『ダイ大アニメ2年目 エンディング』(2021.10.2〜)

 アニメでのエンディングの素晴らしさにも感動して、細かく書いてみたくなりました!
 カギ括弧内は歌詞であり、その歌詞内の範囲内での動きをあれこれと書いて
います。でも見逃しや間違い、解釈違いがあるかもしれませんので、そこはあしからず。

《エンディングの概要》

 画面一杯に広がる、温かみのある黄色い光。
 そこに、一匹のドラゴンが吠えながら飛び上がってきた。翼を大きくはためかせて飛ぶドラゴン。

 少し画面が引き、黄色の巨大な丸は月だと分かる。
 満月の中、ドラゴンの姿は逆光となってシルエットだけしか見えない。だが、竜は全身を大きくのけぞらせて翼をはためかせ、空を飛んでいる。
 雲のはるか上を飛んでいるドラゴン。

『思えば僕は不器用で』

 大きな窓のある部屋で、窓越しに月を見上げているレオナ。
 窓は巨大で、天井から足下まで壁一面がガラス戸になっていて、見晴らしがいい。
 
 カーテンは閉められず、束ねられたまま。
 窓際の書き物机に向かっているレオナは、普段着のまま。室内側からの視点。
 椅子に座り、羽ペンを手に何かを書いている最中、手を止めて月の方を見ているレオナ。後ろ姿のみで顔は見えないが、窓越しに見える月に見とれているように見える。
 一枚絵の、静かなカット。

『しょうがないくらいに遠回りした』

 同じく一枚絵のカット。
 窓の外柄から見下ろす角度で、マァムの顔が見える。
 窓ガラスに反射して映り込む、巨大な月。

 いつもの武闘着のまま上を見上げるマァムだが、その髪は解かれ、自然に垂らされている。
 背景ははっきり見えないが、レオナと違い普通の部屋の窓らしい雰囲気。

『孤独感すらも武器にして』

 魔槍の穂先と、ヒュンケルのブーツの先だけが見える。
 水たまりの上に立っているのか、波紋で揺らぎがちの水面には空に浮かぶ月が浮かんでいる。
 これも一枚絵のカット。

『単純な答えを探したダンジョン』

 一枚絵で、パプニカ城の城壁上。
 クロコダイン、チウ、バダックの三人が空を見上げている。三人とも後ろ姿だが、クロコダインが手に魚の串焼きを持ち、小さめのタルが傍らに置いてある。
 チウ、バダックの側にもそれぞれ飲み物らしきコップがある。
 めったにない満月の下、おそらくは酒盛りを楽しんでいる三人。

『正しさ、優しさ、投げ出しても』

 大きな満月を隠すかのように、空に向かって目一杯広げられる右手。ちょっとゴツゴツした無骨さがあるものの、まだ子供っぽさの感じられる手。
 その手の甲に、一瞬だけ青い竜の紋章が浮かび、すぐに消えてしまう。

 屋根の上で膝を抱え込んで座り込み、空に手を伸ばしているダイの姿。そのすぐ近くには、ゴメちゃんがちょこんと座って、ダイをじっと見上げている。
 伸ばした手を、力なく下ろすダイ。その表情はどこか寂しそう。
 両腕で膝をギュッと抱え込み、顔を埋めるダイ。

 白いシャツに青いズボンだけの格好。屋根裏部屋のある屋根なのか、近くには屋根に設置された小窓が見える。
 背後には、煙突が見える。

『ただひとり君の味方でいたい』

 画面が流れ、蹲るダイのアップ。その後ろの煙突にも立てかかって立っているのは、ポップ。
 静かにダイを見つめているポップは、少し心配そうな感じはするが、それよりも落ち着きが感じられる。

 嘆くダイを慰めるでもなく、わずかな距離を置いて見守っているポップ。
 が、ゆっくり顔を動かして違う方向を向くポップ。
 やや伏せ気味の目が、どこか遠くを見つめているようなポップの横顔。

 突然、青空の中に黄色と桃色の羽が無数に飛び交う。

『君の名前を呼ぶことが』
『ありとあらゆる魔法より難しくて』

 ゆっくりと上から映し出されるのは、壊れて大きな穴の開いた遺跡の壁。

『こんなにも近くにいたのに』

 宵闇に覆われたテランの湖の、竜の神殿跡。空の色はほの暗く、藍色に染まっていてとても美しい。
 画面がゆっくりと左から右へ流れていく。

『愛している。今更、気づいたのさ』

 破壊された柱の中、台座の上に鎮座するドラゴンの石像が見える。お香が備えられ、細く煙が立ちなびいている。

『君の名前を呼ぶために』

 朝明けとも夕焼けともつかぬ空の中、ドラゴンが大きく身を翻して飛ぶ。
 上へ、下へと飛ぶドラゴンは、いつの間にか二匹いる。
 まだ、夜が完全に明けきっていたに空は、暗い部分には星が光っている。だが、同時に昇り始めた太陽が優しく周囲を照らし、二匹のドラゴンは楽しげに羽を、尻尾をくねらせながら、二匹並んで太陽の方向へ向かって飛んでいく。
 片方のドラゴンは、もう片方よりも小さい。

『僕はきっと生まれてきたんだ』

 先程までよりも闇が濃い空の下、それでも輝きを見せる太陽を見つめているバランの後ろ姿。
 空の星の数は、増えている。
 流れる雲に、風になびくバランの髪やマント。

『しがみつく夜 振りほどいて』

 バランが見ているものと同じ空の色の中、揺れるダイの癖っ毛。
 顔を上げたダイは、ハッとする。


 画面が引いて、仲間達の後ろから屋根の上にいるダイとポップを見上げている構図になる。
 手を振っているのはレオナ。隣にマァム、ヒュンケルがいて、クロコダインもいる。

 驚いたように立ち上がるダイの後ろでは、煙突によりそうポップが立っている。ポップの肩には、ゴメちゃんが乗っている。

『逢いに行く』

 仲間達の光景が、左から右へと流れる。
 一番左にいるのは、いつになく穏やかな表情のヒュンケル。そのとなりには、いつもの武闘家の格好のマァム。レオナは笑顔で手を振り、バダックも歯を見せて笑っている。クロコダインの肩に乗ったチウが、陽気に顔を覗かせる。

 バダックはダイと目が合うと、両手でガッツポーズを取り、笑顔を見せる。

『今すぐ君の元へ』

 笑顔になるダイ。そのまま、みんなのところへ駆け出そうとする。
 ダイの後ろには、ゴメちゃんを肩に乗せてしたり顔で笑みを見せているポップが。ゴメちゃんが満足そうに、満面の笑顔だ。
 駆けだしたダイの目の前には、海から空に昇る太陽の光があった。星も薄れ、綺麗な朝焼けに染まる空が一面に広がる。

  
 

《感想》

 満月と珍しく落ち込んでいるダイの姿が、原作でも屈指の名シーン『月夜の散歩』を彷彿とさせてくれて、感動しまくりでした!
 動きの少ない静かなエンディングですが、その分、イラストの中にストーリーが練り込まれている感じがして実にいい雰囲気です。

 空を飛ぶドラゴンはてっきりマザードラゴンかと思っていたのですが、最後に二匹に増えて混乱しました。え、あのドラゴン、なにもの?(笑)
 さらに空の色合いの変化の細かさと、場所によっては色が戻ったりもしているので、時間の流れにも悩みました。
 多分、夜から明け方に駆けての流れだと思うのですが。

 それはともかく、武闘家姿で髪を下ろしているマァムは、アニメ初登場♪
 酒盛りを楽しんでいるクロコダイン達も好きですが、なんと言ってもお気に入りはポップの登場シーン。

 ポップがダイの側にいながら、彼が自力で立ち直るまで待っているシーンがものすごく好きです。
 ポップならばダイに声をかけて励ますことも、いつものように明るく振る舞って気分をかえさせることも出来るでしょうに敢えて黙ってみているような感じが好きです。

 特に、ダイから目を離すシーンがいいですね。

『まあ……そんな気分の日も、あるよな』

 そんな風に思って急かすこともなく、でも、ダイが一人じゃないと思える場所にずっと居続けるポップの優しさを感じます。また、ダイの側で悲しそうにしていたゴメちゃんを、いつの間にか自分の肩に乗せて慰めてあげていますね。

 壊れた竜の神殿、煙を焚くテラン式のお祈りが捧げられているのも、『月夜の散歩』っぽい演出だと思いました。
 後ろ姿のバランは、一切表情が見えないだけに想像が膨らみます。

 最後に、ダイがみんなのおかげで元気を取り戻すのが最高に感動的ですね。こうなることなんて、最初っから分かっていたとでも言わんばかりのポップのドヤ顔も大好きです。

 しかし、ちょっと心配なのが屋根の上なのにみんなに向かって駆けだしたダイのその後。……まあ、トベルーラが使えるはずだし、問題は無いですか(笑)


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