『最後の一太刀』(2021.3.5) |
《粗筋》 ダイの呼んだライデインが、ダイの剣に宿る。 キルバーン「ふぅーん。……今更?」 明らかに小馬鹿にしたような口調で、キルバーンが呟いた。 ダイと対峙するハドラーは、ライデインを呼んだのは闘気のない分を呪文でカバーする作戦を理解するも、さっき見せた新必殺技には遠く及ばないと判断する。 ダイの行動を見て、わずかに警戒を見せるハドラー。 だが、レオナはそれを見て、身を乗り出した。 ダイは剣と鞘を構えたまま、鞘の秘密を暴露する。 魔法剣を完成させてから鞘に収めると魔法力が増幅され、引き抜いた時はその呪文の最高位にまで威力が高まる。 ダイの説明を聞き、ハドラーはライデインがギガデインになると理解する。 飛びながら鞘に収めた剣を背負い直したダイは、ハドラーから距離を取った場所に降り立った。
ポップはもう、ダイを止める気はなくなっていた。
背負った、ダイの剣の宝玉が光る。 ダイ「……十……九……」 そんなダイを見ながら、ハドラーは彼が使ってくるだろう技を予測する。 今なら阻止することは容易いと考えるハドラーだが、ダイの目を見てそんな無粋な考えなど笑い飛ばす。 が、それはすぐに、生命の剣と同じ輝きを持って凄まじいエネルギーを放出し始めた。 ハドラーから湧き出た赤い闘気は見る間に膨れ上がり、彼の全身を渦巻くエネルギー派へと変化する。
ダイ「……五……四……三」 冷静に残り秒数を読み上げるダイに、己の全ての生命力を振り絞るかのようなハドラー。 赤い闘気に全身を燃やすハドラーに対し、今のダイには闘気はまったく感じられない。 ダイ「ゼロ!」 その言葉と同時に、ダイの背中で剣の宝玉が輝く。弾けるように自動的に封印が外れ、ダイは剣を引き抜いた。 その剣を、ダイは両手で掴んで掲げる。 ギガブレイクの構えに、ハドラーもまた、自分の持つ最強最大の技、超魔爆炎覇の構えを取る。 赤黒い闘気に包まれたハドラーと、金色の光の剣を持つダイが距離を置いたまま向かい合う。 先に動いたのは、勇者だった。 親子二代の攻撃に対し、ハドラーも己の全力を持って走り出した。彼には、攻撃を待ち受ける気は無い。 ダイを砕く覚悟で、突き進むハドラー。 それを見て、ハッとするハドラー。 その背後に見えるのは、アバンの幻だった。 驚愕し、これ以上無いほど大きく目を見開くハドラー。 そして、ダイも止まらない。 ダイは渾身の力を込め、ギガストラッシュを放った。それに応じる形で、超魔爆炎覇を放つハドラー。 それは、刹那の時だった。 その勢いが凄まじかったからこそ、交わった瞬間はごくわずかな時に過ぎない。 それを、見つめているポップ達。 世紀の決闘を目の当たりにして、彼らは何かを叫んでいるようだがその声は聞こえない。 すでに闘気と炎が消えかけたハドラーは、前のめりに倒れかかりながらも自分を打ち倒したギガストラッシュの見事さを褒め称える。 アバンストラッシュの構えのまま、見事に着地を決めるダイ。 ハドラーが潔く自分の敗北を認めた瞬間、彼の頭を冠のように取り囲んでいた角が折れ、粉々に砕け散った。次の瞬間、ギガデインの雷気がハドラーの全身を苛む
その光景を、悲しそうに見つめるマァム。 黒い灰となって散ってしまうザムザのすぐ近くに座り込み、彼を看取ったのはマァムだった。 一度、目を閉じたマァムは空へと目を向ける。
ダイだけでなく、アバンにも……師弟に負けっぱなしだとぼやくハドラーだが、その声音は存外、落ち着いていた。 アバンの技に、バランの力――それに負けたことを納得したハドラーは、あれには勝てないと一人、笑う。 それを聞いて、ハドラーは笑う。それは、突き抜けたような明るさの篭もった笑いだった。 悔いは無い、と断言するハドラーは、言葉通り何の後悔もないようだ。 キョトンとした顔で、その場に立ち上がるダイ。 ダイは、剣を背中の鞘に収めた。しっかりと封印がかかる。 恐れ気もなくハドラーに近づいたダイは、その手をハドラーへと差し出す。 ダイもハドラーもハッとして、それを見る。 続け様に、床石が音を立てて砕け、炎が巻き上がる。 真上から見たそのマークは、トランプの9のマークにそっくりだった。 その光景を、もちろんポップ達も見ていた。 キルバーン「フッフッフ、諸君、気に入ってくれたかな? この曲はボクから送る弔いの曲だ」 笛を鳴らすのを止め、そう言ってのけるキルバーン。わざとらしいその台詞を聞いた途端、ヒュンケルはキルバーンに背を向けてまでダイに向き直り、そこから逃げるように怒鳴る。 ヒュンケルの忠告に、ダイは従おうとした。 レオナ「ダメージで身体が動かないんだわ!」 ヒュンケルを初めとして、彼らは全員、キルバーンに背を向けて心配そうにダイを見ていた。
それを見ているポップ達。
もはや炎の檻に閉じ込められたダイとハドラー。 真竜の戦いを彷彿とさせる炎の渦が膨れ上がる様を、階段の上から見下ろすキルバーン。 渦巻く炎がわずかに収まり、青空が戻る。 殺気すら感じられる目でキルバーンらを振り返るヒュンケル。 気取った仕草で一枚のトランプを取り出したキルバーンは、それをひっくり返して見せた。 キルバーンの意志でいつでも魔界の炎を召喚できる究極の呪法だと語るキルバーンの言葉を、ヒュンケル達は険しい目で聞いていた。 ヒュンケルは男同士の真剣勝負を穢したと激昂するが、マァムはキルバーンに構っている暇はないと諭し、ダイを助けようと提案する。 勇者と死ねたのならハドラーも本望だろうと、キルバーンは声を立てて笑う。
強気な声が、どこからともなく響き渡る。 渦巻く炎の中には、うっすらと人影が見えた。
ポップ「おれがいる限り、てめえらの思い通りにゃあさせねえ……!!」
炎の中から、ダイはまだ無事だと答えるポップ。 炎の外側では、ヒュンケルがトラップが閉じる寸前に飛び込んでいたのかと叫ぶ。
炎に気を取られているマァムやレオナと違い、ヒュンケルはそのかすかな気配を感じて振り返る。
レオナが炎に駆けより、ヒャダルコを放つ。 レオナ「だめだわ……!私のヒャダルコなんかじゃ……っ」 マァム「でも! ポップは押さえてるって!!」 レオナ「ポップ君の魔法力は、私よりずっと強いのよ!」 その会話を、ヒュンケルは炎を見据えながら聞いていた。 炎の中で、ポップはしんどそうに炎を氷系魔法で押さえていた。だが、じわじわと腕の位置は下がっていく。 炎の外側では、レオナがじっと炎を睨みつける横で、マァムが心配そうに二人を助ける手段を問いかける。 マァム「グランドクルスを使うの!?」 さすがに驚いた表情で問いかけるマァム。 完全にヒュンケルの後ろへと回り込むと、二人は足を止めて炎の方を向く。 ヒュンケルが右手を槍の穂先にかざすと、槍は光り輝きだす。 ポップ「げえええ!?」
その光は、炎の渦を突破してダイやポップも照らし出した。
ヒュンケルもまた、槍を構えたまま同じ方向を見ていた。が、光と音が収まったとき、ヒュンケルの顔に驚愕が浮かぶ。 彼らの目の前には、何事も無かったかのように燃えさかる炎の渦があった。 驚くヒュンケルはよろけ、槍にすがってその場にしゃがみ込む。それを見て、慌てて駆け寄るマァムに、一歩遅れて近寄ってくるレオナ。 炎の中では、ポップが全然変化がないと状況を知りたがっていた。 その言葉を聞いたレオナは、小さく息をのむ。 ヒュンケル「……中にっ……何の影響も及んでいないとは……っ。まさか……死神が退いたのは……ッ」 グランドクルスを放った苦痛にか、それとも今気がついた事実のためか、ヒュンケルは顔を大きく顰めていた――。
キルバーン「いい顔するでしょう、人間って……!」 嘲りを含んだ声で楽しげにそう言うキルバーンの目が、極限まで細められる。 キルバーン「光栄ですねえ」 そして、再び水晶玉を振り返り、楽しげに笑った――。 その頃、炎の外にいるマァムはどうすればいいのかと動揺し、レオナに答えを求める。まるで、レオナを責めるかのように強く問いかけるマァム。 レオナはそれを知っているからこそ、言葉に出せずにいると、辛そうな口調で説明するヒュンケル。 そんな中、レオナは淡々とした口調で現状の分析しはじめた。 ヒュンケル「ポップは魔法力で炎を防いでいる……だが、外にいるメンバーでそれだけの魔法力を持つ者はいない……! 呪法を使っているキルバーンを倒すしかないが、彼はそれを熟知しているからこそ身を引いた。 レオナ「きっと、バーンパレスの奥深くにね……」 ぽつりと呟くレオナの声音は平坦で、全く感情を感じさせなかった。 静まりかえる三人の間に、重い空気が立ちこめる。 マァム(確かに、私やレオナの魔法力じゃ……) その時、マァムはハッと気がついてミナカトールを使うことをレオナに提案する。一気に表情を明るくし、不完全でもミナカトールをかければ炎を消せるだろうと語るマァム。 だが、レオナは炎をじっと見つめたままマァムを振り向きもせず、否定した。 バーンパレスに来るためにミナカトールを使用している以上、すでにこの場はミナカトールの影響下にある。同じ人間が破邪呪文を二度かけても効果はなく、魔法力を無駄に消費するだけだと淡々と語るレオナ。 炎の照り返しを浴びたレオナの髪が艶やかに輝き、風に靡く。 が、レオナは目を強く閉じ、平気じゃないと叫ぶ。 ふと、目を落としたマァムは、レオナが強く握りしめた拳が小刻みに震え、血が滴っているのに気がついた。自分自身の爪で手を傷つけてしまう程強く、手を握り込んでいるのだ。 それでも、一瞬の激情を見せたレオナは目を静かに開け、再び炎の檻を見やる。その冷静な目は、今も答えを模索していた。 気丈にも炎を見つめ続けるレオナを、マァムは反省を込めた目で見つめ、心の中で彼女に謝る。 マァムの攻撃は、確かに炎を散らす。 そんなマァムを、ヒュンケルは動かずに見つめていた。 だが、ヒュンケルの心の声は彼女には届かない。
キルバーン「無駄に足掻きますねえ……フッフッフ……」
そして、ポップも荒い息をつきながら、必死で炎に対して氷系呪文で抗っていた。
《感想》 ダイとハドラーの決闘、かっこよすぎます……! 原作とは違って、このタイミングで水晶玉越しにキルバーンの台詞が追加されていますね。短い一言でライデインではハドラーに勝てないと説明しきっているのが、いい感じです。相手を蔑むこんな台詞は、キルバーンにはピッタリですね。 ダイの説明を聞く際、ハドラーがギガデインになると呟くシーンが色が控え目になったモノクロ風になったのが地味にカッコいいです。超魔ハドラーは割と派手な色合いですが、むしろ抑えた色彩の方が凄みが増すと思います♪ ダイの剣が完全に鞘に収まった時、宝玉が光る演出はいいですね。これも、アニメの改変です。 ダイのルーラでの着地シーン、ピタリと止まるのではなく、勢いで少々後ろにずれるような描写が入ったのがいい感じです♪ ポップがレオナに続いてダイが離れた真意を話すシーンで、レオナとマァムが驚いたようにポップの方を見るのに、ヒュンケルは微動だにしないで戦いを見つめているシーンが再現されていたのに感動! そう言えば、この時のポップの横顔も原作では右を向いていたのが、アニメでは左向きになっていましたね。 ポップがダイを信じるとモノローグで語るシーン、露出過多気味に白っぽい画面になっていたのが面白かったです。 そして、圧巻だったのがダイとハドラーの最後の対峙をアニメ風ではなく、力強いガッシュ風に塗り込んだシーン! ハドラーもダイも、重厚な塗りが実に似合っていてよかったです♪ 今のアニメ風の明るい色彩と明度と光を使った色合いも華やぎがあっていいですが、ダイ大にはやっぱり筆の息づかいさえ感じられるような荒々しさの感じられる手描き風の塗りがいいなと思いました。 赤い背景に髪を靡かせて佇むハドラーの一枚絵も、青の背景に両拳を握りしめて身がまえるダイの一枚絵もよかったですが、遠景で離れて立っている二人にダブらせるように、ダイとハドラーが向かい合って額がくっつきそうな距離でメンチをきりあっている図が一番気に入りました! いちいち、声に出して数字と数えるダイが可愛いですね♪ ダイとバランの親子二代のギガブレイクの構え、いいですねえ♪ ハドラーの超魔爆炎覇で、虹色の剣が赤黒い剣に変わって悪役の見栄えが復活。 しかし、ここでポップ達がダイを見るカットが出てきましたが……さっきのシーンの使い回しですやん(笑) 風が収まり、ダイ達を心配そうに見ていたのと全く同じカットです。 ポップとレオナがどこか心配そうに、胸に手を当てるようなポーズを取っているのがおそろいっぽくて笑いました。 マァムとヒュンケルは険しめの顔で闘いを見極めようとしているのに対し、ポップとレオナは表情もポーズもヒロイン視点っぽい感じ。……いや、レオナはそれでいいかもですが、ポップは別に乙女なポーズじゃなくても良かったのでは(笑) ダイとハドラーが互いに怒鳴りながら駆け寄るシーン、口パクだけでなく、顔全体が動く叫びとして描いていて、動きの細かさに感動しました。確かに、人間は怒鳴ったりすれば顔全体の筋肉が動くものですが、アニメでは口だけで済ませるのが普通なのに……ダイVSハドラー戦への深い拘りを感じました。 アバンストラッシュの構えの背後に浮かぶ、アバンの幻もいいですね。 ハドラーは当時、アバンは昔よりも衰えたと言っていましたが、やはり15年後の彼も認めていたんだなと思えるシーンです。 ダイの背後に見えるバランとアバンがいい感じ♪ 旧コミックスのメドローアを放つポップの後に、アバンとマトリフの顔が浮かぶ構図を思い出しました! ギガストラッシュの文字は、光り輝く印象。 原作ではハドラーは力及ばず、一方的にギガストラッシュに破れたような描き方だったので、アニメではせめてもの一太刀とばかりに剣を振るう改変があったのが嬉しい限りです♪ ダイとハドラーの決着シーン、丁寧に描いてあったのが実に良かったです。 原作にはない表情ですが、まるでここでハドラーが『ああ、自分ではこいつらには勝てないな……』と本心から納得したように思えました。 原作でも、ダイ側から見た視点、上の視点から、ハドラー側から見た視点と、三回も視点を変えて勝負の一瞬を見せていましたが、アニメでは真横から見た視点、ハドラーをすれ違いざまに斬るシーンを二回繰り返し、上からの視点を入れていました。 ポップ達が驚くシーンがスローモーションとして流されたのも、印象的でした。 倒れるハドラーに、力を使い果たしたダイ、どっちの描写もいいですが、一番のお気に入りはダイが勝ったと知ってへたり込むポップのシーンです♪ 正直、ザムザを削ってもアルビナスを入れて欲しかったですねえ。 戦い後のダイとハドラーの台詞も、略さずにいれてくれたのは嬉しくて貯まりません♪ 原作では略されがちだった背景も、アニメではちょいちょい挟まれるのがいい感じです。 ダイとハドラーの握手未遂、ダイの手がすっごく小さくて可愛く見えますね。 原作ではポップ達の視点から描かれていたキルトラップが、真上からの構図に改変されていたので位置関係がよく分かりました。 後、キルバーンの台詞が原作では「鎮魂歌(レクレイム)」だったのが、アニメでは「弔いの歌」になっていますね。 原作ではダイ自身がモノローグで(ううっ……! ハ……ハドラーとの戦いのダメージで……身体が……っ!!)と語っていますが、アニメではレオナの台詞になっています。 ダイが炎に囚われるのを見て、レオナが前に進み出て叫ぶシーン、ここまではちゃんとポップがヒュンケルの隣にいますね。 キルバーンの説明の途中、階段の上から見下ろす視点で、ヒュンケル、マァム、レオナの三人が嫌悪と警戒の表情で上を見上げているカットはいいですね。 しかし、キルバーンを看破するレオナのシーンですが……アニメだと、胸の谷間が拝めてしまうのですが(笑) 原作では首元を覆うマントのマフラー部分が邪魔して彼女の胸元は全く見えないのですが、アニメ版ではマフラー部分が控え目になっていて露出度が地味にアップしています! まあ、レオナのマフラー部分の改変はアニメのオリジナルと言うよりも、新装版のダイ大の表紙に登場するレオナの衣装に寄せたのかもしれませんが。 激昂するヒュンケルをマァムが止めるシーン、原作ではマァムがヒュンケルの腕に手をかけて止めていましたが、アニメではちょっと距離を置いたまま普通に話しかけていました。 キルバーンの手遅れ発言の際、ピロロがさりげに踊っているのが妙に楽しかったです。原作でもやっていた仕草ですが、アニメだと動きがユニークでいいですね。 キルバーンの説明シーン、キルバーンの仮面が一部、透明化して炎が映し出されるシーンは、不気味で迫力がありました! 原作にはない意欲的な構図を見る度に、場面を立体的に捉えられる気がします。……まあ、贅沢を言ってしまえば、原作でのこのシーンのマァムのアップのカットがなくなっちゃったのも残念ですが(笑) キルバーンが笑うシーン、仮面についた月型の飾りがキラキラっと光る演出が細かいですね。場面がゆっくりと暗転していく中、キルバーンの仮面の奥の目だけが最後まで残っていく演出もホラーっぽい感じです。 炎の中の人影を見るシーン、ヒュンケルとレオナの後ろ姿が並んでいましたが……アムド化したヒュンケルとマァムが並んでいた方が、絵になったのではないかな〜と思ってしまいましたよ。ええ、筆者はポプマ派ですけど(笑) 炎の檻の中に自ら飛び込み、氷系魔法を放つポップの姿に感動! ポップの方も、ドヤ顔でこんなことだろうと思っていたと言ってから、戦いの表情へと切り替わる変化が嬉しいですね♪ すごくいいタイミングでCMになりました。原作と同じタイミングでCMや次週に続くになると、なんだかすごい安心感を感じます。 CM後もポップの「おれがいる限り〜」の台詞が繰り返されました。大事なことだから、二回言った(笑) ヒュンケルがポップが飛び込んでいたことを叫ぶシーン、めっちゃ熱っ。アニメのヒュンケルは思っていた以上に熱血漢な雰囲気が強く、時折抑えきれない激情が溢れている気がします。 原作では淡々としたイメージが強いし、旧アニメ版でも落ち着いた雰囲気が強かったですが、リメイク版の彼を見ていると台詞に込められた熱さに、年齢相応の若さや青さが感じられていいですね。 それよりももの申したいのは、キルバーンが消えた瞬間、階段の下にいるレオナ! 心配そうなマァムは可愛く描かれているのに、三白眼気味なレオナは、まるでホラー漫画のヒロインのごとく! ちょっとかわいげの無い三白眼なレオナにガッカリです。 そして、CMから1分弱でポップが助けを求め取ります(笑) ……知っていたけど、早いですね(笑) レオナが駆けだすシーン、アニメでは手前に炎の塊を置き、その奥に階段やバーンパレスの中央塔が見える遠景で表現しています。 親衛騎団との戦いの時も思いましたが、バーンパレスってどこに行っても中央塔が見える設計になっているんですね。……バーン様の支配力の強さが表れている気がします。 ヒャダルコ時のレオナの台詞、後半の『まるで歯が立たない……!』の部分が省略されていますね。続く台詞も改変されています。 原作レオナ「私とポップ君じゃ攻撃魔法の威力が全然違うのよ! ポップ君が中にいる今、呪文でこの炎を消す事は不可能だわ……!!」 アニメではレオナは、ポップの魔法の強さを素直に認めていますが、原作ではちょっと対抗心があると言うか、自分の弱さもポップの強さも口にしないままで状況を表現していますね。 しかし、キルバーンの台詞や出番の大幅カットには大ショック! ヒュンケルが槍を横に構えるシーン、穂先が光ってかっこいいなぁとしみじみと見て……ハッ、気づいてしまいました! 原作では左足を前に出して奥の足を隠すという、女性的なポーズを取っていたマァムが、アニメではがっつりとと大きく足を開いていることにっ!(笑) マァムの台詞も、微妙に改編が。 原作マァム「グ、グランドクルス……!?」 原作ではそう呟くだけですが、アニメでは微妙に追加されていますね。 彼女はどの位置に居れば安全か自分で判断し、移動しています。マァムの方が動きはじめるのが一歩遅いのもいいですね。判断力においては、レオナの方がマァムよりも上だと思いますので♪ でも、ポップの「どう気をつければいいんだよ!?」の台詞、気に入っていたのにカットされたのは残念! ヒュンケルのグランドクルスは久々ですが、やっぱりカッコいい技ですね。 また、マァムとレオナが動く際、今度はマァムが先に動いているのに注目したいです! 原作ではヒュンケルに肩を貸していましたが、アニメではヒュンケルの背に手を当てて同じように屈み込んでいます。 キルバーンとバーンの会話で、キルバーンの「光栄ですねえ」という台詞が追加されています。 それにしても、炎を見つめるヒュンケル達の後ろ姿のシーン。 さらにマァムがレオナによって、どうすればいいのかと問いかけるシーンは、手前にいるレオナはバストショットで顔が見切れています。つまり、胸が思いっきりアップになっておりますが(笑) と、余計な感想はさておいて、レオナのキルトラップとグランドクルスの説明が一部、改変されていました。 原作レオナ「そうでなかったら、わずかな時間にしろ炎は吹き飛ぶはず……」 ヒュンケルの説明でも、順番を入れ替えるなど微妙な改変が。 原作ヒュンケル「この場にいるメンバーでダイたちを救う方法はただ一つ……!」 原作では仲間としてはちょっと距離感を感じる言い回しが『オレたちが二人を救う』と言い換えているのが嬉しかったです。 片膝をついたヒュンケルのポーズは同じでも、アニメでは真正面から見上げるような角度にするなど、原作とは違う構図にしているのも面白かったです。 マァムが炎を見つめながらのモノローグも、改変されていますね。 原作マァム(た、確かに攻撃魔法が強力なダイとポップが閉じ込められてしまっていたら、外側(こっち)からじゃどうしようもないわ……! かといって私やレオナの魔法力じゃ……) この長いモノローグが、短縮化されています。 炎の照り返しを受けてレオナとマァムの髪の毛が輪郭を白い光で覆われる表現は、非常に美しくって良かったです♪ 内部では炎の勢いが強すぎる色合いなのに、外側では一種の照明のようにキャラに光を与えていますね。 レオナとマァムのやりとり、声優さんの熱演に感動です♪ 基本的な表情や構図は原作のままですが、アニメを見ていて気がつきました。髪の靡き方が、原作よりも派手になっております。どうやら、アニメ版の方は強風警報が出ているようです(笑) マァムのキルトラップへの攻撃シーン、いい動きですね。 キルバーンの思わせぶりな台詞が追加されたのもいいですが、トラップについての長台詞の方が聞きたいです。 汗すら蒸発するキルトラップの描写と、最後に絶望的な空間を紅い炎が覆い尽くすという演出で次回に続くとなったのがいい感じです。 でも、ピンチのところで終わってしまった……! ポップが起死回生の案を思いつくところで終わるかと思っていたのにっ、思っていた以上にピンチなところで終わりましたよっ!? 次週予告、すでにダイが脱出した後の図になっちゃっているんですが、それでいいんですか!? 何の説明もないと、ハドラーがポップを押し倒しているようにしか見えないんですが(笑) BLワールドに突入したのかと、戦慄しましたよ……ッ、ええー、どうしてもう少し脱出に挑んでいる風の画面をセレクトしなかったんでしょうか……。 |