『勝負をかけた攻撃』(2021.7.23) |
《粗筋》 ラーハルト「ヤツと戦ったら、オレも危ないかもしれんな」 軽口めかせたその台詞に、ヒュンケルは謙遜はよせと反応する。 それを聞いたクロコダインは、ヒムが技術的には荒削りとは言え、光の闘気を使いこなしていることを評価する。 ヒムは、ミストバーンをいたぶるのは少々気が引けると発言する。魔王軍の中で、ミストバーンだけはハドラーを評価してくれていたと考えているヒム。 だが、ミストバーンは、ヒムがハドラーの闘気や生命を受け継いだことについては否定的だった。怒りに満ちた声が、彼の心情をそのまま物語っている。 ハドラーの意志がヒムに生命を与えたと聞き、そんなことがあるのかと驚くマァム。 チウ「悪に奇跡は起こらない! 君は正義の獣王遊撃隊第12号だから……それで、いいのだ!」 腰に手を当てて大きく頷いてみせるチウは、ヒムの意見ごと存在も全肯定してくれた。 ポップとラーハルトが、ヒュンケルとマァムが、そしてクロコダインやビースト君が、満足そうな表情で彼らを見守る。 しかし、ミストバーンは人形風情がハドラーの生まれ変わりと自称したのに激昂し、爪が折り取られた手に力を込める。彼の怒りに呼応するように、爪は何事もなかったように生え替わり、刃を形取った。 それに対し、ヒムは恐れる様子もなく微動だにしない。 チウ「え……!? ……ぼく?」 ヒムはそれ以上攻撃を待たず、全身に光の闘気を纏って自ら進み出る。衣を大きく靡かせ、振りかぶった刃の爪を振り下ろすミストバーン。 殺気の篭もる睨み合いの直後、ヒムは手に力を込めて爪の刃を砕いてしまう。 ヒムはそのままミストバーンの襟を取り、頭突きを噛ました。 ミストバーンにそのまま連打をしかけるヒム。猛烈なラッシュに、ミストバーンは手も足も出ず、棒立ちで打たれるがままだ。 ポップ「すげえ……」 マァムは驚きのあまり、小さく息をのむだけで精一杯だが、チウは両手を握りしめて力一杯声援を送る。 チウ「いいぞぉー、ヒムちゃーん!」 ヒムの拳を一方的に受けるミストバーンは、着実にダメージを受けつつあった。ヒムの力が想像以上だと認めたミストバーンは不利を悟り、あの力を使うしかないと苦渋の選択をする。
バーンに自分の声が届いていないのかと、驚愕するミストバーン。
ダイを払いのけるバーンだが、ダイは再び上に飛んでから攻撃を仕掛ける。今後の攻撃はバーンを吹き飛ばし、彼は後方にあった柱に叩きつけられる。相当なダメージなのか、白い煙がもうもうと上がる中、床に降り立ったダイは油断なく身がまえたままだ。 瓦礫が崩れることで発生した白い煙は、中々薄れない。 その時、ひょこっと瓦礫から顔を覗かせたのはレオナだった。 ダイの戸惑いは、バーンの『強さ』にあった。 自分が飛躍的に強くなったから、相対的にバーンが弱く感じられるのかと、自分の手を見つめながら悩むダイ。 バーン「一度破れた相手を上回る気分は、どうだと聞いているのだよ」敗北し そう尋ねるバーンの表情には、微塵の焦りもない。 だが、すぐにいい気分になってくると決めつけるバーンを、不審げに見返すダイ。 ダイ「いい……きぶん?」 己の強さに酔うのは、どんな美酒を飲んでも味わえない極上の気分だとたとえてから、バーンは不敵に笑う。 バーンの言葉を、ダイはまるっきり理解しきれないかのような表情で、聞いていた――。
マァム「ミストバーンが反撃よっ」 ヒュンケルと寄り添い合うマァムが、そう叫ぶ。触れあう程顔を寄せ合った二人は、そろって驚きに目を見開いた。 全身から紫色の煙じみた暗黒闘気を放ちだしたミストバーンは、バーンから『あの力』を使う許可が出ない以上、自力でなんとかしようと試みる。 開かれたミストバーンの左手が一段と強い光を放ち、赤紫色に輝いた。 ポップ「ヒムッ、そいつに触れたら絶対ヤバイ、なんとか躱せっ!」 しかし、ミストバーンは回避は不能と断言し、粉々に握りつぶしてくれると手を前へ突き出した。 ポップ「ああっ、あのバカ、避けやがらねえっ」 チウ「無茶だっ、ヒムちゃん! ヒムを心配するポップとチウ。 ヒュンケル「待て。あの構えは……!」 険しい目で的を見据えながら、ヒムは拳を固く握りしめていた。 両者の手を、暗黒闘気の光が包む。 破片が散る中、大きく目を見開くヒム。 どんどん砕けて短くなっていくヒムの腕を見て、焦りを見せるポップ。 両者の距離が接近した瞬間を狙って、ヒムは光の闘気を纏わせた左拳で反撃する。黄金に輝く拳で、オーラナックルをミストバーンの顔面に打ち込んだ。 自分がポーンに負けたのが信じられないとばかりに驚き、吹っ飛ばされるミストバーン。階段を砕く勢いで飛ばされたミストバーンを見て、ポップやチウは歓声を上げる。 濛々とした白い煙が薄れる中、ミストバーンの身体が力を失ってわずかにずり落ちる。 肉を斬らせて骨を断つ……自分の腕が回復魔法で復元すると知っているからこそ、思い切った作戦に出たとウインクしながら明かすヒム。 戦闘不能だからトドメは必要がないと言い、仮面を剥ぐようにと言うヒュンケル。戸惑い、オウム返しに問い返すヒム。
その様子を塹壕の中から見ていたレオナは、ダイがバーンの謎の自信に気圧されて、段々後手に回っていると察する。 余力を残しているわけでもないのに、なぜあれほどの余裕があるのか……殺気だった目でバーンを睨むだけになってしまったダイに、レオナは立ち上がって声援を送る。 自信を持ってと呼びかけ、優勢の内に押し切る勝ちもアリだとアドバイスするレオナだが、バーンの手から炎系の魔法が生み出されたのを見たダイが、振り返って出てきちゃダメだと叫ぶ。 バーンは炎を強め、ダイの力を今のうちに暴き立ててやると発言する。 塹壕から顔だけをちょっぴり覗かせ、炎の鳥に驚くレオナ。 が、ダイは慌てず、全身に闘気をみなぎらせる。 迫り来る炎の鳥と重なって、杖を手にこちらに突進してくるバーンの姿があった。 ダイ&レオナ「同時攻撃!?」 豪火が燃え上がり、眩い光が目を焼く。 両者が激突した後、どうなったのかと戸惑うレオナは、姿の見えないダイを心配する。 バーン「ダイ……」 バーン「恐るべし、竜の騎士よ。今の余の最大の攻撃でも、とどめは刺せぬか……」 カイザーフェニックスが鳴き声のような音を立てて、大きく身をのけぞらす。 そんなダイを見て、レオナは嬉しそうな顔で彼の名を呼んだ。
ヒュンケルは、ミストバーンの正体がバーンに直結していると言う自分の予測を説明する。 ポップ「大魔王の秘密……!?」 ミストバーンは以前は、声を全く発さなかった。それは、ミストバーンの顔や声がバーンの正体に繋がる重要秘密だと推察するヒュンケル。 ポップ「……ホントかよ」 小声で、そう呟くポップ。 それをダイに伝えられればと訴えるヒュンケルに、ポップはその分だけダイが有利になるかもと理解する。 だが、衣という言葉にクロコダインが反応する。 クロコダインはミストバーンの衣をはぐのが危険な気がすると、警告する。 『ミストバーンに、闇の衣を取らせるな』 ハッとするヒュンケル。 倒れているミストバーンの姿から、地上からバーンパレスを見上げる場面へと切り替わる。 闇の衣とは何かと問うクロコダインに対し、ロン・ベルク自身も漠然としか分からないと言いながらも、ミストバーンが自分の力を押さえつけていることだけは確信していた。 自分達の戦いがあれだけ長引いたのは、どちらも自分の力をセーブしていたからだと、ロン・ベルクは語る。 クロコダイン(あれほどの戦いが……!) ロン・ベルクは彼の最後の台詞を根拠に、ミストバーンが全力を出したくても出せなかったと推察した。 クロコダイン「ロン・ベルク殿! ミストバーンは、まだ真の力を隠している、と……!?」 ロン・ベルクは、それを肯定した。 ロン・ベルク「ああ……なにか、ある。本気を出させるような真似は、しない方がいい。奴に、闇の衣を取らせるな――」
それを聞いて、考え込む素振りを見せるヒュンケル。 マァムは、ロン・ベルクは戦って倒せるチャンスがあれば、真の力を見せる前に一気に倒してしまえと言ったのだと解釈した。 ラーハルトも一理あると、それに賛同する。 それを聞いて、ヒュンケルも納得する。 マァム「ヒュンケル……」 その時、上の方から地響きが聞こえてきた。 ポップ「ダイ達だ!」 真っ先に上を見て、反応したのはポップだった。マァムも、最後の戦いがもう始まっていると察して、上を見やる。 ヒムに、止めを刺すように頼むヒュンケル。 軽く承知したヒムは襟首から手を離し、バク転でミストバーンから距離を取った。見事に着地を決めたヒムは、すかさず拳を握って身がまえる。 ヒムは、とどめの一撃をミストバーンに放とうとしていた。 ミストバーン(バーン様……バーン様……ッ、お許しを!!) 暗闇の中に、突然、紫色の暗黒闘気が広がった――。
ダメージを負っているのか、バーンは多少ふらついている。しかし、降魔の杖の先端は煌々と光を放ち、バーンがまだ闘志を失っていないことを示していた。 それを見たレオナは、今の一撃はバーンが勝負を賭けた攻撃だったと推察する。ダイがそれを凌ぎきった――それは間違いないが、レオナの目では両者が激突したところまでしか確認できなかった。 バーン「……なんという奴だ……! 自らカイザーフェニックスに飛び込むとは……」 半ば呆れたような、感心したような口調でバーンが呟く。 真っ白な世界の後、バーンがカイザーフェニックスを放った瞬間に時間軸がまき戻る。ダイめがけて放たれた火の鳥を見て、ダイが決意を固めたような表情を見せた。 火の鳥を追いかけ、同時に切り込むバーン。剣を素早く構え直したダイは、自ら斬りかかってきた。 バーン「カイザーフェニックスを防いでも、降魔の杖の一撃を受ける」 皮肉にも、炎がダイの姿を包み隠す煙幕となった中、ダイは後ろを取ってバーンに斬りかかる。 バーン「逆に杖を防いでも、炎に焼かれる」 バーンと組み合ったダイは、その勢いのまままバーンの肩を切り裂き、身を翻して飛び上がった。そのまま、再びカイザーフェニックスへと飛び込んだダイは、鳥の動きに合わせてバーンと距離を取った。 バーン「どちらにせよダメージを受けると悟るや、自ら炎の中に飛び込んだ」 ダイに見事に利用されたカイザーフェニックスは、止まった後でまるで生き物のように苦しげに喘いだように見えた――。 バーン「一見無謀だが、フェニックスの位置こそが世の隙を突け、切り込める唯一の空間!」 不敵な笑みを浮かべながら、ダイはどうせダメージを食らっちゃうなら、反撃も出来る方がいいと言い返す。しかし、その口調は無理をしたようなものであり、言い終わると同時にダイは苦しそうにその場にしゃがみ込んでしまう。 レオナ「ダイ君ッ、平気!?」 身を乗り出し、不安そうに叫ぶレオナに、ダイは返事をする余裕もなく苦しそうに呻き、立ち上がろうとしている。 レオナ(……な、わけないよね。大魔王の最強呪文を受けて……) 心配そうに、ダイを見つめるレオナ。 杖を身がまえ、バーンは追い打ちを宣言する。 ダイ「そうは……いかないぞ……!」 いぶかしがるバーンに、ダイは今度はこっちの番だと宣言する。バーンの肩の傷が治りきる前に、今度はダイが勝負を賭けた一撃を仕掛けると言う。 ダイ「そして、おれの考えに間違いがないなら……この攻撃で、必ず、おまえに勝てる!」 気迫のこもった勇者の勝利宣言に、バーンは肩を押さえていた手をそっと外す。服こそは破けていたが、その皮膚はすでに治りきっており、血すら残っていなかった。 ゆっくりダイを見やったバーンは、目を伏せ、口元にかすかな笑みを浮かべる。その直後、バーンは目を見開き、面白いと哄笑した。 レオナ「え!?」 意外さに、目を見張るレオナ。 自分にはドルオーラは通じないというバーンだが、ダイは確信を持ってドルオーラは通じると言い切った。 父親との戦いから、ダイはドルオーラの威力を知っている。絶対防御不能な呪文であるドルオーラから生き延びるには、二つだけ。 握りしめたダイの両手から、青い闘気が噴き上がり出す。 バーンがドルオーラを防いだ秘密は、降魔の杖にあると断言するダイ。 バーン「なかなかの名推理だが、外れていたらどうする?」 ドルオーラは魔法力を多量に使う呪文なだけに、ダイには二発が限界だと見透かしているバーン。 バーン「すでに一発撃った以上、次に魔法力が尽きた時に、余の攻撃が来たら……?」 脅すようなバーンの言葉に、ダイは分かっていると答える。 その視線を受け止めるレオナ。 ダイ「だけど、反撃は絶対にない!」 吠え立てるダイの両手に、竜の紋章が輝く。 凄まじいエネルギーが、一直線にバーンへと向かう。 杖でドルオーラを止めたと、驚くレオナ。 ダイ「やっぱり!」 降魔の杖は、刃を大きく噴出させればあらゆる魔法攻撃を防ぐエネルギー障壁になると説明するバーン。 青と金色の光は、時に青が、時に金色が優勢になりながらぶつかり合う。 バーン「これを堪えれば、余の勝ちよ!」 ドルオーラを生み出す手の力が緩み、姿勢を崩すダイ。 バーン「もらった!」 一際勢いよく、魔法力を噴出するバーン。 それを見て、目を見張るバーン。 レオナ「シルバーフェザー!」 羽は一直線にダイへと飛び、ダイは最初から分かりきっていたかのようにそれを受け止める。 バーン「おのれっ!!」 怒りに叫ぶバーンに、ダイは追い打ちを掛けた。 ダイ「連発だぁあっ!!」 凄まじい勢いのエネルギーが、バーンを襲う。その量も勢いも、バーンの金色の光を圧倒するものだった。 雄叫びを込め、一際力を強めるダイ。 絶叫と共に、バーンは消えた。 ダイは微動だにせず、魔法を放った姿勢のままでいた。 《感想》 ヒムの大活躍回ですねっ♪ ラーハルトが「天敵か」の台詞を口にする際、アニメではポップが隣にいるのがなんとなく嬉しかったです。原作ではここら辺では、出番が薄かったですしねえ(笑) ヒムとハドラーのイメージが重なるシーン、てっきり原作のようにヒムの背後にハドラーの幻影がダブって見える演出かと思っていたら、ヒムと全く同じ表情、ポーズを取ったハドラーが、ヒムに取って代わる演出として描かれていました! 重ねるようにイラストを一致させると、ヒムとハドラーの目つきや髪型もピタリとそろってなかなかいい演出でした。 ヒムが自分はそうだと信じたいと告げる際、彼の目が大きくアップになり、その目にハドラーの姿が一瞬浮かぶ演出は良かったです♪ マァムが疑問を口にするシーン、もっと半信半疑っぽい口調かと思っていたので、思いっきり叫びまくる自問自答はちょっと興ざめでしたよ。あれだけ叫んでも、さしてわざとらしく聞こえないのは声優さんの技量の高さを感じますが、ここはもう少し弱々しくというか、迷いを強めに演じて欲しかったなぁと思いました。 チウのヒムちゃんへの励ましは、すごく良かったです。 涼しい顔で目を閉じているラーハルトと、感心したように彼らを見ているポップのツーショット、原作ではラーハルトが右、ポップが左でしたが、アニメでは左右逆転していました。 ヒュンケルとツーショット中のマァムの可愛さに感激しつつ、クロコダインやビースト君のアップが追加されたのも嬉しいポイント。 ヒムに斬りかかる寸前、ミストバーンが全身を使って腕を振り上げる仕草を見せているのが、ちょっと印象的でした。 ヒムの白刃取り、掌で刃を挟み込んで勢いを殺すのではなく、両の拳を刃に打ちつけて力尽くで食い止めた印象です。……これ、普通の白刃取り以上に、受け手側のダメージが大きそうな気がします(笑) 白刃取り後に、ミストバーンとヒムの目のアップで、力比べをしているカットが入るのもいい改変ですね。 ヒムの頭突きを見て、ポップが思わず痛そうな表情をしているシーンも、パワーアップしています(笑) ポップやチウの台詞は、アニメの改変ですね。台詞じゃないですが、マァムが息をのむかすかな声音も収録されています。 ミストバーンがバーンに呼びかけるシーン、全てが青白いフィルターがかかった世界の中で、ミストバーンの目だけが光の線を残して流れる演出には驚かされました。 暗闇の中で車のヘッドライトが流れて移動するような、独特の目の光の残像が実に印象的でしたよ! 時の止まった空間というよりも、時間の流れをものすごくスローにした中でミストバーンだけが正常に動いているような、そんな独特の感覚が面白かったです。 原作ではミストバーンのアップと、黒一色のベタなコマだった演出が、こんな形で表現されるとは思いもしませんでした。 原作の時よりも、ダイとポップ達の戦いが同時進行しているのだと強く感じられますし♪ ダイが戸惑うシーン、ナレーションをなくした分、レオナがダイの戸惑いに気づく台詞を追加していますね。 ダイの後方で、塹壕に入っているレオナが可愛いですね♪ バーンの下剋上話に、原作では理解しきれずに戸惑った表情を浮かべているのに対し、アニメでは不満があるような、ちょっとやんちゃっぽい表情を見せているのも好印象♪ 原作だと、ダイは肝心な場所では口をつぐんでいることが多いせいか、内心の思いや考えは深いのではないかと思えるシーンも多いのですが、アニメのダイはその辺は等身大の子供という感じが強いですね。 ヒムのジャンピングパンチ、カッコよかったですが、あれだけ身体をひねって殴りかかるのならフックで横殴りにするかと思ったら、真正面から顔面をぶっ飛ばしていました(笑) マァムの警戒の叫び、微妙な改変が。 原作マァム「ミストバーンが……最後の反撃をっ……!」 台詞的には「ミストバーンの反撃よ」の方が自然に聞こえそうだなと思ったのですが、この台詞を元にしたから「ミストバーンが反撃よ」になったのかなぁと予想。 まあ、「てにをは」は文章として読むには間違いや差違が気になる箇所ですが、耳で聞く台詞として聞く分には、声優さんがしっかり演じてくれれば自然に聞こえる場合が多いので、アニメでのマァム発言は気に入っています。 闘魔最終掌を放つ寸前、ミストバーンの目が光る演出は原作にもあるのですが、アニメだと随分雰囲気が違っているなと思いました。構図やアップ度が違うと、やっぱり印象は変わりますね。 クロコダインの警戒台詞シーン、左右逆転していました。 原作ポップ「そいつに触れたらおしまいだっ!! なんとかかわせーーっ!!」 逃げないヒムを心配するポップやチウが、表情がオーバーでめっちゃ可愛い! 槍を持って身がまえるラーハルトは、原作より積極的に見えます。 ヒムの手が砕けるシーン、原作では小さなコマでちょっと斜めの角度で描いていた仲間達の驚きシーンを、真正面からしっかりと描いてくれた改変は嬉しかったです。 原作でもそうですが、チウがちゃんとみんなの中で一番前に出てきているのにも感動。部下を心配して前に進み出たのかと思うと、チウの侠気にほれぼれします。 ミストバーンの身体がずるっとずり落ちるシーンは、アニメの改変ですね。なまじ動かないよりも、力尽きた感があるなぁと感心しました。 ヒムちゃんのウインクシーン、左右逆転していますね。すごく得意げな感じがいいです♪ しかし、この穴の深さがちょっとつかめないですね。 まあ、レオナにこれを用意出来たとは思えないので、ダイかバーンの攻撃で偶然空いた穴を利用しているのでしょう。 バーンが炎を生み出したシーンで、原作ではレオナが先に気づいていますが、アニメではダイが先に気づいていました。 お祈りのように手を組み、塹壕の底で震えているレオナのカット、原作と同じポーズなんですが、原作では髪の毛が大きく描かれているせいか、アニメと印象随分違って見えますね。 塹壕から顔を覗かせているレオナも、可愛いです。 カイザーフェニックスは原作だと写実的に描かれていますが、アニメだと輪郭を象った炎の揺らぎで表現されていますね。 原作ではここでラーハルト側の戦いにシフトチェンジしていましたが、アニメでは眩く発光するだけでシーン続行。 バーン様の肩当てから血が噴き出すシーン、めっちゃ派手ッ。その後で肩を押さえる手が血に染まる有様なぞ、実は原作よりも出血多量です。 炎の鳥を切り裂いて登場するダイが、かっこいい! CM後は、場面がミストバーン側に。 まあ、指揮の方向性が正しいとはちょっと思えないのですが(笑) ポップが小声で「ホントかよ」とツッコんでいるのは、アニメの改変ですね。 クロコダインが衣に反応するシーン、左右逆転しています。原作では右向きでしたが、アニメでは左向きですね。 クロコダインが大声を出した際、皆が彼に注目するカットはアニメの改変ですね。クロコダインのへの注目度が感じられて好きなカットですが……このシーン、よくみたらマァムがヒュンケルの腕を支えていません。 『闇の衣』の台詞、クロコダインがすごくカッコいいタイミングで口にしているのに、感動! 最初に、要点を簡潔、かつ興味を引く結論で語ってから、後に詳細を説明するのはいいですね。分かりやすくて、印象に残りやすいです。 ミストバーンの顔のアップから、地上からの光景に移行する場面転換もいい感じ♪ しかし、ちょっとだけ残念なのが、地上でロン・ベルクとクロコダインの会話という形で、このシーンの伏線を仕込んでおかなかったこと。 レオナが破邪の洞窟に行く前、ノヴァに頼み事をする、というアニメの改変シーンでそうしたように、ロン・ベルクがクロコダインに向かって『……おまえがダイに会ったら、伝えて欲しいことがある』などと思わせぶりに語るシーンが見たかったですよ〜。 まあ、アニメの伏線回収はあまり前に仕込んでしまうと、実際に回収した時には忘れられてしまう可能性が高いので、数週間先のための細かな伏線をわざわざ仕掛けない気持ちも分かるのですが。 とりあえず、クロコダインとロン・ベルクの会話は渋くて、素晴らしくカッコよかったです! 燻し銀同士の会話って感じですよ。 クロコダインとロン・ベルクの会話は、改変が多く入っているのも嬉しい点。 が、アニメではクロコダインの質問とロン・ベルクの最後の返答で、何を警戒しているのか明確にし、意志を明確にしています。 『闇の衣をとらせるな』というキーワードを回想シーンの最初と最後に持ってきて、ミストバーンの姿にダブらせて場面転換する演出もかっこよかったですし。 原作では答えを迫るヒムの台詞の途中で、上で爆破が起きていますが、アニメではその前に悩むヒュンケルの姿を、間をとってたっぷりと表現されています。マァムの台詞まで追加されていますが……マァムさん、マァムさん、その男、あなたが支えてあげなくても一人で立てる状態ですよっ(笑) ヒュンケルがヒムにトドメを頼んだ後の悩むシーンで、マァムとのツーショットが! これも、原作にはない改変です。 バーン様の回復魔王、人間の使うほんわりと優しい色彩の回復魔法と違って、ピリピリした感じの光になっています。そこらへんは、魔族と人間の差でしょうかね? マァムやレオナ、ポップのそれぞれの回復魔法の色合いも微妙に違う時があるので、個人差かもしれません。 レオナが見えなかった攻防について考え込むシーン、白黒セピア風な色合いがかかっていたのがとても綺麗でした♪ ダイとバーンのカイザーフェニックスを挟んでの攻防、大まかな流れは原作通りでしたが、見せ方にかなりの改変がありますね。 原作ではダイがバーンの背後から斬りかかっているところを、前を向いたままのバーンが杖で防ぐ形でしたが、アニメでは背後に回り込んだダイの動きにバーンが身体の向きを変え、真っ向から組み合っています。 バーン様の説明も、微妙な改変がありますね。一番、いいなと思った改変がこの部分でした。 原作バーン「逆に剣で防いでも、炎に焼かれる!!」 一見、ほぼ変わらないように見える差ですが、原作の言い方だと剣で何を防ぐのか明確になっていませんが、直前の台詞ではカイザーフェニックスを防ぐと表記されています。 つまり、直前の台詞では『敵の攻撃』をふせぐ、ことに焦点を置いた台詞になっています。どんな手段で防ぐかは問題にしていません。 こういう微細な表現のブレは、校正レベルでのチェックポイントになるはずですが、絵や話の流れでだいたい意味が通じてしまうから、漫画だと割と見過ごされがちな部分なんですよね〜。 追い打ち宣言をするバーン様、めっちゃ嬉しそうな声ですね。目つきも生き生きとしているように見えて、気に入っています。 ダイが立ち上がる際、両目を閉じてすごく苦しそうな表情を見せるのはアニメの改変ですね。そこから片目を押し開けて無理をして立ち上がり、気迫のこもった表情へ変化する過程が素晴らしいです! ダイの勝利宣言の後で、バーンの肩の傷から手を離す改変もよかったです! 目をかっぴらいて面白いとのたまうバーン様、意外にも愛嬌を感じる笑い顔でしたね♪ ダイのドルオーラを見て、レオナが「え」と叫ぶのはアニメの改変です。 ダイが両手を下ろした後、ダイ視点からバーンを狙うシーンが、反対側に斜めになった世界線なのが、これまた対になっていてシビれます♪ ダイのドルオーラの説明、微妙な改変が。基本的にダイの台詞は、短め、かつ分かりやすい言い方になる傾向が強いですね。 ドルオーラ準備中のダイを真下から見上げる構図が、特にお気に入りです。バーン様を上から見下ろす構図も、まるで自分が大魔王以上になったみたいで悪くない感じでしたし♪ バーンが降魔の杖の説明をするシーン、ダイの最初のドルオーラの説明を回想を交えてやってくれたのは嬉しかったです。……もし、あれで死んだら、ゴロアの巻き添えで終わったことになっていたんですね(笑) レオナがフェザーを投げる時、投げ方がなんかサイドスローっぽくていいですね。それを受けとる時のダイの得意そうな顔が、めっちゃ可愛いです。 ドルオーラ二連発、カッコいい! 予告、ミストバーンが出張っていますね。 しかし、一番活躍しているヒムでも、一番出番が多いポップでも、一番謎解きに拘ったヒュンケルでもなく、『マァム達』と呼んだ予告に笑っちゃいました。なぜにここでマァム贔屓!? はっ、これはもしや、ミストマァムへの密かな布石と見ていいのですか!? |