『バランの遺言』(2021.6.25) |
《粗筋》 ヒュンケルが目を覚ましたのに気づいて、仲間達が嬉しそうな表情を見せる。 ヒムがビースト君の頭に軽く手を置き、彼がいなければ本当にあの世行きだったかもしれないと教えてくれる。チウも、ビースト君が回復呪文をかけ続けてくれたことを、自慢げに告げた。 戸惑いながら自分の手を見下ろしたヒュンケルは、何かを確かめるようにその手を握ったり、開き直した上で呟いた。 ヒュンケル「そうか……また、生命を拾ったか……」 小さく微笑むヒュンケルに、クロコダインが無言のまま頷く。 身体が回復していくのは変な気分だったが、完全復活したとガッツポーズを取るヒムに、ビースト君はヒムが生命体になったと説明し、メタルスライムなどと似た体質ゆえに回復呪文で回復するのだと説いた。 しかし、君の傷はもはや完璧には直らんと、言い、ビースト君はヒュンケルを振り返った。 微塵の驚きも見せないヒュンケルの代わりのように、ヒム、クロコダイン、チウが驚きを見せる。得にチウの驚きは誰よりも大きかった。 度重なる戦いで全身の骨格に回復不能のダメージを負い、普通に歩くことは出来ても二度と戦うことは出来ないと告知するビースト君。 ヒュンケル「あなたは妙な格好をしているが、ただ者ではないな」 ビースト君「いやいや、ただの獣王遊撃隊員じゃよ」 軽く目を伏せたヒュンケルは、もういいんだと呟いた。なんの未練もないようなさっぱりとした口調で、代わりに素晴らしいものを掴んだと言う。 ヒュンケル「新たな友をな……」 ヒムはそれを聞いて、目を見開いた。 ヒュンケルはクロコダインに、自分をダイ達の戦っている城へ連れて行ってくれるようにと頼む。 だが、ヒュンケルは自分の全てを懸けた戦いの行く末を見届けたいと願う。ダイがバーンを倒すところをこの目で見たいと、静かな、しかし、熱意の篭もった声で訴えるヒュンケル。 そこまで言われて、言葉を失うチウ。クロコダインは苦笑しつつヒュンケルの望みを全面肯定し、肩を貸そうとする。いざとなったら盾となって庇ってやると言い、ヒュンケルに歩み寄って手を伸ばした。 ヒムはヒュンケルがいつか完治し、決着をつける日まで、ヒュンケルの代わりに敵を倒すとまで宣言する。不機嫌な口調ながら、ヒュンケルを気遣う気持ちの感じられるヒムの言葉に、かすかに笑みを漏らすヒュンケル。 ヒュンケルに合わせてゆっくりと進んでいくヒムを、チウは「えらい!」と褒めた。 ヒムは怪訝そうにチウをチビ呼ばわりするが、激昂したチウは隊長と呼ぶように詰め寄る。その迫力に思わず息をのまれるヒムに、つい笑いを漏らすヒュンケル。 クロコダインも笑いながらやってきて、チウのことを擁護する。得意げに、胸をはるチウ。 ごそごそと懐を探りながら近づいてきたチウは、バッジがないからと、どこからか筆を執りだしたかと思うと、いきなりそれを振るった。ヒムの胸に『12』の文字が描かれる。 それを見て大声で叫び、ヒュンケルに肩を貸すのも忘れてせっせと自分の胸を擦るヒムだが、数字は一向に落ちない。自慢げに筆を見せびらかし、魔法の筆だからと言ってのけるチウ。 ヒム「てめえの子分になるなんて言ってねえぞっ!」 チウ「てめえではない! た・い・ちょ・う!」 そんな二人を呆れたように見ていたヒュンケルの顔に、微笑が浮かぶ。 その頃、ラーハルトはホワイトガーデンにいた。 ダイ(こいつが……ラーハルト!) やや警戒を含んだ表情でラーハルトを見つめるダイ。そんなダイをじっと見つめたラーハルトは、表情をふと和らげた。 ラーハルト「……よく似ておられる、父上に……」 驚いて、目をキョトンとさせるダイ。 しかし、ラーハルトはさっきダイに話しかけた声音とは打って変わって素っ気なく、これは元々自分のものだと言い放つ。 ポップの詰問に、ラーハルトは目を伏せ、ヒュンケルが使命を果たし、力尽きて倒れたと告げる。 ラーハルト「心配いらん……あの男は不死身だ」 それを聞いて、ホッとしたように表情を緩めるダイ。ポップとマァムも、安堵したように互いに顔を見合わせる。が、すぐにポップは不満げにラーハルトに文句をぶつける。 ダイはどこまでも生真面目に、ラーハルトに対してヒュンケルの代わりに戦うためにここに来たのかと問いただす。 が、ラーハルトは「いや、あなた方ではない」と否定した。戸惑うダイに、つかつかと歩み寄るラーハルト。 そんな驚きに目もくれず、ラーハルトは熱の篭もった口調で『ディーノ様』に向かって、仰々しく忠誠の言葉を述べる。 戸惑いつつ、仲間になるのかと問うダイに、ラーハルトは力強く、仲間ではなく部下だと主張する。 あなたに死ねと言われれば笑って死に、戦えと言われれば神々にも戦うと忠誠を誓うラーハルトに対し、ダイは驚きのあまり目をひん剥き、顔を引きつらせている。 ダイ「……どうしよう。部下だって……」 驚いていたレオナも、悩むように手を頬に当てて考え込む。 レオナ「う〜ん……」 ゴメちゃん「ピィー?」 その時、爆裂音と友にその場が白く染まった。下から噴き荒れる闘気に、ダイ達は驚く。異変に、まだ座り込んでいたポップとマァムも立ち上がった。 驚くダイ達に対し、ラーハルトはさして驚いた様子もない。自分も必殺技を食らっても平気な敵を、逆に褒め称えるほどの余裕があった。 空中のミストバーンを見上げるダイとレオナ。ダイは無意識のうちに、後ろにいるレオナを庇うように前に立っていた。 ラーハルト「さぁ、ディーノ様、ご遠慮なく最初の命令をお下しください。『ヤツを倒せ』と」 驚き、小さく息をのむダイ。 が、ラーハルトは険のある目でミストバーンを見返した。 ラーハルトはダイを振り返り、促す。 ラーハルト「さあ、ディーノ様、お急ぎを」 しかし、ダイはミストバーンが強敵だから自分も戦った方がと、心配そうに言う。それを聞いたラーハルトはフッと優しげに笑い、手にした槍を軽く放り投げた。 が、ラーハルトは呼びかけを無視して、スタスタと前へ進んだ。なんの恐れ気も無く、一人、ミストバーンの方へ歩み寄るラーハルト。 自分の前に進み出てきたラーハルトに、不機嫌に声をかけるミストバーン。そんな彼に対して、ラーハルトは挑発的に煽ってみせた。 だが、自分に迫る敵の攻撃を見ても、ラーハルトは表情一つ変えなかった。むしろ、見ているだけのポップ達の方が血相を変えて危ないと叫ぶ。 ポップ「ぃいいっ!?」 驚きに目を見張るポップ。ミストバーンも、動揺した気配を見せる。 ダイもレオナも、驚愕に目を見張ってその光景を見守る中、すぐ近くから声がかけられる。 ラーハルト「いかがです?」 左を向くと、そこには得意げな顔で腕を組むラーハルトの姿があった。 驚きに目を見張るポップは、何が起こったかを把握し切れていない。何が起こったのかと呟くポップに、マァムは残像だと答える。 改めて驚き、ラーハルトを見返すポップは、どうやってヒュンケルが彼に勝てたのかと思う。 爪を縮めて戻したミストバーンは、ラーハルトの強さを実感し、ロン・ベルク級かもしれないと位置づける。
父の名に、驚いて問い返すダイ。 眩いまでの木漏れ日が溢れる、明るい森の奥。小鳥のさえずりが聞こえてくる。 が、その時、何かに気づいて目を落とす。
真顔で聞いていたダイは、そこまで聞いてかすかに驚きを見せる。 肩越しに振り返り、バランがダイのために自分を犠牲にする覚悟があったことを告げるラーハルトの目には、どこか優しさがあった。 それを満足そうに見やった後、ラーハルトは前を向き、わずかに目を伏せる。彼の耳に去来するのは、今は亡きバランの声だった――。
ラーハルトを幼い頃から育てていたバランは、彼が人間を憎んでいたことを知っていた。それを承知の上で、バランはもしディーノが人間を守りたいと言ったのなら、黙ってそれに従ってくれるようにと頼んだ。 そこまで読み進め、小さな驚きを見せるラーハルト。 『私のもう一人の息子、ラーハルトへ』 結びの言葉を読んだ後、ラーハルトの頬に涙が伝う。
幼いラーハルトを木の棒で特訓を突けてやるバランとの思い出もあった。それを離れたところで見守るのは、ボラホーンとガルダンディーだった。 成長し、今とほとんど変わらない姿になったとき、崖の上でバランや他の竜騎衆とそろって朝日を眺めていた事もあった。 バランの後ろ姿を思い出しながら、ラーハルトはこぼれる涙を拭いもせず、ただ、泣き続けた――。
現実のラーハルトは、涙など見せてはいない。だが、それでもその声は、わずかに揺れていた。 ダイ「ありがとう」 その言葉に、振り返るラーハルト。 今度こそ吹っ切ったのか、ダイは明るく命令を下す。ポップとマァムと力を合わせて、ミストバーンを倒してくれ、と。 ラーハルト「はっ!」 その名前を聞くと、父を思い出してちょっと辛いと言うダイは、悲しそうだった。 ラーハルト「かしこまりました、勇者……ダイ様!」 ポップもまた、気合いを入れてその意気だと言い、自分達ももうドジらないから安心して行けと励ました。 ラーハルト「是非そう願いたいな」 ダイに対してとは打って変わった口調で、ポップの手から毟り取るように魔槍を奪ったラーハルトは、ミストバーンの方へと歩いて行く。それを、目で追うポップ。 音を大きく立てて足を踏ん張ったラーハルトは、ポップ達に指示は自分が出すから足引っ張るなと、上から目線で言い切った。 が、表情を引き締めたマァムは、頼もしい救援者だと彼に続くように駆けだした。これでなんとかなるかもと希望を持つマァム。 それを見下ろすミストバーンは、万に一つも考えておかねばならないと思う。全力で戦うことを――。
アバンとレオナがさっき一緒に進んだバーンパレスの回廊を、今度はダイとレオナ、ゴメちゃんが一緒に走る。
異空間では、アバンがキルバーンと戦って剣を振るっていた。 そして、ついさっきまでダイがいたホワイトガーデンでは、マァムが、ラーハルトが、続け様にミストバーンへと攻撃を仕掛けていた。ミストバーンの反撃に、なんとかそれを飛び越えて躱すマァム。
レオナ「あそこよ!」 前方には、光り輝く出口が見えた。眩いまでの出口から飛び出すダイ達。そこは、青空の見える『外』だった。 ダイ「これが……天魔の塔……ッ」 思わずのように呟いたダイに応じたのは、バーンの重々しい声だった。 バーン「その通り」 どこからともなく聞こえるその声に、ハッとして警戒を強めるダイとレオナ。 一方、バーンは空になった酒杯を手持ち無沙汰に揺らしながら、ダイに早く上がってくるようにと言う。 バーン「ちょうど、酒も切れたところだ」
玉座から、ダイへと話しかける大魔王バーン。 塔を睨みつけたダイは、塔をらせん状に取り巻く階段に目を留める。 ダイ「レオナ、ゴメちゃん。ここからは気をつけて」 そう言って、先に歩き出すダイ。レオナも、一回瞬きをし、後を追う。 どんな仲間を連れてきてもいいと言いながら、揶揄するように竜の騎士は代々女を不幸にするらしいと言うバーン。 考え込んだような表情を見せるダイに、同じ段に上ったレオナが毅然とした表情で声をかける。 レオナ「ダイ君!」 ダイ「……うん」 再び、階段を昇り始めるダイとレオナ。 レオナ「何してるの、ダイ君?」 足を止めたダイを訝しんで、尋ねるレオナ。ダイは突然ベルトに手を回し、パプニカのナイフを取り外してレオナに差し出した。 パプニカ王国の最後の一刀となったナイフを返そうとするダイに、レオナは彼の肩を掴んでバーンの言うことなど気にしないようにと説得しようとする。 ダイの意図が分からず戸惑うレオナに、ダイはお別れとかそういう意味ではなく、逆だと言う。 ダイはレオナが丸腰なこと、竜闘気全開で戦う自分にはパプニカのナイフが使えないことと口にし、レオナが持っていれば最低限の武器になるだろうと説明する。 レオナ「それって……自分の身は、自分で守れってこと?」 相手がバーンであり、自分一人で勝てるとも、レオナを守り切れるとも言えないから、一緒に戦ってくれと頼むダイ。 それを聞いて、震えだすレオナ。 戸惑うダイの耳元に、レオナは囁く。 レオナ「違う……嬉しいの」 心から嬉しそうに、頬を染めてそう呟くレオナ。彼の背に回ったレオナの手に、力が込められる。 空中に浮かんでいたゴメちゃんの頬もピンクに染まり、目をそらした上でそっと翼で目を隠すような素振りを見せた。
髪の毛とマントを邪魔にならないように広げ、背中を見せたレオナの腰に、ナイフとフェザーの入ったポシェットをつけてあげるダイ。 その通りだと言わんばかりに、嬉しそうに鳴くゴメちゃん。
ダイに、パプニカのナイフをつけてあげた時のこと。 大サソリに刺され、レオナが空中に投げされた時のこと。 落とされた洞窟で、レオナが意識を失った時のこと。 毒が回って動けないレオナを背負って、砂浜を走るダイのこと。 ダイが秘められた力に覚醒し、額に竜の紋章を浮かべた時のこと――。
ダイ「わかんないな……ドキドキしてるけど、あの時のドキドキとは違うみたいだ」 語彙が乏しいながらも、ちゃんと自分の気持ちを伝えようとするダイに、レオナは悪いことを聞いてしまったとばかりの表情を曇らせる。 ダイ「胸が躍るような感じじゃなくて、ぎゅっと引き締まる感じなんだ」 いつもの表情でそう言い、歩き出したダイの代わりに、今度はレオナが俯く番だった。 ダイ「あの頃とは……違う感じだよ」 ダイの背中を見ながら、その言葉を聞くレオナ。 ダイの負ったプレッシャーを感じ取り、レオナは拳を握りしめて力にならなきゃと心に思う。目を閉じ、自分の思いに囚われたレオナは、階段をうねうねと這い上ってくる不気味な存在に、気づかなかった。 力になれなくても、ダイの負担を軽くしようと決意するレオナ。 が、次の瞬間、緑色の触手が動いた。それは一瞬でレオナの口元に巻き付き、声を封じる。 が、両膝をひとまとめに触手に縛られ、手にも別の触手が巻き付く。あっと言う間にがんじがらめにされながらも、それでも必死に手を伸ばそうとするレオナ。 小さな出入り口から、触手の根元部分が束になってうねった。 ゴメちゃんの声に釣られて振り返ったダイも、驚きに目を見張る。苦しそうなレオナを見て、彼女を呼ぶダイ。 階段途中の隙間にレオナが引き釣り込まれるのを見て、その中に飛び込むダイ。飛翔呪文で飛び、レオナを追う。 その頃、玉座にいるバーンも異変に気づいていた。 バーン(しかし……襲われたとすると、ダイ達は……)
ダイが入った場所は、広い空間だった。床に降り立ったダイは、広間の中央にある物を見上げて驚く。 強いて類似する物をあげるなら、木の根に似ているとでも言うべきか。 ダイ「ここは……」 戸惑うダイに、レオナの声が響く。 レオナ「ダイ君!」 ハッとして上を見ると、巨大な物体から出ている触手に囚われたレオナの姿が見えた。 レオナ「助けてっ、ダイ君!」 ダイ「レオナ!」 ゴメちゃんが勇ましくも飛び上がってレオナの側へ駆けつける。苦しそうにしているレオナを戒める触手に、はむっと噛みつくゴメちゃん。 だが、その時、奇妙な物体の割れ目がゆっくりと開き、眼球が出現する。血走った巨大な目を、レオナもゴメちゃんも驚愕して見つめる。 ダイも驚愕に目を見開く。 ダイ「なんだ、あれは……生き物なのか?」
ラーハルト、態度がデカっ(笑) ヒュンケルが目覚めるシーン、瞬きを再現しつつ画面をぼやかせる演出が細かくていいですね。ヒム、原作よりもヒュンケルを熱心に覗き込んでいるようなポーズになっていました。 チウ、ビースト君が回復呪文をかけ続けてくれたと話すシーン、原作よりももっと気合いの入ったポーズと表情になっているのが可愛いです。しかし、ヒュンケルにもヒムにも、チウの薬を使わなかったのが残念! ヒュンケルが命拾いしたと呟いたシーンで、クロコダインがそれに頷くシーンが追加されていたのは、アニメの改変ですね。クロコダインがヒュンケルの生存を喜んでいるのが伝わる、地味ながら実にいいシーンです。 ビースト君が説明際、クレヨンの落書きのような背景にメタルスタライムとメタルキングが登場するシーンが再現されたのは嬉しかったですが……うむむ、なんかいまいちスライムらが可愛くないですっ。 ヒムのげんなりしたギャグ顔は、よかったです♪ ヒュンケルが完治しないとの発言に、ヒム、クロコダインが驚くシーンは原作にもありますが、チウは実はこの時は原作ではカットがなかったので(笑)、アニメでは随分と優遇されていますね。 それにしてもヒムの当て馬感が、すごいです。ヒュンケルが友と呼んでいるのはどっちかというとラーハルトっぽいと思うのですが、ヒムにものすごい誤解させちゃっている雰囲気(笑) ラノベによくいる、普通の発言だけでヒロインらをメロメロに誤解させる天然垂らし君かと言いたくなるような言い回しですね。 ……ダイ大を恋愛ジャンルゲームにしたら、ヒュンケルが一人勝ちするんじゃないかと思えてきましたよ(笑) ダイが大魔王を倒すところを見たいと訴えるシーンで、ダイの背中が映し出されたのはアニメの改変ですね。 チウが隊長と呼べと怒るシーンで、ヒュンケルが失笑するシーンが改変されています。ヒムに肩を借りて顔が見えない状態ですが、かすかに声だけで笑っていますよ、この人。 チウが魔法の筆を取り出すシーン、ものすごく派手に動かしているのにびっくり。原作でもジャンプしてから書いているのですが、アニメだとその動きが尚更元気に見えます。 最初から筆に墨がたっぷりとついているのに、ほぼ密着しているヒュンケルには汚れ一つつけず、ヒムの胸にだけ数字を書き込んでいるとは、いい腕ですね。 ヒムちゃんが驚きのあまり、ヒュンケルを払いのけるようにしているとも、ヒュンケルの方がヒムの驚きに引いて距離を取ったとも言えるような、離脱シーンまでしっかり描かれているのが嬉しいです。 ラーハルトのことを思うヒュンケルのモノローグに合わせて、ダイ達の方に視点を移してラーハルトを映し出す演出が、実にカッコいいです。 なかなか立ち上がれずに中腰でもたついているポップも、実にらしい気がします。 ヒュンケルが倒れたと聞いてみんなが驚くシーンで、両手を胸の前に組み合わせる感じで驚いているレオナが、すごく女の子っぽくて可愛いですよ〜。 ラーハルトがヒュンケルの無事を保証するシーン、ニヤッと笑っているのはアニメの改変ですね。原作では無表情に近い顔をしています。 ダイがラーハルトにヒュンケルの代わりかと問いただすシーン、ダイ達の背後から遠くにいるラーハルトを見やる視点になっているのが新鮮でした。原作にはない構図ですね。 ラーハルトが頷くカットは原作では顔のアップでしたが、アニメでは遠くで小さく頷くだけになっています。ちっさ(笑) ラーハルトの臣下の礼のポーズ、アニメの方がしおらしげに見えます。原作とよーく見比べてみたら、原作では膝をついたラーハルトを真正面から見た図なのに対し、アニメではやや上の視点……多分、ダイの視点から見下ろした姿としてとらえています。 ポーズは全く同じなのに、微妙な角度の差でこんなにも見え方が違ってくるのかと感心しました。同時に、歴史上、大抵の支配者が上から目線で臣下に例を取らせた理由を実感しましたよ。 ダイ達の驚きの表情、いいですね! 突然のラーハルトの申し出に、驚くダイが可愛いですね。ダイには珍しいギャグっぽい表情での驚きと、相変わらず手を口に当てて目を丸くしているレオナの対比がいい感じです。原作ではこの時、レオナはただ棒立ちになっているだけなので、アニメのリアクションの可愛さに惚れ惚れします。 ラーハルトが忠誠を語る間、ダイが顔を引きつらせつつ眉をピクピクさせているのも、実に可愛いですね。お隣でゴメちゃんが同じ顔をしているのが、付き合いがいいなぁと妙に感心(笑) どうしようと、ラーハルトを指さすダイを見て、原作でも思った感想が再び蘇りました。他人様を指さすのは失礼ですよっ(笑) なにより、原作では腕組みをしていたレオナが、アニメでは頬に手を添えて悩むという女の子っぽいポーズに変化したのが嬉しくて溜まりません♪ 両方とも悩んでいるという雰囲気のポーズなのは同じですが、レオナのような性格の女の子ならばアニメのポーズの方が断然似合っているように思えます! マァムのように戦う女の子なら、時折見せる男性的な仕草や身のこなしがかえって魅力を引き立てて見えることがありますが、レオナやメルルのような普通の女の子ならば無意識の行動は女性的な方が合っていますね。 ミストバーン出現時、ポップとマァムはここで立っています。原作ではラーハルトと話した段階で立っていましたから、アニメでは座り込んでいた時間が長いです。 ミストバーン登場時、ダイとレオナのカットが挟まれたのはアニメの改変ですね。ダイが手を広げて後ろのレオナを庇うようにしているのが、実にいい感じです。 ラーハルトが命令を望むシーン、原作と左右反転していますね。 ……あー、こりゃあ、ポップが投げられた物を自力で受け止めたと言うよりは、ラーハルトが計算してポップの手の中に落ちるように槍を投げたようですね。まあ、原作からしてそう見えましたが、アニメではそれがより顕著になっています。 ポップからしてみれば、何かを投げられてぶつかると思わず目を閉じたら、なぜか手の中に槍が収まっていた感覚なのですから、戸惑うのも無理はありません。 ラーハルトがミストバーンを挑発するシーン、原作では淡々としたイメージでしたが、アニメでは思いっきり敵を煽っている印象に笑っちゃいました。この男、敵の煽り方なら絶品ですね(笑) ミストバーンの爪が床に刺さり、ダイ達の背中方面からそれを見る全景のアニメオリジナル構図、配置などは分かりやすくてすごくいい図だと思いましたが……あのミストバーン、足長蜘蛛に見えて、なんかすっごく嫌(笑) ラーハルトがダイの後方にいるシーン、アニメでは原作よりも少し距離を置いている風に見えます。 同じ光景を見ていたはずなのに、ビビりまくっているポップと、緊迫感のある表情を見せているマァムとの差が面白いです。 ポップがラーハルトの強さに驚き、ヒュンケルがどうやって勝ったのかと不思議がっていましたが……それを知る機会があったのに、うかうかと気絶して見逃したのはポップ自身なのですが(笑) ミストバーンを見上げるラーハルトの、えらそうな顔にはつい笑っちゃいました。ここでCMに行くとは(笑) バランの遺言説明に、回想シーンが入ったのは嬉しい改変ですね。 バランの遺言、たっぷりと間をとりながらバランの声で再生されたのは嬉しかったです。原作では見ることの出来なかったラーハルトの途中経過での驚きや、バランや竜騎衆達との回想シーンは嬉しかったですね。 竜騎衆は人間側視点では残忍で最低な敵なのですが、ラーハルトの回想シーンとしてみると、彼らにも彼らなりの仲間意識やいい思い出があったように思えてきます。 回想シーン、ラーハルトが墓(おそらく、母親の)の前で突っ伏して泣くのでは泣く、泣きながらもしっかりと立ってバランを振り向いているのが印象的でした。 バランと木の棒で稽古する際、バランが剣を背負わずにマントや鎧もナシの背中を見せているのにビックリ! えー、バランの服……思ったより貧相(笑) はっきりとは分かりませんが、真っ赤なシャツと、ウロコめいた模様のある上着っぽい服を重ねてきていました。 幼いラーハルトは、薄茶の半袖シャツに、薄めの抹茶色のような地味なズボン姿。……もうちょい、いい服を着せてやってもいいのに(笑) 公式設定ではガルダンディーは人間の年齢にして20才前後、ボラホーンは30才前後と記載されているのですが、どうやら種族が違うと成長速度が人間と違うみたいですね。 少なく見積もっても10年以上前からガルダンディーらはあの見かけのままだったことを思えば、身体は早く成長しても精神的成長が遅い種族なのかもしれません。 しかし、ボラホーンは立って、ガルダンディーは切り株に座って稽古を眺めていましたが、背中の羽を思えば逆の方がよかったのでは? と余計な心配をしてしまいました(笑) バランと竜騎衆がそろって崖から朝日を眺めるシーン、初日の出を見ているのかとおもっっちゃいました。 今にも落下しそうな崖の際に、バランとガルダンディーが立っていました。なにも、そんな危ない場所にいないでも……と思いましたね。ラーハルトは足元が見えなかったので詳細が不明ですが、なんかこいつも崖っぷちに立っていそうな雰囲気です。 しかし、ボラホーンだけは崖っぷちから離れたところにある岩の上に腰掛けていて、危険を避ける当たりがこやつらしいなと妙に納得しました(笑) あの図体じゃ、重みだけで崖が崩れそうでしたし。 バランの後ろ姿から、ラーハルトの泣き顔へと繋げる演出もよかったです。 ダイの命令に、ラーハルトが姿勢を正すシーンはアニメの改変ですね。原作では顔だけだったので姿勢は分かりませんでしたが、初の命令に手をピンと揃えて気をつけの姿勢を取るラーハルトの素直さ、悪くないです。ダイに対しては、すっごく素直! ダイがポップ達に後を任せるシーン、ポップとマァムがちょっと目を見張るシーンが入ったのはアニメの改変ですね。 アバン先生とキルバーンの戦いも、早くも始まったポップ達とミストバーンの戦いも、動きがすごくいいです! でも、早過ぎて目で追うのも大変なので、もっとゆっくり見たい〜っ。 光に向かって走って行くダイの影の伸びた部分に、一瞬、セピアがかった画面に仲間達がずらっとそろうシーン、いいですね! 一緒にいるレオナとゴメちゃんは抜きですが、クロコダイン、バダック、チウ、ビースト君、メルル、ノヴァ、ロン・ベルク、マトリフ、アバン、フローラまでは納得しましたが、最後にハドラーがいたのがちょっと驚きでした。 回想シーンでは、目を閉じて祈る横顔のメルルの可憐さに惚れ惚れしました♪ この仲間達にブラスじいちゃんや三賢者は混じっていなかったので、どうやら一緒に戦ったという限定括りのようです。 レオナが「あそこよ」と叫ぶシーン、原作では出口を指さしていましたが、アニメでは普通に走っているだけでした。残念、○転裁判ばりに指さしするレオナのアクションを見たかったのに(笑) ところで、原作では疑問に思わなかったのですが、回廊から中庭に繋がる部分がこんな風に開いているというのも不自然なので、本来はここに扉があったのかもしれないなと想像しました。 バーン様の杯を投げるシーン、原作では砕け散るカットがありましたが、アニメでは音だけで済ませていました。 それにしても、天魔の塔の階段……手摺りがっ、手摺りが低すぎて見るからに怖いんですけどっ!? 地底魔城などは降りる階段に手摺りなしでしたし、魔族の城って安全設計はないんでしょうか?(笑) ダイがレオナ達に気をつけるように声をかけるのは、アニメの改変ですね。が、ゴメちゃんやレオナを振り向くだけの余裕もなく、一人前を進んでいるところをみると、原作以上に余裕がないように感じます。レオナが動く前に、一度瞬きをする間があるのがいいですね。 原作では無言ですが、階段を昇る手前で二人に目をやり、互いにうなずき合っています。 バーンが笑った後、ダイに呼びかけるレオナの表情が、毅然とした感じなのは嬉しい改変でした。 現れた触手、思ったよりもデカッ。 それにしても、あんなに不気味な色彩だったとは。なんていうか、こう、濁った緑色だとは思いませんでしたよ。同じ濁った色合いならば紫やピンクを想定していた自分に気がついて……やばい、R18なゲームをやりすぎたと気づいた今日この頃(笑) ま、まあ、それはさておき、思いっきり『○むらー、後ろーっ!』と叫びたくなるような演出でした。 ダイがベルトを外すシーン、原作と違って後ろ姿だったので音だけでベルトをどう外すのか見えなかったのが残念です。 その辺をもう少し詳しく見せてくれるかと期待したのですが、次のシーンはすでにナイフが手に合ったので、途中経過が見られませんでした〜。 レオナが「逆?」と言うシーン、左右反転していますね。 ダイが一緒に戦ってと頼むシーン、原作ではどこか申し訳なさそうな表情でしたが、アニメでは覚悟を決めたような表情に改変されていたのが印象的でした。 レオナの背中にナイフをつけるシーンを見ていて思ったのですが……レオナの服、原作よりも背中が大きく露出してませんか?(笑) ダイとレオナの回想シーン、ちょっとセピアっぽい思い出が懐かしくて嬉しかったです。 ダイがレオナの横を通り過ぎる瞬間は、アニメの改変ですね! レオナがダイの力になろうと上を見上げるシーン、アニメでは髪とマントが翻って実によかったです! 動きが少し入るだけで、凜とした雰囲気が増しますね。 そして、突然の触手プレイがっ。 レオナの伸ばした手の指の合間から、階段を昇っていくダイとゴメちゃんのオリジナルシーンもお気に入り♪ ちょっと風景をぼやかせる演出も、レオナの絶望感を感じます。 ゴメちゃんが異変に気づくシーン、原作ではレオナの姿を見てから鳴いていますが、アニメではゴメちゃんが鳴いた後でレオナの姿が出てきます。 魔力炉、全景で見るとすごく大きいですね〜。原作で見るより、大きく感じます。ついでに、魔力炉の色合いにビックリ。 原作では緑色に、黄色の球がついているようなデザインだったのですが、アニメでは暗い茶色に赤い球がついている禍々しさアップの配色になっとります! ゴメちゃんの噛みつき攻撃、全然痛くなさそうで可愛いです。 次回予告、ゴロアが思いっきり出ていました。あー、マキシマムに次いで、出番がなくてもいいんじゃね? と思った敵キャラパート2ですね(笑) |