『マァムとハドラーのフィギュア』 写真提供者:Rena様

  
 

 こちらの写真は、マァムとハドラーのフィギュアです♪
 送ってくださってRena様には、心からの感謝を! どうです、このマァムの背中のラインの美しいこと!

 強敵を前にしながら、臆することなく自ら駆けていくこの後ろ姿には惚れ惚れします。僧侶戦士の衣装も相まって、美脚が遺憾なく発揮されていますね。

 そして、魔王ハドラーのベギラゴン発動の瞬間のポーズも実にいいです。髪の靡き方や力強いポーズが、実にいいですよ〜。
 
 筆者は実はマァムのフィギュアしか持っていない上、カメラ作業はすんごく苦手なのでこんな素敵な写真は撮れないし、こんな構図など思いつきもしなかったので、写真が送られてきた時は思いっきり感動しまくりました♪

 感激のあまり、一気に書き上げてしまったSSと呼ぶにも短いミニドラマがこちらです。


『マァムの抵抗』
 
「小娘ッ!! 楽に死ねると思うなよ……我が最強魔法にて、黒焦げにしてくれるわっ!」

 ハドラーの両拳が打ち鳴らされ、魔法力が火花となって散る。
 と、思った瞬間、広げられたハドラーの両手の間に炎が躍った。夜の闇を払う炎のアーチを見て、マァムは思わず息をのむ。
 魔法が使えないマァムだが、その呪文の名は知っていた。以前、アバンから教わったことがあったから――。

(ベギラゴン……)

 閃熱系最強の極大魔法を目の当たりにして、一瞬立ちすくんでしまったのはしかたがないことだろう。
 だが、すぐにマァムは毅然とした光を目に宿した。

(駄目よ、ここで引けないわ!)

 ここから逃げるわけになど、いかない。なぜなら、マァムのすぐ後ろにはポップがいるのだから。
 マァムを庇って自分はひどい傷を負い、立つことも出来ないポップがすぐ後ろにいる。

「マァ……ム……、に、……げろ……」

 弱々しい声が聞こえたが、マァムはそれに耳を貸さなかった。
 自分は、いい。
 逃げようと思えば逃げられるだろう。だが、その場合、ハドラーの呪文は身動きできないポップを焼き尽くしてしまう。

 そんなことなど、許せない。
 すでにこちらにまで感じられる熱気の中、マァムは腰の後ろに手を回し、一つの魔法弾を手にした。

 この戦いの前にポップが詰めてくれた氷系呪文――ヒャダルコの入った弾だ。
 じっとハドラーを睨みつけたまま、マァムは手元も見もないで魔弾銃にその弾を装填する。

 チャンスは、ただ一度だけだ。
 ヒャダルコでベギラゴンを防ぐことは出来ない。だが……もし、術を放つその瞬間を狙い、ハドラーの手を凍らせることが出来たなら。

 最高にうまくいけば、手の中に術を閉ざしたままそれを凍らされたハドラーは、自滅する。そこまで行かなくてもハドラーの気を散らし、狙いをそらすことが出来るかもしれない。
 そのチャンスに賭けて、マァムは狙いを絞る。

「……ァム……、よ……せ……」

 途切れがちな声に、マァムは振り返らなかった。
 振り向かなくても、傷ついたポップの姿は目に焼き付いて離れない。迫り来る熱気よりも胸を焦がす焦りを、マァムは無理矢理に抑え込む。

(待っていて、ポップ。今……、今、助けるから!)

 魔王ハドラーに一矢を放ち、その隙にポップを連れて逃げる。そう決めたマァムに、迷いは無かった。
 視線と魔弾銃の照準の合わさる直線上で、魔王が声を上げて高笑う。

「刃向かうとは小賢しい……これでも食らえ、小娘がぁッ!!」

 吠える大魔王の両手が組み合わされ、極大魔法が放たれようとしていた――。   《続かない》


《後書き》

 バルジ島でのハドラーとマァム&ポップのもう一つの対決のイメージでざざっと書かせていただきました。フィギュアのないポップは、画面外のどっかで転がっている想定です(笑)

 なお、この話のタイトルの『マァムの抵抗』もRena様に命名していただきました。写真掲載のご許可も快くしてくださいましたし、重ね重ね感謝いたします♪

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