H.8.9.2 (月)No40 『神の涙』

 

 動けぬはずの『瞳』が、次々とバーンに襲いかかる!!
 奇跡を目の当たりにして恐れを抱くバーンは、それでも冷静に、これを操っている者がいることを看破し、犯人を捜していた。

 そして、他とは違う『瞳』を見つけたバーンは、額の目からの光で打ち抜き、元の姿へと戻す。
 レオナが実体化したのと同時に、『瞳』達は力を失って地に転げ落ちた。

 彼女の力かと睨め付けるバーンだが、自分自身にそんな力が無いのをレオナは知っていた。奇跡を越す唯一の存在――レオナが自分の胸に隠しておいたゴメちゃんの様子を伺うと、ゴメちゃんは光り輝いていた。

 それを一目見た途端、バーンは神の涙をどこで手に入れたのだと取り乱し、レオナの服を破りとってゴメちゃんを奪い取った!!
 憎しみすら込めてゴメちゃんを握り締めるバーンに、ダイ達は友達を庇おうとして、止めろと叫ぶ。

 だが、バーンはこれはスライムではなく、神々の作った生きた道具だと言う。
 神の涙――手にした者の願いを叶え、奇跡を起こす。それがなぜスライムの形をしているのかは分からないが、これは紛れもなく神の涙だとバーンは言い切った。

 魔王軍が追い詰められたのは、竜の騎士だけでなく神の涙がそろっていたからかと一人頷くバーンに、レオナは逆らった。
 確かにゴメちゃんの不思議な力に助けられはしたが、自分達は奇跡には頼らなかった。
 叶えてもらったのは、わずかな、小さな願い――ポップやマァム、チウには心当たりがあった。

 無意識の願いを叶えてくれたのは、道具としての働きゆえかもしれない――だが、ゴメちゃんは道具とはいえ、生きていて、心を持っている。
 たとえ正体がアイテムだったとしても、ゴメちゃんは友達なのだ。

「お願いっ!! あたし達の友達の生命を奪うのはやめて!!
 ゴメちゃんを殺さないでっ!!」

 涙ながらのレオナの訴えに、バーンは冷静さを取り戻す。確かに、今までのダイ達の願いは小さなもので、並の魔法のアイテムでもできる範囲だった。
 一瞬ホッとしたレオナだが、バーンは手に強く力をこめだした。

 真の力を知った今、捨て置くことはできないと言い、眠り続けるゴメちゃんを握りつぶそうとする。
 ダイは止めようと手を伸ばすが、間に合わなかった。
 砕け散り、無数の光の粒となって散っていくゴメちゃんを、レオナもポップも、そしてダイも見ていることしかできなかった――。


《タイムスリップな感想》

 ゴ、ゴメちゃんがぁああ――っ?!
 ゴメちゃんがこんな形で死んじゃうなんていやだーっ、せめてお別れの言葉ぐらい……っ!!

 ……と、悲しむ傍らで、ついついレオナの『胸ぽろっ』に目が奪われてしまったことを、深く反省(笑)
 

次へ続く
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