『地獄からの生還者』(2021.5.21)

  

《粗筋》

 ロン・ベルクの渾身の一撃で、十字に切られた超魔ゾンビ。
 だが、辛うじて逃げ延びたザボエラは這いずりながら、セコくもこっそりと逃げようとしていた。
 しかし、まるでそれを読んでいたかのように、クロコダインが行く手に立ちはだかっていた。

 逃げ場のない狭隘な谷間で、斧を手にしたクロコダインと、這いつくばったザボエラが相対する。

ザボエラ「……よく気づいたの、クロコダイン」

 余裕を装ってかけたザボエラの言葉に、クロコダインは平然と応える。

クロコダイン「おまえのしぶとさは、十二分に承知だ」

 耳障りな笑い声をたてつつ、ザボエラは一人で追ってきたクロコダインの迂闊さを指摘する。まだこちらは策を残していると匂わせるザボエラだが、クロコダインは最後まで聞かずに「それはない」と否定した。
 
 ザボエラの性格を承知しているクロコダインは、ここまでやられれば彼なら遠くに逃げると知っていた。這って逃げるしかできないのなら、魔法力もアイテムも尽きた証拠だと推理するクロコダイン。

 理路整然とした弁論に、悔しそうに顔をしかめるザボエラ。
 今度こそ万策が尽きたと指摘され、ザボエラは屈辱に戦慄く。クロコダインをワニ助と蔑み、その知能を馬鹿にしてきたザボエラにとって、彼との知恵比べで劣るのは屈辱でしかない。

 怒りと屈辱の中、それでもザボエラは自分に言い聞かせるように、まだ手はあるはずと考え続ける。
 クロコダインをカモと考え、これはチャンスだと必死に知恵を絞り、ザボエラは手を握りしめる。

 そんな彼に対して、クロコダインは斧を振り上げた。

クロコダイン「ザボエラ……最後の時だ……ッ!」

 峡谷に、風の音が響き渡る。
 クロコダインが斧を振り下ろしかけた時、ザボエラが弱々しい声で彼の名を呼びかけた。
 それを聞いて、手を止めるクロコダイン。

 地面に手を突いたまま、ザボエラは哀れみを誘う口調で述懐する。
 クロコダインの言う通り、今の自分に策はないこと。
 怖かったのだと告白し、他の六団長と比べた自分の非力さを訴えるザボエラを、じっと見つめているクロコダイン。

 恥を忍んで、見逃してくれと土下座するザボエラ。
 魔王軍にもう手を貸さないと誓い、クロコダインにすがりつくように頼み込むザボエラに対して、クロコダインは静かに構えていた斧を下ろす。

 それを悟って、ザボエラは一人ほくそ笑む。
 人のいいクロコダインが悩んでいるのを、彼は喜んでいた。体力も魔法力も残っていないザボエラだが、身体の中に流れる数百種の毒素は健在だ。時間を稼いでいる間に、クロコダインの意識を奪う毒素を調合させた。

 皮膚と爪の隙間から、紫色の液体がジワッとにじみ出る。
 わずかに掠っただけでも効果がある毒をクロコダインに与える隙を狙い、彼がほだされる可能性にかけ、土下座の姿勢のままほくそ笑むザボエラ。

 その時、轟音を立てて斧が地面に突き立てられた。それに、一瞬ビクッとするザボエラ。

クロコダイン「……わかった。ザボエラよ、さあ……」

 ゆっくりと、クロコダインの太い手が差し伸べられる。
 それを聞いて、口元に笑いを浮かべるザボエラ。土下座の影で邪悪な笑み浮かべ、ザボエラは自分に助け手を差し伸べてくれたクロコダインに対して、心の中で口汚く蔑む。

 騙される愚かさを嘲笑い、自分に利用されるだけの材木だと見下したザボエラは、爪から毒液をしたたらせ、本性のままに目をぎらつかせてクロコダインに向かって爪を振るった。

ザボエラ「そりゃあッ!!」

 クロコダインの手を、両手で抱きしめるような形でひっかこうとしたザボエラだが、その手は虚しく空ぶった。
 クロコダインは予め分かっていたかのように、ひょいと手を引っ込めたのだ。

 戸惑うザボエラが見上げると、そこにはもう片方の手で斧の柄を握るクロコダインの姿があった。無造作に、その柄を手放すクロコダイン。
 斧の柄が真上にあると気づいたザボエラの上に、その柄は重力のままに落ちてくる。伸ばしたザボエラの手の上に落ちた柄を、クロコダインはすかさず踏みつけた。

 斧によって身動きが封じられたザボエラは手の痛みにのたうつながらも、クロコダインが騙された振りをしたことを怒り、文句を言おうとする。
 が、クロコダインは手から闘気の塊を生み出した。

クロコダイン「ザボエラよ。頭の悪いオレだが、騙され続けたおかげで一つ、ものを知った。それは……この世には本当に、煮ても焼いても食えぬ奴がいる、ということだ」

 落ち着き払ったクロコダインの言葉に、ザボエラは裏返った声で制止を呼びかける。
 だが、それを最後まで聞かず、クロコダインはザボエラの背に闘気を打ち込んだ。

 真っ白な閃光は、峡谷一杯に広がる。
 閃光の中、悲鳴を上げながらザボエラは消滅した。

 ザボエラの攻撃した煙が薄れる前に、バダックがその場に駆け込んでくる。クロコダインを見つけ、明るく声をかけて駆け寄ってくる。
 クロコダインは返事もせず、目の前のザボエラの死体を見つめていた。

 それを発見し、にっくき妖怪ジジイをついに倒したのかとはしゃぐバダック。
 ザボエラは目を開けたまま息絶え、黒焦げの死体になっていた。

 ゾンビの中にザボエラの姿がないから、みんなで探していたのだと語りながら、さすがだとポンポン気やすくクロコダインの腕を叩くバダック。
 その間も、クロコダインは無言だった。
 ただ、じっと倒れたザボエラを見つめるばかりだ。

 笑っていたバダックも、いつもと様子が違うクロコダインに気づき、戸惑うように彼の名を呼ぶ。
 そんなバダックに、クロコダインは感に堪えないように語り始める。

 ザボエラも以前、六団長がそろった頃には魔法の実力では一目置かれる存在だったのだ、と、
 出世欲に目が眩み、他人を利用するダニのような奴に成り下がってしまったと語る前で、死んだザボエラの身体が溶けていく。

 ダイ達のように、自らの力で強くなる気持ちが一片でもあったら……そう語るクロコダインの言葉を聞きながら、バダックはザボエラを見つめ――それから、クロコダインへ視線を移した。

 自分も、ダイ達と一番手で戦っていなかったらどう歪んだか分からないと過去を振り返るクロコダインは、正真正銘のクズだったザボエラに哀れみを感じていた。
 
 一度目を伏せ、バダックはクロコダインに話しかける。

バダック「いい奴じゃなあ、おまえさんは」

 バダックは、ザボエラとクロコダインは違うと断言する。
 誇るべき友人、獣王クロコダインは、たとえ敵のままであったとしても己を高めることに生命を賭ける尊敬すべき敵であったろうと……そう断言するバダック。

クロコダイン「……じいさん」

 小さく笑い、クロコダインに向かってウインクしながらVサインをしてみせるバダック。
 それに対し、礼を述べるクロコダイン。

バダック「かえろう、みんなのところへ」

 峡谷に、クロコダインとバダックが並ぶ後ろ姿があった――。







 一方、バーンパレス。
 多数の怪物達が吹き飛ばされていた。その辺に怪物達が倒れているのは、死屍累々たる有様だ。

悪魔系怪物「悪魔か、こいつは!?」

 歯がみし、敵の強さにおののく怪物達の視線の先には、平然と佇むヒュンケルの姿があった。
 こうなったら一斉攻撃をしかけるしかないと覚悟を決める残りの怪物達だが、その時、背後から無愛想な声が聞こえる。

???「やめとけよ、無駄なことは」

 声に驚き、苛立ったように声の主を探すヘルバトラーだが、その顔に拳が叩き込まれる。
 それを見て、かすかに驚きを見せるヒュンケル。
 拳を握りしめた姿勢で立っているのは、全身が銀色の金属製の人影だった。頭に大きなヒビが入っているが、ダメージがあるようには見えない。

ヒム「そいつを倒すのはこのオレだ」

 周囲の怪物に対して、てめえらごときがいくら集まっても敵わないと言い切るヒムの鋭い目は、ヒュンケルに向けられていた。
 
ヒム「オレの獲物だ……誰にも渡さねえ」

 ヒムの出現に、今度こそ驚きに大きく目を見開くヒュンケル。
 それを見て、彼の驚きを軽く揶揄するヒム。自分の顔を見ても何の感慨も湧かないんじゃなかったのかと、皮肉る。

 そんなヒムに、本当におまえは兵士ヒムなのかと問いただすヒュンケル。
 ハドラーが禁呪法で生み出した親衛騎団は、ハドラーが死んだ今、魔力が途絶え生命維持は絶対に不可能だと、不審がるヒュンケル。

 だが、ヒムは自分にも分からないと答える。
 思い出すのは、ほんの少し前の戦い。ヒュンケルの攻撃をまともに受け、胸に大穴が空いてバーンパレスから落下した時のこと。
 







 地面に激突したヒムは、一度は確実に死んだ……はずだった。
 まるで水の底に沈むように、意識が暗く沈んでいく感覚。これが死ぬという感覚だと肌で味わったと言う。

 だが、その暗黒の中で何かが心の中に響いてきた。
 シグマ、アルビナス、ハドラーの最後の戦いの雄叫び……それによって、みんなの死を、自分達の全滅を知ったヒムは、ついに水の底へと落ちきった。
 
 その時になって、ヒムは死にたくないと自覚する。
 たとえ自分一人になったとしても生き延びて、ハドラーや仲間達の意地を見せてやりたい、と。
 
 壊れた人形のようなヒムの目から、涙がこぼれ落ちる。
 その瞬間、暗い水面に光が差した。光はどんどん強まり、水底にいるはずのヒムまでをも明るく照らす。
 アバンの使徒達に一矢報いる決意をして、手を握りしめるヒム。
 
 次の瞬間、ヒムは雄叫びを上げながら起き上がった。
 涙を止めどもなく流す彼の目は、意志を取り戻していた。このままでは、死んでも死にきれないと、そう、強く心に思って――。






 ヒムの話を、驚きの表情で聞き入るヒュンケル。その場にいる怪物達さえ、ヒムの話に注目していた。
 気づいたら、胸の傷も治ったと胸を指すヒムを見ながら、ヒュンケルはこれは奇跡だと考えていた。

 ヒムとハドラー達の執念が呼び起こした奇跡……もはやヒムは、ハドラーの魔力で操られる人形ではなくなったのかもしれない。

 ヒムの口元に、不敵な笑みが浮かぶ。
 その時、ヘルバトラーがヒムに対して、挑発的な文句をぶつける。ハドラーを負け犬と貶し、その配下であるヒムも貶め、嘲笑う怪物達。
 アバンの使徒より先にヒムを片付けると言い、彼に襲いかかる怪物達。

 ヘルバトラーの拳を、ヒムはよけもしなかった。顔面に当たった拳を、平然と受け止める。むしろ、拳で殴りつけたヘルバトラーの方が顔をしかめていた。

 ヒムは鋭い視線を、ヘルバトラーへと向ける。
 それに、たじろぐヘルバトラー。
 邪魔さえしなければ、生かしておいてやったのにと呟くヒムの頭に細かなヒビが入り、割れていく。

ヒム「だが……ただじゃおけなくなっちまったぜ!!」

 ヒムの怒りに呼応するように、彼の頭が強く光り輝いた。
 驚き、後ろに下がるヘルバトラー。他の怪物達も、恐れ混じりにヒムの方を見る。

 ひび割れが入ったヒムの頭が、強い光を放っていた。
 ハドラーへの侮辱に激怒したヒムの頭から、ヒビの入った部分が一気に砕け散った。

 強烈な光が、その場にいた者の目を焼く。ヒュンケルもその例外ではなかったが、彼は光の中も必死で目を見開き、何が起こったのか見極めようとしていた。

 バーンの主城を貫く勢いで、白い光の柱が立ち上る。
 その光の源であるヒムの身体が、不自然にのけぞった。脈打つように痙攣する身体が、前屈みになる。
 その時、ヒムの頭頂部はマグマのような光に覆われていた。

 苦痛に耐えるような声で吠えるヒム。
 拳を握りしめ、頭の熱を振り払おうとするように大きくのけぞる。その時には、彼の頭を覆うマグマめいたゆらめきは、最初の数倍にも膨れ上がっていた。

 髪が靡くように、揺れるマグマ。
 赤黒い炎の中から、銀色の髪が出現する。頭頂部から毛先に向かって赤いマグマが揺らめき、それが髪の毛へと取って代わる。

 マグマじみた炎が散った後には、ライオンのごとく髪の毛を逆立てたヒムの姿があった。
 その髪も、すぐに落ち着きを取り戻して背に自然に流れる。
 銀色の髪に怪物達も驚くが、ヒュンケルの驚きはそれ以上だ。

ヒュンケル(あれはまるで……ハドラー!)

 ヒムの姿に、超魔生物となったハドラーが重なって見える。髪の靡き方さえ、そっくりだった。
 ハドラー譲りの眼光を宿すヒムの目が強く引き絞られ、次の瞬間、ヒムは動き出した。

 目にもとまらぬ速さでヘルバトラーを殴り、身を翻してそのまま蹴りを食らわせる。
 高々と空中に放り出されたヘルバトラーをあっけにとられたように見やる怪物達だが、すぐに気迫を取り戻して戦うために駆けだした。

 それを、待ち受けるヒムは、雄叫びを上げる。
 気合いと共に前進したヒムは、すれ違いざまに怪物達をぶっ飛ばしていく。弾けるように、どんどん吹っ飛ばされる怪物達。

 悲鳴を上げ、柵を跳び越えてバーンパレスから落下していく怪物達。
 パンチをメインに、時に蹴りを交えながら、多数の怪物達を難なくあしらうヒム。

 敵の攻撃も、ヒムはよけもしない。
 オリハルコンのボディーは、当たった武器の方を砕いてしまう。ベレスを捕まえ、片手だけでハンキングツリーを仕掛けるヒム。
 
 ヒムの動きが止まったのを好機とみたのか、炎の戦士二体が炎の攻撃を仕掛けた。それを、ちらっと目だけで確かめるヒム。
 ヒムの身体にまともに炎が当たるが、彼はよけもしなかった。

 炎が消えると同時に、無傷のヒムは動き出す。
 手を離されたベレスの方は黒焦げとなり、その場に倒れ込んだ。

 ヒムの攻撃で、もんどりうって床を転がり、バーンパレスから投げだされる炎の戦士達。
 攻撃が終わったヒムに、鬼棍棒が強烈な一撃を仕掛けるが、ヒムはそれをあっさりと避けた。

 高く跳び上がり、逆に鬼棍棒の顔面を一発ぶん殴る。
 加速度込みの体重を載せた一撃のせいで、その辺の床に大きなひび割れが発生する。

 立ち上がったヒムだが、驚いたように手が一瞬、強ばる。
 見れば、ヒムにしがみつくバルログの姿があった。必死の形相で、ヒムの胴にがっちりと手を回している。

 そこに、鉄球魔人の鉄球が叩き込まれる。
 鬼棍棒やバルログごと、押しつぶそうとする必殺の一撃だ。土煙が激しく舞い上がる。

 が、鉄球魔人は驚いて目を見張る。
 鉄球をまともに食らいながら、ヒムはその一撃に耐えた。身体から白く立ち上っているのは、闘気の光か――気合いの入った雄叫びと共に、強い光が発せられる。

 その光に消滅するように、消えていく怪物達。
 吹き荒れる風の中、ヒュンケルは踏ん張ってその場で耐えていた。

ヒュンケル(これは……ッ)

 やがて、光が収まった後、あれほどいた怪物達は一匹もいなくなっていた。ヒュンケルが倒した怪物達でさえ地上に落とされたのか、そこには誰もいなくなっていた。

 いるのはただ一人、天に拳を突き上げた姿勢で佇むヒムだけだ。
 目を閉じ、拳を下ろしたヒムの髪が、風に靡く。目を開け、始めてそれに気づいたように自分の髪を掴むヒム。

ヒム(こんなものがついていたのか……オレに。こんな……まるで、ハドラー様みてぇな……)


 ヒムの脳裏に、今は亡きハドラーの姿が蘇る。

ハドラー『ヒムよ……おまえは一番、今のオレに似ているな』

 手にした一房の髪を、強く握りしめるヒム。







 それを見ていたヒュンケルは、ヒムがまさにハドラーの生まれ変わりだと確信する。その上、今のヒムが発したのは紛れもなく闘気だった。
 生命エネルギーである闘気は、仮初めの生命体では絶対に発揮できないものだ。
 ヒムが新たな生命体になったと確信するヒュンケル。

 その間、ヒムはどこか切なげな目で握りしめた自分の髪を見つめていた。が、すぐに手を離し、敵を見る目をヒュンケルに向けてくる。

 そんなヒムに、ヒュンケルは脅威を感じていた。
 ハドラーの生命がヒムに宿ったとしか思えない奇跡……もはや、空の技ではヒムを倒せないと考えるヒュンケルの頬を、冷や汗が伝う。

 オリハルコンの身体で闘気技を使えば、その攻撃はダイの闘気剣に匹敵するとヒュンケルは判断した。
 脳裏に、ダイの姿が思い浮かぶ。

 ヒムは足を広げ直し、ヒュンケルに決着をつけようと言い出す。
 そうはいっても、ヒムも今のヒュンケルが立っているだけでやっとだと理解している。雑魚とはいえ、大量の敵を相手にして消耗しているのも気づいている。

 しかし、それでもヒムはヒュンケルに向かって歩を進める。
 手加減をする気など、ヒムにはない。
 ヒムにとって、ヒュンケルはどうしても越えなければならない壁だった。初戦の時からそう感じていたし、ハドラーがダイの打倒に全てを懸けたように、ヒムにとってはヒュンケルの存在こそが最大の未練だった。

 それを聞き、ヒュンケルは槍を構え直した。
 気合いを込めるヒムの身体から、白い靄のように闘気が立ちこめる。自分や、自分の仲間達の誇りと怒りを込めた拳を打ち込むため、全力で突進してくるヒム。

 その攻撃を、ヒュンケルは大きく目を見開いた――。






 その頃、地上では人々は魔法陣を中心に集まっていた。
 折れた剣があちこちに刺さる戦場の跡地で、怪我をした者に肩を貸しながら寄り添い合う人間達。幸いにも死者はいないのか、その雰囲気は明るかった。

 クロコダインは疲れ切った様子で目を閉じているガルーダの背に、優しく手を置いていた。

クロコダイン「すまん、よく頑張ってくれたな、ガルーダ」

 その言葉に顔を上げ、嬉しそうに鳴くガルーダ。
 その様子を、後ろからバダックも眺めていた。

 魔法陣を中心にフローラが立ち、全員に言葉を掛ける。
 光の魔法陣を守り切ったことを労い、この魔法陣があればいつでもダイ達に救護を送ることが出来るし、傷ついた時も帰還させることが出来ると発言するフローラ。

 それを聞いて、クロコダインは結界が無くなったことを再認識し、空を飛べる者ならバーンバレスに行けることに気づく。
 しかし、魔法陣を守る戦いで消耗した人間軍には、助っ人を送る余裕はないとアキームは発言する。

 その台詞を聞き、悔しそうな表情を浮かべる兵士達。その中には、ガルーダも混じっていた。誰もが気持ちは同じだった。
 が、そこに陽気な声が響き渡る。

チウ「よぉしっ!」

 図々しくもフローラの前に進み出たチウは、堂々と胸をはる。

チウ「任せたまえっ!」

 一人、元気いっぱいなチウを見て、苦笑気味の感想をもらすゴメスとスタングル。
 チウは自信満々に、大魔王バーン空いてならば生半可な実力の者が言っても犠牲者が増えるだけだと力説する。

チウ「しかも空を飛べるのは、我が遊撃隊のパピーにパタコ、そしてドナドナだけだ」

 隊長直々の紹介に、パピーが嬉しそうに翼を広げる。後ろで聞いていたゴメスは、チウの実力こそが一番生半可だとぼやく。それを聞いたスタングルは、思いっきり笑った。

スタングル「確かに」

 背後の会話など聞いていないチウは、自分を指さして得意げに言う。

チウ「当然、一人は遊撃隊の隊長であるぼくが行くが……後二人! 後二人のメンバーを選んで行くから、諸君はこの場を頼むぞ」

 Vサインのように指を二本立てつつそう言った後、チウはクロコダインに誘いを掛ける。

チウ「クロコダインさん! 大丈夫ですよね?」

クロコダイン「おう! 問われるまでもない」

 拳を握りしめ、力強く応えるクロコダイン。

ノヴァ「すまん……ボクも行きたいのはやまやまなんだが……」

 茂睡分けなさそうに口を挟んだのは、ノヴァだった。ロン・ベルクを支えるノヴァに、チウは上から目線で君はロン・ベルクさんを介護してあげるようにと言った。

 あともう一人ぐらい、回復の出来そうな人を探し、目の上に手をかざして周囲を見回すチウ。
 その背後から、エイミの念が飛ぶ。

エイミ(私! 私! 私! 私! ……)

 目が据わり、暗黒オーラを発揮させつつ一心にチウの背中を睨みつけつつそう念じるエイミ。心なしか、彼女に抱きかかえられているメルルも苦しそうだ。

 暗黒闘気じみた黒い念が背中にまで達し、ギクッと跳ね上がるチウ。

チウ(なんだか知らないけど、すごい気を……ッ)

 振り返らずにそれを悟るのは、野生の本能ゆえか。が、チウは目をギュッと閉じて首をしっかりと振り、目の前にいるビースト君を指さして指名した。無言のまま両手を上げ、それに応えるビースト君。

 ガッカリするエイミを振り返りもせず、台の上から飛び降りたチウはクロコダインとビースト君の前に並ぶ。
 この三人の決まりだと言った後、チウはなにか気がついた様子だった。

チウ「あ、そうだ」

 きょとんと見守る兵士達の前で、ごそごそと、どこからか大きな袋を取り出すチウ。

チウ「みんなー! なんでもいいから、ここに回復系のアイテムを入れてくれたまえ!」

 たちまち、幾つものアイテムがその場に置かれる。薬草類だけはでなく、力を増強する飲み薬や、ステータスアップの種、しびれを消す満月草などがずらりと並ぶ。

 それを、もぐもぐと食べるパピー。バタコは頭の上に葉っぱを載せ、アリクイのアリババは袋を大切そうに持っている。
 ドナドナも、もぐもぐと口いっぱいに薬草を頬張っている様子だ。そんな彼らを、ニコニコ見つめているマリべえ。その後ろには、悪戯小僧が二匹、薬草を口にしていた。

 仲間達が回復している中、チウはクマチャの肩に乗り、クマチャが広げた袋の中に兵士達が薬草類を入れるのを見守っていた。
 チウ達が準備をしている間、クロコダインは斧を片手に魔法陣の前に佇んでいた。

 彼が目をやる先には、台の上に座り込んだロン・ベルクの姿があった。彼のすぐ隣には、ノヴァが心配そうに付き添っている。

チウ「クロコダインさーん、はやくー」

クロコダイン「おう!」

 チウはドナドナに、ビースト君はバタコに、クロコダインはパピーにつかまって空へと舞い上がっていく。それを、みんなは声援と共に見送った。

 それを、切なげな表情で見送るエイミ。メルルの治療を止めるわけにはいかないから仕方が無いと思いながらも、彼女の目はバーンパレスを目指すクロコダインに向けられたままだ。

エイミ(ヒュンケル……)







 ついにバーンパレスに着陸するクロコダイン達。
 空中をフワフワ飛ぶ怪物達から、真っ先にビースト君が身軽に、続いてチウが、最後にクロコダインが飛び降りた。

 降りた場所は床の石が削られまくり、戦いの痕跡が色濃く残る場所だった。
 一方向から橋じみた場所を削り取る一撃が放たれたと、予測できる。ただ、不思議なことに少し離れた場所にある丸い円状の床だけは、綺麗に取り残されていた。

 クロコダイン達は知るよしもないが、そこはダイとハドラーが戦い、キルバーンの罠が発動した場所だった。
 戦いの痕跡の向こうに見えるバーンの主城に真っ向から向かい立ち、クロコダインは呟く。

クロコダイン「再び、この場に立てた……が、今度は負けはせん!」

 力強くそう言い切るクロコダイン。

チウ「ここがバーンパレスかぁ……」

クロコダイン「チウよ、こいつらは返してやった方がよさそうだぞ」

 三人をここまで運ぶのに、バテバテになってしまった飛行怪物達を見てクロコダインはそう言ったが、三匹はそれを聞いてビクッとする。

チウ「確かにそうですね……」

 その言葉に、汗びっしょりになっていた三匹は姿勢を立て直し、いやいやするように翼を振りだした。
 そんな三匹の前に、チウは両手を広げて立つ。

チウ「みんな、ご苦労! 君達はロロイの谷に戻って、女王様と一緒にぼく達の帰りを待っててくれ! 心配するな、ぼく達は必ず勝利して、君達の元に戻る!」

 自信満々に、チウはウインクし、勝利のVサインを決める。

チウ「嘘は言わない、遊撃隊のバッチに誓う!」

 頼もしい隊長の言葉に、目を潤ませて感動する怪物達。
 素直に下へと飛んでいく三匹を見送って、チウは笑いながら元気よく手を振った。

チウ「はーっはっはっ」

 そんなチウを見ながら、実力的にはまだまだだが、器の大きさだけは相当なものだと考えるクロコダイン。このチビは案外大物になるかもしれないと、どこか優しい目で彼を見守る。

チウ「さあて! ダイ君達は、どこだろう?」

 チウを先頭に、彼らは主城の方へ向かって歩き出した。






 その頃、ヒムの強烈な突進を前にしたヒュンケルは、避けることも防ぐことも出来なかった。
 強烈な一撃が、ヒュンケルの腹を捕らえる。その衝撃波は、背中まで突き抜けた。

 たまらず、血を吐き出すヒュンケル。
 その血が、ヒムの顔に滴った。からかう言葉を掛けながら、チウはそのまま腕を伸ばしてヒュンケルを空中へと持ち上げる。
 ヒュンケルは苦痛に呻く。

 自分が全く反応できなかったヒムの速さと、その破壊力を痛感するヒュンケル。
 闘気に包まれて白い光を帯びたヒムは、闘気の素晴らしさを実感していた。感情と力が直結した新たな力に、満足している。
 
 拳を動かさないヒムだが、溢れる闘気が伝わった影響か、再び絶叫して血を吐いた。
 まさか、この一発で終わりではないだろうと言いながら、ヒムは持ち上げたままのヒュンケルの身体を放り投げた。

  無抵抗のヒュンケルの身体は一度床にたたきつけられ、弾んで遠くに放り出された。その状態でもまだ槍を手放さない執念はたいしたものだが、彼は立ち上がることも出来ず、苦しげに咳き込むだけだ。
 そんなヒュンケルを、冷静に見下ろすヒム。

ヒム「終わりか、やっぱり……さすがのおまえさんでも」

 いささか残念そうに呟くヒムの言葉が聞こえているのかいないのか、ヒュンケルは苦しげに喘ぐだけで精一杯だ。
 今までの戦いで消耗している自分に対し、新たな息吹を得て闘気を使うヒム……太刀打ちできないと考え、どうすればいいのか悩むヒュンケル。

 青空を見上げるヒュンケルの視界が、瞬きで揺れる。
 槍を握る手にわすかに力を込めるも、全身の感覚が失せていくのを感じるヒュンケル。

 ここで負けるわけにはいかないと思うものの、ヒュンケルの視界はゆっくりと、黒く、閉ざされていく。

ヒュンケル(ダイ……ポップ……)

 目を閉じ、意識を失う寸前のヒュンケルの口から、濁ったような声がかすかに漏れる。

ヒュンケル「マァ……ム……」

 それを最後に、世界は闇に包まれた。







 水の中を、ヒュンケルはゆっくりと落下していた。
 目を閉じ、苦悩の表情のまま沈むヒュンケルの耳に、どこからか声が聞こえてくる。最初はよく聞き取れなかったその声は、確かにヒュンケルの名を呼んでいた。
 
 目を開いたヒュンケルは、はるか水面に小さな光を見いだす。
 だが、その光はヒムが見た光と違い、ごく小さなもの。弱々しいほど小さく、遠い光だった。
 その光の方から、ヒュンケルの名を呼ぶ声が聞こえてくる。

 再び目を閉じるヒュンケルだが、その声がはっきりと聞こえてきた。

アバン「さあ、とっとと立っちゃってください」

 それを聞いて、大きく目を見開くヒュンケル。
 もう一度、強く名前を呼ばれた瞬間、光が爆発的に強まり、視界いっぱいを真っ白に染め上げた。







 光溢れる場所で、まぶしさに目を閉じたままのヒュンケルを誰かが引き起こす。ハッとして目を覚ますと、目の前にいたのはアバンだった。
 その後ろには、ポップ、レオナ、マァム、ダイも並んでいる。

 そこは、綺麗な青空が広がる牧歌的な草原だった。
 座り込んだ姿勢のヒュンケルの前に、アバンはしゃがみ込んで視線を合わせ、話しかけてくる。
 まだ、あなたは私の言ったことを守っていないでしょう、と。

 戸惑うヒュンケルに、アバンは力を出し切っての敗北なら恥じることはないと諭す。だが同時に、今のヒュンケルにはやれることは残っていると指摘した。
 
 立ち上がるアバンを、目で追うヒュンケル。
 いつしかヒュンケルは、同じぐらいの背丈になったはずの師を見上げていた。

アバン「負ける時は力の全てを出し尽くして、思い切り負けなさい」

 笑顔で、爽やかにそう言ってのけるアバン。
 その服は、いつの間にかさっきまで着ていた青と白の衣装ではなく、懐かしい赤い色彩の衣装に戻っていた。 

 師を見上げながらそれを聞いていたヒュンケルは、いつの間にか幼い姿に戻っていた。アバンの修行を受けていた頃の、ほんの子供の頃の姿だ。
 ハッとしたように、幼いヒュンケルはアバンを見上げる。

 そうしないと、絶対に今より強い自分には慣れないと言われ、ムッとした顔になるヒュンケル。

 座り込むヒュンケルを見下ろすアバンは、赤い衣装――勇者の家庭教師だった時の服装だった。
 気づくと、草原に仲間達はいなくなっていた。アバンとヒュンケルしかいない草原の草が、さやさやと優しい音を立てる。

 最後の最後まで、己の力を出して戦い抜く。それが、真の戦士だとアバンは教えてくれた。
 それを聞きながら、幼いヒュンケルは立ち上がった――。






 風に、ヒムの長い髪が靡く。
 煽られ、激しく靡く髪。
 が、それに一段落つき、落ち着いた時、小さな呻き声が聞こえる。ヒムの口元に、わずかに浮かぶ笑み。

 ヒムの目の前では、苦しそうに呻きながら、それでも立ち上がろうとするヒュンケルの姿があった。
 見開かれた目は、普段の強さと鋭さを取り戻している。
 それを見たヒムは、わずかに足を踏み出す。

ヒム「そうよ……ッ、それでこそオレの選んだ永遠のライバル!」
 
 歯を食いしばりながら立ち上がるヒュンケルは、思う。

ヒュンケル(不思議なものだ……あれほど憎んだのに……殺してやりたいとすら思ったのに……)

 立つだけで、肩で息をするヒュンケル。だが、その目は闘志を讃え、真っ直ぐに前を睨みつけていた。
 そんなヒュンケルを、満足そうに見やるヒム。

ヒュンケル(師よ……! 瀕死のオレをこうして立ち上がらせてくれたのは、いつもあなただった……!)

 槍をしっかりと手に持ち、ヒュンケルは背筋を伸ばして立ち上がった――。


 


《感想》

 ザボちゃんの最後……っ。
 まあ、同情する気などこれっぽっちもないんですけど(笑)

 毒を調合するザボちゃんを見てて思ったのですが、身体が小さい割に手が大きめでがっしりしていますね。
 
 原作では爪の真ん中辺りから毒がにじみ出ていましたが、アニメでは爪と皮膚の隙間から漏れていました。どっちにしろ不気味なので、どっちがマシ……いや、いいと決めがたいですが……。

 クロコダインの手、内側は外よりも色が薄かったんですね!
 なかなかじっくり見る機会が無かったので、新鮮でした♪

 ザボちゃん、攻撃の前に叫んじゃダメでしょ!(笑)
 掠り傷でいいのなら、クロコダインの手につかまって立ち上がる際に、軽くひっかく程度で良かったのに〜。わざわざ攻撃して決めようとするから、失敗したとしか言えない奇襲でしたね。

 原作では斧の柄のせいで、ザボちゃんの手の骨が折れた音が響いていましたが、アニメでは斧が落ちた音っぽくてその辺がはっきりしませんでした。
 
 ザボちゃんの消滅シーン、真っ白な中で線画のようなザボエラの顔が歪みつつ消えていく描写、見入ってしまいました。……なんだか、後で「実は死んでいなかった」と蘇りそうな消滅だなぁと(笑)

 クロコダインが上からザボエラを撃つポーズから始まり、光の奔流の後、同じポーズで光が消えるのでしめる演出もよかったですが……個人的には真正面からではなく少し上から見下ろすような原作の構図で、ついでに言えば白と黒をはっきりと際立たせたスローモーションで見てみたかったです!

 さらに言うなら、バダックさんが登場する前に、もう少し間が欲しかったですね〜。
 倒したザボエラを前に、一人で物思いにふけるクロコダインの図を見てみたかったですよ。

 ザボちゃんの死に顔のカットはアニメの改変ですが、正直びびりました。
 うっ、白目や黒焦げの肌具合が妙に生々しいです〜。なまじ原作ではザボちゃんの死に顔が出てこなかっただけに、思いっきりびびりましたとも!

 普段は表情豊かで目がやたらと大きく書かれているザボちゃんが、死に際の顔だけが目のサイズがマネキンのように標準的サイズになっているのが、これまた不気味さを強めています。

 クロコダインのザボエラ語り、彼に対する哀惜の念が感じられるいい口調でしたが……っ、せっかくの名台詞なのに、ザボちゃんの溶け方が生々しすぎて集中しきれないんですけどっ!? なぜ、この語りにザボちゃんのラストをかぶせたっ!?

 いやっ、確かに原作でもザボちゃんってば溶けて終わっていましたけどね、もっとさらっと、シュワシュワいつの間にか溶けて終わりでしたのにっ。

 でも、アニメでのあの、頭が力を失ってぐにゃりと垂れ、そのままスライムのようにデロデロに崩れていく不気味さ……なにこれ、トラウマ案件!? なまじ、人間の形を残しつつ溶けていくから不気味さも倍増ですよっ。これ、朝から流していい光景なんですかっ!?

 溶けて広がるだけでも不気味だというのに、色もひどかったです。泥水のように薄汚い茶色なだけならまだしも、ところどころに黒い染みがまだらのように浮き、沸騰しているようにブツブツと泡立っている有様なんですがっ。

 な、なぜにここまでグロ方向に全力を尽くしたのか、小一時間ぐらい問い詰めたい気分ですよっ。出血さえしなければ、こんなグロい最後も許されると!?
 とりあえず、何かを食べながら見なくて良かったとしみじみ思いました〜。

 自己融解能力が高すぎでしょ……。もしや、体内の毒素の副作用で自己融解が異常に高くなっていたのかなと予想。

 なんか、思っていたのとは違う方向で心に焼き付いたザボちゃんの最後でした。
 さらば、ザボちゃん。君のために流す涙はないが、君の死は決して忘れない……つーか、正直忘れたいですよッ!(笑)

 バダックさんの台詞、普段のオーバー気味の演技と違って落ち着いた声での演技、なかなかよかったですが、声音が若すぎる印象を受けました。好みとしては、もう少し年配っぽい雰囲気が欲しかったです。

 普段はおちゃらけていても、実際には年配で人生経験豊富なだけに、クロコダインの若さを覆い込むような包容力があって欲しかったなぁ、と。
 つい、ポップの悩み相談に乗った時のマトリフさんの口調と比べてしまったからそう思うのかもしれません。

 良くも悪くもバダックの声音は、クロコダインと同年齢の友人に対する風に聞こえるなと思ったシーンでした。

 「かえろう〜」の台詞、ここでバダックさんの台詞だと分かって、なんかスッキリした気分です♪
 原作では背景にこの台詞だけがあるので、クロコダインの台詞ともバダックさんの台詞とも読める感じで、どっちかなと思っていたんですよ。
 正直、クロコダイン6、バダック4ぐらいの気持ちでいました。
 
 二人の背中を映し出したシーンはアニメの改変ですが、実に良かったです♪
 原作ではここの絵は背景のみだったので、やっぱり人物がいてくれた方がいいなと思いました。

 バーンパレスでの悪魔系怪物の「悪魔か、こいつは」発言、原作の時からずーっと思っていましたが……「悪魔はおまえだろうっ」のツッコみ待ちでしょうか(笑)

 ヒムの復活、思っていた以上にカッコいいです!
 ヒムの台詞、ヒュンケルへの執着心が強く感じられるのがいいですね。特に、オレの獲物宣言が好きです。

 ヒュンケルが思っていた以上に、ヒムの復活に戸惑っているのが見てて楽しかったです。原作では淡々としている印象でしたが、アニメでは驚きが強く感じられますね。

 ところで、ヒムの頭の傷、原作よりも派手になっているのですが。
 原作では、スパッと切れたような感じに割れていましたが、アニメではボコッと大きくくぼんだ割れ目になっています。
 平地っぽく見えましたが、運悪くとんがった岩に頭から落ちた感じなんでしょうか。痛そうです〜。

 白目を剥いているヒム、怖い、怖い! 頭も砕けているし、原作にはない白目が怖いですよ〜。

 死亡した表現として、暗い水底へ落ちていく表現が実に綺麗でした。
 ダイやポップが雲の上っぽい場所で死の体験を味わったのとは、逆の方向性ですね。

 回想シーンでのハドラー達の姿、白目のまま、何かを叫んでいる姿なのが印象的でした。身体がうっすらと白い炎のようなものに覆われ、燃え尽きるように一人ずつ消滅していく図が、なかなかに凄惨で悲痛さを味わいましたよ。

 ヒムが水の底で倒れ込んだ後、光が上から差し込むシーンは実に美しかったです! 原作には無い改変ですが、いいですね。
 ヒムが泣きながら叫ぶシーン、原作ではここで涙に色がついていたので、血の涙を流しているのかなと考えていたのですが、普通の涙でした。
 ……まあ、よく考えたらヒムに血は流れていないですしね(笑)

 ヒュンケルを倒すつもりだったザコモンスター達、行動が唐突でおバカすぎです(笑)
 いくら最初に殴られたからと言え、明確な敵対者をほったらかしにしてまで、侵入者をとりあえずの標的にしなくても。

 一応、反逆者の部下ポジションだから倒しておいた方がいい立場には違いないですが、ヒュンケルのことも気にした方がいいと思うんですが。ヒュンケルだから良かったようなものの、敵を前に背中を見せていいと思っているんでしょうか。

 ヒムちゃんの髪の毛出現シーンが、めっっちゃ気合いが入りまくっているのにはビックリしました。
 え、ここに力をいれるのって感じに驚きましたよ。

 原作では2Pとかからなかった髪が靡くシーンが、まさかここまで手の込んだものになろうとは。
 ヒムの背後にハドラーがダブって見えるシーン、左右逆転の構図でした。
 
 驚いたのが、ヒムの戦い方の変化。
 これまで拳だけで戦っていた印象だったのですが、不意にジャンプしたり、身体を反転させて蹴りじみた行動を取るなど、武闘家っぽいハドラーの戦い方に似てきた気がします。

 敵側の鬼棍棒、バルログと鉄球魔人のコンビネーション、敵ながら天晴れでした。
 犠牲も厭わずにこの三連攻撃を仕掛けたのなら、なかなかのチームワークだと感心します。

 でも、そのチームワークはヒュンケルと戦っている時に発揮すべきだったような気がしないでもないですが(笑)

 ヒムが容赦なくポンポン敵を落としているのを見て、ヒュンケルはわざと敵を落とさなかったんじゃないかとの疑問が発生。
 ヒムにとってはその場にいると足場的に邪魔になると簡単に思えただろうけど、ヒュンケルにしてみれば万一にも人間達の上に降り注いだらという不安があったのかも。

 ただ、空から地上に落下する場合は狙った場所にピンポイントに落ちるのは相当以上に難しいです。パラシュートやハングライダーなどで、着地点に正確に落ちるかを競う競技があるぐらいですから。

 結果的に魔法陣どころかロロイの谷にさえ怪物らが一匹も落下しなかったのは、運も良かったんでしょうね。

 自分の髪を握りしめたままヒムが見せる寂しげな表情、いいですね! 原作では目元を黒く隠す形で俯いていましたが、アニメだとヒムの切なさやハドラーへの思慕が伝わってきます。

 そして、髪を手放した瞬間に気持ちを切り替えて、目つきからして変化するのがいかにもヒムらしいです。

 ヒュンケルが「ダイの闘気剣に匹敵する」と考えた時、ダイの姿が実際に浮かんだのは嬉しいです♪

 原作ではアバンストラッシュを振り切った時のポーズでしたが、アニメでは構えるシーンからダイがこちらに迫ってきて振り切るまでの動きを見せてくれたのに、感激!
 ダイの顔が画面一杯に広がるような、思い切った接近描写にほれぼれしました。

 ヒムが戦いを求めて近寄る際、ヒュンケルが槍を両手で盾にするように構えているシーンは、アニメの改変ですね。
 あの姿勢は攻撃と言うよりは、防御のための姿勢という雰囲気で、ヒュンケルがヒムに対し脅威を感じているのが現れている気がします。

 その怯え気味な姿勢があるからこそ、槍を攻撃向きの姿勢に持ち替えるシーンが際立っています! 片手で槍を持つ姿が、防御を捨てた感じでカッコいいですね。

 ヒムの攻撃、ゆったりした歩きから一転した突進の動きの差が気に入りました!

 原作ではヒュンケルが驚いて目を見開いた後で、激突音と集中線が表現されるのですが、アニメでは見開かれたヒュンケルの目が、さらに驚くシーンがCMになっていますね。
 何が起こったか不明のまま、CM開けを待たされる仕様です。

 ……と、期待させておいて、場面が地上に移るのは原作と同じ展開ですねっ、知ってた! 知ってたけど、分かっていても焦らされますっ(笑)

 人間軍の描写が、死者なしで怪我も感じに描かれているのにホッとしました。割と、同じ鎧の者同士がペア行動しているのが三組、違う国同士の組み合わせが三組と、寄せ集めの連合軍ながら連帯感が結ばれている感じがしてよかったです。

 なにより、ガルーダの登場が嬉しかったですよ!
 クロコダインに労われて鳴くガルーダが、可愛い。原作ではこのシーン……というか、この最後の決戦では登場していなかったので、やはり、アニメではガルーダはとりわけ愛されている気がします。

 バダックさんが、覗き込むように後ろから見ているのもナイスなポイントです。クロコダインに背中を撫でられて嬉しそうなのも、いい感じ。
 セキセイインコなどには、自分で手入れしにくい背中や顎の辺りを撫でられるのを好む個体がいますが、ガルーダもそうなのかなと思いました。

 フローラを中心に魔法陣をみんなで囲むシーン、ほぼ原作通りの配置や人員みたいですね。
 しかし、カール騎士団数名が二重の魔法陣の内側に右手側にいるのは納得しますし、左側にバウスン将軍、ロン・ベルクとノヴァがいるのも納得です。……疑問は、なぜそこにゴメスとスタングルがいるのかですよ?
 
 割と目立っていたゴメスはまだしも、鞭使いスタングルなんぞ出番も少なかったのに(笑) ほかのロモスの決勝進出者達などは獣王遊撃隊と並んで、台(元処刑台)の下に控えているというのに。
 
 ついでに、アキームさんも台の下にいますが、むしろ彼の方がゴメスの位置に居るべきなんじゃないかと思いました。

 勇者に助っ人を送る余裕がないとの台詞の後、兵士達のカットがあったのは嬉しい改変でした♪
 原作ではすぐにチウが名乗りを上げるのですが、アニメでのこの兵士達の間が入れられたことで、勇者に力を貸せない人間達の悔しさが感じられます。その中に、ガルーダが混じっているのが、なおいいですね!

 人間と怪物達の共存が、すでに出来ている気がします!
 それに、ベンガーナの人間達が助けられた後もダイに怯えていたのとは違って、自分達も戦う気概を持っているのに勇者に力及ばないのを悔やんでいるのも、好印象。
 この光景を、是非ダイにも見て欲しかったものです。

 そんなシリアスな雰囲気をぶっ飛ばす、チウ君登場!
 遊撃隊のメンバーの名前をきちんと出す改変台詞には、感心しました。スタングルも原作ではくすっと笑う程度だったのが、アニメではニコ目で思いっきり笑っていましたね。

 チウの台詞、微妙な改変が混じっています。原作では選びながら人数を決めたようでしたが、アニメでは最初から三人と決めてから選んでいますね。
 それにしても、ピースサインをしているチウが可愛いです。

 後、原作ではクロコダインへの誘いが、語尾にダッシュがついていて問いかけ感がなかったのですが、アニメではわずかに語尾を上げて問いかけている感が出ていたのが嬉しかったです。
 それでこそ、クロコダインとの掛け合いが生きてくる感じがします!

 ノヴァ、謙虚になったのはいいのだけど、別にチウにそこまで気を遣わなく
てもいいのに……(笑)

 そして、エイミさんの執念に爆笑!
 もしもーし、気絶中のメルルが感じ取れるような邪悪さ発揮しちゃっているのですが!? 超魔ゾンビ出現中にも無反応だったメルルが、エイミさんの熱い波動を感じて眉をひそめて冷や汗を流しちゃっていますよっ。

 原作では、チウが何か気配を感じてからエイミさんの自己アピールが表現されていましたが、アニメでは逆にエイミさんのアピールが先でした。

 回復アイテムの下りは、アニメの改変ですね。
 決戦前夜にアニメオリジナルエピソードとしてメルルが用意した薬草が、今になって役に立っているようでジーンとしました。

 人間、怪物を問わずに仕切るチウの大物ぶりを、思い切り出していますなー。みんなが協力し合っているのが、実にいいです。
 ……と、それはいいのですが、チウが袋を出すシーンがはっきりと見えなかったのですが……なんか、服の下から出したっぽい動きですね(笑)

 薬草を食べて回復する遊撃隊、可愛いです。特にバタコ、なに頭の上にハッパをのっけてるの?(笑)
 それはいいのですが……悪戯小僧、いつの間にか仲間入りしてたーーっ!?

 え、ええー、先週まで、チウに助けられることもなく超魔ゾンビの一員となった彼らの冥福を祈っていたのに、実は生きていたとなっ!?
 どーゆーことですかっ、地上戦でのチウの結構大物なエピソードをまるっと削っておいて、なぜにこやつらがちゃっかりと生存しているとわっ。

 い、いや、生きているのは喜ばしいのですが、……正直、先週までの嘆きを返してと言いたい気分です……っ(笑)

 チウ達が準備中の間、クロコダインが佇んで待ち、ロン・ベルクと目を見交わすシーンはアニメの改変ですね。
 渋い雰囲気から、ここは燻し銀のごとき会話シーンが始まるのかとワクワクしていたら、チウに呼ばれて終わりでした(泣)

 チウ、空気を読めっ! と、叫びたかったです。せめて、斧に対して感謝の一言なり、壊してしまった謝罪なり、なんらかの会話を聞きたかったのに〜。
 そして、空を飛ぶチウの武闘着の下半身が、カボチャパンツのごとく膨れ上がっとりましたが……やっぱり! やっぱり、そこにしまいこんだんかいっ!

 多分、後にその薬草を与えられるであろうヒュンケルとヒムが、ちょっと気の毒になりましたよ(笑) まあ、原作ではビースト君の回復魔法で救われるのですが……アニメだと、どうなるんでしょう?

 予想的には、ヒュンケルは贔屓されて回復魔法、ヒムは薬草をてんこ盛りになるんじゃないかな〜と(笑) あ、ちょっと先になりますがポップが回復されるシーンもあるので、そこでチウが持ってきた薬草を知らずに食べ、どこにしまっていたか知ってげんなりするシーンがあってもいい気がします♪
 
 エイミさんがヒュンケルの名を心で呼ぶシーン、切なげでいい響きでした♪ 後ろ姿で顔が見えない分、声の演技が際立つ感じです。
 原作では未練たっぷりな表情と、悲しげな横顔のシーンでしたが、アニメでは切なげでありながら、どこか吹っ切ったような爽やかな印象でした♪

 クロコダイン達のバーンパレス着陸シーンは、アニメの改変ですね。
 原作ではクロコダイン達がどこについたのか分からなかったので、アニメでの場所が分かって満足です。

 まあ、すぐにヒュンケルとヒムを発見したのだから、そう場違いな場所に行かなかったとは思っていましたが。

 アニメオリジナルのクロコダインの台詞が素晴らしいです!
 ダイ同様、クロコダインもバーンに敗北したのに立ち上がり、再戦を決意したのだと思えるいいシーンです。

 そして、バーンパレスを感慨深げに見やるチウの後ろ姿……うん、背中で男を語るには、まだまだ未熟ですね(笑)

 飛んできたせいでバテバテな怪物達が可愛いです。しかし、ドラキーが翼を畳んでへばっていると……シルエットがドロルっぽくなるだなんて初めて気がつきましたよ!

 チウの台詞は、本来なら地上で悪戯小僧達に言う台詞の改変ですね。

原作チウ「……ぼくの帰りを待っていたまえ! 女王様達と一緒にな!! もし、生きて帰れたら、おまえ達にも遊撃隊のバッチを作ってやるぞ!!」

 見ての通り、原作よりもアニメの方が台詞がパワーアップしています。
 原作では、チウは生きて帰れるかどうか自分でも分かっていない様子ですが、アニメでは生存はもちろんのこと、必ず勝利して帰ると誓っていますよ! ダイでさえ、勝利宣言はしていないのに(笑)

 原作では数話に亘って、敵である悪戯小僧とのやり取りを介してチウの器の大きさを表現していましたが、アニメではこの回でまとめて表現されていますね。チウの器の大きさ、クロコダインがそれを見守るという基本姿勢は崩さないまま、短く綺麗にまとまっていると感心します。

 悪戯小僧エピソードも好きだったので少々心残りはありますが、人間達との協力や遊撃隊を大事にするアニメオリジナルエピソードも大いに気に入りました♪

 クロコダイン同様、チウの今後に期待が持てます。
 願わくば、この先もチウの長所が発揮されるのが戦いの中などではなく、ダイのもたらした平和な世界の中であることを――。

 そして、ほのぼの雰囲気から一転して、ハードなバトルシーンに。
 ヒムのパンチで、ヒュンケルの背中側に波紋のような白い波が表現されたのに感心しました。背中までダメージが抜けたイメージです。

 というか、あんだけ血を吐くって事は、アバラを折られて肺に突き刺さったのかと心配になっちゃいますが。

 放り出されるシーン、アニメでは一回叩きつけられて弾む動きがデフォになってきました。

 面白いのは、アニメとヒムの台詞の差。
 同じ台詞なのですが、区切り目が微妙に違います。

原作ヒム「……終わりか……」
原作ヒム「やっぱり……さすがのおまえさんでも……」

 原作ではこの二つに分けての発言になっていましたが、アニメでは続けての発言になっています。
 そのせいで、アニメでは「終わりか」に「やっぱり」がかかった印象に聞こえ、原作では「さすがのおまえさんでも」に「やっぱり」がかかった印象になります。

 ここで、一言国語講座!
 「やっぱり」は「やはり」と同じ意味合いで、辞書にはこう載っています。なお、辞書は一太郎内蔵の辞書から引用しました♪

?もとのまま。前と、または他と同様に。(動かさないで)そのまま。

?思ったとおりに。案の定(じょう)。いろいろ考えてみても結局は。

 まあ、この場合は?の意味合いでしょうね。

 つまり、アニメヒムの発言だと、ここで終わりなのが思った通りだと言っている感じになります。
 個人的に、戦いが終わることに強い思い入れを感じているのだと解釈しました。
 
 原作の強調部分は『さすがのおまえさん』にかかっているとすれば、戦いの終結以上にヒュンケルに拘りを持っているように感じられました。
 些細な言い回しの差なのですが、ちょっと気になったシーンです。

 ヒュンケルが大の字に倒れ込み、ヒムがそれを見下ろすシーン。
 絵的にはカッコいいですが、仰向けで咽せているヒュンケルの一言言いたいです。咽せている時は、顔を横に向けて〜っ。吐血や吐瀉物などで咽せている場合は、仰向けだと絶息の危険がありますよ〜。

 ヒュンケルが青空を見上げ、瞬きするシーン、ヒュンケルからの視点で真っ青な空だけが映り、黒い瞬きが発生するのは、彼の意識がぼやけだしている感じがして良かったです。

 その直後の真上から見た全身図もいいですが、アップになったヒュンケルの目の焦点が合ってないうつろな感じや、ハーハーと口をはくはくさせている辺りも、リアルですね。

 原作ではヒュンケルが目を見開いたコマの後、手が痺れるコマになっていますが、アニメでは槍を握りしめてから、目がうつろになるシーンとなっています。

 意識が消える寸前、原作ではダイ、ポップ、マァムの顔を思い出しながらモノローグで呼んでいましたが、アニメでは回想はなく、ダイとポップはモノローグですが、マァムの名は実際に呼んでいました!
 マァムへの別格的な拘りを感じます♪

 原作ではここで、ダイ達に場面転換して彼らの話が挿入されるのですが、アニメではこの場面転換はカットされています。
 ダイ達の出番が少しお預けなのは、寂しいところ。

 水の底に沈むヒュンケル、ヒムの回想と合わせた感じがいいですね。
 原作では暗闇の中で倒れている中、誰かに呼ばれて目を開けたら、手を伸ばしたアバンやみんながいるというシチュエーションでした。

 が、アニメではアバンに引き起こされています。
 落下していたのに、なぜか寝ていたことになっている辺りが、いかにも夢ですね(笑)

 回想シーンの小さいヒュンケルが、めっちゃ可愛い♪
 原作では今のアバンの姿とダブらせるように、過去の回想に繋げていましたが、アニメでは視点を切り替えた時にヒュンケルやアバンの姿が昔のものに変わっていました。

 原作では素直にアバンの話を聞いていた幼いヒュンケルですが、アニメではちょっとムカッとしたような負けん気の強い表情を見せたのが実に可愛いです!

 しかし、回想シーンがほのぼのしていただけに、唐突にヒムちゃんのアップに切り替わった時は、ギャップにびっくりしました(笑)

 起き上がろうとするヒュンケルを見て、思ったこと……。槍を手放してから立ち上がった方が楽な気がするんですが……(笑)

 いや、それはともかくとして、ヒュンケルがしっかりと立つシーン、原作ではわすかに斜に構えた角度だったのが、アニメでは真正面を向いているのがなんだか嬉しかったです。

 次回予告のヒュンケルとヒムの殴り合い、迫力満点♪
 けど、予告段階でヒュンケルってば、すでにマッパになっちゃっていますね(笑)

 どっちが勝つか、決闘を盛り上げる感じの予告は正統派なイメージ。
 だけど「銀髪のヒム」というタイトルに、原作との差を思い知ります。

 「銀髪鬼ヒム」と言う言葉は、今の時代にはそぐわないのかなとちょっと残念です。
 白髪鬼という江戸川乱歩の話を思い出して、好きなタイトルだったのですが。
 
 そう言えば、白髪鬼も高い場所から落下して死亡……したかと思ったら実は生きていて、復讐する話でしたね。

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