『ダイとレオナ姫』(2020.10.10)
 

 

《粗筋》

 島にやってきたパプニカの司教・テムジンと賢者バロンは、14才になるパプニカ王女レオナがデルムリン島で地の神の恵みを受けるための儀式を受けに来たことを説明する。

 王家に伝わる試練として王位継承者のレオナがやらねばならぬ儀式……だが、50年間行われていなかった上に、デルムリン島が怪物が多いことを鑑み、ダイに道案内を頼みたいのだという。

 ロモス王より未来の勇者と認められたダイが、この島の怪物達と意思疎通が出来るのを見込んでの依頼だ。

 しかし、ダイはずけずけと思ったことを言ってのけるレオナに反発を感じ、あまり気が進まない様子。だが、ブラスのやれと言われ、しぶしぶ道案内を務める。

 行く手を塞ぐ巨大なキャタピラに兵士達は緊張するが、ダイにとってはただの友達であり、あっさりと道を譲らせることができる。
 そんなダイに興味を抱いたのか、レオナはダイに魔法やその他の特技はないのかと尋ねてくる。

 だが、ダイはブラスに魔法使いになるように半ば無理矢理教育され、さまざまな魔法の儀式を受けたにも拘わらず、魔法は一切使えない。しょんぼりとするダイに、レオナは持っていたナイフを差し出す。

 王家に伝わるパプニカのナイフを惜しげも無くプレゼントし、魔法が使えないなら剣ぐらい使えるようにならなくちゃとハッパをかけるレオナの遠慮のなさが、ダイとレオナの仲を取り持ったらしい。打ち解け、笑い合う二人だったが、目立たない場所で『デルパ』の呪文が唱えられた。

 突如、出現した魔のサソリに兵士達は大混乱に陥る。デルムリン島にいなかったはずの魔のサソリは、暴れ回って兵士達を跳ね飛ばす。レオナは果敢にも魔法で応戦するが、魔のサソリの攻撃を受け、倒れてしまう。

 ダイは単身、魔のサソリと戦う。もらったばかりのパプニカのナイフで、サソリの弱点である心臓を攻撃し、見事に仕留めるダイ。
 しかし、腕に怪我を負ったレオナは毒に冒されてしまう。毒消し草でも消すことのできない毒に慌て、解毒呪文を使えるブラスに助けを求めようと、ゴメちゃんを使いに出す。
 そんなダイの前に、バロンが現れた。

 これでレオナを助けられるとホッとするダイだが、どこか不敵な笑みを浮かべるバロンの手には魔法の筒が握られていた。
 島にいないはずの魔のサソリを持ち込んだのは、彼だったのだ。

 レオナには死んでもらわなければ困ると、バロンはダイとレオナを儀式が行われるはずの大穴に落としてしまう。
 深い地下洞窟に落とされたダイは、毒が回りつつあるレオナを抱えて必死に地上への脱出を図ろうとするが、どうしても出ることが出来ない。

 そんな中、瀕死のレオナが一次的に意識を回復する。
 ダイから状況を聞き、自分が危機的状態に陥ったことを知りながらも、レオナは一言もダイを責めなかった。むしろ、自分の力のなさを嘆くダイを励ます言葉をかけ、レオナは力尽きたように意識を失ってしまう。

 レオナを死なせたくない――ダイが強くそう思った瞬間、彼の額に謎の紋章が現れ、それと同時に凄まじい闘気があふれ出し、洞窟を吹き飛ばした。
 
 その頃、ブラスはゴメちゃんから事情を知り、レオナを助けるために動き出そうとする。だが、本性を露わにしたテムジンから、彼らがレオナ暗殺を企んでいたことを知る。

 邪魔者は消せとばかりに、キラーマシーンを持ち出して戦わせるテムジン。
 対勇者用の兵器として作られたキラーマシーンは、魔王亡き後動かないはずだったが、バロンが内部に入り込み、彼自身を動力として動かしていた。
 
 瀕死のレオナを連れて戻ってきたダイはブラスに助けを求めるが、テムジンはレオナを毒で死なせるため、ブラスを殺そうと指示を出す始末。
 ブラスやレオナを庇うため、ダイはキラーマシーンと一対一で戦う。これまで使えなかった中級真空魔法(バギクロス)を織り交ぜながら、固い装甲を破るために同じ箇所を集中攻撃し、割れた隙をついて閃熱魔法(ベギラマ)を流し込む。

 機械の装甲自体は魔法は効果が無くとも、内部にいるバロンを直撃し、キラーマシーンは動きを止めた。
 だが、それでもまだ諦めないテムジンは、何も知らない兵士達を言いくるめてダイ達に罪をなすりつけようとする。

 が――、ブラスにより解毒されたレオナが、テムジンの悪事を糾弾したことにより、一件落着。
 レオナは衣装を整え、地の底に繋がる大穴で地の神に祈りを捧げ、松明を捧げる儀式を執り行う。

 神聖さすら感じさせるその姿を見て、ダイはレオナがお姫様なのだとあらためて思い知る。
 そのせいか、ダイはレオナが別れの挨拶をする際、これまでのざっくばらんだった態度を正し、レオナを姫と呼びかける。

 が、そんな礼儀正しい態度は、レオナの望むところでは無かった。
 そんなよそよそしい話し方はするなと怒り、これまで通りレオナと呼んでと言う彼女に対して、ダイの態度も元通りになる。
 二人は、互いに友達と認め合って、別れを告げることになる。

 レオナが去った後、ダイは魔法を使おうとするが、さっぱりと使えない。あの活躍は見間違いだったのかと、ぼやくブラス。

 場所は変わって、とある港町。
 その町は、突然、怪物達に襲われていた。海上の船から、その光景を見ている魔法使いの少年、ポップ。彼は連れの『先生』に、戻って助けた方がいいのではないかと聞いている。

 だが、先生は戻るよりもやるべきことがあると答える。あのぐらいの怪物なら、兵士達で対処出来るから、先に進もう、と――。 


 

《感想》

 今回、一番に原作との差が際立って見えたのが、なんと言ってもレオナの台詞追加♪

 『言いたいことを言った方がいい』とダイに対してそう言ったように、罪を犯したテムジンに対しても言い放ったシーンがめっちゃ好きです♪
 原作ではレオナは毒から回復してからのシーンは、思いっきり略されていただけに、罪人をきっちりと裁くレオナに惚れ惚れ♪

 また、この台詞は後にポップに対しても言う台詞に繋がっているので、彼女の性格の基本をしっかりと表現している感じがして大好きです。

 そして、原作では仲間割れを起こしたテムジンとバロン、アニメでは特に問題も起こさないままだったなーというのが、微妙な差。ちょっとだけ、チームワークが芽生えている?
 まあ、彼らが仲間割れしようとしまいと、戦いの流れには大差は無いのでどうでも良いと言えばどうでも良い差なのですが(笑)

 むしろ、ダイに負けた後のテムジンが何も知らない兵士達を言いくるめてごまかそうと悪あがきするシーンに、驚きました。原作では利用したつもりのバロンにあっさりとやられた間抜けな悪党というイメージだったのに、なかなかしぶとい悪党にイメージチェンジです(←大差ないけど)

 しかし、今回、バロンが思っていた以上に顔芸というか狂気っぷりを披露していたのが、見ていて楽しかったですねー。原作でも欲望に駆られて暴走した感はありましたが、気取った悪党というイメージだった原作バロンに比べて、アニメで表情をオーバーにつけて表現するとやっぱり分かりやすいし、悪人感が増しますね。

 また、怪物達の活躍が減っているなと言うのも微妙な変更点の一つ。
 原作では、ダイは魔のサソリ戦ではパピラスの助けを借りて、上から攻撃しているのですが、アニメでは一人で頑張っていましたし、後半のキラーマシーン戦の時も怪物達がダイを庇うシーンがあったのに、なくなっていましたし。

 リメイクアニメでは基本的に運動能力が上がって、自分一人で行動できる子になっている感じですね。

 リメイク版では、戦闘での動きが格段によくなっていますし! ゴメちゃんが飛ぶシーンでさえ、メリハリがあっていいです〜っ。
 魔のサソリの嫌らしくも素早い動きに、ビックリです。虫特有のカサカサ感すら漂う動き方……っ、無駄毛(笑)すら再現した怪物の動きがワクワクものでしたとも。

 島の怪物達も可愛い系の新しめの怪物が増えていましたが、怪物達によって動きに差をつけてくれるかなと、楽しみでなりません。雑魚敵達にも、期待しちゃいます!

 後、嬉しかったのがレオナの地の神へ祈る儀式をきちんと見られたこと!
 しかし、『パプニカ王女にして、巫女のレオナが祈る』という祈りの言葉に、パプニカ王国が本気で神官系の王族なんだと実感しましたよ!

 個人的には、どちらかと言えば竜の神の信仰の深いテラン王家の方が神官っぽいかと思っていたんですが。巫女が力を持つお国柄なら、王女のレオナが国を治めるのも不自然では無い気もしますね。

 ……やべー、個人的捏造二次創作では、これまでずっとパプニカ王国を男子相続基本の魔法王国として考えていましたよっ(笑) アニメはこの上なく嬉しい起爆剤ですが、この先、アニメで設定の読み違いが次々発見されそうな悪寒が……ま、まあ、いまさらですねっ。

 それはさておき、レオナの堂々とした儀式での姿を見て、彼女が特別な存在であると悟り、距離を感じてしまうダイが実に可愛いです! 礼儀知らずで屈託のない野生児ではありますが、ダイの繊細な一面が感じられていいですねー。

 ついでに言うなら、魔法に失敗してしょぼんと頭を下げているダイが、『ごめん、じいちゃん』って無言で言っているみたいなのも、また可愛いです!

 そして、ついに待ちに待っていたポップの登場!
 CMなどで声はすでに聞けていましたが、実際に物語の中に登場してくるとやっぱりテンションが上がりますね、しかも思っていたよりもずっと早い!

 アバン先生とポップの乗っていた船が、原作よりも一回り大きいような気がしますが、小舟でえっちらおっちら行くよりも妥当な気がします。
 だいたい、これまでのデルムリン島でも、島に行く船はちゃんと沖で停泊し、小舟を出して島に行くという基本をきちんと守っていましたしね。

 港がなければ、大型船が浜辺に行くことはできないという常識を、原作はきっちり守っているんですが、アニメでもそれがきちんと受け継がれているのが嬉しいです!

 そんでもって、ポップとアバン先生のやり取りもいいですねー。非常時なのにどこか軽い感じで、アバン先生に頼り切っている感じのポップに、非常時にも落ち着いた態度で、冷静に行動できるアバン先生。
 でも、冷酷な判断、という感じがしないのがさすがです。

 兵士達を信じ、自分は自分の出来ることをやろうとするアバン先生の信念と、持ち前の緊張感のなさがどことなく感じられたシーンでした。

 次回予告を見ながら、ワクワクがストップ高でしたが、今回、ふと気がつきました。

 ダイ大の予告画面……画像がエジプト壁画っぽい!(笑)
 先週は興奮して気がつかなかったですが、い、いつからダイ大世界の古代図がエジプト形式に……っ!?
 いやぁ、長年ファンをやってきたつもりでしたが、新発見続出です(笑)

 

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