H.6.8.8 (月)No36,7 『涙の敵陣突入!!』

 

 ザボエラでさえ驚く様な魔法力を発した、ポップ――。
 その力はレオナの力をはるかに凌ぎ、ザオリク級のエネルギーを秘めていた。それがメルルの毒素を消し去り、命を繋ぎとめる。

 ポップはメルルをエイミに預け、もう一度ミナカトールにチャレンジする。みんなが再び手を繋ぎ合わせる中、ポップとマァムはお互いに照れくささを感じるのか、目を合わせようとしなかった。

 それでもマァムはポップの様子を窺う素振りを見せるが、ポップは目さえ彼女には向けず、その手をしっかりと繋ぐ。

 今度こそ、ポップは緑色の光……勇気の光を生み出した。
 だが、ポップは知っている。
 それが自分の力だけでなく、メルルのおかげで光らせることができたのだ、と。

 だからこそ、絶対にムダにしないと、堅く誓うポップ。
 ポップの手からレオナの手へ、『想い』が渡された瞬間、光は太陽の様に強く輝いた。敵も味方も、思わず戦いの手を止め、それに見とれる。

 そして、レオナの力ある言葉に反応し、五色の光の柱は天へと突き抜けた!
 ダイ達五人の想いを乗せた光が、見事にバーンパレスを絡め取る。レオナの合図に、ポップがルーラの呪文を唱える。
 その途端、五人の姿はフイッと消えた。

 だが、その場にいた全員が目撃したのだ。光のきらめきが、バーンパレスへと昇って行くのを……。
 人間達は歓声をあげて喜び、そして、全員が魔法円を中心に集まる。
 後はダイ達の戦いが済むまで、この場を死守するつもりなのだ。

 一方、その頃のダイ達はバーンパレスの先端部分にいた。
 ダイに取っては父を亡くした苦い思い出のある場所だが、今のポップとマァムは、それさえも忘れた様に、相変わらず顔も合わせるにいるばかりだ。

 だが、ポップはマァムにでなく、みんなに言う。
 言い訳はしない、迷惑の償いは戦いで返す、と。いち早く走り出したポップを、ヒュンケルは無言のまま、追う。
 それでもそっぽを向いたままのマァムに、ダイが声をかける。

「わかってあげてよ。ポップはね、出会った頃からずっと、マァムのことが好きだったんだよ」

 そして、ポップの急成長も、半分はマァムのためだったと言いそえるレオナ。
 しかし、マァムは突然聞かされたポップの告白を急に受け入れることができず、ただ困惑し、逃げる様にポップ達の後を追って走り出した。

 動揺を隠して、それでもバーンを目指すダイ達の目の前に立ちはだかったのは、なんとハドラーと親衛隊達だった――。


《タイムスリップな感想》

 おおっ、驚く程にポップがかっこいい〜〜っ!
 今までぐずぐすと悩んでいたのは何だったのかと問いたくなるような行動力で、ずんずん進みだしたポップだけど、マァムに対しては照れているのか、目を合わせない様にしているのが妙に可愛い。

 それにしても、ポップの告白を聞いて以来、ずっとポップを意識しているマァム。本人は無自覚みたいだけど、ヒュンケルの方はちらりとも見ていない!
 もし、マァムが本当にヒュンケルを好きだとしたら、彼の反応をもう少しぐらいは気にしても良さそうな気がするのだが。

 突然、ヒュンケルが好きと告白したエイミのせいで心を騒がせられたマァムの様に、ヒュンケルもなんらかの反応を見せるかどうか、気にならないものだろうか?
 ま、ヒュンケルは全然、ポップの告白には無反応を決め込んでいるから、見なくて正解と言えば正解だけど(笑)

 マァムの乙女心はさておくとしても、元々ヒュンケルはポップの気持ちを知っていたし(なんせ、ダイでさえ知っている!)、マァムを挟んで三角関係って感じじゃなかったもんなー。

 ヒュンケルにとってポップは恋敵なんてもんじゃなくて、手のかかる弟というようなもんだったし。……ポップにとっちゃ、余計に気の毒な気がするけど(笑)

 自分に向けられたエイミの告白さえ、あっさり流したヒュンケルのこと、口に出さないでいるマァム、ポップの想いはこの際、知らん顔する気らしい。ポップも、自分の気持ちよりも、自分にかけてくれたメルルの想いを優先して、戦いに気を集中させているみたいだし。

 そんでもって、肝心要のマァムはこーゆーことには、とことんウトいっ。
 どうやらマァムの本心を引き出すためには、もう一押しが必要みたいだ。
 しかし、どーゆーつもりでフォローしているのか分からないのが、ダイとレオナ。

 ダイはマァムに、どう「わかって」欲しいんだろ? それに、昔、レオナはポップがマァムにフラれることを期待していた人だしなぁ……(笑)
 ラブラブ話が続く中、ハドラーがやっと登場!

 けど、いったい、何をしにきたのやら。まさか、バーンを目の前にしてダイ達と戦う気か〜っ?! んなムダな戦いをしている間に、世界が滅びるぞっ、おいっ(汗)
 あ、そーいえば思い出したことが一つ!

 ハドラーって、ポップのマァムへの片思いを知っていたんだよね(ザボエラもだけど) はたして、これがいい『後押し』になってくれるのかね? ああ、次の発売が二週間後だなんて、待ちきれない〜っ!
 

次へ続く
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