『師弟関係の2人に20の質問』 |
ポップ「あ、どーもどーも、よろしく!」 マトリフ「ふん、まあ、よろしくな」 [01] お名前をひとりずつお願いします。
マトリフ「マトリフだ。まあ、人はオレを大魔道士と呼ぶな」 ポップ「あー、ずるいや、師匠、一人だけ格好つけて! それならオレだって、二代目大魔道士だぜ!」 マトリフ「おめえは『自称』だろうが!!」 [02] どちらが師匠ですか? また、年齢差はどのくらいですか? マトリフ「当然、オレが師匠だな」 ポップ「年齢はオレが17で、師匠がこの前100になったから、83才差だよな。って、よく考えるとすげー差があるよなぁ」 マトリフ「フン、年長者も敬えないヒヨッコが生意気ぬかしてんじゃねえ」 [03] お2人はどのような師弟関係なのでしょうか? ポップ「どのようなって言っても、師匠って超スパルタか、超放任のどっちかだよ。修行する時は命がけか、自習かのどっちかなんだぜ〜」 マトリフ「そんなのプラスマイナスで計算すりゃ、トントンだろうが。つーことで、普通だな、普通」 ポップ「冗談じゃねえよ、こんなぶっ飛んだ普通なんてあるもんかっ!!」 [04] お互いを何と呼んでいますか? ポップ「師匠って呼んでいるぜ」 マトリフ「まあ、大抵は名前だな」 ポップ「大抵はって、クソガキとかヒヨッコとか呼んだりするじゃないかよ」 マトリフ「何言ってやがる、てめえだって人をクソじじい呼ばわりしているじゃねえか。おあいこってもんだ」 [05] お2人は出会ってからどのくらい経ちますか? ポップ「えーと、もうすぐ3年ってとこかな」 マトリフ「そんなものだったか? ……月日が立つのは早いもんだな」 [06] 初めて会った時の、お互いの印象をお聞かせください。 ポップ「おっかねえじじい」 マトリフ「どうしようもない甘ったれのクソガキ」 [07] お師匠さんは何故、お弟子さんを取ることにしたのですか? マトリフ「どうもこうも、このバカがあんまり頼りなくって抜け目だらけなんでな、見てられなくて仕込んでやることにしただけの話だよ」 ポップ「ひでえな〜、師匠。そこまで言うことないだろ?」 マトリフ「何を言ってやがる、まだまだ言い足りねえぐらいだ」 [08] お弟子さんは何故、このお師匠さんを選ばれたのですか? ポップ「いや、選んでねえよっ!! 選ぶも何も、いきなり問答無用で鍛えてやるって無理矢理修行させられたんだよ!!」 マトリフ「だが、それでも逃げなかったんだから、てめえで選んだ道だろうが」 ポップ「いや、あの状況じゃ逃げられるわけないじゃん! それに師匠、どうせ逃がしてくれる気なんかなかったくせに」 マトリフ(ニヤリと笑って)「ほぉ〜お? よく分かっているじゃねえか」 [09] お2人の仲はよい方だと思いますか? また、ケンカはなさいますか? ポップ「…………ケンカはともかくとして、仲がいいっていうのとは違うんじゃねえかと思う」 マトリフ「さすがにこの年で仲良しだのケンカだなんてのは、こっぱずかしいぜ。まあ、良くも悪くも遠慮はねえ仲だとは言えるがな」 [10] 何か出会い始めの思い出を聞かせてください。 ポップ「忘れもしねえぜ! いきなり人を捕まえて、怪物を嗾けて無理矢理追っかけ回すわ、その後に人を縛り上げた上に重しをつけて滝壺に沈めてくれるわ! あの時は死ぬかと思ったぜ、マジで!」 マトリフ「大袈裟な奴だ、あの程度で」 ポップ「あの程度!? どう見たって誘拐の上に暴行、緊縛と犯罪すれすれだろ、あれはっ!!」 [11] 以前と変わったな、と思うところはそれぞれありますか? ポップ「年を取って丸くなった……とは、ぜーんぜん思えねえんだけどなぁ」 マトリフ「はん、おまえのように全然成長してねえ奴に言われる筋合いはねえな」 [12] お師匠さん、お弟子さんのよいところを述べてください。 マトリフ(ジト目で)「よいところだぁ?」 ポップ「ふん、どうせおれなんかヒヨッコでまだまだだって言う気なんだろ!?」 マトリフ「分かってるじゃねえか、その通りだぜ」 などと、憎まれ口を叩いていたマトリフ師でしたが、後でこっそりとオフレコでこの質問に答えてくれました。 マトリフ「オレも長く生きた方だが、あいつほど才能に恵まれた魔法使いはお目にかかったことはねえな。天性のセンスに加え、天井知らずの成長度を持っている……たった一度、術を見せただけで身につけちまうんだから化け物もいいところだな。 [13] ではお弟子さん、お師匠さんの尊敬できる点を述べてください。 ポップ「そりゃ、もう本選びの趣味に限るね!」 マトリフ「ほお、おまえがオレの本をそこまで気に入っていたとは初耳だな。パプニカ城の図書室の方が品揃えがいいだろうに」 ポップ「またまた〜、パプニカ城の図書室には師匠のベッド下にあるみたいな蔵書コレクションなんかないに決まってるっつーの。いや〜、ごちそうさまでした、特に巨乳特集号はマジ、すごかったっす。 マトリフ「おめえはどこを尊敬してやがるんだ!?」 [14] お2人のお住まいは一緒ですか? 一緒の場合、それぞれの家事の分担を教えてください。 ポップ「いや、一緒に住んだことってないから。 マトリフ「別にいらねえって言ってるのに、こいつ、変なところだけお節介で困るぜ。その辺は、アバン譲りか?」 [15] 何か日課になっていることはありますか? マトリフ「瞑想。ここ60年以上は欠かさねえな」 ポップ「げっ、60年!? それを毎日〜っ!?」 マトリフ「何をビビってやがる、いやしくも魔法使いならそれぐらい当然ってもんだろ。で、おめえはちゃんとやってやがるのか?」 ポップ(焦って)「え、えっとっ、いや、その、ここんとこ、色々と忙しくって……っ」 マトリフ「やれやれ、基本がなっちゃいねえな。こりゃ、久々に鍛え直す必要がありそうだ」 ポップ「ひぇ〜ッ、勘弁してくれよーっ」 [16] 相手のここが許せない! ポップ「許せないってか、師匠、厳しすぎるんだよな〜。おかげで修行はいっつも命がけになってるし」 マトリフ「ほう、ヒヨッコの分際でオレの教育方針にケチをつけるとはいい度胸だな」 ポップ(拗ねた口調で)「だって、どーせおれが言っても言わなくても、師匠は文句ばっかり言う気なんだろ? やれ修行が足りないだの、考えが甘いだの、ヒヨッコだとかさ」 マトリフ「いやいや、そんなこたぁわざわざ言いやしないさ。許せないってほどでもねえし、第一、そんな文句ならいつでも言える。 それまで、どこかふざけたような印象だったマトリフ師は、この時、初めて大魔道士の名に相応しい真面目な表情を見せました。 マトリフ「いいか。オレより先に死ぬんじゃねえぞ」 ポップ「……!!」 マトリフ「どんな事情だろうが関係ねえし、例外は認めねえ。絶対に早死にするな――いいな」 ポップ「…………師匠…………」 ――と、ここで終わっていれば感動的だったのですが……。 マトリフ(すました顔で)「で、オレより長生きするこったな」 ポップ「げっ!?」 マトリフ「なんだ、その面は」 ポップ「だって、師匠より長生きって言うんなら101才以上じゃないかっ!? それ、いくらなんでも無理……っ」 マトリフ「若いくせに何を情けないことを言ってやがる、そこは気合いで生き延びやがれ!」 [17] ここだけの話、相手の弱味や秘密を握っていたりしますか? ポップ「ちぇっ、そんなのがあるんなら今すぐにでも聞きたいよ!」 マトリフ(ニヤニヤしつつ)「まあ、こっちは色々とあるけどな」 ポップ「えっ!? (ギクッとして)そ、そんなの、ハッタリだろ!?」 マトリフ「そう思うのはおまえの勝手さ。 ポップ「う、うわーっ、うわっわーっ、やめてくれよーっ!?」 [18] 師弟関係が逆になることはありますか? マトリフ(鼻で笑って)「はぁ? あり得ねえな」 ポップ「無理、絶対」 [19] この師匠でよかった、この弟子をとってよかったと思うことをそれぞれ教えてください。 ポップ「まあ、なんだかんだ言って師匠のおかげで強くなれたのは確かだよ。もし、師匠に魔法を習っていなかったら、おれはあの戦いでダイ達について行けなかったと思う。 マトリフ「お? おまえがそんな風に素直に言うなんて、気持ち悪いな。へへ、こりゃあ明日は雨か? いや、大嵐になるかもな?」 ポップ「あーっ、なんだよ、せっかく人がたまには真面目に言ってるのに!」 マトリフ「まあ、そうむくれるなって。 [20] 最後に、お2人でメッセージを交わしてください。 ポップ「え−? じゃあ……師匠、あのよ、せいぜい身体に気をつけて長生きしてくれよ?」 マトリフ「ほう……(ニヤリと笑って) ああ、いいぜ? さっきも言ったが、おめえがそれ以上に長生きするってんならな」 [−−] お疲れ様でした。 ポップ「お疲れ〜っ」 マトリフ「やれやれ、やっと終わったか。さて、帰るとするか」 ポップ「あ、おれも一緒に行くよ。ここんとこ全然行ってなかったから、部屋も散らかってるだろうし、保存食も尽きてるとこだろうし」 マトリフ「あー、いらんいらん、余計な世話なんざ。通い妻か、てめえは」 ポップ「なんだよ、その言い草は!?」 などと、最後まで賑やかに揉めながら彼らはインタビューを終えました♪ |