『勇者の帰還 2』

  

「…………?」

 目覚めは、突然だった。
 いつもそうだが、ダイの目覚めは一瞬だ。どんなに深く眠っていても、何か違和感を覚えた瞬間に目覚めることができる。いつの間にか身に深く染みついた習慣から、ダイは即座に目を覚ました。
 だが、握りしめた手に何の手応えもないことに軽い混乱を感じる。

(武器は!?)

 眠る時だろうと、剣を手放さないのはダイにとってはすでに習慣となっていることだ。たとえそれが錆びきったボロボロの剣でも、最悪、ただの棒きれであったとしても構わない。

 何かがあった時に、すぐに戦えるようにする――魔界ではごく当たり前の習慣を忘れてしまったのかと、自分で自分に驚く。
 だが、その後でもっと大きな違和感に気がついた。

「え……? あれ?」

 ふわふわとした感触が、背中にあった。無防備にも、自分が仰向けに倒れた状態でいるのに気づいた瞬間にこそ焦りを感じたが、その焦りは目に映る光景によって打ち消される。

 ダイの目に映ったのは、見慣れた魔界の空ではなかった。
 見るだけで陰鬱になるような澱んだ色合いの空の代わりに、明るい色彩の板が頭上を覆っている。それだけならば知らない間に自分が閉じ込められたのかと不安を感じたかもしれないが、板の中心部分に辺りにぶら下げられた洋灯の存在が、ダイに懐かしい記憶を思い出させてくれた。

 人間の住む家や部屋には、必ずと言っていいほどぶら下がっていた照明のための道具。どこで調達したのかは知らないが、ブラスもダイの生まれ育った小屋にそれをつけてくれていた。

 夜になると部屋を明るくしてくれたその道具は、有り触れた日常品には違いない。だが、ダイは洋灯から目を離せなかった。
 魔界では一切見かけなかった文化生活の端くれが、そこにはあった。それを見ただけで、深い感動がこみ上げてくる。

 身を起こし、ダイは周囲を見回した。
 これまでの習慣上、つい動くものを探してしまっていたが、周囲には敵の気配など微塵も感じられない。

 そこは、静かで落ち着いた部屋だった。
 ベッドやクローゼット、テーブルなど、最低限と言える程度の家具が並んでいる広い部屋は、大抵の人間には最上級の客室と見えただろう。しかし、ダイにとって一番強く感じたのは、安堵感だった。

 魔界にいる間、ダイは当然のようにずっと野宿で過ごしてきた。岩陰に隠れるようにして眠るのがやっとな日々を過ごしてきたダイにとって、雨を避けるための屋根があり、風や外気を守る壁に守られた空間は、まるで天国にいるように快適だった。

 暑くもなく寒くもない気温がどんなに素晴らしいか、ダイは実に二年ぶりに思い知っていた。
 特に、今、座っているベッドの心地よさは別格だ。

 これまで、眠る時にはよくて岩に寄り掛かって座って寝るか、最悪の場合立ったままうたた寝するのが日常だったダイにとって、身体をゆったりと横たえられるベッドは信じられないぐらいに気持ちがいい。

(まるで、夢みたいだ……)

 ぼんやりとそう思いながら、ダイは何度となく部屋の中を見回す。
 窓に厚いカーテンが掛かっているとは言え、魔界の暗さに慣れたダイの目には、部屋の中は十分に明るく感じられた。この明るさを『異変』と感じて目を覚ましてしまったらしい。

 その明るさに引きつけられるように、ダイはベッドから下りてその窓に向かった。
 そして、思いっきりカーテンを引き開ける。
 それと同時に、太陽が飛び込んできた。

「――――!!」

 それは、ダイにとって二年ぶりに見る夜明けだった。暗かった空が明るみ、真っ赤な太陽が昇るのが見えた。

 それは、故郷のデルムリン島では、何度となく見たはずの光景だった。いや、デルムリン島だけではなく、島を飛び出して旅に出た間も何度となく見ていたはずだ。

 だが、ダイはまるで初めて見るかのように、呆然と太陽を見つめる。
 世界の全てを、光で照らしだす太陽。
 夜の気配を残す淡い藍色の空を塗り替えるかの様に、その光は世界の隅々にまで満ちていく。

 その美しさに、息もできない。
 魔界では決して見ることのできない、太陽という存在。
 それはダイの記憶に残っていた記憶よりも遥かに美しく、また、遥かに暖かい存在として輝いていた。

 その輝きに見とれながら、ダイがふと思い出したのはかつて戦った強敵の存在だった。

 彼もまた、太陽に焦がれていた。
 そのために地上を滅ぼし、神に戦いを挑んででも、太陽を手に入れたいと欲するまでに。

 その気持ちを、魔界での孤独を知る今のダイには少しは理解できる気がした。あんなにも暗く、絶望的な程閉ざされた世界にいる者にとって、この太陽の明るさはあまりにも眩すぎる。夢焦がれるほどに輝かしい太陽を、欲したといても無理はない。

 幸か不幸か、バーンにはやろうと思えばそうできるだけの力があった。
 そのために多くの者の命を踏みにじり、地上を破壊し尽くさなければならなかったが、バーンにとってはそれはそれほど悩む選択ではなかったように思える。

 より強くなりたいと望み、人間を滅ぼしたいと言っていたバーンにとっては、自分の力の限りに暴虐をふるって太陽を欲するのにためらいはなかったのだろうか。

 それとも口にはしなかっただけで、バーンの中にも葛藤はあったのだろうかと、ダイは考えずにはいられない。

 なぜなら、魔界にいる間、ダイはずっと迷い続けていたのだから。
 人間達の平和のためにならば、自分が魔界にとどまり続けるのが一番いいのだと分かってはいた。だが、それでも地上に戻りたいと願わない日はなかった。

 そんな折は、自分で自分が怖くなったものだ。
 もし。
 もしも、本当に望むのなら。

 ダイには、できるかもしれなかったから。ウェルザーの結界を壊すだけなら、ダイにはできた。もし、その結果、自由の身になったウェルザーのせいで魔界がメチャクチャになっても構わないと割り切り、地上にも戦いの余波が及んでも構わないと覚悟を固めたのなら、ダイはいつでも地上に戻ることができた。

 それはダイにとっては最低最悪の未来であり、だからこそ一時も忘れることの出来なかった誘惑だった。
 毒を含んだ誘惑は、いつでも甘くダイを誘った。

 その誘惑があまりにも強かったから、いつか自分もバーンのように地上を滅ぼすかも知れないと思って怯えた。魔界でただ一人、いつか静かに息絶える未来よりも、自分自身が正気を失って暴走するかも知れない未来の方がよほど恐ろしく、耐えがたいものだった。
 だが、もうそれを恐れる必要はない。

「そっか……おれ、地上に戻ってこられたんだ……」

 きちんと言葉に出して、ダイは呟く。――あたかも、自分自身に言い聞かせるように。

 実際、ダイはまだ、夢を見ているような気分だった。
 これまでと違ってあまりにも穏やかすぎる場所にいることが、どうにも落ち着かない。それに、独りぼっちでいるのもまた、不安の元だった。
 理屈で言えば、不安になる必要などないと分かっている。

 ポップが魔法力を使い切ってぶっ倒れた時だとか、体調を崩した時になど、一人でゆっくりと寝かせてあげるのが一番だとみんなが言っていたし、実際にポップが気兼ねなく休まめるように一人にしてあげているところを何度も見てきた。

 昨日、急に眠ってしまったダイを見て、そんな風に気遣ってくれたのだろうなとダイは考えたし、その心遣いがありがたいとも思っている。

 だが、分かっていてもなにやら寂しさがこみ上げてくるのが不思議だった。魔界ではずっと一人でも平気だったというのに、平和なはずの地上に戻ってきて、ちょっと一人にされたのが寂しいと思うなんてどうかしている。
 が、一度目が覚めてしまうと、とてもじっとしている気分ではなくなった。

(ポップやレオナは、どこなんだろ?)

 もう一度部屋の中を見返しても、やはり人はいない。
 だが、ヴェルザーの結界に閉じ込められていた時と違って、今のダイは自由だ。近くにいないのなら探しに行けばいいと、ダイは部屋から出ようとした――が、ちょうど扉を開こうと思ったタイミングで、勝手にその扉が開いた。

「え?」

 漏れた驚きの声は、どちらの物だったのか。
 扉の向こうにいたのは、長い栗毛の美しい姫――レオナだった。

「ダ、ダイ君!? もう、起きていたの?」

 驚いたように目を見張り、ダイに近寄ってきたレオナはすぐに心配そうな顔になる。

「っていうか、動いても大丈夫? 気分はどう? どこか痛いとか、具合の悪いところはない? いーい、隠し立てしないで正直に言ってよね!?」

 矢継ぎ早にぽんぽん投げかけられる質問が懐かしくて、嬉しかった。頭の回転が早く、気の強いレオナは口もいたって達者だった。言いにくいことでもずばずば言ってのけるその口調が、まるで小鳥の囀りのように耳に心地よかった。

(ああ……レオナ、変わってないや)

 胸の奥からこみ上げてくる気持ちでいっぱいになって、うまく言葉が思い出せない。だが、そんなダイの沈黙を、レオナはどうやら誤解したらしい。

「どうしたの、ダイ君? ……まさか、口が利けないとか!? それとも、耳? もしかして聞こえてないの!?」

 やけに真剣な表情で問い詰めてくるレオナに向かって、ダイはゆっくりと声をかける。

「お……はよう、レオナ」

 それは魔界にいる間も、ずっと忘れなかった地上の習慣だった。知り合いに朝会ったのなら、必ずかける挨拶。

 魔界では意味を持たなかった挨拶を口に出来ることが、ダイには嬉しかった。もっとも、ダイにとっては憧れだったその挨拶は、レオナにとっては不意をつくものだったようだ。

「え……?」

 戸惑ったようにきょとんと目を見張るレオナの目が、自分を見上げていることにダイはようやくのように気がついた。以前は見上げていた友達の変化に、ダイは魔界でポップと再会した時のことを思い出す。
 ポップも小さくなったなと思ったが、彼とほぼ同じ身長だったレオナもまた、小さくなっていたらしい。

「レオナ……、なんか小さくなったね」

 ダイにしてみれば、それは単に思ったことを口にしたに過ぎない。が、レオナはそれを聞いてぷくっと頬を膨らませる。

「ちょっと!? よりによってそれが、勇者と王女の久しぶりの挨拶なのっ!? もっと、何と言うかこう……っ、二年ぶりの再会に相応しい言葉ぐらいなかったの!?」

 いきなり怒り出したレオナは、心配してくれた時以上の口数だった。その勢いの良さにいささかたじろきつつも、それでもダイには嬉しさの方が強かった。

 心配そうなレオナよりも、顔を真っ赤にして怒るレオナの方がずっと生き生きとしていて、彼女らしく思える。変わってしまったようでいて、少しも変わらない彼女の姿が、とてつもなく懐かしくて、心強い。

 このまま、ずっとレオナに怒られ続けてもいいと心の底から思ったぐらいだが、ダイはその思いをぐっと堪える。
 怒っている顔さえも好きだが、ダイはレオナにはいつも笑っていて欲しいのだ。

「ごめん。挨拶とか、よく分かんないけど……でも、おれ、レオナに会えてうれしいよ、すっごく。だって、ずっと会いたかったもん」

 謝って、素直な気持ちをそのまま伝えると、レオナの大きな目が再び見開かれる。

「……もうっ、ダイ君ったら! ずるいわ、そんなこと言われたら、もう怒れないじゃない……っ」

 なぜか耳まで赤くなった彼女は、今度もまた頬を膨らませたが、そこに浮かぶ表情はずっと柔らかいものになっていた。

「それでダイ君、本当に気分は平気なの? お腹は空いていないかしら?」
「おなか……は、空いている。すっごく」

 意識した途端、お腹が切なげに訴えてくる。その音はレオナの耳にも届いたらしく、彼女はくすりと笑った。

「それじゃあ、すぐに食事を用意するわ。待っていてね、すぐに戻ってくるから」

 そう言ったかと思うと、レオナはすぐさま駆けだした。長い髪と、ひらひらしたスカートの裾が踊るように翻る。

「レ……」

 レオナがそんなことしなくても、自分で行けるから――そう言うつもりだったのだが、言う暇もない早業だった。と言うよりも、ダイの口が遅くなったと言うべきか。

 二年も魔界にいて、ろくすっぽ他人と話す機会もない日々のせいか、思ったことをきちんと言葉にして伝えると言う行為が、少し苦手になった気がする。そのせいで、聞きたかったことも聞きそびれてしまった。

(ポップがどこにいるのか、聞きそびれちゃったな……)

 魔王軍との戦いの時は、ダイとポップは同じ部屋で一緒に寝ることが多かった。ベッドの数が足りない時などは、それこそ同じベッドで一緒に眠ることもしょっちゅうだった。

 今日も、そんな風に目覚めることができたのなら、どんなに嬉しくて安心できたことだろう。

 だがまあ、部屋数に余裕がある場合や、睡眠をよくとった方がいいと言われた時などは、一人一室を与えられたことを思えば、別室で寝ていてもおかしくはない。

 それに、ポップはダイよりもずっと寝坊だ。まだ寝ているなら、無理に起こしたいとは思わない……というより、無理に起こすとポップはやたら不機嫌になったりごねたりするから、そうしたくない。

 後でゆっくり聞けばいいかと思いながら、ダイはふとサイドテーブルに目をやった。
 そこに置いてあるのは、しゃれたデザインの洗面器と水差しだった。覗いてみると、中には水がたっぷりと入っている。

 それを見た途端、喉の渇きを覚えたダイはごくごくと勢いよくその水を飲む。少しばかり変な味と妙に甘い匂いがするような気がしたが、ダイにとっては些細な問題だ。たとえ泥水であったとしても、気にしなかったに違いない。

 やはり、水は美味しい。
 魔界では味わえなかった甘露に、ダイは喉を鳴らしてグビグビと水を飲む。が、最後まで飲み終わる前に悲鳴じみた声が響き渡った。

「えっ、ダイ君っ、何を飲んでるのっ!?」

「ご、ごめん、これ、飲んじゃいけなかった?」

 慌ててダイは手を止めるが、水差しの中には水はほとんど残っていない。

「いけないって言うか、それ、飲むためのお水じゃなくって、顔を洗うために用意させてたお水なのよ? 香水だって落としてあったはずなのに……」

 ちょっと呆れた様にレオナは言うが、ダイにしてみれば顔を洗うために水を使うだなんて贅沢は、すっかりと忘れ果てていた。

「そうなの? でも、美味しかったよ」

「いえね、そーゆー問題じゃなくって……」

 などと、どこか疲れた様に頭を押さえるレオナの後ろから、アバンがひょっこりと顔を出す。

「ハハ、まあ、いいではありませんか。少しぐらいなら、別に問題はないでしょう。それより、ダイ君はお腹が空いているんでしょう?」

「先生っ!!」

 懐かしい師は、鍋だの皿だのパンだのをのせたワゴンを押していた。少し離れたところからでもはっきりと感じ取れるいい匂いに、切ないほどにお腹が鳴り響く。

「……っ」

 ごくっと生唾を飲み込んだダイは、無意識にそちらに動こうとしたが、アバンにやんわりと止められる。

「待っていて下さい、今、すぐに支度をしますから。そちらのテーブルで待っていて下さいね」

「え……、あ、うん……じゃなくて、はい」

 促されて、ダイは言われた通りにする。
 だが、地べたに直接座るのではなく、椅子に腰掛けることに違和感を覚えずにはいられない。座り心地は椅子の方がずっといいはずなのに、何とも落ち着かなくてもぞもぞしてしまう。

 それに、ダイを落ち着かせてくれないのは、至極いい匂いを漂わせている鍋の存在だった。

 大きめのその鍋は最初からいい匂いがしていたが、蓋を開けるとその匂いが爆発的に広まる。思わずその鍋に飛びかかりたい衝動を抑え、ダイは必死にテーブルにしがみつく。

 そんなダイの焦りを知っているのかいないのか、アバンの手付きは優雅だった。鍋をお玉で軽くくるくると?き混ぜ、やけに気取って手付きでそれをスープ皿へと注ぐ。

「さぁ、ダイ君、召し上がれ。ですが、ゆっくりと食べて下さいね」

 そう言いながらアバンがコトリと浅めのスープ皿を置いてくれるまでが、ダイにはひどく長い時間に感じられた。

 ダイの主観では、今ほど時間の流れを遅く感じたことはなかった。
 実際には、アバンが手際よく料理を用意してくれたので、さほどの時間はかかっていないだろう。

 が、お腹が空いて空いて、それこそ腹に穴が開いてしまいそうな程の空腹感の前には、給仕をしてくれるのを待つだけで一苦労だった。

 すでにテーブルに置かれる前から広がっていたいい匂いが、直接鼻腔をくすぐる。食欲を誘って止まないその匂いに、ダイは我慢できずに皿を直接持ち上げて一気にすする。

 途端に、熱さに舌を焼きかけたが、それ以上にようやく食べ物にありつけたという満足感の方が大きかった。

(美味しい……っ!)

 ゆっくりと食べろと言われた言葉など、その時には頭から吹き飛んでいた。
ガツガツと貪るように――いや、まさにスープを貪る。二年ぶりの食事が終わるまで、おそらく数分とかからなかっただろう。

 あっと言う間に食べ終わり、名残惜しい気持ちで皿をテーブルの上に戻した時、ようやくダイはそこにスプーンがあることに気がついた。

「あ……」

 食事を取る時には、スプーンやフォークなどの食器を使う――小さな頃からブラスに教えられた躾を今更のように思い出し、ダイはちょっぴり気まずさを感じてしまう。

 レオナやマァムなども食事の時にはダイの行儀をさりげなく注意し、こうしたらいいのよと教えてくれたことも思い出すと、ますます悪いことをしてしまったような気分になる。

 しかし、レオナは何も言わずに微笑んでいたし、アバンもダイを叱るでもなく笑って再び皿にたっぷりのスープを注いでくれた。

「グッドです、いい食べっぷりですね〜、料理人冥利に尽きるというものですよ。はい、お代わりをどうぞ」

 再び目の前に現れた食事にかぶりつきたい衝動に駆られたが、今度はさっきほどの空腹感はない。だからこそダイはスプーンを手に取り、ぎこちなく挨拶した。

「……うんっ。ありが、とう、先生。えっと……、いただきます」

 久々に手にした食事のための道具は、錆び付いた剣ばかりを持ち続けていたダイの手には、あまりにも軽く感じられる。だが、人間のマナーに則って、スプーンですくって飲んだスープは、さっき以上に美味しく感じられた――。                                                                             《続く》  


 

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