H.7.10.30 (月)No48 『不安な優勢』

 

 切り離されてなお、意思があるかのようにキルバーンの足を掴み続けるアバンの手を、彼は無造作に蹴り捨てた。
 白い宮庭に戻るつもりだったキルバーンだが、爆発のショックでパーンパレスの先端部分に帰還していた。

 バランが死んだ場所に戻ったキルバーンは、今、まさにバーンとダイの戦いの最中だと知っていた。だが、バーンに対して義務感のないキルバーンは、ミストバーンのようにバーンを守ろうとする意志がない。
 ゆったりとした足取りで、階段を登っていく――。

 一方、バーンと戦っているダイは優勢にも関わらず、戸惑いを隠せずにいた。
 ダイの力が、飛躍的にアップしたせいだろうか。かつて惨敗した相手を上回っている事実に戸惑うばかりのダイ。

 そんなダイに、バーンは余裕たっぷりに思わせぶりな台詞を言う。
 優勢なのに不安を消せないダイに、劣勢にもかかわらず自信に満ちたバーン――二人の戦いを見ているレオナは、迷うなと忠告をする。
 
 その時、バーンはカイザーフェニックスを放ってきた!
 以前見たことのある呪文なだけに、自信を持って対処しようとするダイだが、なんとバーンは魔法と同時に攻撃をしかけてきた――!!

 それと同じ頃、ポップ、マァム、ラーハルトの三人は、ミストバーンと死闘を繰り広げていた。
 ラーハルトを攻撃の中心として、二人が攪乱する戦いにより、ラーハルトの槍は何度となくミストバーンを切り裂く。

 だが、ミストバーンには全くダメージがなく、逆に痛んでいるのはラーハルトの槍の方だ。疲れを知らぬミストバーンを相手に長期戦を続けていれば、不利なのは間違いなくラーハルト達の方だ。

 バーンがダイと戦い始めたのを悟り、そろそろ決着を付けようとするミストバーンに、ポップはラーハルトの回復をマァムに任せ、その間ミストバーンの気を引きつけようとする。
 引き止める間もなく飛び出したポップに、ミストバーンの爪が襲いかかる!!

 不意を突く形で襲いかかる爪を、ポップは避けきれなかった。
 だが、ポップに変わる形でそれを受けたのは、ヒムだった。オリハルコンの身体はミストバーンの爪などものともせず、逆に爪の方が砕け散る。

「こうやっておまえを庇ってやるのは、確か二度目……だったよなっ…!!」

 突然現れたヒムに驚くポップに、彼は新しい仲間だと言ってのけたのは、ヒュンケルだった……!!


《タイムスリップな感想》

 わぁいっ、ひっさびさにポップが出たぞっ♪
 なんと10週ぶりっ(笑) ああ、不在が長かったなぁ。ブラックロッドを使って、肉弾戦で頑張っている姿が、なんか新鮮っ。

 ついにクロコダイン達とも合流したし、賑やかになってくれて嬉しいぞっ。
 でも、不安要素は、ダイのところにいく素振りも見せないキルバーン。口にした白い宮庭と言えば、ポップ達の現在地なんだけど(笑)

 やっぱりキルバーンの狙いって、ポップなのだろうか? しかし、ダイvsバーン戦もラーハルトvsミストバーン戦も結構見所がありそうなのに、なぜか同時平行でバトルしているけど、来週はどっちか寄りになるのかなー?
 
 

次へ続く
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