H.8.9.21(月)No43 『世界が輝く時』

 

 その瞬間、世界が輝いた――!!
 だが、何も起こらない……爆発はどうしたと叫ぶバーン。だが、勇者やその仲間達は知っていた……自分達がぎりぎりで間に合ったことを。

 そして、世界中の人々は、見た。
 日の沈みかけていた空が、黄金色に輝くのを。きらきらと輝きながら空へ昇っていくものの正体が何なのか、知っているのはバーンパレスにいる勇者一行だけだ。

 空へと舞い上がる金色の粒……それはゴメちゃんの告げる『さよなら』だった。
 ゴメちゃんと過ごした日々を思い出しながら、小さな友達に別れを告げるポップとレオナ。

 その思いは、『瞳』に閉じ込められた仲間達も同じだった。ことに、ゴメちゃんと関わりの深いマァムは、こんな時に動けないのがもどかしい。
 せめて、ゴメちゃんが消えてしまう間だけでも、側にいて触れてあげたかったと涙するマァム。

 だが、ダイはゴメちゃんに別れは告げない。
 また、ゴメちゃんが元の神の涙に戻って地上に降りてくる時がきたのなら、今度もまた自分が見つけてみせると、ダイは強く心に誓う。

 その時にはダイはもう、子供じゃなくなっているかもしれないが、また同じ願いをかけるのだ。
 再び、一緒に遊ぶために――。

(……だから……! またね……!)

 ダイ、ポップ、レオナの目の前で、ゴメちゃんは天へ帰っていった。
 神殿に暗闇が蘇った頃、ダイ達はバーンに向き直った。

「どうだ、バーン……!! おれ達は勝ったぞ!!」

 絶対覆せないはずの地上の破滅を、ゴメちゃんや世界中の人達が止めてくれた。この奇跡は、今までの冒険の旅で培ってきた、人々との絆のおかげだ。
 バーンが馬鹿にした『人間の絆』が、奇跡を起こし、ダイ達を勝たせたのだ。

 地上はバーンには壊されないと叫ぶダイに、バーンはうつむいたまま不気味な沈黙を保っていた……。


《タイムスリップな感想》

 さんざん気を持たされまくっていたけど、うまくいってよかった〜っ。ゴメちゃんがいなくなったのは寂しいけど……。
 しかし、今回の回想シーンで、ポップのイビキに悩まされる宿屋のシーンが楽しかった♪

 それにしても、バーンの沈黙が逆に怖いな……。素直に負けを認めて魔界に撤退するとも思えないし、まだ奥の手がありそうな雰囲気だ。
 
 

次へ続く
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