『ホワイトガーデンの決闘』(2021.6.11) |
《粗筋》 ラーハルトと対峙するヒュンケル、そして、それをただ見守るヒム。 それを聞いて、ヒュンケルはバランがポップに対しても竜の血を与え、復活させた時のことを思い出す。 ラーハルトは、バランが竜騎衆三人に血を与え、奇跡の泉の近くに安置したことを語った。 数日前に復活したと言うラーハルトは、危うく最後の戦いを寝過ごすところだったとぼやく。 そんなラーハルトに謝罪し、助けられたことについて礼を言いかけたヒュンケルの言葉を、ラーハルトは遮った。 驚くヒムの前で、ヒュンケルはその場に崩れ込むように膝を落とした。 どんな状況であったとしてもヒムを見捨てるなんてできなかったと、ヒュンケルは強い感情のこもった声で語る。 魔槍を握りしめる彼の手には、青筋すら浮かんでいた。 顔を上げるヒュンケルの目の前で、ラーハルトは槍の穂先をヒュンケルへと向けた。 ラーハルト「生かしておくのも哀れな男……この手で、介錯してやる!」 固い激突音と共に、壁に大きなひび割れが走る。真っ白な背景に、ほぼ白に近いヒュンケルの髪の毛が切れて空を舞った。 壁により掛かるように座り込むヒュンケルに、槍を手にしたまま壁を貫いたラーハルト。 そんな彼に対して、ラーハルトは穏やかな……どこか、残念そうに思える表情で「戦士ヒュンケルは死んだ」と断言する。 と、その視線を受けてラーハルトがわずかに微笑む。 ヒュンケル「……ああ、構わん。死体はもう、鎧を使わんからな」 しばし、見つめ合った後、ラーハルトは鎧化する。 おまえは戦い続けるには心は優しすぎたと言い残し、気分を切り替えたように目線をバーンの主城に向け、踵を返して走り出す。 走り去るラーハルトを見て、ヒムが拳を握り込んで頭にくると不満を口にする。 走り去るラーハルトの背中を見送りながら、ヒュンケルは奴が傷ついた自分に代わってダイを守るために、バランが使わしてくれた救世主のかもしれないと思う ヒム「あいつが救世主?」 敢えて自分に引導を渡すことで、意志や使命を引き継いでくれたと呟いた後、ヒュンケルはふと目を伏せて思う。 やるだけのことはやったと満足し、目を閉じるヒュンケル。その身体からは力が抜け、立てていた膝がわずかに崩れる。 ヒュンケル(これなら……これなら叱られはしないですよね……せん……せ……い……) ヒムはまだ気が収まらない様子で、ラーハルトがヒュンケルとは特別な間柄だと言っているような態度なのが気にくわないらしい。 同じ頃、走っているラーハルトもまた、ヒュンケルのことを考えていた。 そして、ラーハルトが向かった主城とはちょうど反対側の方向から、クロコダイン、チウ、ビースト君が走ってくる。 壁により掛かっている座り込んでいる男と、そのすぐ傍らに胡座をかいて座り込む男――近づいて、胡座をかいている男が親衛騎団のヒムだと気づいて、なぜここにいるのかと驚くクロコダイン。 ヒム「うるせえな……静かにしろよ」 弱々しくそう呟くヒムの手元に、涙が滴りおちるのが見える。驚くクロコダイン。 ヒム「なぁ、ヒュンケル……」 顔を上げたヒムの呼びかけに、ヒュンケルは応じない。それを、目を丸くして見ているクロコダイン達。 その頃、ホワイトガーデンでは、ミストバーンが衣の裾を靡かせながら立ち位置を変えたところだった。その勢いで、周囲に白い煙が舞い上がる。 ミストバーン「……どうやら、全滅したらしいな」 キングのオリハルコン軍団の敗北を、むしろ喜んでいるかのように語り、それを果たしたのはこの場にいないヒュンケルか、アバンかと推理するミストバーン。 アバン「私なら、ここです!」 巨大なハンマーが返事をするように、揺れる。 そいつらを倒したのは、私の自慢の一番弟子でしょうと、指を立て、ウインクをするアバン。 弟子達の熱烈な歓迎に、余裕の表情で手を振って応えるアバン。 きょとんとした後で、ダイは苦笑し、ポップはレオナを心配しなかったわけじゃないと言い訳する。ゴメちゃんも冷や汗を流しつつ、口笛を吹いてなんとかごまかそうと必死だ。 レオナ「もぉ〜ッ!」 まだ不満そうにふくれっ面をするレオナ。 ミストバーンは、確かめるようにアバンに話しかけてくる。 レオナはメモを振りかざしながら、得意げにこの先の構造は調べさせて貰ったと言いきる。それに補足する形で、アバンは死神の罠は大方潰したと言い添えた。 が、アバンは変な飾りやら角のついた眼鏡を取り出して、身につけた。それを、驚きの目で見るダイ達三人。驚いた拍子に、そのまま三人そろってコケてしまう。 アバンはけったいな眼鏡をつけたままハンマーをブンブン振り回し、Vサインを掲げながら『ミエールの眼鏡』の自慢をする。その隣では、レオナが諦めきったような表情で俯いていた。 アバン「ぶんぶんぶんっ。ミエールの眼鏡とハンマーで、トラップつぶして、ぶんぶんぶーんっ!」 歌のように節回し良く言いながら、ハンマーを振り回した後で眼鏡をかけ直し、歌詞に合わせてハンマーを指さし、またも最後にハンマーを振り回すなど、おどけてみせるアバン。 レオナは黙っていれば分からないのに、先生の格好良さが台無しだと沈痛な表情で目を伏せている。 ダイ「先生……ノってる……」 ポップ「ああ……昔からこういうネタでは、ウケを取らずにはいられない性格だったもんな〜」 マァム「……取り越し苦労だったのかしら……私達の心配……」 が、ミストバーンが笑い出したのを聞いて、警戒して後ろを振り返るダイ達。 ダイ「え?」 ポップ「おい……なんか、ミストバーンにもウケてるぞ」 真顔でそう言うポップに、ダイは思わずジト目になる。 ダイ「んなバカな……」 ゴメちゃんもダイに賛成なのか、呆れたように羽を振っている。 魔王ハドラーを倒した頃から、アバンを知っているというミストバーン。 ミストバーンはアバンの能力を抑え込むような行動、完成度の高さを評価し、弟子から尊敬されるはずだと納得する。 話を聞き終えたアバンはミエールの眼鏡を外した。その下から覗くのは、驚くほど真剣な表情をした目だ。 この三ヶ月あまりの情報は、レオナから大方聞いた、と。 ミストバーンはそれを認める。 ポップは腕を組み、魔王軍六大団長もミストバーン以外は全滅したと、挑発的に言う。 ミストバーンは六大団長は、バーンのお遊びだったと暴露する。 だが、バーンが互いに競い合う最強の軍団を手に入れようと考えたと語るミストバーン。彼が手を握りしめると同時に、噴水の竜の口から一際強く水が噴き出て、あふれ出す。 地上で最強だったハドラーを迎え入れ、個性豊かな部下を揃えた。 強い軍団のために、様々な個性が揉み合う必要があった。だが、その構想もダイ達に砕かれた。残念だと言いながらも、ミストバーンはそれをさして気にしている様子はない。 ポップはミストバーンの執念を目の当たりにして、彼だけは他の連中と格が違うと実感し、用心しなければならないと警戒を新たにする。 全員でかかってこいと、手招きしながら挑発するミストバーン。 身がまえ直すダイ達三人。 頷き、パプニカのナイフを腰の後ろの鞘に戻すと、ダイは背中の剣に手を掛ける。全力で勝負をかけると気合いを込めるダイを見て、離れた場所にいるレオナもまた姿勢を正す。 だが、アバンが待ちなさいと声をかける。 降りてくるアバンを、驚きの表情で見上げるダイ達。 ポップ「無茶だぜ、先生ッ」 マァム「そうよ、先生! みんなで戦えばッ」 階段の踊り場で足を止めるアバンの背中を、心配そうに見つめるレオナ。 くるりと背中を向け、挑戦を断るミストバーン。 その時、暗闇の中に二つの光が不気味に光る。目を思わせる二つの光だが、その日鯛にあたる部分に三つ目の光が浮かんだ。 いち早くそれに気づいたダイが、先生に呼びかける。 いつの間にかアバンの背後には、黒い不思議な空間の裂け目が発生し、そこから大鎌が伸びて出ている。 ポップ「鎌ッ!?」 ダイ「キルバーンだッ、キルバーンが先生をっ」 ゴメちゃん「ピピーッ!?」 攻撃されたアバン自身が、驚きの表情を浮かべている。 ミスト(あれは……) キルバーンは声のみで、ミストバーンに後を任せると言い、鎌の柄を後ろの空間へと引っ張り込む。 階下にいたダイ達三人は先生の名を叫びながら、一斉に駆け寄ろうとする。黒い空間に引き込まれそうなアバンを見て、階上にいたレオナもかけだしかけた。 が、そのレオナをアバンは目だけで制する。 それを見たレオナは、決意を固めた目を見せる。 俯き、両手を握りしめたまま動きを止めることで、アバンの眼差しに応えるレオナ。 必死になって踊り場まで駆け上がったダイ達だが、その時にはもう、アバンは指先をわずかに残すのみであり、黒い空間自体が小さく閉じつつあった。 ショックを受けるダイ達の目の前で、黒い煙のようなものだけが余韻を漂わせて消滅する。 それに対し、ダイは怒りも露わに、キルバーンと示し合わせてアバンを暗殺をしたミストバーンを責める。 それを聞きかえすダイ達三人の声は、見事なまでにそろっていた。 黒と赤の混じり合った風景が、ぼやけたまま映し出される。 そこは、青空ならぬ黒空の世界。 背後に気配を感じたアバンは、とっさにその場をジャンプして飛び退き、着地と同時に剣の柄に手を掛ける。 空に浮かんでいるのは、上半身と手首から先しかない奇妙な怪物の姿。大鎌をかまえてはいるし、目玉をアバンには向けるものの、攻撃の気配はない。 数歩近づき、このロボットのようなものが自分をここに引きずり込んだ張本人と推察するアバン。 キルバーン「ビンゴだ」 足元の雲を蹴散らし、全身を赤い霞に覆われた姿で登場したのはキルバーン。 すぐにでも雪辱を晴らしたかったが、仮面が見つからなかったと説明するキルバーンが手を上げると、身体を覆う赤い霞が散る。それを、驚いてみやるアバン。 キルバーン「今の気分にピッタリの仮面が見つかった!」 怒りを孕んだ声でそう宣言するキルバーンの仮面は、以前のものよりもずっと猛々しい。 アバン(い、怒りの仮面……!) この仮面が自分の胸中だと語るキルバーンの仮面の眉毛が、赤く燃え上がる。君ほど自分の自尊心を傷つけ、怒りに震わせた者はいなかったと、不の熱意を込めて語るキルバーン。 キルバーン「強いて言うのならキミの弟子のあの魔法使いだが……師匠の方のムカつき加減はそれ以上だ!」 向かい合い、距離を置いて退治するアバンとキルバーン。 余裕をなくした様子のキルバーンをからかい、どんな汚い罠を用意したのかと挑発的に問うアバン。 アバンも二本指で軽くそれを受け止める。 それは決闘の手袋代わりだと言うキルバーン。 その鎌には空間を斬り、異空間に相手を引きずりこむ能力が秘められていると説明するキルバーン。 古来より、完全決着をつけたい相手との決闘マシーンとして使用されたと言う。 ジャッジの三つの奇怪な目が、ぎょろぎょろと落ち着きなく周囲を見回す。 ジャッジは審判であり、閉ざされた空間で戦い抜いた両者のうち、敗者に裁きを下す。
挑戦を受けてくれるかと凄むキルバーンに対し、アバンはここまでお膳立てを重ねた手法に怒りを滲ませ、手にしたジョーカーのカードを足元に投げつける。地面に突き刺さるジョーカーのカード。 前に伸ばしたキルバーンの手に、細い剣がどこからともなく出現し、握りしめられる。 キルバーンが剣を手にしたことに、驚くアバン。 鋭い動きで切り込むキルバーン。それを剣で逸らしつつ、アバンも突き主体の反撃をする。 キルバーンの攻撃が、アバンのマントを切り裂く。 ぶつかり合うアバンとキルバーンの剣。 次のキルバーンの突きは、アバンの頬を掠った。 ジャッジ「キルバーンの先制攻撃。アバン65のダメージ」 ジャッジの第三の目が、赤く光に包まれる。ゆっくりと、鎌が持ち上げられた。
ミスト「賭けてみるか? どちらが生きて戻ってくか……私はもちろん、キルバーンに賭けるがね」 悔しそうな表情でそれを聞いているダイ、ポップ、マァム。一人、離れたところにいるレオナも、険しい表情でそれを見ている。 異空間では、空に浮かぶジャッジの下で、アバンとキルバーンの決闘が続いていた。研堂氏が火花を散らす中、キルバーンの剣が時折、アバンの服やマントを傷つける。
《感想》 今回はラーハルトとヒュンケル、そしてアバンとキルバーンと、ライバル同士の対決が見物でした! ……前者と後者では、両者の親密度やら友好度が段違い過ぎますが(笑) 回想シーンで、バランがポップに血を与えたシーンが流されたのが嬉しいです♪ ラーハルトの説明シーンで、血が一滴落ちたところから水面のように波紋が広がり回想シーンに繋がる演出はかっこよかったですが……血の色が濁った緑色なのが、いろいろと台無し感がっ。 い、いや、赤い血だとそれはそれでまずいと思いますが、奇跡の血というのなら虹色の輝きを秘めた水滴でもよかったんじゃないですかね!? 正直、緑の血の色があまりにもどんよりした沼っぽい色合いなので、奇跡の血との言葉があまりにもそぐなわ過ぎます! しかし、バラン……原作でも思いましたが、棺桶をそのまま森に無造作に放置しないで(笑) 雑すぎですっ。 せめて、浅い洞窟の奥にこっそりと揃えておいておくとか、穴だけ掘って土を被せないまま棺桶をその中に入れておき、そのまま永遠の眠りに就くようなら、時間が経過すれば雨や風で自然に土に埋もれるような形にしてあげても……と思うのは贅沢でしょうか。 いかに人がめったに来ない場所とは言え、棺桶が無造作にゴロゴロしている聖なる泉なんて、なんか嫌ですよ! ラーハルト(多分)の入ったと思われる棺の上に、バランの影だけが映り、それが去って行く演出は実に良かったです! しかし、バランが去ってすぐにラーハルトが復活したように見えたのは残念! ちょっとでもいいので日が昇ってくれるなどの背景変化を混ぜて、時間経過の表現が欲しかったです。 それにしても棺桶を手を押し上げるシーン、ラーハルトの薄紫色の手が思いっきりゾンビに見えてギョッとしました(笑) 原作ではラーハルトが起き上がるところしか描かれていませんでしたが、アニメでは起きてすぐに後ろを振り返り、しまったままの棺桶を見つめるラーハルトがいいですね。 でも、ラーハルト的には、全員で復活したい気持ちがあったのかなと思わせるシーンでした。死んだことで、ガルダンディーやボラホーンが心を入れ替えて純粋に強さを求める戦士として復活してくれれば、彼にとっては最高の展開だったのかもしれません。 ヒュンケルがポップの生還に納得するシーン、ポップの回想なりイラストを見たかったです〜っ! 同じように片膝をついた姿勢でも、足の向きや角度でこんなにも印象が違うのかと驚きました。 魔槍を握りしめるラーハルトの手に、青筋が浮かんでいたのもアニメの改変ですね。原作では普通に槍を持ち直すシーンでした。 ラーハルトが槍を構えるシーンを横から見た図、原作も同じ構図ですが、ラーハルトの手の角度が変わっていたのが面白かったです。 原作の持ち方の方が見栄えはしそうですが、アニメの方がより実践的な構えだと思います。 また、アニメではヒュンケルの後ろからの視点でラーハルトが槍を持って狙い定める構図を描いていましたが、難しい上に構造が複雑すぎてバースをとるのも大変そうな槍を、よくもまあここまで描いたものだと感心しました。 ヒュンケルに介錯をと言うーハルトの台詞が、前半は淡々と、後半は叫んでいるのがいいですね。常に感情を抑え気味な彼ですが、ある一点を超えると急に激情家になるラーハルトらしい口調だと思います。 ラーハルトが槍を引き抜くシーン、アニメでしっかりと描かれていたのは嬉しいです♪ ラーハルトの微笑みのシーン、表情が和らぐアニメーションがあったのが嬉しいところ♪ 漫画では瞬間、瞬間の切り取り表現になりますが、アニメでは状態変化の表現が魅力だなぁと実感できるシーンです。 ヒュンケルの微笑み返しも表情の変化がよかったですが、それ以上に印象的だったのが彼の無理をしているような、苦しげな口調の方でした。 原作で台詞を読んだ限りでは、ヒュンケルはもっとさっぱりとここで全てを諦めたと思えたのですが、アニメで声の演技を交えて見ると、未練がまだあるのに強引に断ち切られたことで、ようやくそれを認めることが出来たように思えます。 ラーハルトはヒュンケルのその性格を見越したからこそ、一度彼を『殺し』て、感情の区切りをつけられるようにしてあげたのかと考えると、彼らの友情を感じますね。 ラーハルトのアムド、カッコいいです♪ それぞれに変身の仕方が違うのは、ロン・ベルクのお遊びなのか、単なる材質や形状の差かは気になるところです。 ラーハルトが変身し終わった時、左右からラーハルト、ヒュンケルの顔が一瞬交差しあう演出がいいですね! 原作になかったアニメのオリジナル演出です。 それでも、ラーハルトの立ち姿にかすかに紫色のオーラが漂い、すぐに消えるのがヒュンケルの闘志の残滓のように見えていい雰囲気。 それにしてもラーハルト、鎧が結構壊れたままなのに文句を言わないのが心が広いですね。まあ、魔槍に自動修復機能がついているのは彼も承知しているでしょうからいずれ直ると思っているのかもしれませんが、これから最後の戦いが待っているというのに。 ラーハルトがヒュンケルに別れを告げた後で顔の向きを変えた時、すでに目つきが戦いへと切り替わっているのが印象的でした。 ラーハルト出現をバランや天からの使いと称したヒュンケルの発言を聞いてふと思いましたが、ヒュンケルって信仰心が厚いというか、かなり天や神の存在を意識していていますね。 賢者のくせにほぼ無信仰っぽいポップとは、そういう点でも対照的だなと思いました。 実際、魔王軍のトップであるバーン自身が神への敵対者になる意志がありましたから人間達と違って神が実在すると知っていますし、その影響があったのかもと思うと興味深いです。 ヒムちゃんの後ろ姿で、髪の毛が見事なまでにサラサラストレートで艶やかなのにはビックリしました。えっ、後ろ姿だけならアルビナスよりも美人!?(笑) ヒムがヒュンケルの死(仮初め)を悼むシーン、いい雰囲気ですね。いい雰囲気なんですが……ビースト君、手を幽霊のようにちょこんと垂らしたその立ち姿、なんとかしてください、つい笑っちゃいますから!(笑) 微笑みながら意識を失っているヒュンケルの図も、不満ですっ。 原作でさえこの時のヒュンケルは傷が少なかったのに、アニメだと原作よりもダメージ表現の痕跡がさらに少ないので、ただ眠っているだけのように見えてしまったのが無念でなりません。 ホワイトガーデンで、ミストバーンが足を滑らせて踏ん張るシーン、思ってた以上に白い煙が上がってビックリ。え、掃除不足?(笑) 原作ではこの後のシーンでも、ちゃんと噴水の前に置きっぱになっていたのですが、アニメでは痕跡皆無になっています。 原作ではミストバーンの動きを警戒して、ダイ達の方こそ動いた印象を受けますが、アニメではミストバーンの方が大きく動いたように見えて、ダイ達は身構えこそすれ、全く移動していません。 アニメでは、ダイ達が自分達に有利なようにジワジワと噴水から階段下へと移動していき、それに気づいたミストバーンが、威嚇混じりにわざと大きく動いて真正面に立ったというところでしょうか。 ミストバーンがキングの全滅を悟る際、原作では顔をそちらの方に向けている仕草をみせますが、アニメでは目を光らせただけでそれを悟っています。 しかし、アバン先生の帰還シーン! 全身の遠景でも顔でもなく、原作にもないこのカットに、レオナのお色気シーン追加のための強い意志を感じます(笑) でも、ゴメちゃんが目を飛び出さんばかりに後ろを見ている図が削られたのが残念です。 三人がアバン先生の名を呼ぶシーン、原作では先生が一番弟子の自慢をした後でしたが、順番が変わっています。 ダイ達が先生の帰りを喜ぶシーン、原作よりもアニメの方が子供っぽくて嬉しさ満載なのが可愛いです♪ アバン先生の手を振り方、まるでファンに応えるスターのようですね。 レオナが怒り出すのが、焼き餅っぽくて可愛いですね。 原作では台詞は同じでも、ダイは通常の表情のままですし、ポップの目をそらし気味な言い訳シーンだけなので、きょとんシーンが嬉しかったです。 ゴメちゃん、口笛を吹いてごまかそうとしている、可愛い! ポップの真似かな? これもアニメの改編で、原作では普通に見ているだけでした。 しかし、原作でははっきりと表記されていませんでしたが、アニメではダイ達、アバン先生達の帰還に気を取られて完全にミストバーンに背中を向けていました(笑) いや、油断しすぎっ。 アバン先生の変な眼鏡装着シーン、原作ではレオナは片手を振って慌てていますが、アニメでは両手を広げたポーズで慌てています。手のパタパタした動きが可愛かったので、アニメでも動かして欲しかったです。 ダイ達のコケるシーン、原作では足元だけだったので、その前に驚きに口をあんぐりする表情を見られたのは嬉しかったです。特に、マァムのあの驚き顔は貴重! アバン先生の自慢げに「デース」と語尾を伸ばす言い方を聞いて、遊戯○のペガサスを思い出しましたよ(笑) しかも、CM後もオリジナルシーンとしてアバン先生がハンマーを振り回しまくっていますっ。そ、そこまでやるっ!?(笑) 弟子達の嘆きシーン、原作では床に座り込んでいるようなポーズでしたが、アニメでは棒立ちな印象です。 反応が一番原作と違って見えるのは、ポップ。 ところで、マァムが『心配が取り越し苦労』だったかと嘆いていますが、原作ではマァムは先生が無理をしているのではないかと不安を感じていましたが、アニメではその台詞は変更されていたので、こちらも変更されるかと思っていたのにそのままで、ちょっと残念です。 爆笑ミストバーンに、ダイが「え」と驚くシーンはアニメの改変ですね。 目を閉じたゴメちゃんが翼をぷいぷいっと振って、「ない、ない!」と言わんばかりに鳴くシーンが入ったのも嬉しい改編♪ ミストバーンの長台詞で、噴水が強まる演出にビックリしました。これもアニメの改変ですが……なに、この無意味な仕掛けっ!? バランの説明部分で、セピアの回想として、ソアラさんを抱えて抱くシーンが出てきたのは嬉しかったです。 クロコダインの回想は、悪魔の目玉からハドラーに初めてダイの話を聞くシーンと、多分ダイとの初対決シーンでした。 フレイザードは立ち姿が二カットでしたが、最初のカットは背景がよく分からず特定できず。 が、もう一つのカットは炎と氷がほぼ消えた岩石の塊状の顔になって叫ぶシーン……ダイとの対決で切り札の弾丸爆花散を使った後ですね。多分、マァムに同情されて怒鳴り返した辺りかと。……なんでわざわざ、こんな情けない姿を選んだんでしょう(笑) 個人的には、フレイザードならばレオナを人質にした時のカットがよかったです〜。 ザボちゃんの回想は、超魔生物改造のアジトでザムザが送ってきたデータを見てほくそ笑むところ(多分)と、マァムに化けてポップを騙し、変身解除するシーン。……なぜ、ここを選んだ!? いや、好きなシーンですが(笑) 魔王軍の構想をお前たちに砕かれたと語るシーンで、ダイ、ポップ、マァム、ゴメちゃん、レオナ、アバンのアップが差し込まれるのはアニメの改変ですね、いい感じです。 ミストバーンが一人でバーン様を守ってきたと自慢するシーン、原作ではスピード線風のトーンでしたが、アニメでは実際に暗黒闘気の奔流が起こり、ダイ達がその余波で煽られている描写があります。 ダイはわずかに前屈みになっているだけで微動だにせず、ポップは髪の毛が完全にひっくり返る形に靡いて姿勢が傾いている辺り、強風の日に傘の持ち方が悪くてひっくり返す人を連想しました(笑) マァムとレオナは、手で身体を庇う素振りを見せていますね。微動だにしないアバン先生は、さすがです。まあ、ダイ達に比べると距離があるので威力も弱まっていそうですが。 ミストバーンが手招きするシーン、原作では手招きだけでしたが、アニメでは手を剣に変える演出が実にカッコいいです。 ダイと一緒に戦うと言った通り、レオナは本当にダイをずっと見つめながら、彼にとって最善のサポートを行えるように努力しているんだなと感じられます。 アバン先生が階段を降りるシーン、真上から見た珍しい構図で、左下から右上に向かって歩いて行くカットがあったのは感心しました。地味ながら、すっごく描くのが難しそうなシーンです。 アバン先生が戦うと言った際、マァムの説得が大幅にカットされていました。 原作マァム「……そうよ!! 先生に戦うなとは言わないけれど……ハドラー達のように正々堂々と一対一で戦う必要の無い相手だと思うわ……! みんなで戦えばっ……!!」 原作マァムは、ずいぶんと先生の実力を過小評価していると言うべきか、過保護なぐらい心配している気がします。……まあ、死んだと思って本気で泣いていましたから、無理もないですが。 ミストバーンが挑戦を断る際、わざわざ背を向けるアクションはアニメの改変ですが、いいですね。 それにしても、あの男について語るミストバーンがやたらと嬉しそうな感じですね。 アバンが攻撃を受けたシーンを見て、ポップがひどく辛そうな表情を浮かべているのに対し、マァムは驚きの表情の方が強いのが面白いです。 ポップは敵の攻撃だと即座に察知し、それが致命的なものだとすでに理解しているので絶望的な表情になってしまったのでしょうが、驚きが先立つマァムは現状把握が追いついていない雰囲気です。 ダイの台詞、実は微妙な改変があります。 ダイ「キッ……キルバーンがァ!! 先生をっ!?」 キルバーンの台詞の間、青みがかった色彩に変色した演出、冷たい雰囲気が実に美しかったです。 アバンのピンチに思わず駆け出そうとするレオナのポーズ、ものすごい躍動感を感じるポーズになっていました♪ 大鎌とアバンの消え方、原作とアニメでは差がありました。 小さくなっていく空間の消滅も、最後は上下から合わさってパチンとスイッチが切れるような消滅方法でしたし。 ミストバーンがキルバーンの鎌について説明するシーン、背景が燃える炎で、キルバーンの死神の笛からさっき出現した鎌に変化する演出が実に見事で綺麗だったのですが……なぜでしょう、ジャッジの鎌がワライオオハシのように嘴の大きい鳥の頭に見えてなりません(笑) 鎌についている黒い丸が、ちょうど目に見えるんですもん! いや、原作でも黒い丸でしたが、アニメでは色がつくかと思っていたのに。黒い丸って、どうしても目玉っぽく見えちゃいますよ! 目玉の周りが黄色っぽいのも、なんかヒヨコっぽいですし! と、そんなどうでもいい文句はさておき、原作ではミストバーンに言葉に驚いた表情を見せていたダイが、アニメでは驚いた後、唇を噛みしめる表情を見せたのがいいです。 異空間は、暗い星空に赤い雲が浮かぶ異空間の不気味さに感心。 ジャッジの出現シーン、原作ではアバン先生が気配に気づいてから登場していますが、アニメではジャッジの顔や身体の一部が出現してから、アバンが気配に気づいています。 アバンがハッとして飛び退くのは原作も同じですが、アニメでは高く空に飛び上がるムーンサルトを決めておりますが(笑) キルバーンの登場シーン、原作ではトーンのみのシルエット姿でしたが、アニメでは赤い雲に全身を覆われた中にキルバーンのシルエットが透けて見えるという、不思議な姿で登場しています。 キルバーンの声、余裕がない感じになっているのがいいですね。 原作では顔だけの場面が、手の動きが加わったことでキルバーンの怒りがより強く伝わってきます。 ジャッジの飛び方、身体を斜めにしたままふわーっと流されるように飛ぶとは思いもしませんでした。外見的に、もっとシャキシャキ動くかと思っていましたよ! ……中身は軽そうですね。 ジョーカーのカード、あかんべをしているピロロなのは原作もアニメも同じですが、原作では上半身のみだった絵が、アニメでは全身図になっています。 はっ、……そういえばっ、ダイ大トランプって発売しないんでしょうか!? 魔王軍カードとアバンの使徒カードのツーバージョンでお願いしますッ! 正義の使徒側のジョーカーはゴメちゃんで! ジャッジの目、思ったよりも動きが速かったです。 キルバーンのセリフ、見事にそのままなのですが、抑揚の付け方に勢いがあるせいか本来よりもドラマチックに聞こえます。 キルバーンの仮面についている額の宝玉、眉が燃えている時は赤く光っていましたが、途中から緑色に変化していました。感情で色が変わるシステムなんでしょうか? それとも、単に炎の照り返しのせい? アバン先生がカードを地面に投げ捨てるシーンは、アニメの改変ですね。 キルバーンのスタイルは原作通りに突きを主体にして、常に切っ先を相手に向ける動きかな、と思ったら、決闘が始まったら、キルバーンってば結構剣を振り回していますね。最初はアバン先生の方が、逆に突き主体で動いていたのが意外でした。 アバン先生の戦法だと、アバンストラッシュのように溜めてからの大振りなイメージがあったんですが、相手のスタイルから突き主体とみてそれにあわせようとしたのかな、とも思いました。 原作ではキルバーンの一方的な突き攻撃を食らうシーンばかりだったので(笑)、アバン先生とキルバーンの戦いが思ったよりも長いのは嬉しい驚きです。 |