H.6.9.26(月)No43 『想いよ、走れ…!!』 |
ヒュンケルの蹴りが、ヒムの核を貫く。 それとほぼ同時に、同じくダイの元へと目指すマァムと顔を合わせたヒュンケルは、お互いの無事を確認し、そろってダイのいる場所へ戻ろうとする。 だが、走り出そうとした二人は、凄まじい爆音を聞いて振り返った。 しかしヒュンケルは、今のポップの力と勝利を確信するからこそ、大丈夫だとマァムを励ます。その言葉に頷きながらも、マァムはポップのいる方向から目を放せない。 なぜ、そんなに無闇にポップの心配をするのか、と。ダイやヒュンケルが同じ立場ならば、そんなには悩むまい、と。 ダイやヒュンケルは本当に強いし、戦いを任せても必ずなんとかしてくれるが、ポップは強くても、側にいてあげないと危なっかいしいから――。 そして、それを知っていたからこそ、ポップが強くなろうと無茶をしていたことを、改めて実感する。全ては自分のせいだったと自己嫌悪に浸るマァムの肩に、ヒュンケルはそっと手を掛けた。 マァムの力の源となる慈愛の心……かつて、それに救われたことについて礼を述べたヒュンケルは、マァムを諭す。 「エイミさんが……あなたを愛するように?」 顔を赤らめてそう聞くマァムに、ヒュンケルは自分は彼女の愛に応えてやれないと応える。しかし、彼女の気持ちを理解できないわけではない。 それを聞いて、マァムはメルルやアルビナスを思う。彼女達も気持ちを抑えなかった。愛する人のために、命を賭けたのだ――。 もし、わずかにでも言葉に出来ない想いをポップに抱いているなら、心に溜め込まずそれを確かめにいけばいい、と。 「……ポップも答えを待っているはずだ。あいつを…助けてやってくれ……!」 ヒュンケルの後押しで、マァムは迷いを捨てて走り出す。ポップのもとへ――。 望むのは、彼女の幸福……みんなのためだけでなく、自分自身の愛を見つけて生きる、そんな幸福だった。 一方、ポップとシグマの戦いは、一方的なまでにシグマが押していた。だが、ボロボロに傷つきながらもしぶとく立ち上がるポップに、シグマは本当に人間なのかと問いかける。 ゾンビか何かのような、説明のつかない不死身ぶりに呆れたように。 だが、ポップは自分はれっきとした人間 臆病で弱い、ただの人間だと答える。
《タイムスリップな感想》
ところで今回、ヒュンケルの幸福に対する考えがちょびっとだけ前と違ってきたのが、なんだかすっごく嬉しかったv 前にポップが竜騎衆に殺され掛かった時、ヒュンケルに生き延びて、マァムを幸福にしてくれと遺言したことがあった。その時はヒュンケルは『自分は人を幸福にできない』といった。 だが今回は、マァムの幸福を望んだ上で、自分ではマァムを幸福にできない、と発言している。似ているようだが、漠然と全ての人間を拒絶していたも同然だった前回の発言に比べると、特定の個人を意識しまくりのこの発言、意味深であるっ♪ そこらへんが、ヒュンケルの心の成長をあらわしているみたいで、興味深い。エイミのことはきっぱり否定したものの、この心構えがあるのならこの先、どう転ぶか期待はゼロじゃないな? それにしても、想いを抑えるなとはいかにもヒュンケルらしい忠告だ。 さて、マァムはこれから気持ちを確かめにポップのとこに行くのだが、果たして吉と出るか、凶とでるか――。 ついでの感想だけど……たったあれっぽっちの出番であっさりと負けてしまったヒムが、なにやら不憫。今までの活躍が目立っていただけに、なんだか悲惨だ。 |
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