『少年魔術師インディ君・おまけ話 ぱーと2』

 

 さて、インディ君の二作目に当たる『禁断の魔力』では、イラストレーターが変更されている。

 このイラストレーターは三作目でも引き続き担当していた方で、筆者はインディシリーズおよびファミコン版の宣伝イラストも含めて、この方のイラストが一番気に入っていて、特に気に入っているのが裏表紙のインディとミュアのカットだ。

 自己流に書いたインディも、密かにこのイラストを参考にしている。……画力が無くて、たいして似てはいないのだが(笑)

 ところで目次でも書いてあるが、一作目に比べると二作目の方がさらに捏造度が増している。
 一番、原作との違いが大きい部分は、実はミュアの描写だ。
 インディの名脇役であり頼りになる相棒であるミュアだが、実は二作目はシリーズの中で一番、ミュアの活躍が目立たない話だったりする。

 しかも、ミュアは一貫してセミヤザに対して反発的だが、彼の正体を見抜いているからこそそう主張していると言うよりは、最初に邪険に扱われたのを根に持っているだけのように見えて、全然賢そうに見えない。

 前回の命を投げ出してまでインディを助ける的な見せ場もないし、選択肢によっては本当に、魔女っ子の側にただいるだけのマスコットキャラのように印象が薄いまま終わってしまうのが、個人的に大いに不満だった!
 ミュアファンとしては、ミュアには思い切り活躍して欲しい!!

 ……と、その思いが強かったせいで、ミュアは最初からセミヤザの怪しさに薄々気がついている設定に変更し、頭脳面ではインディを押しのけて活躍してもらうことになってしまった(笑)

 本来、原作ではちゃんとインディ自身が考えているシーンだったのに、ミュアばかりを持ち上げているのである。……つくづくごめん、インディ君。魔術師なのに、超絶頭の悪い肉体派にしてしまったりして(笑)

 もう一つの大幅捏造が、ウスバカゲロウ。
 軽い性格は原作通りとはいえ、彼が短い命だという設定やインディへ頼み事をするシーン、最後には命がけの体当たりをかける辺りは筆者の捏造。

 原作ではただインディを運搬するだけで、いつの間にかどこかへ行ってしまって終わりなのがつまらなくて、魔法生物達には共通して自分の立場を不満に思う意思を持たせることにしたのだ。

 インディもそれに応じて、魔法生物達を助けようとするシーンを付け加えている。

 後、捏造とは言えないのだが、ストーリー上選ばなかった分岐点の話を。
 知恵の実か、知恵の書を選ぶシーンで、物語の見せ場的な意味では知恵の実の方がいいと思ったのでそちらを選択したが、筆者自身は原作の袋とじ部分についていた知恵の書を選択した。
 まあ、すぐに後悔しましたけどね!(笑)

 少々勿体ぶった節回しで、わかりにくい予言をランダムに並べてある。当時はヒントにもなんにもならないと嘆いたものだが、文章として読むとなかなか面白いので、おまけとしていくつか載せておく。
 知恵の実のヒントと比べてみると、興味深い。

『旅人語る。
 砂の中に潜みしもの 蜃気楼の秘密知る。
 蜜を与えよ 蜜なくば遠ざかれ』

『使者ささやく。
 悪しき霊は炎で浄めよ。
 魔力の剣なくば』

『魔女笑う。
 なんじが右手にいつわりあり』

『楽師嘆く。
 わが奏でし竪琴にて眠るはだれぞ』

『精霊ざわめく。
 天空に墓あり 大いなる秘密隠されたり。
 されど、なんじをはばまんとするものあり』


 

 

 
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