H.6.7.25(月)No34 『殺意の毒牙』

 

 ダイ達の作戦を見抜いたザボエラは、それを阻止してバーンに取り入るため、いまだに光を発せられないポップに目をつける。
 だが、苦しい戦いを強いられるクロコダイン達も、自分達の思いだけで手一杯のダイ達もそれに気付かない。

 ことに、本心をぶつけてしまったポップ、それに自分の素直な気持ちを撥ね付けられたと感じるマァムは、それだけでいっぱいいっぱいだ。
 マァムには、分からないのだ。

 マァムの本心を伝える度に、なぜかポップが頑なに反発するのか。
 だが、ポップは何も言わない――。そのポップの気持ちを知っているダイもレオナも、言うことはできない。

 そして、傍らからポップを見つめ続けてきたメルルも同様だった。彼女には、ポップの気持ちは手に取るように分かる。
 ポップの悲しみを我がことのように受け止めるメルルは、彼のために何かしてあげられることはないかと一心にポップを見つめる……。

 一途にポップに心を寄せていたメルルは、邪悪な殺気を予知した。
 それは、ザボエラの殺意だった。
 一掠りで死に至らせる猛毒の光弾に魔力を込め、ポップを殺そうと考えるザボエラの場所を、メルルは持ち前の能力で探り当てる。

 が、それに気がついていないダイ達は、ポップにもう一度挑戦するようにと進める。
 まるで願えば必ず叶う当然のことのように、進める4人。だが、ポップは試すまでもなくその場を後ずさる。

 どうしても自分を信じきれないポップは、たとえみんなに軽蔑されてでも逃げる道を選択したのだ。

 自分が助かりたいためではなく、自分さえいなくなれば、みんなも諦めてこの場から去ることを祈って。たとえ一時凌ぎだろうと、ポップには自分のせいで仲間が傷つくのには、耐えられなかった。

 身を翻し、逃げ出したポップ――だが、彼に向かってザボエラが光弾を投げつけた。
 凄まじいスピードで飛ぶ光弾に辛うじて気づいたのは、ロン・ベルクだけだった。戦士の勘か、とっさにその光弾をとめろと叫ぶが、みんな戦いに手一杯で、目で追うのがやっとだ。

 無論、ロン・ベルクでさえもミストバーンとの戦いから手を離せない。
 一直線にポップに向かって飛んでいく光弾に、ポップ自身が気づいた時は、もう躱しようがなかった。

 ザボエラがポップの死を確信した瞬間……メルルがポップの前に飛び出した。
 光弾はメルルの脇腹を貫き、血飛沫が上がった――!


《タイムスリップな感想》


 いきなりの急展開!!
 今までポップの側にいるだけで目だったアプローチも取らなかったメルルの、この大胆な行動はすごいっ。

 彼女、本当にポップが好きなんだなぁ……としみじみと実感してしまう。
 それにしても、ポップは人間関係の勘もよく、人の気持ちも思いやることができるのに、どうしてもこうも、典型的な『紺屋の白袴』なタイプなのやら(笑)

 自分に寄せられる思いには、とことん鈍いったらありゃしない。
 みんなの期待も買いかぶりとしか思えないし、メルルの気持ちにも気づけてないとは、鈍すぎる〜。

 さて、予想もしていなかったメルルの行動に、ポップはいったいどう答えるのやら。
 ああ、メルルが死なずに生き延びて、マァムと競って欲しいんだけど。このまま、死んで欲しくない〜っ。

 ヒュンケルにとってマァムとエイミが特別な娘なように、ポップにとってもマァムとメルルが特別な娘なんだから。
 初めて好きになり、命を懸けても守りたいと思った少女に、初めて自分を好いてくれ、命を懸けて守ってくれた少女……正反対の二人の、どちらの手を取るのかドキドキっ。

 願わくば、ポップは、自分を守ってくれたメルルに感謝しつつ、義理を感じながらも……それでもやっぱりマァムを好きでいて欲しい、個人的願望だけど。

 しかし、つくづく思ったけれど、ザボエラとポップって妙に縁があるなあ。
 自分の企みを潰されたザボエラが、どう怒り狂い、次の手を打つか楽しみでしょうがない。ねちっこく逆恨みしそうなタイプだし(笑)
 は〜やく、来週にな〜れっvvv
 
 

次へ続く
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