠しをしたままの状態だ。マァムはダイを心配して特訓を止めるように忠告するが、ダイはフレイザードに勝つためにマトリフに言われたこの特訓を頑張るつもりだ。

 レオナを取り戻すため、フレイザードへの怒りを燃やすダイ。
 そんなダイを初めて見るマァムは、あらためてダイにとってレオナが大切な人物だと思い知る。
 その期待に応えるように、マァムも気合いを入れてダイの特訓に付き合うのだった――。






 一方、ポップはマトリフと魔法力の放出しあう訓練を行っていた。
 マトリフの魔法力に弾き飛ばされるポップ。音を上げるポップを情けないと貶し、それでも修行を終えるというマトリフ。
 だが、マトリフはポップに自力でルーラで帰れと言う。

 使ったことのない呪文を使えと言われ、出来ないと抗弁するポップ。それに、ルーラは戦いの役になんか立たない……そう言い訳した途端、マトリフの叱責が飛ぶ。
 ポップに対して魔法使いの心得を説き、この程度の課題もクリアできないなら足手まといだと言い捨て、一人、ルーラで去るマトリフ。
 取り残されたポップは、思わずバカヤローと叫ぶがその声は空しく響くだけだった――。






 自分の洞窟に戻ったマトリフは、バダックから爆弾が出来たと見せられる。
 が、デザインがダサいから作り直せと没にするマトリフ。貶されたバダックは、どうせ爆発するならデザインなんか関係ないと思うのだが……。

 マトリフはそのまま、ダイ達の様子を見に行く。
 ダイは褒めるマトリフだが、ポップには厳しい。追い詰められなければ絶対に努力しないポップの性格を見抜き、徹底的にしごくつもりでいる。
 サディストなマトリフの言葉に、ダイとマァムは想わず目をそらしてしまう。

 と、そこにフレイザードの声が響き渡った。
 悪魔の目玉を握り込んで話すフレイザードの声は、その辺に居る悪魔の目玉を通じて覚醒されている。
 声を聞き、洞窟から外に飛び出すダイ達。

 夕日が美しく輝く中、フレイザードはレオナの生命がどんどん失われつつあるという、残酷な真実を告げる。
 レオナの命は、持って明日の日没まで――。
 早く来いと挑発するフレイザードに対し、ダイはそんなことは絶対にさせないと決意を固める――。


 その頃、ポップはルーラの魔法を実行しようとしては失敗を繰り返していた。高い場所から地べたに叩きつけられながらも、ポップは自分は足手まといじゃないと強く叫び、諦めずに呪文に挑戦していた。





 そして、洞窟ではマトリフが先導してこれからの作戦を立てていた。
 明日の日没までに島に行かねば、姫が死ぬ……が、昼間ノコノコ出かけていっても、相手の思う壺となる。
 今夜、作戦を決行すると告げるマトリフを、ダイとマァムは真剣な目で見ていた。

 用意した爆弾をバダックは意気揚々と見せびらかすが、マトリフはダサい爆弾を使うしかないのかと、辛辣。
 ダイやマァムも、もし爆弾がダメなら剣や呪文でなんとかするしかないと消極的。

 バダックは自分が作ったから大丈夫だと自信満々だが、ダイやマァムは『だから不安だ』と懐疑的だ。

 島に行く方法として、マトリフが魚釣りに使っている小舟を魔法力で飛ばすと提案する。
 しかし、定員は4人。
 ダイとマァムは当然として、バダックは爆弾を作ったのだからと名乗りを上げる。

 エイミも志願する中、アポロも寝床から這い出て志願する。アポロとエイミは相手を気遣い、自分が行くと言い争う。
 が、そこに四人目はもう決まっていると声をかけてきたのは、ポップだった。

 ポップを見て、飛びついてくるダイとマァム。
 ボロボロになり、神殿まで一度戻ったせいで時間がかかったが、それでも自力で戻ってきたのだ。
 マトリフの目をしっかりと見ながら、そう宣言するポップ。
 その視線を受け止め、マトリフは彼を四人目と認める。





 マァムのべホイミで完全回復したポップは、小舟に乗る際、生きて帰ってきたらまた修行を受けると、マトリフに言う。
 いびられて逃げるのは嫌だと意地っ張りさを見せるポップは、マトリフを師匠と呼ぶ。
 ポップにとって、先生と師匠は別物なのだ。

 全員が乗ったのを確認し、魔法で小舟を飛ばすマトリフ。
 さすがは大魔道士と言いたくなる見事な魔法だったが、どうやってとまるのかとダイが不安そうに呟く。
 同じ時に、浜辺に居たマトリフもどうやって止めるのか全然考えてなかったとぼやくのだが……損なことを知らないまま、小舟の上は阿鼻叫喚となった。

バダック「ダメじゃぶつかるダメじゃぶつかるダメじゃぶつかるぅっ!」 

 そんな中、ダイは真空魔法、バギを放つ。
 風の魔法の力でブレーキをかけ、小舟の速度を少しでも落とそうとする作戦だ。

 ダイのその作戦を見たポップとマァムが、やれポップも魔法を使えだの、おまえこそ魔弾銃にバギはないのかだのと激しく言い争う。
 
バダック「バギじゃバギじゃバギじゃ!」

 周囲が大騒ぎする中でもダイが頑張ってバギをかけたせいか、即死は免れた。小舟は木っ端微塵になったが、みんな、痛がる程度ですんだようだ。
 ぶつくさとマトリフへの文句を口にするポップやマァムだったが、その中でダイは偶然とは言え初めてバギが使えた喜びを噛みしめていた。






 気を取り直し、ダイ達は二手に分かれることにした。
 ダイとバダックさんは、炎魔塔に。
 ポップとマァムは、氷魔塔だ。
 2本の塔が壊れ、結界がなくなったのを確認したら中央の塔にツッコむ作戦だ。

 自分はどうするのかと言わんばかりにゴメちゃんが気合いをいれて鳴くのを聞き、ダイは一緒に来るようにという。
 互いに気をつけて、と手を振り合って別れるダイ達。

 だが、その光景を見て笑う者がいた。
 悪魔の目玉を通してその光景を見ていたのは、ザボエラ。ダイ達が罠にかかったとご満悦な彼は、ミストバーンに兵の準備はどうかと問う。
 無言のまま、彷徨う鎧達を指さすミストバーン。
 そして、フレイムやブリザード達も笑いながら待ち構えていた。

 暗い森の中を、警戒しながら歩くポップとマァム。
 ダイとバダックは、崖沿いの岩場を歩いていた。
 黙々と動く彼らだが、先に目的に就いたのはダイ達の方。ダイ達は炎に揺れる塔を岩陰から警戒しつつ、見つめていた――。

 
 


《感想》

 冒頭が前話の繰り返しなのはお約束ですね♪

 しかし、前回も思ったけれど、マァム、あれだけきっぱりと手助けを断られたのに、それでも助けを要求するとはたいしたメンタルですな〜。

 原作では助けを求めるセリフはないのですが、実はマァムは頼む以前に、拒絶された直後、相手の顔を確かめる前にダイを肩から下ろしていました。
 ……つまり、相手が要求を拒んでも居座る気満々だった!(笑)
 どっちがより図々しいのか、よく分かりませんね。
 
 マトリフ師匠、タッチはなしですか……セクハラキャラは確保されたとは言え、ぱふぱふ発言だけとは、少し寂しいですねえ。でも、人を突き放したセリフも、いやらしいセリフも嫌みにならない独自の味わい口調が実にいい感じです♪

 後、気になるのがマァムのパンチ。
 原作ではマトリフに向かって打ち下ろすように放っている拳が、アニメではストレートになっていました。
 が、二人の身長差を考えると、マァムがストレートで殴る場合は帽子に当たっちゃうんですが、それでいいんでしょうか?

 お尻を触られた後に殴るシーンも当然のようにカットされていたし……セクハラだけでなく、ご老人を殴るのもNGなのかな?
 レイラと結婚発言は良くて、いい女や未亡人発言はダメっぽいですね。

 また、原作では距離があったマァムとマトリフ師匠の位置関係が、アニメでは仲良く隣り合っているのが、ちと残念。

 原作ではマトリフの登場は割とギャグっぽく、画面の隅でピースをしたり、あかんべえをしたりとお茶目な感じが好きだったんですよ〜。でも、アニメではポップやバダックの反応も控え目で、ギャグっぽさがないしこんなもんですかね。

 ポップがマトリフをスケベジジイ呼ばわりするのは残っていますが、変な顔発言はナシみたいですね(笑)
 まあ、マトリフさんやドラゴンボー○のマシリトなんかは実在のモデルがいましたし、当時の内輪受けのお遊び的な貶し文句でしたから、無理に残す必要はないですが。

 マトリフの貶し文句、動きが細かくてよかったです!
 相手を小馬鹿にした感が強まっている感じ♪ だけど、口調は淡々としていて、別に恨みはないけれど手は貸さない、というスタンスが強く感じられるように思えました。

 マトリフの洞窟自体も、すごくいい感じ!
 原作もゴチャゴチャ物が置いてある怪しげな部屋なのですが、アニメでは色合いを抑えつつ怪しげ感を強めていますね!
 今も昔もマトリフの部屋の全体図や洞窟の全形は分からないままなので、アニメの設定画が見てみたいです〜。

 けど、マトリフとダイの会話にはやや不満が。
 原作ではマトリフは、ダイの自己紹介である「最後の弟子」を聞いただけでアバンの死を察しているのですが、アニメ版では聞き返して、ダイからアバンの死を説明されたあとで「アバンは逝ったか」の台詞を口にしています。

 アニメではわかりやすさを強く押し出す方針とは言え、マトリフのように特別に頭の切れるキャラに関しては、察しの良さをもう少し強調してほしかったですよ〜。

 表情や声優さんの台詞の深みが素晴らしかっただけに、シナリオにケチをつけたいです! 特に「話してみろ」と片目だけを開けるシーンは、素晴らしかったですとも!
 片目という括りでは同じなのですが、原作ではギャグっぽかった表情を、ここまでシリアスに仕上げるとは……!

 そして、そんなシリアスなシーンの片隅で、マリンさんとアポロさん、気絶状態なのにさりげなく寄り添っているーっ。

 ポップ達はどうやら、気絶した人達を一旦、壁により掛からせるように座らせたっぽいですが、アポロさんとマリンさんをわざわざ並べたところを見ると……二人の面倒を見ていたバダックさんとエイミさんは、この二人を公認しているんですね!? 周囲から見ても、ラブラブカップルですか!?

 んでもって、ついでにポップが肩を貸していたっぽい兵士さんは、離れた所でぽつんと胡座をかいて座っていらっしゃるのですが(笑) なんか、座り方が瞑想(メデュエーション)っぽいです。
 
 ダイ達が喜ぶシーンで、ゴメちゃんが鳴き声で歓喜を表すシーン、あれもすっごくよかった! よかったのですが……もしもーし、ゴメちゃんの出番が出来たせいで、マァムの顔が思いっきり見切れていますよっ!?

 反対側に居るバダックさんの笑顔はしっかりと見えていて、なぜにメインヒロインの顔を隠すんですかね? ここはじいさんよりもマァムの笑顔を見せてはくれないんですか!?
 まあ、それを言ったら、ポップは完全に見切れていて肩の端っこしか見えとりませんのですがね(笑)

 原作ではここで!
 ダイの頭越しに、ポップとマァムが顔を見合わせて笑顔を見せているんですよっ!? 一同が喜んでいるシーンなので目立たないけど、数少ない二人のちょっといいシーンなのに……完璧にじーさんに出番を食われ取りますよ、とほほ。

 で、意外なのがフレイザード!
 レオナの氷像の側で、お昼寝しているっ。
 んでもって、エイミさんのマントなし姿が再現されるとはっ。
 うっ、マントなしだと露出の激しさが際立ちますね。上半身だけしか映っていないと水着みたいで、ドキッとしちゃいますよ。

 しかし、マリンさんを寝かせるのは良いけれど、なぜ胸を丸出しになる形に毛布を掛けているのやら。原作では兵士は服を脱がせ、肩までしっかりと毛布を掛けられていたのに。……微妙なところで差を出してきますね。

 後、細かな差ですが、マトリフを組んだ円陣でのみんなの座り方や並び順は同じですが、エイミさんだけ座り方がきちんとしている感じになっていますね。

 原作では手を床につく姿勢で座っているのに、アニメではしゃんと背筋が伸びた感じ。原作では膝を崩している感じがするのに対し、アニメではきちんと座っている感じがして、エイミさんの品を感じます。
 ポップの座り方がだらしないのは、同じですけどね(笑)

 もう一つ感心したのが、ダイ、マァム、バダックさんがきちんと武器をすぐそばに置いているところ。原作では武器は手元にないのですが、アニメではすぐに戦えるようにとの心遣いからか、武器を手放していません。
 うーん、いいなぁ。戦士って感じがします。
 ポップはナイフはともかくとして、杖が見当たらないのですがね(笑)

 ……けど、よくよく見るとマァムのすぐ近くに転がっている手を伸ばした姿勢の骸骨が気になってしょうがないのですが(笑) 原作でも確かに同じ位置にありましたが、なぜにこんなものが……。
 そして、そんなもののすぐそばに座っているのに気にする素振りも見せないマァムのメンタルは、やはり鋼!

 マトリフの台詞で、爆弾に関する台詞が『ド派手な爆弾』に改編されていましたね。あまり意味があるとは思えないけど……花火仕立てにでもしろ、と?
 後、地図が地味に改良されていますっ。
 原作では塔の代わりに、魔物の爪っぽいものが二つおかれていたのに、アニメではちゃんと氷の塔っぽいものと魔物の爪っぽいものになっている!
 ……あまり意味のある変化とは思えないですけどね(笑)

 で、ポップの「爆弾なんか無くっても〜」の台詞がしっかり登場したのは、嬉しいところ。マトリフに睨まれて口笛を吹いてごまかすシーンも合わせて、実に可愛かったです♪ ちゃんと動きもつけて、いかにもお調子者っぽいですね。
 しかし、ポップのすぐそばにある変な植物……某配水管工のパックンフラワーに見えてしまうのは気のせいでしょうか(笑)

 ポップを弟子に取るとの会話、原作ではマァムとの内緒話っぽかったのに、アニメ版では堂々と言っていますね。
 こけたマァムの足を割り開くシーンはカットされるかと思っていましたが、一日一つの呪文を覚えさせる台詞に変わって、地獄のハードコースが出現するとは(笑)
 三食昼寝、夜は添い寝付きのふんわりコースを取っていたポップには辛いのでは?

 そして魔王軍は相変わらず、カッコイイ!
 ハドラーの作戦を聞いて、バランがこっそり頷いていたシーンが妙に格好良かったですとも! ザボちゃんの台詞の合間ですが、聞き逃しませんでした!

 ハドラーとバランのやり取り……おおっ、意味ありげでたまりませんっ、いいなぁ、渋くていいシーン。
 そして、ちょっと気になったのが「バルジ島」の読み方。
 原作では「バルジとう」でしたが、今回、ハドラーは「バルジのしま」と発音していました。何か、意味があるのかな?

 新アニメで初お目見えのルーラ、思っていた以上に派手な音がする代物だったのにビックリ。なんか、金属音っぽい感じ。
 レイラとミーナの出番は削られていましたが……正直、レイラさんの演技力を考えるともっと減らしてくれても不満はなかったかも。

 マトリフに対する評価の台詞も微妙な改変がありましたが、正直、効果は微妙。
 頬にほうれい線も描いたことで原作よりもふけ気味なレイラさん、台詞回しが落ち着いた思慮深い女性にしたいのか、結構若くてお茶目な女性にしたいのか、どっちつかずの上に演技も中途半端な気がします。

 ポップとマトリフの修行風景は、原作の雰囲気が良く出ていてすっごくいいです!
 鼻水垂らしまくってみっともなく逃げ回る姿、笑っちゃいました。ここだけ、○ャンプじゃなく○ロコロティストになっている気が(笑)

 旧アニメでマトリフがルーラで無駄に世界一周するエピソードがあったけど、それがなくなったのが嬉しい。
 そう言えば、旧アニメでマトリフが縄に魔法をかけてポップを縛るシーンがあった気がしたけど、それもなくなってましたね。

 マトリフさんの洞窟での看病シーン……すみませんでしたっ、ついさっきマリンさんにかけられている毛布が胸丸出しだといいましたが、きっちりと肩までかけていて鎖骨しか見えないと……あの服じゃ裸に見えてしまうことを、見返して初めて気がつきました!

 隠されたはずなのに、なぜか露出がもっと上がったように錯覚してしまう……妄想力がとまりませんっ。
 でも、後のダイ達が船に誰を選ぶかの作戦会議シーンでは、またマリンさんってば胸まで出ているし、毛布のかけ方が適当すぎるような……。

 そして、アポロに付き添っているゴメちゃんがぷりちー♪ ……筆者の仮説が当たっているのなら、この中ではアポロが一番、弱っている計算ですね。
 で、一つ気になるのがアポロさんの服。
 原作ではアポロさんのシャツは黒に塗ってあるので濃色と思うのですが、アニメでは白になっていますね。

 ダイとマァムの特訓シーンは、ちょっとがっかり。
 もう少し、がっつりと打ち合って欲しかったのですが。原作では全身を使ってフルに戦っている感が強かったのに、アニメでは上半身のみで表現されているせいか動きが控え目で物足りなさがありました。

 けど、レオナへの思いを語るシーンや、特訓する二人の影が見えるシーンはよかったですね〜。

 マトリフ師匠のセリフも、ちょこちょこ改変されていますね。ポップはどこか聞かれて、

原作「地獄だよ……」
アニメ「ああ、もう死んでるかもな」

 これ、どっちがより厳しいのか分かりませんね(笑)

 フレイザードが悪魔の目玉で呼びかけるシーン、夕焼けの背景がびっくりするほどキレイでした! 原作では二色カラーで色合いがよく分かりませんでしたが、アニメだとはっきりと時間演出が映えますね。

 バダックさんの爆弾に対するギャグは消されなくて、嬉しいです!
 アニメでは割と真面目キャラなのに、なぜか信頼度だけは原作並みのバダックさん(笑) ダサい爆弾を使うしかないとぼやく台詞も、順番を変えてちゃんと出してくる辺り、爆弾に対する思い入れが強いですね。

 ポップが戻ってきた際、ダイ、マァムとポップが抱き合って感激するシーン……もしもーし、あのー、あの抱き合い方ってなんですかね、ダイポプですか!? ポプダイですか!?(笑) もしや、これが公式が病気というヤツですか!?

 原作の、色気が全くないハイタッチ感覚での三人でのじゃれあい抱きつきが、ダイとポップの濃厚な抱擁と、それにそっと寄り添うマァムと言う図になっとりますが……なぜにこうなった?(笑)
 少し離れた所で見ているゴメちゃんが一番大人ですね、このポジションだと。

 抱きつき方に不満はあれど、その後のポップがマトリフに戻ってきたというシーンや、師匠と呼ぶシーンは、嬉しいぐらいにイメージ通りでした。
 ポップとマトリフのやりとり、いいですねえ。

 小舟では、思わぬ改変が一杯で楽しかったです。バダックさん、急に繰り返し台詞で急に個性出してきましたね(笑)
 バギを使えとポップとマァムが言い争うシーンが、実に楽しくって良いです。

 微妙だけど面白い改変だなと思ったのが、ダイがゴメちゃんが鳴いたのを見て、「ごめんごめん」と付け加えたこと。
 原作では、ダイはゴメちゃんはおれと一緒、と普通に言っていましたが、アニメ版では謝ってからおれと一緒、と言っている。

 アニメ版のダイは原作より悪戯好きなだけでなく、他人に気を遣うデリカシーもあるのかもしれないな、と思ったシーンでした。

 魔王軍、今回の敵達……なんだか妙にコロッとしていて可愛い系が多いですね!? ミストバーンのシリアスさと、彷徨う鎧の丸っこさがイマイチ合っていないような。
 つーか、ミストバーン、カール王国ほっぽり出して総攻撃に参加しているんだから、そりゃバランも文句を言いたくなるでしょうな(笑)
 
 予告、ようやく本気を出してきたって感じです。
 ピンチなダイ達に誰か助けが来ることを匂わせつつ、相手は定かではない……そうそう、ネタバレを防ぎつつ盛り上げる方針でやって欲しかったんですよーっ。

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