『ダイとポップ』(2021.12.4) |
《粗筋》 ヒュンケルも、それに賛同する。 彼女の言葉を思い出して、ヒュンケルはカッと目を見開く。 檻の内部に当然のように現れたミストバーンは、処刑が明後日の正午だと告げる。 ミストバーンは二人……特にヒュンケルの命を惜しみ、手の中に黒い霧の渦巻く杯を出現させる。 それを聞いて、あっさりと立ち去るミストバーン。 だが、それでもその痛みに耐え、今更心変わりしたのかとヒュンケルを責める。ヒュンケルを尊敬に値する親友だと思っていたからこそ、クロコダインの怒りは深い。 裏切られた怒りに吠えるクロコダインに、ヒュンケルは歯を食いしばりながら訴える。 それを聞いて、動きをピタリと止めるクロコダイン。電流が止み、彼の身体のあちこちから煙が立ちこめる。 強い光を讃え、言葉に出来ない思いを訴えかけるようなヒュンケルの目に、クロコダインは言葉を失った――。 舞台は変わって、何もない大地に童話的な青い空が広がる空間。 そこは実際の大地ではなく、巨大な地図の上だった。 怯えるダイに対して、降魔の杖が振りかざされる。 ダイの立っていた地図が真っ赤に染まって砕けた。欠片となって暗黒の中に飲まれていく地図と共に、ダイもまた闇へと落下していった――。
寝間着のまま、廊下をとぼとぼと歩くダイ。壁に手をつきながら歩く足取りは頼りなく、俯きがちで元気もない。 ダイが見ている扉の中では、フローラを上座に長テーブルを囲む勇者一行の姿があった。 ポップは戦う気でいるし、仲間達もそれに力強く頷く。
?「そうね」 仲間達の会話を聞きながら、手をギュッと握りしめるダイ。 その時、ダイの様子を見てくると言うレオナの声を聞き、ダイはその場から逃げるように走り出した。
オオアリクイ、ドロル、アルミラージ、それに後ろには一際大きなクマチャに寄り添い、空を飛ぶドラキーとキラービーが羽ばたいている。 その時、チウの背後を誰かが走り抜けていった。それに気づいたゴメちゃんが怪訝そうな声で鳴く。 ダイは頭を抱え込んで、森の中を走る。 一方、会議の間に戻ってきたレオナは、焦った様子でダイがいなくなったことを告げる。その知らせに、ポップ達も思わず腰を浮かして驚く。
悩んでいるのなら、なぜ打ち明けてくれなかったのかと嘆くレオナ。 それを聞いて、レオナは強い口調で違うと否定する。 松明も持たず、森の中を考え込みながら歩くポップ。 マァムに近寄り、話しかけるポップ。 そんな一人と一匹の顔を見比べてから、ポップは彼女らに背を向け、ことさら明るい口調でおどけてみせる。 ポップ「おめえがか弱くめそめそしているところを見られるなんて、長生きはするもんだなぁ」 そんなポップのふざけた態度に怒りを感じたのか、彼の胸ぐらを掴むマァム。が、ポップはそのマァムの手を逆に掴み、心配は要らないと励ました。 ポップはマァムの肩に手を置き、ヒュンケルやクロコダインも、ダイも無事だと言って安心させる。マァムの表情が晴れるのを見て、ポップは軽い口調で他を探しに行くといい、手を振って森の奥へと向かう。 アキームの陣頭指揮の下、用紙にメモを書きつつ、捜索を続ける兵士達。 アキーム「ルーラかなにかで遠くに行ってしまったのだろうか」 遠くでそれを聞きつけたポップは、顎を撫でて考え込む。 ポップ「ルーラか……」 何かに気づいたような表情で、不意に空を見上げるポップ。 ところは変わって、木々の生い茂る森の中。 ダイ「テランだったのか……ここは」 茂みから這い出たダイは、神殿跡に人影がいるのを発見する。 男の子「竜の神様、お願いします! 勇者様が大魔王を倒してくれますように……!」 竜の像に航路とロウソクを捧げ、座り込んでいるのはまだダイよりも幼い男の子だった。 男の子「お願いします! 勇者様!!」 切羽詰まった表情で、真剣に祈りを捧げる男の子。香炉からは煙が立ち上り、竜の石像を威厳あるもののように見せている。 ダイ(ごめん……ごめんよ……おれには「うん」と言ってあげられない……) 木の根元に座り込み、頭を抱え込むダイは小刻みに震えている。 男の子は祈り終えると、満足したように走り去る。それを、こっそりと見送るダイ。 ダイの嗚咽が響く中、テラン湖の水面に緩やかな波紋が広がる。かすかに、水音が聞こえる。 ポップ「とりあえず、ゆっくり泣いていてもいいぜ」 聞こえてくるのは、穏やかで、どこか暢気な声。 泣き顔のままゆっくりと振り返ったダイは、月明かりに照らされている魔法使いの少年を発見する。 ダイ「ポップ……」 ポップの名を呼ぶと同時に、ダイの頬を涙が転がり落ちていく。 ポップ「付き合ってやるよ。月夜の散歩も、たまにゃいいもんだ」 湖中央の壊れた神殿部分に移動したダイとポップ。 ポップに背を向けたまま、なぜ、自分がここにいることが分かったのかと聞くダイ。その声は暗く思い詰めたもので、いつもの無邪気さはない。 最初からずっとダイと一緒に冒険してきたポップにとって、ダイがルーラで行ける場所ならばどこでも行ける。 ポップ「それにさぁ……まだ不慣れな頃、ルーラを使った時、思い出の場所にいっちまったことがあるんだ。……へへっ、マァムと初めて会った魔の森さ。 ダイが父親と初めて出会った場所だからと、竜の神像を眺めるポップ。 振り返り、まるで怒っているような口調で、なぜ自分を怒らないのかとポップに向かって問い詰めるダイ。 だが、ポップはそれを笑い飛ばした。 ひとしきり笑った後、ポップは真顔に戻り、ダイが全力で戦った事を認める。 ポップはダイをよくやったと言うが、壊れた柱部分へ移動したダイは、右手の拳に力を込める。 ダイ「よくやったじゃすまされないんだよ!」 拳を握りしめ、こんな力が合っても大魔王にはまるで歯が立たなかったと嘆くダイ。 それなのに、まだみんなはダイを本物の勇者だと思い込んでいる――ダイは、その場に膝をつく。 ダイの嘆きをじっと聞いていたポップは、分かったと言って立ち上がった。 驚き、思わず振り返るダイ。 だが、戦いの中でポップは成長した。 振り向き、ポップはダイへと歩み寄る。それにあわせるように、ダイも自然に立ち上がっていた。 これは自分のための戦いだと、訴えるポップ。 まだ、心を決めかねているのか俯いているダイに、ポップは背を向ける。 そして、ダイを信じている。 ポップは振り向くことなく、そのままルーラで飛び去ってしまう。 ダイ(……どうする? どうするって……もう決まってるじゃないか……) 決意を秘めた目は、戦いに向き直る時のいつものダイのものだった。ダイは、すぐ近くの竜の神像を見上げる。 石像を見つめ、ダイは拳を震えるほど、力を込めて握りしめる。
ゴメス「いや……こっちもだめだった」 マァム「ポップ! ダイは見付からなかったの?」 不安げなマァムに応えることなく、ポップは引き締まった表情でどこかを見ているだけだ。 そこにフローラが登場し、後ろに向かって「こちらに」と、声をかける。 フローラの隣にダイが現れたのを見て、どよめく兵士達。 それでも、世界を踏みにじろうとしているバーンを放っておけないと言う気持ちだけは誰にも負けないと、ダイは言い切った。 そんな自分でも良かったわ力を貸してくれと頼むダイに、兵士達は大歓声で応じる。ゴメスやチウなども、超手を空に突き上げて吠えた。 ハグしながら笑い合うダイとレオナ。 ポップ「おい!」 その呼び声に顔を向けると、ポップがダイを見下ろしていた。 ポップ「おせえぞ、おまえ」 ポップを見上げるダイの顔に、満面の笑みが浮かぶ。 ダイ「へへっ、悪い!」 ポップはダイの頭をひとしきり撫で回し、そろって嬉しそうに笑う。
思わず聞きかえすポップに、フローラはミナカトールの効力を説明する。 ポップ「ほえー」 フローラ「バーンパレスには結界が張ってあるということでしたね」 ポップ「え、ええ。おかげで、ルーラでだって乗り込めないんですよ」 ミナカトールなら結界を消し、バーンパレスへ行き来できるようになると説明するフローラ。だが、アバンでも習得できなかった呪文だという。 それを聞いて、ちょっと待ったと話に割り込むポップ。 それを見てポップは驚き、ノヴァやバウスン将軍、ゴメス達は盛り上がる。 ポップ「へっ!? 五人目の使徒って……!」 ポップは驚いたようにフローラを見るが、彼女はこの石が輝聖石と言い、アバンの家に代々伝わる手法で作られた物だと語る。 今までもこのしるしはあなた達を守ってきたと教えてくれたフローラの言葉に、ダイ達はこれまでの戦いでアバンに守られていたことを初めて思い知る。 ポップ「おれ達……なんだか自分らだけの力で勝ちぬいてきたようなつもりになってたけど……」 ダイ「うん」……このアバンのしるしがなかったら、紙一重で負けていた時があったかもしれない……」 マァム「いつも先生が力を貸してくれていたのよ……私たちに……!」 アバンのしるしを手に、感慨にふけるダイ達をレオナはどこか寂しそうな表情で見つめていた。 後に、これを弟子への卒業の証として使うことを思いついたのだろうとフローラは語る。 戸惑いながらも返事をするレオナに、フローラはレオナに五人目のアバンの使徒になって欲しいと告げる。 だが、フローラは確信を持った口調で、アバンならレオナを選んだであろうと言い、彼女ならミナカトールを身につけられると宣言した。 しかし、そのためには恐ろしい試練をくぐり抜けなければならないとも告げるフローラに、慌てふためいたのはダイだった。 だが、レオナは清々しい顔で、これまでもアバンの使徒と痛みを分かち合えない自分がもどかしいと思っていたと告げ、握りこぶしをにぎり、自分もポップやマァムのように戦うべきだと主張する。 レオナはどんな厳しい試練でも受けると言い、そうすればみんなの本当の仲間になれるような気がする、と言った。 フローラはアバンのしるしを、レオナの手に手渡す。その構図は、かつてアバンがフローラに渡した図と酷似していた。 だが、フローラが試練とは破邪の洞窟に潜ることと明かした途端、拍手の手はピタリと止まり、兵士一同の顔に驚きが浮かぶ。 レオナ「でも……アバン先生の教えを受けたことのないわたしが、アバンの使徒になって本当にいいのでしょうか?」 フローラ「少し……アバンのことを話して聞かせましょうか」 レオナ「お願いします」 レオナは真剣な表情で、フローラを促した。
《感想》 原作でも屈指の名シーンのアニメ化に、思いっきり胸が滾ります! ヒュンケルが『みんなにもらった命だが〜』と呟くシーンで、彼の回想として仲間の姿が浮かびますが、ポップ、マァム、ダイの順なのに「お!」と思っちゃいました。 泣きじゃくるエイミさんのアップ、目を見せないで鼻の下からのアップにも拘わらず、頬を伝う涙の滴が実に美しい感じでうっとりしました。 ミストバーンの処刑宣告、よく考えるとヒュンケル達の居る場所って灯りは多少あっても窓がないので太陽の時間を測れず、日付の変化も分からない状態なのに処刑日だけを教えるのだから、残酷な話ですね。 ミストバーン、ヒュンケルに明後日まで決めるように念を押す台詞がカットされていましたね。その代わりに、クロコダインが暴れることで電流が走るシーンが強調された感じです。 原作でも暴れると電流が走るシーンが描かれていましたが、一コマっきりで目立たないので、アニメと見比べて初めて気がつきましたよ(笑) 怯えるダイと降魔の杖のシーンでは、赤黒い色合いにすることで不気味さを強調していますし、本当に色合いの使いどころが見事だと思いますよ。 真っ赤に染まって砕ける地図も、いいですねえ。 悪夢から跳ね起きるダイ、原作では横からの構図でしたが、アニメでは真正面から跳ね起きていますね。 原作では特に暗いという表現はありませんでしたし、よく見るとダイの寝ていたベッドの横のテーブルに、ペンと紙、りんごの入った籠がおいてあるんですよね。 レオナが座っていた丸椅子もちゃんと置いてあるので、もしかしたら紙にはダイへのメッセージが書いてあったのかも。ちょうど、メモぐらいの大きさでしたし。……まあ、あったとしてもダイにそれが読めたかどうかは分かりませんが(笑) ダイの着ているパジャマ、上が白で下が灰色っぽい青という色合いですが、ポップが着ていたパジャマと基本的に同じみたいです。 原作では壁に小さな飾り窓状のロウソク置き場を作り、ロウソクを灯していましたが、アニメでは色合い描写でそれをはっきりと印象づけています。 フローラ様を中心とした会議で、ガザッと音がしてフローラとポップがそちらを見るシーン、ダイが立てた物音なのかと思ったら、単にレオナが立ち上がった音だったんですね。 会議の会話はほぼ原作通りでしたが、ガヤガヤとした声の中で原作にはないセリフもあったので、拾ってみました。ただ、女性の声なのは間違いが無いですが、誰の声かまでは聞き取れなかったので?にしてあります。 獣王遊撃隊メンバーが10号まで登場してくれたのは、嬉しいですっ。……がっ、なんで夜にご紹介!? おかげで全員、本来の色かどうか、よく分からないのですが! とりあえず、一番驚いたのがドラキー。 後、些細な演出の差ですが、原作ではレオナが勇者の行方不明を告げてから、ダイがルーラで飛んでいるのに対し、アニメでは逆になっていますね。 ダイの捜索シーン、兵士達の距離が近すぎな上に多すぎっ。いや、もっと広がって探しましょうよ(笑) レオナが、悩みをなぜ打ち明けてくれなかったと嘆くシーン、原作では悲しそうな表情でしたが、アニメでは悲しみよりもちょっと拗ねたような表情に見えて、レオナの少女っぽさが感じられましたね。 フローラ様がダイの悩みについて話す際、パピラスに乗って空から捜索するチウのカットが入っていたのが嬉しかったです♪ また、兵士達が集まって首を横に振り合うシーンなども追加されていて、捜索の難儀さが伝わってきます。 ポップが森の中でマァムに会うシーン。 光を抑えた暗い森なのをいいことに、目立たないところにさりげにお色気シーンをぶち込んでくるスタイル……いいぞ、もっとやれ(笑) それはさておき、ポップがマァムを励ますシーン、いいですね。 後、原作では、兵士達の会話からダイがルーラでどこかにいったかもしれないとポップが気づいていましたが、アニメではアキームの台詞になっていました。 そして、この段階で気がつきましたが……原作ではバウスン将軍も捜索に加わっていたのに、アニメでは全然でてきませんね(笑) ダイがテランでうろつくシーン、ダイの姿を見せずに視点だけが動く演出が、視聴者がゲーム内に入り込んだような感覚でいい感じです。 テランの男の子とダイの会話がオールカットになっていますよっ!? ……ま、まあ、どうしても必要不可欠なキャラというわけでは無いのだけど、ダイが普通の人間と関わるシーンが削られたのがちょっと悲しいかも。 男の子が祈っているところを、ダイが第三者として見かけるという設定にして、すんなりと話をまとめて説明を大幅にカットした手腕はすごいと思いますが。 ダイとポップが会うシーン、月明かりがことのほかに綺麗で実に印象的でした! 落ち込むマァムを励ました時は、おどけることで彼女に元気を分けていましたが、嘆くダイに対してはすごく自然体な話しかけという印象です。 ダイとポップの会話部分は、申し分無くいいですっ! マァムとルーラで魔の森に行った映像が流れたのは、嬉しい限り♪ ポップが逃げ出しの先輩だと笑うシーンの明るさもいいですが、ポップがダイをよくやったという時にダイが首を振るシーンが、実にいいです。原作にはないのでアニメの改変ですが、ダイは自分で自分を許せないんだなという感じがひしひしと伝わってきます。 柱を壊すシーン、原作では腕を振り抜いているので殴った印象が強いのですが、アニメでは柱が壊れた後で腕を動かしている感じでした。 ダイが勇者について語るシーン、回想シーンとしてレオナとの出会い、アバン先生からアバンの印をもらうシーン、ポップ、マァムと一緒にロモスで新衣装のお披露目をするシーンなど、懐かしいシーンの目白押しだったのが嬉しかったです。 ポップがダイを説得するシーン、ポップがダイに歩み寄るのに合わせて、ダイが立ち上がるシーン、アニメの改変ですが大いに気に入りました。 ダイの肩に手をかけ、ポップが説得するシーン、月明かりに輝く湖がめっちゃ綺麗でした〜。 ポップがダイを信じていると言い切るシーン、声優さんの演技に惚れ惚れしました。これまでずっと、感情を抑えながらダイに伝えておきたい言葉を語っていたポップが、ついに感情を抑えきれずに本音をぶちまけた感じがたまりません。 まるで泣くのを我慢しているような演技……いいですねえ。 ダイが迷いを振り切って立ち直るシーン、原作にあったダイのモノローグをばっさりカットされていましたが、言葉にしない分、ダイの思いの強さが伝わってくるような気がします。 明朝のカールの砦ですが、これまで昼夜問わずに常駐していた見張りの兵士がいなくなっていますね(笑) 勇者行方不明に動揺しているのも分かりますが、見張りぐらいは立てておいた方がいいと思うんですが。 兵士達の動揺やざわめき表現は、原作に比べてずいぶんと軽減されている感じです。もうちょっと勇者に対する不信感とか、絶望感、ダイを庇うチウやゴメちゃんの台詞とかも出して欲しかったですね。 しかし、ゴメスの台詞と出番、削りに削られまくっているのにちゃんとあるとは、やはりスタッフさんに愛されている気がします。 ダイを迎える仲間達とのシーン、原作ではみんなまとめてささっとすませていたのが、アニメでは個別で再会を喜んでいます。 が、それよりも気になるのが、ポップがダイの頭を撫でるシーンで、後ろ姿しか見えないレオナ。ダイ達の方をじっと見ている図と、最初にレオナことがダイにハグしたことを考えると…… レオナ(ちょっとちょっと、これってどういうこと!? なんで、結局はポップ君がダイ君を独り占めしてるわけ? っていうか、ダイ君もなんかすっごく嬉しそうじゃない!?) などと、不満を抱いているように思えてしまうのは、邪推のしすぎという物でしょうかね(笑) レオナをアバンの使徒へ選ぶ際の改変、台詞運びは正直かなり残念系。 まあ、説明メインの部分でポップが実に表情豊かに会話のやりとりに割り込んでいるのは、嬉しかったです♪ ポップのリアクションが演技過剰なオーバーアクション気味になったような気もしますけど(笑) アバンのしるしを手に今までのことを回想するシーン、遙か遠くを見やるアバンのイラストとダブらせながらこれまでの回想シーンが流れているのはいい感じでした。 ただ、イラストの構成上、回想シーンの範囲が極端に狭くなり、アバンのイラストが邪魔になってどんなシーンかは漠然としか見えなくなるという欠点もできましたが(笑) アバンのしるしの効果を知った後の台詞、微妙にカットされて改変されています。『首の皮一枚』という描写が『紙一重』になっていました。 フローラがアバンのしるしを手に握り込む姿からダブらせるように、夕日の中、アバンの手からフローラの手にそれが渡されるシーンは美しくて良かったです。 手のアップから、引いて全身図の画面になり、夕日を背景に立ち並ぶ二人の姿が実に印象的でした。 フローラから五人目のアバンの使徒になるように促された際の、ダイのうろたえようや慌てふためきっぷりは、実に可愛かったです。 ただ、レオナが引き受ける際、原作ではやや憂い顔から決然とした表情で頷き、考え込むように目を瞑るという表情変化でしたが、アニメではレオナは最初からやる気のある表情で目を輝かせ、1度目を閉じてから決断、という表情変化になっています。 原作のレオナの表情変化が好きだったので、アニメの改変はちょっと残念。 アニメでは凜々しく引き受けた後で、弱音を口にしているのがどうも気に入りません。 それに、ポップとマァムの賛成も早過ぎる気がします。 他に適任者がいないから反対こそしなかったけれど、レオナを心配しているのか賛成もしていない感じでした。 一度、引き受けた後でレオナが迷いやためらいを口にするシーンは、嫌な改変だとつくづく思います。それは、引き受ける前に確認すべきことであって、一度引き受けた後で言うべきことじゃないでしょうに〜。 せめて、弱音を吐くのならば、仲間だけしかいない場所……というか、レオナとフローラ様、二人っきりの場所でホントは不安なんだと打ち明けるぐらいならまだしも、なぜにこのタイミングで言うのか。 話のまとめとして、レオナが不安を口にし、フローラがそれに対してアバンの思い出を語ろうとすると言う締め方のためとは理解しますが、この締めくくりは大いに不満っ。 レオナは王女という自分の立場を知っている以上、人前で自分の弱音を口にするとは思えない上、時間も無い時にどうしても全員の前で話さなければならない情報とも思えませんよ。 レオナの泣き言は封印し、決意を新たにするアバンの使徒達を見守りながら 説明が多い部分なので端折る気持ちは分かりますが、月夜の散歩部分が感動的でいい展開だっただけに、後半の展開の雑さや粗がめについてなりません。 レオナが五人目に選ばれる展開の説明を大幅省略してまで、ここで挿入しなくても……と思いましたよ。 |