H.8.7.22(月)No34  『地上消滅』

 

 バーンの魔力の鏡越しに映る大爆発の痕……。
 ついにバーンを追い詰めたと思った瞬間、運命は空しく逆転した。
 地上に残してきた仲間を思い、ただ目を見張るダイ達に、バーンはプラァ・オブ・バーンの中に見える黒の核晶を見せつける。

 一つだけで、ハドラーに仕込んだ黒の核晶の十倍以上もある超爆弾に、その威力を知っているダイ達は驚愕する。ハドラーの時でさえ死の大地を吹き飛ばしたのに、同じ物が後5つも世界各地に落ちている……!!

 どこに落ちたか覚えているかと問うバーンに誘導され、ポップはそれが無差別ではなく、六芒星を描く様に落ちていたことに思い当たる。
 ダイ達が五芒星でミナカトールの威力を高めた様に、バーンは六芒星で黒の核晶の破壊力を高めるつもりなのだ。

 あまりの事実に呆然とするダイの前に、夕日が沈んでいく。明日、魔界を照らすために昇る太陽が……!!
 それでもまた諦めまいとするダイに、バーンは無駄だと諭す。

 もはや、バーンが死んでも爆発は止まらない。六ヶ所もある黒の核晶を、ダイ一人で止めることもできない。
 バーンは黒の核晶の秘密に気づかれない様に、地上の実力者達をこの場に呼び集めたのだ。

 無益な戦い――だが、ダイはだだっ子のようにそんなのは嫌だと叫ぶ。みんながこれだけ頑張ってきた戦いを、無益とは認められない。
 そんなダイに、バーンは自分の命だけでも奪うかと問う。

 確かに、ダイはバーンを殺すことはできるかもしれない。地上の破滅を食い止めることは、できないにしても――。

「……念のために聞いておこう……。
 おまえは余を殺すことが目的で、この戦いを始めたのか……?」

 沈黙し、ダイはゆっくりを答えを返す。

「……ちがう……。おれがこの戦いをはじめたのは……地上みんなの平和を…守……」

 最後まで言い切ることのできないダイに、バーンは残酷な事実を告げる。その守るべきものは、もう消える、と。
 その言葉が、ダイの中の希望を押しつぶした。

 力を失ったダイは、石の様に床に落ち、もう立ち上がれない。声もなく泣くダイの顔を見て、ポップは彼の絶望を知った。
 ここまで頑張り抜いた上での非情な最後に、ポップは声の限りに叫ぶ。さながら、号泣する様に。

「……泣くな……。お前達はよく戦った……」

 そんなバーンの言葉さえ、声もなく泣くダイと涙もなく泣くポップにとっては意味のない物だ。

「さあ……一緒に地上の最後を見よう。
 ……歴史的一瞬だ……!」

 


《タイムスリップな感想》

 ふにゃぁあ!! ち、地上が消滅しちゃうのかっ?!
 これじゃあ、いくらなんでもあんまりじゃねーかっ!! 
 ゴメちゃん、ロン・ベルクでも誰もいいから、なんとかしてくれーっ。ダイだってポップだって、まだ身体が動くでしょーにっ!!
 
 

次へ続く
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