『仮題 新説クリスマス物語…トナカイの秘密!』 |
パプニカ城内は明日の聖誕祭に向けての準備に大わらわ。勿論、我らが脳味噌筋肉隊も肉体労働に駆り出されとります。流石の脳味噌筋肉隊も『なんで俺たちが?』とは思っても口に出しては突っ込みません。 『何故?』とも誰も問いただしません。だって突っ込んだ暁には我らが姫様から怒濤の口撃が待ってるから。皆の脳裏はある文章を共有しています。 だってコレ…お約束な行動だし? 人間、妙に達観しちゃう事ってありますよね? 「しっかし、人間っつーのは事あるごとに祭、祭なんだなー。なんなんだよ、クリスマスって」
そのヒムの独り言に几帳面にも相槌打ったのは、仏頂面でローストビーフと格闘する陸戦騎ラーハルト。どうやらローストビーフは敬愛するダイ様の今夜のメインディッシュらしい。いつもの5割増で真剣です。
「何だ、知らんのか?哺乳綱偶蹄目シカ科トナカイ属に分類されるシカで主にマルノーラ大陸北部地帯に生息し群れを形成し、季節によって大規模な移動を行う。草食性の強い雑食性で夏は草や葉、レミング等の小動物を食べ、冬は角や蹄で雪を掻き分けて下に生えた地衣類等を食べる。繁殖形態は胎生で、年に1回、1匹の幼体を出産する。」 「無駄に詳しいのな、お前…。でも俺が聞きたいのは…」 「で。かつて大賢者と謳われたサンタクロースはトナカイの角はその形状から揚力を得られ、なおかつ跳躍力が極めて強いという点に着目し、失われた進化の秘宝を用いてトナカイに飛行能力を付随しマルノーラ大陸からホルキア大陸までの長距離飛行を成功させた。クリスマスとはその偉大なる功績を称える祭だ。」 何処までも真面目に答えるラーハルトに、なるほど…と素直に納得するヒムに対して 『や、それ…まるっきり嘘八百だから!』 と、突っ込める強心臓の持ち主は現在、姫様に拉致られベンガーナデパートにて荷物番兼馬車代わり。残念ながらこの場にはいなかった…。
「ヒ…ヒム、お主…」
「テンメェーーーッッ!よくも騙しゃがったな、コン畜生ッ!!」
「テメェ喧嘩売ってんのか?」 「安心しろ…今なら90%offだ」 「「「「安ッ!てか、やっす!!」」」」 「よし!買った!」 「「「「しかも買ったしッッ!!!!」」」」 そんなこんなで始まった喧嘩と言う名の暴風雨やに、ゲンナリとした表情を浮かべるはパプニカ王女レオナと、彼女の買い物から開放され帰城したばかりのポップその人だったりする。
ちゅどーん!しばばーん!という激しい破壊音の中…ポップの魂のシャウトが木霊した。合掌。 じゃじゃ丸様より頂いた、素敵(笑)クリスマス話ですっvv わあいっ、拍手コメントでちらっと聞いただけでも笑えたトナカイ話が、まさかこんなに大笑いな生き生き展開のお話に化けるとはっ。ああ、こんな思いがけない素敵プレゼントに恵まれるとは、つくづくサイトをやりはじめてよかったっ♪
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