『いざ決戦の地へ』(2021.9.4)
  
 

《粗筋》

 パプニカ城。
 城門から海を見下ろしているのは、王女レオナだった。長い髪を風になびかせるままにし、真剣な瞳で海を見つめる彼女は、小さく呟く。

レオナ「いよいよ……出発ね」

 それに答えるように鳴くのは、ゴメちゃんだった。
 姿勢を正してじっと佇む彼女の後ろには、三賢者、バダック、メルルが並び、後ろの方には兵士達も控えている。

レオナ「明日にはカール王国に、全世界の戦士達が集まるわ。私達の反撃を開始する時が来たのよ」

三賢者「「「はいっ」」」

 毅然とした表情を見せていたレオナだが、不意に困ったような顔になり、仲間達の集合の遅さを心配する。特訓がうまくいかなかったのではと案じるレオナだが、その時、空から怪鳥音が聞こえた。

バダック「おっ、来たぞ!」

 飛んできたガルーダから、危なげなく飛び降りるクロコダイン。その背には、チウも乗っていた。

チウ「いちち……っ」

 クロコダインの姿を見て、レオナは嬉しそうに駆け寄る。バダックも特訓の成果を訪ねたが、クロコダインとチウはそれに答えずに互いの目を見交わし合う。
 クロコダインが握りしめた斧が、眩く輝いた。
 
 言葉で成果を吹聴せず、実戦でご覧あれと告げる彼からは、言葉少なながら、確かな自信が感じられた。

 メルルは空を指さし、ポップが来たと告げる。
 トベルーラで飛んできたポップは軽く着地し、クロコダインを見て、一番乗りのつもりだったのにと軽口を叩く。

チウ「ンフフッ、甘い、甘い!」

 クロコダインの肩に乗っているだけなのに、チウの態度は相変わらず大きい。
 が、クロコダインはポップの右腕の焼け焦げを見逃さなかった。
 ポップが強力な呪文を習得した事を察し、ポップも不敵な笑みと共にそれを肯定する。

 マトリフは参加しないのかと問うレオナに対し、ポップは師匠からの伝言を伝える。

『つかれたから、寝る。後はおまえらに任せる』

 いい加減な言葉のようでいて、その言葉には若者達に全てを任せる意志が込められている。
 ここには来なかった偉大な老魔道士の言葉を、胸を張って聞く一同。

 ポップが辺りを見回し、まだ来ていないのはダイとヒュンケル、マァムの三人かと呟く。

マァム「いいえ、二人よ!」

 と、それに答えたのはマァムの声。
 声の方向を向くと、城の城壁を見事なタンブリングで移動し、見事な回転着地を決めたマァムの姿があった。

 ポーズを決め、軽くVサインを送るマァムに、ポップ、メルル、レオナも応じ、バダックも手を振る。
 残りは、ダイ達だけ。
 武器の修復もあることだし、彼らが一番時間がかかりそうだとポップは言うが、空を見上げたレオナはそうでもないと否定する。

 光の軌跡と共に、ルーラで着地したのはダイとヒュンケル、それにロン・ベルク。
 嬉しそうに駆け寄るダイに、手を広げて迎え入れるポップ。

 エイミはヒュンケルに見とれているのか頬を赤く染めているし、マリンはそんな妹を含み笑いをしつつ眺めている。
 
 ポップはダイを肘で小突きながら、修行の成果を尋ねる。
 あまりはっきりしない感じの煮え切らない返事だが、ダイはダイなりに出来る限りのことはしたという。
 それを聞いて、ポップもまた、笑顔で応じる。

 賑やかに騒ぐ仲間達から少し離れた場所にいたヒュンケルは、ロン・ベルクに律儀に挨拶し、みんなの所へ行こうとした。
 そんな彼に、ロン・ベルクはなぜ槍を使うのかと問う。

 槍は素人であり、剣を使えばロン・ベルクにも劣らぬ腕を持つヒュンケルが、なぜ槍を使うのか――その質問に、ヒュンケルは静かに、だが力強く答える。

ヒュンケル「この槍が、友の形見だからだ」

 その答えにロン・ベルクは満足し、その心をダイにも伝えてくれるようにと頼む。それに、無言で頷くヒュンケル。

 これで全員そろったと言うレオナに、ダイとポップは力強く頷く。
 が、その直後に二人そろって何かを思いだしたような表情になり、目を見交わした。

ポップ「ちょっと待ってくれ……!」

ダイ「うん……! そうだ」

 あと一人、と言って、二人はそろって城の中へと駆け込んだ。あっけにとられる仲間達だが、待つほどもなくダイとポップは戻ってくる。
 二人で一冊の本を手に取り、息を切らせて駆けてきた彼らを、仲間達は取り囲んだ。
 二人の手にあるのは、アバンの書。

マァム「これが……アバン先生の本? 初めて見るわ」

 見るのが初めてのマァムは、興味深げに本を見つめる。ヒュンケルも、本を見つめて深く頷いた。
 先生の故郷に行くんだから、連れて行ってやらなきゃと言うポップ。
 ダイもまた、アバンの書を両手でしっかりと握りしめ、懐かしい師のことを思い出す。

 彼こそが、全ての始まり。
 彼がいなければ、ポップを初めとするみんなとは会うことはなかっただろう。
 ダイは本を空に掲げ、みんなで戦うことを誓った――。






 その頃、暗い洞穴の奥。
 際奥では、岩の隙間から漏れる光がキラキラと綺麗な虹色に輝き、座している竜の騎士を照らし出していた。
 不意に目を開けたバランは、振り向きもせずに言う。

バラン「死神か」

 声をかけられた途端、キルバーンは足音を立ててバランへと近づく。気配を殺して近づいたのに発見されたことを、大仰に怖がって見せるも、彼の態度には余裕が溢れていた。

 わざわざ辺境の地にまで竜の騎士を探しにきたキルバーンに対し、バランは恐れる様子もなく、自分の命を奪いに来たのかと問う。
 
キルバーン「フッ……死神の仕事が、他にあるとでも?」

 それが大魔王バーンの意志かと問うバランは、すでに彼への敬語を捨てていた。
 あの男が自分に約束した、人間を滅ぼして理想郷を築くという言葉は嘘だったのか、と問いかけるバラン。

 それを聞きながら、キルバーンは手にした大鎌を回し始める。見事な手さばきで大鎌を回すキルバーンから、ピロロは離れ、岩陰に隠れつつも顔だけ出して様子を伺う。

 キルバーンは、語る。
 バーンの言葉に嘘はない、と。人間だけでなく、モンスターも、竜も、全て滅ぼすことこそがバーンの望みだ、と。
 さすがに驚きを見せるバランに、キルバーンはなおも続ける。

 かつて冥竜王ヴェルザーと戦ったバランも知っているはずだ、と。地上のはるかに下に存在するもう一つの世界……魔界。
 バーンの望みは、その魔界ごと地上に浮上させること。
 ハドラーさえ知らない事実を、得意げに暴露するキルバーン。その時、天井からしたたり落ちた水滴が水面に落ち、波紋が広がった。

 それをきっかけにしたように、キルバーンが大鎌を回すのを止め、鎌を高く振り上げて構える。
 動かないままのバランの目が、一瞬だけ険しくなった。

 人も怪物も竜も、全てが魔界に堕ちていく……そして、力の強い者、破壊や殺戮を喜びとする者だけが生き残る世界――それこそが、バーンの望む理想郷。
 それを妨害する可能性のある目を、全て切り取るのがキルバーンの役割。

 突如、殺気を露わにしてバランに襲いかかるキルバーン。

バラン「……愚か者め!」

 振り返ったバランは、真魔剛竜剣を一閃させる。刹那、驚いたように目を見開くキルバーン。
 それは、水滴が水面に落ち、再び波紋を広げる間に起きた一瞬の間の出来事だった。

 血とは違う、真っ赤な溶液を撒き散らしながらキルバーンの身体が腰から真っ二つに両断される。

バラン「人はそれを……地獄と呼ぶのだ!」

 切断されたキルバーンの上半身が地に落ち、一歩遅れて下半身も力を失って倒れ込む。
 ダイとの戦いで折れたはずの真魔剛竜剣が蘇っていたことを、キルバーンは驚愕と共に悟る。

 倒れたキルバーンは目の前に転がる自分の大鎌を目にし、なおも思う。

キルバーン(全身の感覚を奪うはずのボクの死神の笛が全く通じないとは、やはりこの男、並みの化け物じゃ……な……い)

 途切れかけたオルゴールのように間延びしてそう思ったキルバーンの目から、光が完全に消失する。

 それを確信しているかのように、キルバーンを振り向きもしないまま剣を鞘に収めるバラン。

バラン「大魔王バーン……そういうつもりなら……私にも考えがある!」

 一瞬だけキルバーンを見て、バランは洞穴から出るために歩を進めていく。彼がある程度離れたのを確認してから、ピロロが大慌てで懐から小袋を取り出し、中身の粉をキルバーンに振りかけた。

 煙が立ちこめ、その煙が身体に吸い込まれると同時に、キルバーンの手がピクリと動く。そして、彼の手は自分の下半身を掴んで引き上げ、身体が合体すると同時にキルバーンの目に光が戻った。






 その頃、パプニカの町では多くの人々が気球船を見送っていた。
 誰もが喜び、出立した勇者達の無事を祝い、応援する気持ちのままに大きく手を振っている。
 その中に、バダックやアポロ、マリンの姿もあった。
 みんなから少し離れた所に、物陰に隠れるようにして空を見上げているロン・ベルクもいる。






 そして、気球船に乗っているダイ達もまた、遠ざかっていくパプニカを眺めていた。
 はしゃいでいるポップは、決戦の地へ向かい、故郷を離れるレオナにちょっと小洒落た台詞を投げかける。

 そんな台詞を言ったら、逃げた時にかっこ悪いわよとからかい返すレオナ。それは最初の頃だけだとむくれるポップだが、ダイもポップをからかう。

ダイ「最初の頃、かなりの間ね」

レオナ「そうそう!」

 笑いに包まれる彼らは和やかで、とてもこれから戦いに向かう戦士達には見えない。

 仕返しとばかりにダイを小突いた後、ポップは敵を感知する力のあるメルルが来るのは納得しつつ、いつもならパプニカで留守番しているエイミが一緒に来たことを疑問に思い、なぜかと尋ねる。
 
 一瞬目を泳がせ、エイミはレオナの護衛として参加すると答え、自分も多少は戦えると主張する。
 が、多少程度では役に立たないと、ヒュンケルはバッサリと切り捨てた。
 姫の護衛に徹するようにと言われ、エイミは見るからに動揺する。

 と、それを見ていたポップは、ニマニマ笑いながらマァムにエイミさんが怪しいと耳打ちする。
 マァムは何も気づいていない様子だが、ポップはエイミがヒュンケルに好意を持っていることに気づいて、面白がっている様子。

 そして、それを見ているメルルは、他人の恋路には敏感なポップに対して、少しばかり恨めしげに見つめるのだった。
 
 レオナはヒュンケルに、世界各国の強豪が来ることだし、その手伝いをするだけでエイミが来る価値があるとフォローを入れる。それを聞いて、俯いていた顔を上げるエイミ。

 世界中の強豪と聞き、期待に胸を膨らませながら、ダイとポップ、それにゴメちゃんは拳を打ち合わせる。
 チウは自分の半分も腕が立てばいいと大きく出て、賑やかな雰囲気だ。






 一方、ヒュンケルは気球船の端に進み、物憂げな顔をしている。

ヒュンケル「強豪達……か」

 ヒュンケルに何か不安なことでもあるのか、と尋ねるクロコダイン。彼に対しては、ヒュンケルも本音を打ち明ける。

 レオナの言う通り、人々が協力し合うことが大事とは理解しているが、大魔王バーンの恐ろしさをわずかなりとも知っている彼は、総攻撃に余計な人間を含めたくないと考えている。
 
 その気持ちはよく分かると、クロコダインも頷いた。
 勇者一行を乗せ、気球船は青空を飛んでいく――。





 その頃、死の大地では鋭い岩が有り得ない速さで隆起していた。雷鳴が轟く中、死の大地は不気味な変貌を遂げている最中だった。
 結果、死の大地はこれまで以上に刺々しい印象の島へと変化していた。
 それを、気球船から真剣な目で見つめる勇者一行。
 ダイは緊張の面持ちで、新たな姿になった死の大地を見ていた――。






 目的地であるカール王国に気球船が着陸すると同時に、ダイとヒュンケル、それにチウが飛び降りた。続いて、マァムとレオナも着地する。クロコダインとゴメちゃん、最後にエイミとメルルが気球船より降りる。

 ここが待ち合わせ場所で間違いが無いか、レオナに確認するダイ。
 今は何も無い小高い丘に過ぎないが、レオナはここが元カール城だと説明する。

 初めてカール王国を見て、先生の故郷だと感慨深げなマァム。だが、ヒュンケルは感傷に浸っている場合ではないとたしなめる。
 その時、空から降りてきたポップが偵察の結果を報告する。死の大地に突如として伸びた棘状の山は、雲の上まで伸びている、と。

 あれが魔王軍のアジトならば、とんでもない大きさだと言うポップ。魔王軍の余裕を目の当たりにして、不安そうな表情を見せるポップやマァム。
 が、ダイの発言で気を取り直し、引き締まった表情へと変化して頷く。

 その時、チウはこそこそとその場から離れて森へと向かっていく。ゴメちゃんだけがそれを見つけて、不思議そうに鳴いた。

 だが、ダイ達の注意は、突然やってきた人の気配に向けられていた。抜き身の剣を持った男に対して、ダイとヒュンケルは真っ先に反応し、誰何の声をあげる。

 それに慌てふためきながらも近寄ってきた男は、ベンガーナ王国戦車隊長のアキームと名乗る。

アキーム「気球が見えたので、お迎えに上がりました」

 知己の相手と知り、安堵するクロコダイン。
 ポップはスキンヘッド頭の彼をからかい、戦車隊の責任を取って頭を丸めたのかと笑うが、生真面目すぎるぐらい真面目な彼には冗談も通じない。以前よりずっと坊主頭だと返され、さすがのポップも調子が合わないと感じた様子だ。

アキーム「それより……みなさんはご存じですかあの死の大地の異変を」

 アキームの問いに、頷くダイ。

アキーム「では、話が早い。作戦基地で、バウスン将軍がお待ちです。ご案内いたしますので、こちらについてきてください」

 各国の戦士達は、サババの造船基地にいると言う。そろって作戦基地に移動する間、ダイはサババについてレオナに尋ねる。
 サババはカールの北方に位置する小さな漁港で、そこで秘密裏に大型船を建造中だとレオナは説明する。

 話の最中、マァムはふと足を止め、振り返る。

マァム「そういえばチウ達……どこに行ったのかしら?」





 その頃、森の中ではチウが周囲の様子を伺いつつ、茂みから飛び出すところだった。またも周囲を確かめ、胴着の中をごそごそと探し出すチウ。
 と、そんな彼に呼びかけるように鳴いたのは、ゴメちゃんだった。
 焦りまくって、挙動不審な態度を取るチウ。

 一瞬、笑顔でVサインを見せるも、ゴメちゃんは一方向を翼で指しながら叱りつけるように鳴く。みんなの所に早く帰れ、と言わんばかりだ。
 だが、チウは悪びれる様子もない。
 一足先に死の大地に潜入し、魔王軍の情報を収集するつもりでいる。

 どうやって海の向こうに行くのかと、不思議そうに鳴くゴメちゃんに、チウは自信たっぷりに自分が『獣王』と呼ばれても言い存在になったと言ってのける。

 その自信の根拠は、クロコダインから特訓に付き合った礼としてもらった、獣王の笛。
 笛を吹けば怪物を呼び寄せ、それを倒せば子分にできるという効果を持つ。
 それを聞いて、思いっきり驚くゴメちゃん。

 いずれ、この笛で正義のモンスター大軍団を結成してみせると、チウの夢は広がるばかり。
 飛べるモンスターを仲間にするため、空に向かって笛を吹くチウ。
 少々頼りない音が、その場に響き渡った。

 待つことしばし……後ろから聞こえる羽ばたきに振り返ったチウとゴメちゃんは、三匹のハピラスがこちらに飛んでくるのを発見する。

チウ「ふ、複数でやってくる時もあるのね……」

 青ざめるチウの頭上を、パプラスが旋回する。思った以上に強そうな彼らを見て、勝てるかなと不安に目を血走らせるチウ。ゴメちゃんも、不安そうに鳴くのだった――。






 その頃、サババの港には立派な船が設置されており、ロモス武術大会の決勝出場者達がそれを見に来たところだった。

ゴメス「おお! もうすぐ完成だな!」

ラーバ「これに乗って、死の大地に赴くのだな」

ゴメス「お?」

 気配を感じて空を見上げると、金属音と共に光の速さで突っ込んできたのは巨大なチェスの駒だった。それはものすごいスピードで港の端に着地し、その勢いに押されたように武術大会メンバーは後ろに吹き飛ばされる。
 
全員「おわぁああーー」

ゴメス「なんだ、あれは?」

 金属製の巨大なチェスの駒は、見る間に人間型へと変形する。後ろを見せる形で立っていた彼が振り向くと、その顔はのっぺりとしたまま……が、シャッターを開けるように隠されていた顔が露わになる。

ゴメス「魔王軍なのか!?」

ヒム「貴様ら雑魚が対岸でウロウロして、目障りで仕方ねえんだ」

 身体の向きを変えて、ヒムが武術大会メンバーと向き合う。

ゴメス「ふざけるなっ!」

ラーバ「たった一人で乗り込んでくるとは、いい度胸だな!」

ヒム「フッ……俺は一人でも良かったんだが……」

 いきり立つ武術大会メンバーを鼻で笑い、ヒムは高々と右腕を高く掲げ、天を指さす。
 と、そこに四つの巨大なチェスの駒が再び突っ込んできた。ヒムの背後に四つ、等間隔に綺麗に並んで着地する。

 そして、変形が始まった。
 まず、動いたのは騎士(ナイト)の駒。馬の顔を持ち、ランスを構えた騎士へと変形した。

 お次は僧正(ビショップ)。剣を模した攻撃的なフォルムの人型へと変形する。城兵(ルック)は盾を両手に持ち、一際巨体の人型へと変わる。
 最後の女王(クィーン)は、唯一の女性形として、華麗に変身した。

ヒム「相手をするのは、オレ達ハドラー親衛騎団の五人だ」

 勢揃いした五人の親衛騎団が、そこには立ち並んでいた――。






 一方、ダイ達は壊れかけた砦――作戦基地に移動していた。
 壊れた建物のすぐ横、壊れた瓦礫に巧みに隠された入り口の奥で、リンバイア王国のバウスン将軍がダイ達を歓迎していた。

 が、その時、部屋全体が揺れる衝撃があった。攻撃かとマァムは警戒するが、ポップはルーラの着地音だと断言する。
 よろめきながら部屋に入ってきたのは、見覚えのある魔法使いの男だった。

ポップ「あんた、確か……魔法使いのフォブスター!」

フォブスター「た、大変だ……サババが襲われた……!」

 サババのドックに敵が攻めてきたとの説明から、それがハドラー親衛騎団の仕業だと察するダイ達。

 バウスンはみんなの無事を心配するが、フォブスターは無言で首を横に振る。彼らの強さを実感した彼には、無責任にあの場に残った者達の無事は保証できない。
 ルーラの使える自分だけが、報告のためにここに来たという。

 即座に助けに行こうと言うダイ。
 ポップは、行ったことのない場所にはルーラで行けないと止めるが、ダイは自分とポップだけでも先行し、北に向かってトベルーラを使うつもりでいる。
 だが、勇者の言葉を遮るように声がかけられた。

少年「その必要はないよ」

 振り返ったダイ達の前には、一人の少年が立っていた。

少年「ボクが行けばすむことだ」

 誰だとけんか腰に尋ねるポップに対して、生意気そうな少年は落ち着き払って答える。

少年「ボクの名前は、ノヴァ。人呼んで、北の勇者」


《感想》

 海を見つめて髪をなびかせるレオナ、びゅーてぃほーっ! 違うカットなのですが、どことなく『竜騎将再び……!』の表紙イラストを連想させてくれますね。
 ダイの表紙イラストは好きな物が多いので、内容とストーリーがあっている場合、そこも拾ってもらえると嬉しくてたまりません♪

 原作ではナレーションだった説明が、レオナの言葉として語られている改変はいい感じです。
 しかし、クロコダインがガルーダで来たのは驚きました。原作では、単に走ってきていたのに(笑) ずいぶんと動きが派手になっとります。

 メルルがポップが来たことに真っ先に気づいています。やっぱり、彼女はポップにばかり気をつけていたんでしょうね、健気♪
 ついでに、メルルが空を指さすシーンで隣にエイミさんがいるので、ワンカットですが実に美しいショットになっています♪

 ポップはその二人の前に降り立っていますが、彼女らを無視してクロコダインに話しかけていますよッ、罰当たりなっ。

 でも、ポップとクロコダインのやり取りはいい感じで気に入りました。
 ポップが腕を押さえて「まあね」と言うシーン、原作通りなのですが、原作ではめっちゃ小さなコマで目立たなかったので、アニメで動きもつくと印象が変わりますね。

 ところで仲間達の並び順、原作とはちょいちょい違っていますね。まあ、原作を見返してみても、原作自体この場面では並び順がちょいちょい変更されているし、あまり意味がなさそうですが。

 マァムのタンブリングシーンも、原作よりも派手になってますね。
 しかも、着地した足下から上へとパンしていく画面、下からの角度で見上げる旨がめっちゃ強調されていますがっ。原作にはないカットに、なぜにここまで力を入れるかと聞きたくなるぐらい。
 いや、気持ちは分からんでもないですが(笑)

 マァムのピースにみんなが応じるシーン、いいですね〜。でも、クロコダインとチウ、ゴメちゃんぬきなのは変わりませんでした、がっかり。
 そして、原作からの疑問なのですが、ここでちゃっかり加わっているバダックさんは、なぜにピースではなく、手を広げているのやら。

 ダイ達の再会シーン、原作ではジャンプしてみんなの中に飛び込んでいたダイが、ただ走っているだけで終わってしまったのが残念!
 
 その代わりのように、エイミさんとマリンさんのやりとりが加わっていましたけど。しかし、画面隅で真顔で見ているだけのアポロさん、とんだ鈍チンに見えちゃいますが。

 ヒュンケルが『友の形見』と答えるシーン、槍を強く握りしめる描写がいいですね。原作と持ち方が違いますが、槍への拘りが感じられます。

 ダイとポップがアバンの書を思い出す直前のカット、両手を握りしめる二人の後ろにゴメちゃんを頭に乗せたメルルがいましたっ。原作ではフルメンバーがそろっている図だったので、なぜここでメルルだけに焦点を当てたのか疑問ですが、可愛いので全然オーケーです♪♪♪

 ダイとポップがアバンの書を思い出すシーン、息がぴったりでいいですねえ。本を二人がかりで持って走るのって、よく考えりゃ難しそうなのに軽々こなしていますし。
 ダイとポップって体力差が大きそうですが、もし二人三脚をやるとしたら、すごく速く走れそうな気がします。

 アバンの書を見て、初めてだというマァムの台詞はアニメの改変ですね。原作では前半部分だけなので、マァムは初見だと言う印象はありますが確定ではありませんでした。

 でも、前の戦いの間から少しとは言え時間があったんだから、読んでおくべきだったとは思うんですが〜。
 空き時間を利用してアバンの書を読み込んでいたヒュンケルに比べると、マァムはあまり読書好きではないのかもしれません。

 ダイが勉強嫌いを前面に出していたので目立ちませんでしたが、マァムも大概勉強嫌いで動く方が性に合っているっぽいですね。

 ヒュンケルが頷くシーン、背後にさりげなくエイミさんがいるのがナイス!(笑)

 ポップが『連れて行ってやらなきゃ』の台詞を言う時、少し寂しそうな顔に変化するのがいい感じ♪

 回想シーン、本にだぶらせるようにアバンの顔が浮かぶのを皮切りに、

1 後ろ姿のダイとブラスに向かって、正面向きのアバンが挨拶する図。アバン先生が初めてデルムリン島来た時の図で、後ろに小舟に乗ったポップが見える。

2 アバンが弟子のポップを紹介しているシーン。

3 夕日の中、木の枝を持ったアバンとダイが打ち合うシーン。少し離れた所で、ポップ、ブラス、ゴメちゃんが見守っている。

4 ハドラーの攻撃を背中で受け、ダイとポップを庇うシーン。

5 ダイとポップにアバンのしるしを与えるシーン。

6 メガンテ寸前の、笑顔で別れを告げるシーン。

 と、アバンを中心にしたシーンがたっぷりでした。

 ダイがみんなと戦うと宣言した際、各自のアップのカットが入ったのも嬉しかったです。

 原作とはちょっと順番が違っていて、白光をバックに、ポップ、マァム、レオナ、ヒュンケル、クロコダイン&チウ、メルル&バダック、三賢者(なぜか、エイミさんが一番目立つ場所(笑))、最後に気合いの入りまくったゴメちゃんが唯一、動きと共にアップに。

 その後、青空と青い海に向かって本を掲げるダイの後ろ姿からフェードアウトして次の場面へと繋がるのは美しかったのですが……原作の全員集合図が好きだったので、賑やか画面がなかったのは寂しい限りです。

 そして、希望に満ちた光景から暗い洞穴内の落差が激しすぎっ。
 ゆっくりと視線を奥へ移動させる、這い寄るような視点変化が不気味です。
 無音で不気味さを際立たせたかと思えば、キルバーンが発見されてから、足音やらBGMを入れていく演出もいいですね。

 バランとキルバーンの対決、かっこいいの一言!
 戦い前のやり取りからして、渋すぎる! ピロロがこそっと逃げていくシーンはアニメの改変ですが、いつの間にか離れていたよりもいい動きですね。

 キルバーン、大鎌をいつもよりも余計に回しています状態。死神の笛をたっぷり聞かせて、バランを念を入れて麻痺させる予定だったんでしょうね。

 ダイの場合は、笛自体にヒビが入っていてまともに音が聞こえていなかった状態だったと解釈していたけれど、竜の騎士自体に音からの状態異常を無効化する能力が備わっているのか、あるいはバランが音からの異変に気づき、高周波だけ除外するように鼓膜付近にのみ竜闘気を張っていたのか。
 興味深いところです。

 キルバーンが魔界について説明する際、画面が魔界へと切り替わりました! 甘く染まった、死の大地のように殺風景な荒野が映っていましたが……あれが魔界……!
 もやもやした湯気みたいなものがみえましたが、あれが瘴気でしょうか。空もすごく暗いし、陰気な場所ですよっ。

 回想シーンでは、キルバーンが湖の畔に立つ感覚で、マグマの煮えたぎる場所にいましたし。屈んで、手で溶岩をすくったりしていましたが、あれが魔界のスタンダート光景だとしたら……嫌すぎです(笑)
 魔界編、思っていたよりもハードだなぁと思いました。

 回想シーンから現実の洞穴に戻った時、天井の石柱からしたたり落ちそうな水滴がアップになっているのが、妙に緊迫感があっていい図だと感じました。

 キルバーンがバーンの理想郷について語っている際、ピロロがうんうんと頷いているカットが加えられていたのには、感心しました。これもアニメの改変ですね。やっぱり、ピロロはかなり贔屓されてる感じです。。

 キルバーンが襲いかかるシーン、またも水滴がしたたり落ちているカットがありました。緊迫感のある戦闘に、敢えて水滴の音を交えるのは時代劇などでよく使われた演出ですが、渋くていいですね。

 後、振り下ろされる刃にバランの顔が映り込む演出が素晴らしいです! アニメになってから、刃に顔が映る演出があちこちにありますが、かっこよくて雰囲気があって好きです。

 バランの『人はそれを〜』の台詞が、めちゃくちゃにかっこいい……ッ! 寸前までの迫力のある動きとは一転して、まるで時が止まったかのようなスローモーションでの切断シーンと言い、バランが剣についた血を払うかのごとく振り下ろしたアクションの後、先にキルバーンの胴体が地面に落ち、一歩遅れてから立っていたはずの下半身が倒れる演出もたまらなくいいです!

 しかし、こんな残虐シーンをやらかしちゃった割には、真っ二つキルバーンの倒れ方が妙に綺麗ですね。アニメでは少し胴が離れているだけで、きちんと身体がそろった感じに倒れています。

 原作での上半身がひっくり返った形で血がその辺に散らばっている、惨殺現場とは比較になりません。……まあ、原作で見てでさえギョッとするあのシーンを、朝のアニメで出来るわけないとは思いますが(笑)

 でも、そのせいで、キルバーン復活の際、下半身を掴んでクルッと向きを変えるアクションがなくなってしまい、単にズボンを上げただけのような地味な復活になったのは残念!

 気球船の見送りシーン、みんなが歓迎している雰囲気が好きです。
 見送るために屋根にまで上っている人も多いし、子供の数も多く、兵士や神官達も町の人と一緒に喜び合っている感じです。

 原作では、割と堂々と見送りをしていたロン・ベルクが、アニメでは物陰に身を潜めている風だったのが衝撃でした。えっ、この人、空気読めたんだ……っ(笑)

 気球船でのダイ達の無邪気なやり取りが、すっごくいいですっ!
 逃げてばかりの初期のポップをからかうやり取りが、とっても楽しくっていいですねえ。ダイ、ポップ、レオナ、マァム、メルルと年の近い子達がまとまってわちゃわちゃしている感が好きです。

 原作のダイは素直にレオナに暴露しちゃった風に見えましたが、アニメのダイがポップを明らかにからかっているのも、また楽しいです。
 アニメのダイは、時々ポップをからかって楽しんでいる風に見える時がありますね。

 逆に少し意外だったのが、ポップが最初の頃だけだと言っている時、すぐ後ろにいるマァムは反応を示さなかったこと。
 ポップの言い分を聞いて『その通りじゃない』って呆れた顔をするとか、『うーん、これ、言っちゃっていいのかしら?』って感じに困った顔をするとか、なんらかの反応が見たかったですねー。

 すぐ後ろにいたチウも台詞も無かったし、ノーリアクションだったのも残念。レオナが「そうそう」と言っている時、もっともらしく頷いて欲しかったもの。ピロロに頷きをさせておいて、なぜチウの頷きシーンを削るのやら。

 さらに贅沢を言うなら、メルルの反応も見たかった……!
 メルルからすれば自分が仲間入りする前の話だから、話には入れなくて寂しいという気持ちと、ポップをからかうなんて……とちょっとモヤモヤしてしまう乙女心があったのではないかと推察!

 ついでに、原作では気球船にいるであろうフルメンバーが笑い合っている図だったのに、全員は描かれなかったことが残念。まあ、アニメで狭い場所に大勢一気に書くのは地獄なので、削りたい気持ちは分かりますが。

 でも戦いを前に気を抜いて、お祭り前のような高揚感を味わっている感じが大いに気に入りました。ただ、その中に混じりきれていないヒュンケル、なんて不幸(笑) もう少し、はしゃいでもいいのよ?

 後、原作ではこの時ほぼ出番の無かったゴメちゃんが、ダイの頭に乗っているのに感動! ゴメちゃんは基本的に、弱いと思われる仲間の側にいるときが多いですが、穏やかな時間の時には親友であるダイの頭に乗っていて欲しいです。

 ポップがメルルが来てくれたのはありがたいと言うシーンで、メルルが照れている姿がものすごく可愛らしいですっ。原作では横顔なのが、アニメではやや上から見下ろす角度になっていて、可憐さと可愛さがアップしていますよ!

 ポップからエイミさんへの質問、本心から不思議に思っているようなキョトンとした顔なのが妙に可愛かったです。原作では、分かっていてカマをかけたのかなとも予想していたんですが、アニメの反応だと聞いた後の反応で気がついたっぽいですね。

 エイミさんがキョドって、一瞬目を泳がせるシーンもいいです。でも、レオナを守ろうという言葉も彼女には本音で、一生懸命話している時にレオナが彼女を見守るカットが入っているのもよかったです。

 ポップ、マァム、メルルの三者三様のやりとりも楽しかったですが、ヒュンケルが背中を向けた時のエイミさんも、なんだか切なげで良かったですよ。
 ヒュンケル的には善意からの忠告なのに、まったく噛み合っていない感じがいいです。

 後、ちょっと拗ねているメルルが実に可愛くて♪ メルルが膨れるシーンは珍しいので、目の保養ですよ。

 そして、レオナのフォローもいい感じ。
 原作では文字通りヒュンケルに対するフォローという感じでしたが、アニメではエイミの反応を入れることで、彼女へのフォローという意味合いが強まった気がします。

 原作ではダイが強豪達の話をしている相手はレオナでしたが、アニメではポップと話していて、気があったタイミングで拳を打ち合わせているのがいい雰囲気でした。
 ゴメちゃんまで、一生懸命仲間に入ろうとしているし♪

 ヒュンケルが『強豪達』と呟くシーンはアニメの改変ですね。
 死の大地が変わりゆく姿をナレーション抜きで動きと不気味なBGMで表現し、勇者一行が警戒するように死の大地を見つめるシーンはいいと思います。ようやく、ここにきてやっと、勇者一行を全員横並びに描くカットが入りましたし。

 が!
 エイミ、マァム、チウとゴメちゃん、クロコダイン、ポップ、ダイ、レオナ、ヒュンケルと並べて置いて……なぜメルルを省くっ!?(泣) 

 気球船から外に出るシーン、ダイ、ヒュンケル、マァム、チウ、クロコダインの動きに文句はないですし、エイミさんも割と行けそうな気がしますが、レオナやメルルは外に飛び出すのではなく、他者の補助か梯子などで乗り越えて外に出て欲しかったです。

 死の大地の様子を聞いて、ポップやマァムが不安そうな表情になり、ダイの言葉で気を取り直すシーンは良かったです♪ 原作でもあるシーンですが、あまり目立たなかったのではっきりと見せてくれて嬉しいですよ。

 でも、信号弾を打ち上げる準備が省略されたのは悲しいです〜。
 原作では気球船に残ったままのメルルとエイミが協力して準備をして、打ち上げ花火のようなものを用意していたのに。

 ダイがパプニカのナイフを、ヒュンケルが槍を構えるシーン、かっこいいです!
 アキームさん、ポップとのおふざけなやりとりがちゃんと入っていたのにはホッとしました。

 でも、アキームさんの台詞は結構な改変がかけられています。原作ではアキームは仲間達の所在を告げていますが、どこに向かうか決めたのはレオナだったのですが、アニメでは行き先はすでに決まっていましたね。

 後、サババについての雑談で、大型船の出資者がベンガーナ王だという台詞が削られていました。それにともない、ポップの「さすが金持ち国」の下りもカット。ベンガーナ王の金銭的な見せ場が台無しになっちゃっていますね、お気の毒に。

 チウ君の探索シーン、原作よりも動きが派手になっていて楽しー♪
 茂みから出る時、わざわざジャンプをするところとか、ゴメちゃんにビビって後ずさるポーズが歌舞伎の「しばらく、しばらく!」のように、目一杯に開いた手を突き出すポーズなのには笑っちゃいました。

 ゴメちゃんの翼でVサイン、可愛かったですが時間が短すぎっ。もう少し、ゆっくりやって欲しかったですよ〜。

 獣王の笛、赤いとは思いませんでした。それに音も、DQ2と3でよく使われていた笛の音っぽい音を想像していたので、予想外でしたよ。
 なんか……小学生が初めて吹いたリコーダーの音に聞こえたんですけど(笑)

 チウがビビって空を見上げる時、旋回するパピラスの影が地面に映っているのが見えたのは感心しました。

 サババ港で大型船が設置されているカットで、海に浮かんでいるのではなく、よく見たら木で組まれた台の上に置かれていました。
 なるほど、この船は進水式前なんですね!

 船を作る際は、ザックリ別けてドックと呼ばれる専用作業場を使う方式と、臨時に作った足場の上に作る方法がありますが、アニメではどうやら後者を選択した模様。
 原作でもアニメでも船がドックにあると言っていましたが、厳密にはドックではないような気がします。

 すでに完成している感じですが、進水式をしないと船は完成したと見なさないのが通例です。

 酒瓶をぶつけて酒をかけ、船をこの足場から水に落とした所で命名式を行うのが進水式の一般的な手順なので、全員が集まってから進水式を行うつもりだったんでしょう、多分。
 その場合、ダイ達に命名を委ねた可能性もあるので、どんな名前になったか見てみたかった気もします。

 武術大会メンバー、ほぼゴメスとラーバしか喋っていない感じでしたが、正直遠景場面だと声の区別がつかなかったので、名前の表記は適当です(笑)
 エンディングを見たら、一応メンバー全員の声優はそろっていましたけどね。

 ヒムの変身前、顔の前のマスクがしまったままの状態だとのっぺりとしたマ
ネキンみたいな顔で、怖いですねー。
 
 親衛騎団、フル変身を見られて満足♪ みんな、短い時間で変身しているせいか、思っていたイメージに近いです。思えば、原作でもヒム以外は原型からの変身シーンは無かったので嬉しい!

 メンバーらの気取った立ち姿に、ああ、ハドラーの虚栄心が消えきっていないなと実感(笑) 
 
 しかし、ダイ大メンバーはフルそろった図は描かなかったのに、親衛騎団はフルメンバー画像があるって……なんか、ずるくないですか?
 前半の勇者達それぞれのアップと対応してか、白光を背景にシグマ、フェンブレン、ブローム、ヒム、アルビナスの順で一人ずつアップにした場面もありましたし。

 しかし、アルビナスの幅、思ったようも大きい!
 彼女のアップだけ、余白が全く残っておりません。ふと思ったんだけど、一般家庭の家屋に彼女が入ったら、ドアをくぐるのに身体を斜めにしないといけなかったんじゃ……(笑)

 フランスのロココ調最盛期、貴婦人の髪型が盛りまくりで装飾を施しまくってすごいことになっていた時代、ドアをくぐるのに苦労した記録が残っていましたね、そう言えば。

 横幅を取るスカートもそれなりの苦労があったみたいですが、あれは中身は骨組みだけの針金で出来ている場合がほとんどだったので、スカートごと引っ張れば意外と融通が利く代物ですが、髪型は少しでも引っかかると悲惨なことになるので、崩さないように細心の注意を払っていたみたいですね。

 余談はさておき、アルビナスのアップから画面を真っ赤に染めての場面転換、惨劇の予感を感じさせてナイスです!

 バウスン将軍による歓迎の場面、原作とは円卓を囲む並び順が違っていました!

 原作では、バウスンを起点に時計回りに、ポップ、マァム、メルル(一歩後ろに離れている)エイミ、ヒュンケル、クロコダイン、レオナ、ダイという順番でした。
 バウスンが議長で、ダイとポップが左右にいるという形です。

 アニメでは、バウスンを起点に時計回りに、マァム、ポップ(一歩後ろに離れている)、ダイ、メルル、エイミ、ヒュンケル、クロコダイン、レオナという順序になっています。
 バウスンとレオナが並んでリーダー的な場所にいる雰囲気です。

 ところで両パターンとも、エイミさんとヒュンケルがしっかりとお隣です(笑) 
 バウスン将軍の台詞も、大幅に削られていますね。

 ポップ、ルーラの着地音に関してはプロ(笑) 
 フォブスターを個別認識し、名前で呼んでいる当たりアニメの改変ですね。原作では「武術大会の時の魔法使い」って呼んでいましたし。

 バウスン将軍の台詞から「船は?」の一言が抜けていました。この場合、船の無事を確かめるのも大事な気がしますが、冷たく聞こえるせいかカットされていますね。

 フォブスターの回想での赤黒く燃える炎の中に見えるハドラー親衛隊の図、色合いのせいで迫力はありましたが、絵的には大分抑えられていました。

 原作では、シグマのランスに人が刺さっているとか、フェンブレンの手で突かれている人とか、黒い影となっている人影が後ろに見えていましたが、それが無くなっていました。これ、リアルに描いたらグロ画面になりそうですね。

 代わりに、手前に後ろ姿で呆然としている人影が追加されていました。多分、鞭使いのスタングルだと思いますが。

 やたらと勿体ぶって、ノヴァ登場!
 前回の予告に出てこなかったので心配していたのですが、ばっちり登場してくれてホッとしました。
 背伸びしまくってかっこつけている感がヒシヒシと感じられる口調が、グッド!(笑) 思っていた以上に中二病真っ盛り感があって、実にいいですねえ〜。

 次週予告、ポップが最終装備にっ。でも、オープニングは変わるかなぁ? 他のメンバーが衣装が替わるのに合わせてチェンジしている中、未だにポップは輝きの杖を持った装備のままなのに(笑)
 
 そして、ノヴァが主役と言わんばかりの活躍の光る予告っ。いやぁ、楽しみです。

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