『ハドラー親衛騎団』(2021.9.11)
 

《粗筋》

 パピラスに乗って、空を飛ぶチウとゴメちゃん。
 目立つたんこぶの出来たチウは、苦戦の末にパピラスを一匹倒すのに成功し、仲間に出来た。

 チウはモンスターにパピィという名前を与え、獣王遊撃隊の隊員一号とする。ゴメちゃんも仲間になりたそうな目で見ているのに気づき、彼を二号と決めるチウ。
 その時、チウは遠くに黒煙が上がっているのを発見する。

チウ「おや、火事かな? ……いや、ぼく達が目指す場所は北だ」
 
 少し考えた後、チウはパピーを軽く叩いて合図を送り、最初に考えたとおり北へと向かうのだった。






 その頃、勇者達の拠点ではノヴァが挑発的に自己紹介しているところだった。
 自ら北の勇者と名乗る彼の話を、ポップは反感を感じているように、ダイはきょとんとして聞いていた。
 その間、マァムはせっせと怪我をしたフォブスターの手当てする。

 ノヴァは自分がルーラでサババを救いに行くと宣言し、背伸びして集まった連中の力など借りる必要はないと言い放つ。
 ノヴァの傲慢な態度にポップは腹を立てるが、彼は反省するどころかさらに挑発的な発言を重ねていく。

 それを叱責したのは、バウスン将軍。
 彼とノヴァは親子であり、ノヴァはリンガイア戦士団の団長だと言う。バウスン将軍は息子の無礼さを叱責するが、ノヴァはどこまでも不遜だった。

 真実を語って何が悪いのかと言ってのけ、ダイ達を勇者として認めさえしない。真の勇者は一人で十分と言い切るノヴァの態度に、ポップはついにぶちきれたのか彼に殴りかかろうとするが、ダイはポップのベルトを掴んで必死に引き留める。

 怒るポップを、今はそんなことをしている場合じゃないとなだめ、ダイは手でポップを制しながら前に出て、ノヴァへ協力を頼む。
 自分達もサババに連れて行って欲しい、と真剣に頼みこむダイ。

ノヴァ「そうか……キミがダイだな?」

 頷くダイに対して、軽く笑い、ノヴァはスッと右手を差し出す。
 それを見て、嬉しそうにポップの方を振り向くダイ。が、ポップはまだご機嫌斜めなのか、思いっきり不機嫌そうにそっぽを向いてしまう。
 それに笑いながらも、ダイはノヴァへと手を差し伸べようとした。

 だが、ダイの手がノヴァの手に触れる寸前、いきなりその手が光に覆われた。
 驚くダイの目の前で、ノヴァは天井にその光をぶつける。轟音と共に天井が崩れ、降ってきた瓦礫のせいで周囲が煙に包まれた。みんなが避けようと身を庇う。

 それが闘気弾だと見抜いたのは、クロコダインだった。しかも、かなりの使い手だという。

 一番、闘気弾の近くにいたダイはその場に座り込んでいたが、そんなダイを見下ろし、ノヴァは自分一人で行くと宣言した。
 ダイのようなチビ助と同列にされていたのも気にくわないと言い、言いたい放題に言った挙げ句、ノヴァはバウスン将軍の制止を無視してルーラで飛んでいった。

 飛んでいったノヴァに対し、ポップはまだ怒っている中、レオナは呆れつつも冷静に言う。

レオナ「壮絶に自己中心的な勇者ねえ」

 バウスン将軍は息子の反抗を謝罪する。

ポップ「自信過剰もいいところだ」

 ノヴァが反抗的になったのは、リンガイア軍がオーザムを助けるために遠征に行っている間、本国が滅ぼされたからだった。
 自分がいればリンガイアは滅ぼされずに済んだはずだと、彼は信じている……天井に空いた穴を見上げながら、バウスン将軍はそう語る。

ヒュンケル「リンガイアを滅ぼしたのは、バランだ。あの坊やが戦っても……」

 ポップはまだ腹立ちが収まらないのか、ノヴァが痛い目を見ればいいと突っ放す始末。
 その意見を聞いて、バウスン将軍は悲しげに眉を寄せるも、口出しはしなかった。

マァム「でも、危険だわ! 彼、一人だけ行かせるなんて……」

ポップ「本人が一人で行っちまったんだろ!?」

レオナ「確かに、彼は性格サイテーで自己中心的だけど……今は港をすくうって方が重要でしょ?」

 レオナのその言葉に、みんながハッとっしたように彼女を見やる。すかさずダイが賛成してみんなに行こうと誘うが、ポップはそんな彼に腹は立たないのかと問いかける。

 が、ダイはあっけらかんと、どうでもいいと言った。勇者は一人と決まっているわけではないし、強い仲間なら勇者が100人いたって構わないと言ってのける。

 嬉しそうにそう言うダイに、ポップは呆れたのか虚を突かれた顔をする。
 ダイの方が説得力があると、豪快に笑い飛ばすクロコダイン。それに釣られたのか、ポップもようやく腹立ちが収まったらしい。
 ダイの思考回路に感心すると軽口を叩くポップに笑顔を見せ、ダイは一転して引き締めた顔で、急ごうとみんなに呼びかける。

 ポップを始めとした仲間達は力強く頷き、ポップは自分達は先に行くからみんなは後から来るようにと頼む。
 
 そこで、レオナがポップに声をかける。
 エイミが開けた宝箱の横に立ったレオナは、ポップのためにダイと同じ材質の服を作ったと言って勧める。着替える時間や、ここで裸になるを軒にして渋るポップだが、今、着ている服の上から羽織るオーバージャケットらしい。
 レオナの説明を聞きながら、宝箱を覗き込むポップ。

 そんな様子を少し離れた場所から見ていたダイに、バウスン将軍が息子を頼むと頭を下げる。それに元気よく頷いてから、ダイは戦いを前にした目で天井に空いた穴を見上げた――。






 その頃。
 燃え上がる港町の空に光の軌跡が光り、それは一直線に地面に降り立った。
 着地したノヴァは、呻き声を聞いて振り返る。その目に映ったのは、力尽きて倒れているロモス武術大会メンバーや兵士達だった。
 ノヴァの目の前で、力尽きた一人の兵士が崩れ落ちる。

 巨体の男――ゴメスを片手でハンキングツリーしているヒムが、ノヴァに目を向けるが、その目は冷ややかなものだ。
 また、雑魚が現れたのかと呟き、本命の勇者がこないことをぼやく彼は、ノヴァにほとんど関心を持っている様子はない。

 そんな相手に、ノヴァは挑発的に自分がその本命だと言ってのける。いぶかしげな表情を見せるヒム。
 倒れている兵士達は、ノヴァを案じて制止しようとする。ゴメスでさえ、ダイ達の到着を待つようにと忠告した。

 それを聞いて、顔をしかめるノヴァ。
 ゴメスを無造作に投げ捨てたヒムさえ、勇者ダイが来るまで待った方がいいと言う。
 敵からさえ言われるその言葉に、ノヴァは悔しげに歯を食いしばった。






 一方、北に向かって空を飛ぶ二つの人影があった。
 先行しているポップは、真新しい衣装と立派な杖を持っている。が、彼にとってありがたいのは、薄いのにダイの装備と同じ強度がある点のようだ。

 先を飛ぶポップに対して、ダイが待ってと声をかける。
 紋章なしでトベルーラを使えるようになって間もないダイの飛び方は、些か不格好で、速度も遅い。
 
 ダイの泣き言に、しょうがないなといいながら大回りで後方のダイへと回り込むポップ。
 だが、ポップはダイの弱みをどこか嬉しそうにからかう。膨れるダイを笑うポップ。
 どこか、楽しそうに二人は北へ向かって飛んでいった。






 その頃、ノヴァは苛立ちも露わに剣を抜き放つ。
 誰もがダイの名ばかりを口にすることで、彼は苛立ちを抑えきれないでいる。

 そんなノヴァを前にして、ヒムは仲間に手を出すなと言って前に進みでる。思い上がった奴に自分がお仕置きをしてやるというヒムの言葉に、怒りを目に宿し、身構えるノヴァ。

 風変わりなポーズから、素早い動きでそのまま突きのように敵に切り込んでいく。が、寸前でジャンプし、勢いをつけてヒムを袈裟斬りにするノヴァ。
 だが、まともにぶつかり合ったのに、砕け散ったのはノヴァの剣の方だった。

 微動だにせず、掠り傷一つ負っていないヒムは挑発的に笑う。
 しかし、ノヴァも動じないまま、不敵に笑い返した。
 ノヴァの手から光が輝き、柄ごしに光が剣へと広がっていく。その光は、砕けた刃の代わりに光の剣を生み出していた。

 さすがに驚愕するヒムに、ノヴァは再び剣を振るう。今度は、ヒムの胸元にわずかとは言え切り傷が刻まれた。
 この攻撃で、アルビナスもノヴァへと注意を向ける。
 後ろへと飛び下がり、自分の胸を一瞥したヒムも、ノヴァへと目をやった。

 オーラブレード――闘気で生み出した剣を誇らしげに構えるノヴァ。
 自分の剣は伝説の武器以上だと言ってのけるノヴァだが、その時、ダイとポップがその場に降り立った。

 親衛騎団達の注意は、剣を構えたノヴァではなく、ダイ達へと向けられる。ダイのはノヴァに声をかけるが、彼は黙ってみていろと撥ね付ける。
 ダイは心配そうだが、ポップはノヴァのオーラのすごさを見て、敵に通じるかもと考え出す。

 一方、親衛騎団はダイ達を警戒してか身構えるが、ヒムは手を上げてそれを止める。
 ヒムもまた、自分一人でカタをつけるつもりでいるのだ。

 高々とジャンプしたノヴァが、これまで以上のオーラを発揮し出す。空に巨大な十字を描く光の輝き――彼の必殺技、ノーザングランブレイドを持って斬りかかる。

 が、ヒムは避けるどころかジャンプして必殺の一撃に立ち向かい、額で受けようとする。
 両者が激突し、弾き飛ばされたのはヒムの方だった。彼の身体が岩山にめり込むのを、驚きの目で見守るダイとポップ。

 そこに、余裕を持った動きでノヴァが着地を決める。勝利を確信したように笑みを浮かべるノヴァ。
 ポップもノヴァの会心の一撃を見て喜ぶが、ダイは険しい顔のまま、それを否定した。

 ダイの推測の正しさを証明するがごとく、親衛騎団はヒムを心配する素振りも見せず、不敵に微笑んでいるだけだ。

 そして、岩の隙間から篭もった感じのヒムの声が聞こえだす。まったくダメージを受けていないような軽い口調に、驚愕するノヴァ。
 彼の驚きに呼応するように、ただでさえ短く折れた剣がさらに砕け、破片が飛び散った。

 信じられないとばかりに、目を見開くノヴァ。
 と、岩山を崩し、ボールのように高く跳び上がった物体がこちらへと飛んでくる。
 それは、ヒムだった。

 見事に着地を決めたヒムに、ノヴァは怯えるように数歩、後ずさる。が、ヒムは肩慣らしだと言わんばかりに首を回してから、振り向いた。

ヒム「褒めてやるぞ。前座試合にしてはなかなか面白かった」

 泥にまみれた顔に不敵な笑みを浮かべるヒムには、傷一つ見当たらなかった――。





 平然とした顔でヒムが顔を拭うと、最初の時と同様に磨き抜かれた鋼の輝きが取り戻される。
 動揺したノヴァは、目の前の事実を否定するかのごとく、激しく首を振る。的が無傷だと吠えるように叫ぶノヴァの手は、かすかに震えていた。

 ダイは彼らが無傷だったことを不思議に思うが、ヒムはその心を読み取ったように説明をする。
 人間と同じように、ヒム達も意識を集中させて防御力を高めることが出来るのだ、と。

 ノヴァの狙いが頭と見抜いていたヒムにとって、全パワーを集中させて防御したと、こともなげに話すヒム。
 その説明を聞いたダイは直感的に、ポップは論理的に、親衛騎団の強さを実感する。

 だが、敵への分析よりも負けた悔しさが勝るノヴァは、もう一度、ヒムに挑もうとする。
 ダイが引き留めようとするも、ノヴァはその手を振り払い、自分の力はこんなものじゃないと強がる。

 が、それをポップが一喝した。
 ノヴァぐらいの実力があれば、あいつらの恐ろしさぐらいわかるだろう、と。それを言われて、ノヴァは返す言葉もなくす。
 
 力を合わせるように頼むダイを、にべもなく撥ね付けるノヴァ。北の勇者の名に拘る彼は、鬼気迫る表情で自分の力で敵を倒すと言い切る。
 そんなノヴァの肩を叩いて、ダイは周囲への注意を促す。

 傷つき、倒れている人々を見て目を見張るノヴァ。
 倒れている仲間を助けるのが勇者の仕事だと言うダイに、ノヴァは猛烈な勢いで反発する。ノヴァはダイの語る勇者像を否定し、ダイの手を振りきって再び敵へと斬りかかった。

 またもオーラブレードを生み出し、ヒムめがけて斬りかかろうとするノヴァ。それを、余裕の表情で応じようとするヒムだったが、ふとなにかに気づいた表情を見せる。

 いつの間にか、ヒムの目の前――ノヴァの攻撃斜線上に、アルビナスがフッと移動していた。思わぬ敵の出現に、驚愕するノヴァ。
 アルビナスはごく静かな口調で、ニードルサウザンドを囁く。それと同時に彼女の身体が発光し、無数の雷針が放たれた。

 それをまともに食らい、ノヴァが絶叫する。思わず、彼の名前を叫ぶダイ。
 ダメージを受けたノヴァは、ダイ達の前に落下する。
 
 しかし、ヒムやアルビナスはそんなノヴァに対してさしたる関心を見せることもない。倒れたノヴァを支えるダイ達に向かって、アルビナスは慇懃に自己紹介をする。

 顔なじみのヒム、騎士シグマ、僧正フェンブレンと紹介される中、警戒しながら身構えるダイとポップ。
 だが、その時、鈍い地響きが聞こえだした。
 戸惑うダイ達に、アルビナスは「そう、もう一人……」と呟きながら、意味ありげに視線を後方に向ける。

 すると、そこには陸にも拘わらず船が動いていた。疑問を感じるポップだが、民家の屋根を削りながら近づく船の全景を見て、目を見開く。
 なんと、船を片手で担いできたのは親衛騎団の最後の一人、城兵ブロック。しゃべれないからと、アルビナスに紹介される。

 ヒムがからかうように、船を返すようにとブロックに声をかける。無言の戦士は、ダイ達の驚きなど気にとめず、文字通り船を放り投げてきた。
 上からふってくる船の影が、見る間に大きくなってダイ達を覆う。

ポップ「みんなっ、逃げろーっ!!」

 ポップの言葉に、その場にいた者達は一斉に逃げにかかる。立てないゴメスは腕を使って這いずりながら、怪我を負った者達は肩を貸し合い、支え合いながらその場を脱する。決して早いとは言えない速度だが、みんな、必死だった。

 ダイとポップも、二人がかりでノヴァを肩に担ぎ、船の落下地点から走って逃げ出す。
 その三人のすぐ側に、舳先から落下する巨大船。

 落下した船の中腹辺りから突然、爆発が起こり、その場にいた兵士達が宙に飛ばされる。
 大砲の火薬に火がついたと知り、ヒムが高笑う。
 炎の向こうに、親衛騎団の影が蜃気楼のように揺れ動いていた。






 ノヴァを支えながら、悔しげにそれを見ているダイ。だが、爆風に逆らって立っているポップは、攻撃の意思を見せる。

ポップ「……ダイ! こいつは逆にチャンスだ!!」

 爆炎に隠されているうちに、極大呪文で一気に勝負をつけるというポップ。驚くダイの目の前で、ポップは杖を投げ捨て、二つの魔法を同時に操り始める。
 戸惑うダイの目の前で、ポップは魔法の矢を生み出した。





 一方、ヒム達はなかなか動かないダイ達をいぶかしがっていた。この程度では死なないと確信した上で、ダイ達を引きずり出そうとヒムが彼らの方へと向かってくる。

 それに臆すること無く、ポップはメドローアで彼らを瞬殺しようと試みる。が、ポップが魔法の矢を放とうとした瞬間、ノヴァが動いた。柄だけとなった剣を掴み、もう片方の手から魔法力を放出し始める。

 奴らに並の魔法は利かないとポップが忠告するも、ノヴァは耳を貸さない。

ノヴァ「いくら魔法が利かなくても、一瞬は凍るはず……その瞬間を狙えばっ!!」

 氷系最大呪文、マヒャドの吹雪が炎を打ち消しながら親衛騎団を襲う。それを確認し、ノヴァは今がチャンスとばかりに走り出した。

 だが、一歩前に踏み出したシグマの胸元が開き、その中に仕込まれた盾が強烈な光と共にマヒャドを弾き返す。
 たちまち冷気に包まれ、悲鳴を上げるダイ達。
 なんとか魔法の矢を維持していたポップだったが、ノヴァがぶつかった衝撃で集中が途切れ、魔法が消滅してしまう。

 ポップの名を呼ぶダイ。
 ノヴァに突き飛ばされた形になったポップは、地面に膝を突いてしまう。そこに、容赦なく襲いかかる吹雪。

 結果、反射した魔法が収まった時には、ダイもポップも半ば凍りついて身動きが取れなくなっていた。ダイはまだ、敵の方を向いて立った姿勢だが、ポップは彼らに背を向け、座り込んだ姿勢のままだ。

 その様子を見て、なかなか強力な呪文だとふくみ笑うシグマ。
 呪文を跳ね返せる奴がいることに驚くポップ。
 シグマは自分の胸のシャハルの鏡を誇るように、いかなる呪文を跳ね返せる効果があると説明する。
 そしてその鏡を手にはめ直し、究極の盾となると宣言した。

 それに、危機感を抱くポップ。
 彼は、マトリフから聞いた注意を思い出す。





 メドローアの修行を受けた浜辺で、マトリフはメドローアを使う際、反射攻撃に気をつけるようにと教えてくれた。

 マホカンタのように呪文を反射する魔法やアイテムなどを敵が持っていれば、こちらが全滅することになる。マトリフが昔、余り使わなかった理由もそこにある。あまりにも強力な呪文だからこそ、諸刃の剣とも言うべき弱点が存在するのだ。





 凍りついた自分の手を見下ろしながら、ポップはメドローアを迂闊に打てなくなったと自省する。だが、怪我の功名と言うべきか、ノヴァのおかげで全滅を免れた。

 ノヴァはどうなったか――周囲を見回したダイとポップは、思わず目を見張る。
 全身に薄氷が貼り付いた状態になったノヴァを、ヒムが片手で軽々と持っていたのだ。

 仲間の危機を見て、ダイとポップが焦って氷を砕こうとするが、そう簡単には抜け出せない。
 力なくぐったりとしているノヴァは、弱々しい声でダイに話しかけてくる。

 ダイの言う通りだったと認め、自分は本物の勇者ではないと悔しそうに呟くノヴァ。その目からは涙がこぼれ落ち、地べたを濡らす。
 敗北感に打ちのめされたノヴァに、ヒムは止めを刺そうとする。凍りついたノヴァを粉々に散らそうと考えるヒムに、ダイやポップは反発するが、ヒム的には悪気はない。

 むしろヒムはノヴァに共感すら抱き、無様に生き延びるよりも美しく散った方がいいタイプだと考えている。

ヒム「冥土の土産によーく覚えておけ。世の中には、上には上がいる……じゃあ、あばよ!」

 ヒムはノヴァの身体を、高々と放り投げた。
 必死にノヴァの名を呼ぶダイだが、彼の反応は無かった。続けざまに空高くジャンプしたヒムは、ノヴァに止めを刺そうとする。

ポップ「だめだーっ!」

 そう叫んだポップは、これ以上見るのが耐えられないとばかりに目を瞑って俯く。

 狂喜すら感じさせる笑い声を立てて、攻撃しようとするヒム。
 が、その時、己自身を一本の槍として突っ込んできた影があった。その気配に気づいたのか、ヒムは大きく目を見開く。
 だが、避けるまもなくヒムの額を槍が真正面から貫いた!

 ハッとして、攻撃した人物を見るダイ達。

ヒュンケル「おしゃべりな小僧だが、一つだけいいことを言った……上には上がいる!」

 槍を強く振ってヒムを地べたに叩きつけ、ヒュンケルは落下しかけたノヴァを抱えて見事に着地を決めた。
 ヒュンケルの名を、嬉しそうに呼ぶダイ。
 ヒュンケルは腕に抱えたノヴァの様子を一瞬確かめてから、真正面に向き直った――。

 
 

《感想》

『ノヴァ、大爆死(笑)』
 
 な、回でしたね。華々しく登場し、一発オチのようにやられ取りますな。原作では数話に亘っていたのに、アニメでは見事なまでに一話での出落ちで活躍と噛ませ犬っぷりが集約されています。

 あ、オープニングのポップ、やっぱり新衣装じゃないや(笑)
 チウのテーマソングから始まる回は、ある意味貴重かも。
 チウのネーミングは変わらないものの、原作では『可愛いから』と言う理由でつけた名前が、アニメでは『言いづらいから』という理由になっていました。

 しかし、ゴメちゃんにゴメちゃんを命名するシーンが省かれたのは残念! でも、チウとゴメちゃんのやり取りが可愛くって、満足♪ パピーの声も可愛かったし、早く遊撃隊メンバーが勢揃いして欲しいもの。

 原作では、チウは煙を見て火事かなと思っただけで深く考えないまま終わっていたけれど、アニメのチウ、煙が見えてもブレないで死の大地へと向かう改変が。彼はなにか異変が起こったとしても、自分のやるべき事を優先順位をきちんと考えられるタイプのよう。
 いい感じです。

 ノヴァの自己紹介時、背負った剣がかっこよく輝いていました。すぐに折れたし安物かと思っていたけど、少なくとも柄に関してはダイの剣よりも勇者っぽいと言う疑惑が(笑)

 まあ、よく考えたらノヴァの技には刃以上に柄が重要なので、柄に全力を注いだ特注の剣なのかもしれません。

 そして、マァムがフォブスターの手当てをしているのは原作通りですが、ここはエイミさんかメルルのような非戦闘員にお任せした方が効率的な気がしました。
 
 実際、メンバー最大回復力を持つレオナは、治療よりも状況判断を優先していますし。
 でも、マァムなら優しさから放っておけず、つい手を出してしまうんでしょうけどね♪

 いきなりのノヴァのヘイトの稼ぎっぷりがすごい! 
 ノヴァの台詞は多少削られているのですが、他人を見下そうとする傲慢さはまったく変わっていないのはお見事。

 それにしてもノヴァに突っかかるポップって、ものすごく三下っぽいですね(笑) バウスン将軍が怒鳴った時、叱られたノヴァが平然としているのにポップが一瞬ビクッとしている辺りが、なおさら下っ端感が強まります。

 あー、家にいた頃、しょっちゅう父であるジャンクに怒鳴られていたから、父親っぽい人に怒鳴られると反射的にビビっちゃうと見ました(笑)

 バウスン将軍の台詞、レオナや勇者一行に話しかける時の言葉と、息子であるノヴァに話しかける口調を変えてある辺りに、声優さんの演技力を感じます。

 ノヴァ、自信過剰な台詞がものすごい似合いっぷり。原作では淡々と語っている印象があったのですが、アニメでは『真の勇者は一人で十分』の台詞の際に勝ち誇った笑みを浮かべつつ、自分で自分の胸を押さえていますよ! うっわー、すっごい調子に乗ってる(笑)

 ポップがノヴァに殴りかかろうとするシーン、ポップがやや腰をかがめた姿勢だったとは言え、意外と身長差があってビックリ。ポップとノヴァって同じぐらいの身長かと思っていたのですが、ノヴァの方が背が高いですね。
 後ろでメルルが驚いた顔をしているのが、可愛かったです。

 怒りまくるポップが馬のように鼻息荒く騒いでいるのを、ダイが手で制するシーンはかっこよかったですし、ダイとノヴァの会話をメルルが目をキョロキョロ動かしながら聞いているシーンも良かったですが……原作でのダイが手を伸ばして遮る後ろで、腰に手を当てて怒っているポップのカットが削られたのが残念。

 ノヴァの後ろから、ダイとポップの正面姿を描いたカットは構図的にもお気に入りだったのですが。

 ノヴァがダイに呼びかけるシーン、原作では「勇者ダイ」だったのに、アニメではただのダイになっています。どうしてもダイを勇者と認めたくない、強い意志を感じますね(笑)

 ノヴァに手を差し出されたダイが、ポップを振り返るシーン、むくれるポップを見て「しょうがないなあ」と言わんばかりの笑みをこぼすシーン、すごくいいです!
 時々思いますが、ポップよりもダイの方が大人というか、精神が成熟している感じがしますね。

 ノヴァが闘気弾を天井にぶつけた時、ポップのすぐ後ろにマァムがいました! ついさっきまで、ポップの後にいたのはバウスン将軍だったのに、緊急時にとっさにポップの所へ来たのかなと思うと、萌えます♪
 まあ、それって怪我人のフォブスターやメルルより、ポップが心配って解釈している気もしますが……(笑)

 後、原作同様にエイミさんがとっさにヒュンケルしがみつくシーンもありましたが、ポーズが微妙で抱きついているのか、それとも彼の手前でそんなポーズを取っているのか、悩むところです。
 紛らわしい寸止めか、それとも肉食系女子の本領発揮か……個人的には、後者と解釈したいですね。

 原作ではダイはノヴァの闘気弾の後も普通に立っているのですが、アニメでは尻餅体勢で地面に座り込んでいました。
 そのせいで、ノヴァがダイを見下ろす図がさらに強調されています。

 天井に空いた穴から光が差し込む演出も相まって、ノヴァがめちゃくちゃ偉そうですね。本当にリメイクアニメでは、光の演出をすごく効果的に利用していて嬉しい限りです。

 ポップがノヴァを自信過剰もいいところだ、と腕を組んで発言するシーンとダイが立ち上がるシーン、アニメでの改変ですね。原作ではそもそもダイは転んでいないので、立つ必要もなかったですし。

 ノヴァの反発を嘆くバウスン将軍がいい味を出しています。ヒュンケルの台詞は大幅にカットされていますが、意味合いが同じなのはお見事。さりげにノヴァもディスってますしね(笑)

 ポップがノヴァへの不満を言った直後、バウスン将軍がちょっと眉を寄せ、マァムが反論するシーン……なぜに顔ではなくマァムの胸をドアップで映したやらっ。原作にないところで、毎回のように目立たないよう、さりげないセクシーショットをねじ込んでいる気がしてなりません。

 まあ、それはおいといて、ポップ、マァム、メルル、レオナのやりとりが大幅カットされたのが残念でなりませんっ。

 ポップはノヴァに対して、やりたければ勝手にやれ、マァムはノヴァの身勝手さに疑問を抱いていると、かなり突っぱねた態度を取っていたのに。メルルなんか台詞すらなくなっているし〜。

 レオナがノヴァをこき下ろすシーンで、バウスン将軍がちびまる子ちゃんのごとく顔に縦線を入れて沈黙していたカットも、なくなっていましたしっ。
 内輪もめ全開な会話がなくなっちゃったのは、ホントに残念です。

 後、残念なのはダイとポップのやり取りでカットされていた部分。

原作ポップ「一番コケにされてるのは、おめえなんだぜ!!」

原作ダイ「そりゃ多少は腹が立ったけど、別にどうでも〜」

 原作でのこの台詞、ポップは自分がバカにされたこと以上に、ダイのために怒っている部分が大きいと思える台詞なんですが。

 それに原作ではダイは少しは怒っていると言っていますが、怒った部分は自分に対しての言葉ではないんじゃないかと筆者は思っています。実際、ダイは自分だけが勇者でありたいとは思っていないみたいですし、そこに拘って腹を立てているわけではないでしょう。

 ポップのわがままや自分勝手さもおおらかに受け止めたダイが、ノヴァのどの部分に『多少』とは言え腹が立ったかは、大いに気になるところです。

 でも、削られた部分に未練があってもなお、ダイとポップのやりとりは感動しました! 勇者が100人発言をするダイの無邪気さが、実にいいですね。

 それに呆れたような顔をしていたのに、結局受け入れて笑顔を見せるポップもいいです。何より嬉しかったのが、ダイがポップのその笑顔に応じて、ニコッと小さく笑ってから、戦い向きの表情に変化するシーン。
 細かいシーンですが、ダイがポップ相手には気を緩めているのがよく分かる感じがして、大好きです。

 ポップへの服をプレゼントするシーン、レオナが宝箱を覗き込むポップに対して、目を合わせるようにしゃがみ込むのが良かったです。
 RPGの王様からもらう宝箱って、上から目線で贈られる雰囲気が強かったのですが、レオナの対等感がいいですね。
 
 原作でもレオナが宝箱前にしゃがみ込むシーンがあるのですが、原作ではポップは宝箱から少し離れた場所に立っているので、彼の動きに合わせて動いている感がなかっただけに、アニメだとポップとレオナの仲良し感がいい感じです。

 そして、ポップとレオナの様子を、ちょっと離れた所にいるダイが満足そうな顔で見ているのも、アニメと原作の違いですね。
 原作ではこの時のダイは終始ポップの側にいて、ポップと一緒に宝箱を覗き込んでいます。

 アニメでは、バウスン将軍との会話をここに持ってくるためにダイを一人にしたんでしょうね。

 ノヴァのルーラ着地、と言うか、ルーラの着地に煙と衝撃が上がるのは原作も同様とは言え、アニメの方が派手な気がします(笑) でも、あれだけ派手な着地にも拘わらずひっくり返っているのはポップだけなので、あれがあの世界の標準ルーラみたいですね。
 馬と暴れ馬ぐらいの差があるような気がします。
 
 サババで、ロモス武術大会メンバーの狩人ヒルトと鞭使いスタングルが倒れているカットが、追加されていました! 優遇されていますね。
 また、原作通りに血に染まった兵士が倒れるアップ……やたらと迫力があるんですがっ。

 目がクルンと白めになるとことか、メッチャ怖っ。ゴメスをハンキングツリーしているヒムや、背後の燃える町並みと言い、すっごく迫力に満ちています。
 流血は避けるくせに、なぜにこんな迫力シーンには全力を注ぐのか?(笑)

 追いかけるダイとポップのやり取りが、実に楽しかったです!
 まるで泳ぐように、バタバタ手足を動かして飛ぶダイが可愛い♪ そして、しょうがないなとかっこつけて片目をつぶっている割に、一瞬、笑顔になって移動するポップもいいですね。

 移動が無駄なまでに大回り(笑)
 ダイがキョトンとしているところに、すぐ近くにやってきてダイの手を掴み、ゆっくりと飛んでいるのがまた、いいです。

 原作を見ている時は、ポップはダイを引っ張って早く飛んでいるのかと思っていたのですが、アニメでは明らかにダイの速度に合わせてゆっくりめに飛んでいます。
 
 ダイを化け物とからかい、ダイがひどいなぁとむくれるやり取り、嬉しくなりました。ベンガーナであれほど自分が怪物扱いされるのに傷つき、父であるバランがザムザに怪物呼ばわりされたのに激怒したダイが、こんな言葉を言われても平気でいられるのは、相手がポップだからこそだと思います。を

 しかし、原作ではポップはダイを最初「怪物」とからかい、その次に「バケモン」とからかっていましたが、アニメでは化け物一択になっていますね。

 ノヴァが剣を構えるシーン、両手で肩よりも高い位置で水平に構えるという、ものすごく独特なポーズなのが印象的でした。しかも、あの構えから突き技のように敵に突っ込むとは。

 あまりにも独特なので、かつぎ技のように奇をてらって相手のタイミングをずらすのが狙いの構えかと思いましたよ。途中まで突きと思わせ、最終的にジャンプしての切り技に変化しているので、フェイント的な技に見えます。

 後、薩摩の示現流を連想しました。示現流の構えとは違うのですが、二の太刀要らずの攻撃優先の独特さと奇抜さが、なんとなく通じる物があるような気がします。
 
 ノヴァのオーラブレード、アニメで見るとつくづく主人公感マシマシな技ですね。でも、親衛騎団の驚き具合が原作寄りも減っています(笑)

 ノヴァとヒムの対決、ヒムが吹き飛ばされて岩山にめり込むシーン、動きが実に良かったです。クルクル回って吹き飛ぶ動きが、黒いシルエットで再現されているのがいいですね。

 必殺技直後のノヴァのドヤ顔が、実に素敵(笑) 華麗に着地するシーンまでもが、めちゃくちゃ得意そうですね。
 原作では、ポップはノヴァの攻撃に驚いてるように見えましたが、アニメでは笑顔を見せていました。さっき、あれだけノヴァに腹を立てていたのにね
(笑)

 ヒムが振り向くシーン、首をコキコキ鳴らすアクションが入っているのが、それっぽくていいなと思いました。人間と違って、金属音なあたりも芸が細かかったですしね。

 ノヴァが同様の余り、手を震わせているシーンも原作にはない改変です。原作以上に、アニメノヴァの打たれ弱さを感じますね(笑)

 ヒムの強さを実感するシーンのダイ達や親衛騎団への影の付け方、すごくよかったです!
 背景を暗くして、紫っぽい影を入れる演出はそう珍しくないのですが、銀色の親衛騎団に紫ベースの影がかかるとより凄みを増す感じで、素晴らしいまでに美しかったです。

 ノヴァがダイの協力を撥ね付けた時、ポップが「なにっ!?」と驚いているのは、アニメの改変ですね。原作では、別に驚いていない……というか、ダイとノヴァのカットばかりですので、ポップが二人の勇者のやり取りにどう反応したのかは、分からないままです。

 が、寸前のポップの言葉に耳を貸すぐらいの冷静さと判断を見せたので、アニメのポップはノヴァが落ち着いたと判断したからこそ、意外に思ったのかもしれないですね。
 ノヴァの場合、落ち着いたのでもなんでもなく、親に逆らう思春期ボーイのごとく、ダイの発言に過敏に反応しているだけなのですが(笑)

 ダイがノヴァに「あれを見ろ」というシーン、アニメではノヴァのアップに肩を叩くような音が入っていますが、原作ではダイはノヴァの腕を引いています。
 背の高さから、ダイが肩を叩くのには無理があったっぽいです(笑)

 ところで、立ち上がろうともがいている男達の中で、ゴメスが一番目立っている辺りに、スタッフさんから愛されているなぁと実感。原作では、このシーンで倒れているのはラーバだったのですが。

 アルビナスの必殺技を囁く声が、ゾクゾクするほどかっこいい!
 必殺技というと、声の限りに叫ぶパターンが多い中、静かな言葉だけで凄まじい呪文を使ってみせるあたり、雰囲気があっていいですねえ。

 ただ、ヒムとアルビナスの台詞が省略されているのが残念。
 ヒムの「(あのレベル相手に大技は)かわいそうに」と、アルビナスの「あなたの遊び相手にはちょうどいいでしょうが」が削られています。
 いかにもノヴァを見下したこの台詞、好きだったので惜しいです。

 親衛騎団の紹介シーン、身体のラインだけを光らせる手法を使っていて、ちょっと雰囲気が変わっているのがいい感じ。親衛騎団のテカリの入れ方、気合いが半端ないっす(笑)

 シグマの声、紳士的で好み♪ フェンブレンは割と落ち着いた声に聞こえたけれど、切れた場合豹変するかもと期待。
 ブロックの運ぶ船の動き、歩きにあわせた揺れ方がいい感じ。

 船から逃げようとする辺りは、アニメの改変ですね。頑張って逃げている感が好きです。
 原作では、わざとダイ達から狙いを外して投げたのかと思っていましたが、アニメでは狙いは正確であり、ダイ達が逃げたからこそ無事だったと解釈できそうですね。

 船がふるシーン、よくみたら後ろの方の岩山にヒムがぶつかって壊れた後が残ってました(笑)
 爆風で人が飛ぶシーン、ゴメス、ラーバ、ヒルトの姿は確認できますね。

 炎の向こうに見える親衛騎団、色合いがびっくりするほど綺麗でした。
 原作では当然のように白黒で描写されているのですが、アニメでは黄色とオレンジの混ざり合った炎の中、シルエットがセピアの柔らかな色彩の影で表現されていて、焚き火を見ているような魅力があります。

 ここで影を黒くすると画面が引き締まる代わりに雰囲気が暗くなるので、あえて柔らかな色彩をセレクトしたのは素晴らしいですよ♪

 ポップのメドローア、最高です♪
 台詞はちょくちょく短くされていますが、服が燃えないと喜ぶ一瞬もちゃんと混じっていましたし、なにより最強呪文に自信をつけたポップの強気な態度がたまりませんっ。

 シグマの持つシャハルの鏡、あれだけ色合いが違うのかと思っていたけれど、思った以上に身体の色合いに似ていて、違和感がありませんでした。
 盾として装着するシーン、原作と同じポーズなのに、影を強調したせいかものすごくシリアス度が増して見えましたよ。

 回想シーンでのマトリフとポップがいる入り江、めちゃくちゃ狭いですね(笑) 原作では浜辺の全景までは映っていなかったので、てっきり修行時と同様にマトリフの洞窟付近かと思ってたのですが、岩の配置から見て違う場所のようです。
 マトリフも自分の家の近くに大穴がポコポコ開けられるのは嫌だったのかなぁ(笑)

 ノヴァが負けを認めて泣くシーン、つい同情したくなるほどに可哀相……。前半、あれだけヘイトを稼ぎまくる言動を取っておいて、それでもざまあと思えずに、つい同情できてしまうのがノヴァの魅力かもしれません。

 ノヴァの言動って精一杯背伸びしている世間知らずっぷりが強くて、甘いお坊ちゃんなイメージがありますね。
 
 ヒムの台詞、冥土の土産な部分を後ろに持ってきたのはいい改変だと思います! だって、原作ではヒムはこの台詞を早めに口にしていたのに、ヒュンケルはそれを知っていた……つまり、隠れてチャンスを窺っていたことになります(笑)
 
 アニメのタイミングでなら、ヒュンケルがきた時にたまたまその台詞を言っていたと言い抜けることも可能です。ええ、ギリギリですが(笑)

 ただ「無様に負けるよりも、死んだ方が〜」の台詞のシーンで、ポップのアップのカットが無くなったのは残念。
 ポップの主義とは真逆の言葉だからこそ、ポップが反感を抱く表情を見せるシーンは見たかったのですが。

 ヒュンケルの攻撃シーン、白の発光画面をバックにシルエットで串刺しシーンを演出していましたが……血が出ていないとはいえ、頭をまともにぶちぬいとりますがなっ。
 しかも、深々と差し込んでいるしっ。原作でさえ穂先ぐらいしか刺していないのに、槍の三分の一ぐらいとものすごく深くまで刺しちゃっていますよっ。

 そんなショッキングシーンにビビりましたが、その直後のシルエットなヒュンケルに左側から光が当たる演出は実に綺麗な上にかっこよかったです。でも、ヒムを払い落とすシーンの時、ノヴァの姿が見当たらないような気が……。
 ノヴァは画面範囲の上の位置にいた、という解釈でしょうか。

 エンディングではパピィに声優がついていたのに、ビックリ。てっきり、遊撃隊員は手の空いている人がアテる程度の役だと思っていたのにっ。
 倒れていた兵士達などは数人いたのに、兵士の声優が一人だったのに比べてずいぶんと優遇されていますね(笑)

 次週予告のパーティーバトルは嬉しかったですし、さりげにヒュンケルとアルビナス、ポップとフェンブレン、ダイとヒムが戦うことが示唆されているのは嬉しかったのですが……マァムは相手はともかく、カットはあったのでまだ良しとしますが……クロコダインはどこっ!?(笑)

 そう言えば、今週からダイ大スマホゲームの開始日が明記されたコマーシャルに変わって、嬉しい限りです♪

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