『極大消滅呪文メドローア』(2021.8.28)
 

《粗筋》

 パプニカ城では、エイミがヒュンケルの治療に当たっていた。
 ダイとヒュンケルだけがいる病室で、エイミはヒュンケルの包帯を変えながら話しかけていた。

エイミ「大分良くなりましたね」

ヒュンケル「ああ」

エイミ「何か欲しいものはありませんか?」
 
ヒュンケル「いや……」

エイミ「果物でも持ってきます」

ダイ「あ、ありがとうございます」

 汚れた包帯を手に、エイミは笑顔を残して部屋を去った。
 看護人がいなくなって、少し気が抜けたように寝転がるダイ。と、そこに軽い挨拶と共にポップが入ってきた。ポップに続いて、レオナも入室する。

ポップ「よ! 王様達の会議が終わったぜ。決戦は5日後だ」

 それを聞いて、ダイは痛みを堪えてベッドの上に起き上がる。背を向けたままのヒュンケルも、立ち上がった。

ヒュンケル「ようやく腹をくくったか」

レオナ「各国の共同作戦だから、まとめるのに時間がかかったの。集合場所は、死の大地の南に位置するカール王国」

ヒュンケル「カール王国は廃墟だぞ」

レオナ「その廃墟を隠れ蓑にして、基地を作るの」

ポップ「おれ達パプニカ組は、前日に出発だだからそれまでの4日間、おれは師匠のところへ行ってくる!」

ダイ「……!」

ポップ「おれだけじゃない。マァムもクロコダインのおっさんも、チウも、それぞれ特訓をしてくる。おめえらはしっかり治療を受けとけよ」

 そう言って、ポップは軽く手を上げてさっさと立ち去った。レオナもまた、それに続く。

レオナ「あたしも準備に取りかからないと」

 険しい表情でそれを見送るダイに、ヒュンケルが声をかける。

ヒュンケル「ダイ」

ダイ「ん……」

ヒュンケル「回復したか?」

ダイ「してる」

ヒュンケル「オレとおまえで、行くところがある」

ダイ「うん……!」

 真剣なヒュンケルに対し、ダイもまた、真顔で頷いた――。






 アポロとマリンは、果物籠を抱えて城の廊下を走るエイミを見かける。
 弾むような足取りでダイ達の病室に戻ったエイミは、無人の部屋を見て驚く。
 沈んだ表情を見せるエイミは、無意識のようにヒュンケルはどこに行ったのかと呟いた。

 それに答えたのは、アポロだった。
 マリンと連れだって部屋に入ってきたアポロは、決戦の日が決まり、アバンの使徒達はみんな飛び出していったと告げる。
 それを知り、憂い顔でヒュンケルの身を案じるエイミ。

 まだ、傷が完治していないのに戦おうとするヒュンケルを、戦いに呪われているみたいだとエイミは嘆く。
 そんな彼女の肩に手を置き、アポロは彼らにしか世界を救うことが出来ないからだ、と諭す。

 彼らのために自分達も全力で支援しようと言うアポロの言葉に、エイミも落ち着きを取り戻す。

マリン「ヒュンケルのためにも、ね」

エイミ「姉さんっ!?」

 意味ありげな笑顔でエイミの肩を叩くマリンに、エイミは照れたように焦りまくる。それを微笑ましそうに見て、笑うアポロとマリン。
 三賢者は、つかの間とは言え和やかな時を過ごしていた。





 一方、ヒビの入ったヒュンケルの魔槍とダイの剣が、ロン・ベルクの小屋に並べられていた。
 不機嫌そうにそれを見たロン・ベルクは、自分の武具はこの程度の傷なら自動修復するが、急ぎなら直してやってもいいと発言する。

 ロン・ベルクの不機嫌さを気にしたダイは、ヒュンケルにそう囁くが、彼の返答はおまえのせいじゃないのか、というものだった。
 叱りつけるように、ロン・ベルクは彼らに特訓をすると言い出した。特に、同じオリハルコンの剣に負けた奴には焼きを入れると宣言する辺り、ダイへの怒りは強そうだ。

 やっぱり自分のせいみたいとぼやくダイに、ヒュンケルはフッと笑みを漏らす。

 剣を腰につけたロン・ベルクは、外に出ろとダイ達に命じる。
 彼が自ら剣を使えると思っていなかったダイとヒュンケルは、驚きを隠せない。

 自分の打った剣に絶対の自信を持つロン・ベルクは、後は持ち主であるダイが強くなる以外にレベルアップの方法はないと断言する。
 その宣言を聞いて、ダイは真剣な目になった。






 ロン・ベルクの小屋の外で、激しい剣戟が響く。
 パプニカのナイフで戦うダイは防戦一方で、ついには力負けして後ろへと大きく転んでしまう。
 ダイの背後では、肩で息をするヒュンケルが槍にすがってやっと立っている有様だった。

 ダイもヒュンケルも荒い息をついているのに、一人で二人を相手にしているロン・ベルクは涼しい顔のまま。
 ダイもヒュンケルも、桁外れのロン・ベルクの強さに驚くばかりだ。

 勇者以上の力を見せつけたロン・ベルクは、ダイ達の実力不足を指摘し、武器を使いこなせない彼らに実戦形式で使い方を教えてやると宣言した。






 同じ頃、バルジ島を望む海岸で、クロコダインがチウに海に大きく広がる渦を見せていた。
 先端が固まって鉄球のように見える鎖の束を持ったクロコダインは、チウに頼む。

クロコダイン「あれがバルジの大渦だ。悪いが、チウ。しばし、オレの特訓に付き合ってくれ」

チウ「もちろんです! 喜んで!」
 
 クロコダインの頼みを、チウは自身の胸を叩いて快諾するのだった。





 その頃、マァムは崖の上から滝壺を眺めていた。小さな袋を背負ったマァムは、周囲の様子を確かめ、一人、頷いた。

マァム「よしっ」






 そして、ポップはマトリフの洞窟を訪れていた。
 ポップから話を聞いたマトリフは、オリハルコンの戦士についての危険度を説明する。

 その強さよりも、精神状態の方が怖い、とマトリフは説く。
 禁呪法で生み出された分身は、術者の精神がそのまま反映される。権威に拘るハドラーの生み出したフレイザードが、栄光に執着するクズだったように。

 親衛隊が正々堂々と戦うタイプだとしたら、ハドラーが武人として一皮むけた証拠だとマトリフは指摘する。

ポップ「……精神的にも強くなったハドラーが生み出した親衛隊は、みんなフレイザード以上ってことか」

 しかも、敵はチームワークを使ってくるだろうとマトリフは予想する。
 一瞬、目を泳がせた後、ポップは真顔になってマトリフに教えを求める。ヒムがマホプラウスを弾き返したことから、普通の火炎では通用しないと承知しているポップは、必死だった。
 それに対し、マトリフは何処までも落ち着き払っている。

マトリフ「オリハルコンの身体だからなぁ……」

 しばし瞑目した後、マトリフはポップに表に出るように言い、起き上がる。それを押さえ込もうとするポップだが、マトリフは要らぬ心配だと突っぱねた。






 洞窟の外、海岸である程度距離を取って正対するポップとマトリフ。
 マトリフは突然、フレイザードについて話し出す。戸惑いながらも、それを大人しく聞くポップ。

 マトリフは語る。
 フレイザードは炎と氷の二刀流の使い手でありなかなか手強かったが、誕生したてでレベルが低くて良かった、と。

 もし、彼が炎と氷の魔法を同時に使えたら、まず勝てなかっただろうと言いながら、マトリフは手本を見せるように両手からヒャドとメラの魔法を放ってみせる。

 驚きに目を見張るポップに、マトリフはこれができるかと問いかける。
 自分で自分の両手を見つめながら、ポップはやったことがないから分からないと返事をした。

 マトリフは自信たっぷりに、この呪文ならば、手がオリハルコンでも必ず勝てると言い切った。
 極大呪文――マトリフさえ、恐ろしくて一生に数度しか使わなかったという。

 横暴なマトリフが使うのをためらう程の呪文と聞き、思いっきりビビるポップ。
 そんな彼の怯えに気づいているのかいないのか、マトリフは、メラ系呪文とヒャド系呪文は同一のものだと説明する。

 温度がプラスとマイナスかという差があるだけで、温度を操るという意味では同じ……このプラスとマイナスの力を同時にスパークさせた時、全ての物質を消滅させる最強の力となる。

 極大消滅呪文・メドローア――その名を、息を飲んで聞くポップ。
 使いこなすのは難しいが、決まれば敵を消滅させてしまう強力な呪文……それを、おれに教えてくれるのかと真剣な表情で受け止めるポップ。

 教えてやると言うマトリフに、嬉しそうな顔を見せるポップ。
 しかも、修行は一瞬ですむと言う。
 好都合だと喜ぶポップだが、マトリフは魔法の光を生み出し、ポップへと狙いを定めはじめた。

 自分の魔法力を使って相殺するようにと言う教えに、不穏さを感じるポップ。
 二つの魔法が合成され、光の矢が生み出される頃には、ポップは恐怖に顔を強ばらせだす。

 メドローアは、同じ呪文をぶつけなければ相殺できない……つまり、ポップが二つの呪文合成を成功させなければ、消滅あるのみ。
 いきなり命がけの修行を突きつけられ、ポップは悲鳴を上げる。
 だが、弟子の泣き言に耳も貸さず、マトリフは冷静に弓を引き絞る。

マトリフ「いくぜぇ、ポップ。死にたくなければ、切り抜けてみな!」






 完全にビビりまくったポップは、逃げるしかないと忙しなく左右をキョロキョロ見回していた。
 が、歯を食いしばって魔法の矢を構えているマトリフの口元から、わずかな吐血を発見して顔色を変える。

 マトリフが身体を悪くしていること、仲間のために禁呪法まがいの魔法を使い続けたことをポップは思い出す。
 ハドラーが夜襲を仕掛けた時にも、彼は喀血していた。

 なのに、身体に負担のかかる呪文を弟子である自分のために使ってくれている……それに気づいたポップは両手を握りしめ、決心する。
 ただの魔法とは違う重みを感じ取ったポップは、もう、避けるつもりはない。ここで避けたりしたら、あの人を師匠と呼べなくなるから――。

 腹を決めたポップは、足を踏ん張ってその場にとどまり、全身から魔法力を光らせ始めた。
 ポップのその変化を敏感に感じ取り、小声で礼を呟くマトリフ。

 ポップはどこか怯えた様子ながらも、左手からメラを、右手からヒャドの魔法を生み出す。
 それを確認してから、マトリフはついにメドローアを放った。

 迫る大魔法を、ポップは自身の魔法で受け止めようと両手を伸ばす。周囲に魔法の余波が荒れ狂ったが、ポップは両手で魔法を制御しようと必死だった。
 心配そうに、ポップの名を叫ぶマトリフ。

 魔法の余波はまだ荒れているが、即座に消滅していない時点でポップは魔法の制御のセンスがあると証明されている。
 そのまま魔法を押さえ込むようにアドバイスするマトリフだが、ポップの苦痛の声が大きくなり、ポップの手元から炎があふれ出した。

 メラ系の魔法が得意なポップは、メラの威力の方が強すぎてバランスが取れていない。それを見て取ったマトリフは、ヒャド系の力を高めるようにと大声を張り上げる。

 気合いを込めて、魔法を制御しようと吠え立てるポップに、マトリフも普段の斜に構えた態度を捨てて、消えるなと必死になって呼びかけていた。

ポップ「こなくそぉおおっ!!」

 渾身の力を込めたポップの声と同時に、魔法の光が一際輝き、大きく膨れ上がり、全てを白く染め抜いた――。






 その夜。
 満月が一際美しい中、灯りの消えたパプニカ城の一室で、レオナが窓辺でふくれっ面で肘杖をついていた。彼女のすぐ近くには、ゴメちゃんのいて付きを見上げている。

レオナ「あーあ。あたしも行きたかったなぁ、特訓」

ゴメちゃん「ピィイイ?」

レオナ「だって、姫の立場を放り出して行くわけには行かなかったし」

 振り返ったレオナは、本が山積みされている机を眺める。

レオナ「でも、行っちゃおうかな?」

ゴメちゃん「ピーッ!?」

レオナ「フフッ、冗談よ」






 翌日、バルジの渦を前にしたチウは驚きに目を見張っていた。
 一つだった渦が、二つに分かれて渦巻いている。その渦の一つが弱まって消えていくのを見て、チウは根元を木に巻き付けたあった鎖を、綱引きのように引っ張る。

 鎖の反対側の端は海へ続いており、しばらく鎖をたぐり寄せると、鎧の胸部に鎖を巻いたクロコダインが現れる。

チウ「お疲れ様ですっ」

クロコダイン「……できる……! 理論的には可能だ」

 そう呟いたかと思うと、クロコダインは力尽きたようにその場に倒れ込む。 そんなクロコダインを気遣うチウだが、クロコダインもまた、自分の特訓がしたいだろうに、付き合わせてしまったとチウを気遣っていた。

 チウは気にしていない様子だが、クロコダインは埋め合わせとして後で褒美にいい物をやると約束する。
 それを聞いて、なんだろうと考え込むチウ。

 が、クロコダインはすぐさま起き上がり、もう一度修行を溜めそうとしていた――。





 同じ頃、滝壺の畔。
 水のかからない場所に、きちんと畳んだ靴や服を置き、マァムは川の中、滝に向かって立っていた。

 気合いを入れた表情で滝を見つめるマァムの姿が、そのまま透き通った滝の水面にうっすらと映っている。
 自身のその姿を敵に見立てたのか、マァムは見事な正拳突きで滝を打った。

 一瞬で滝が砕け、水飛沫が派手に飛び散る。
 飛び散った無数の水滴を、マァムは素早い動きで一つ一つ打ち抜いていく。連発した動きは、彼女の周囲の水滴を全て打ち抜き、また、滝が何事も無かったように流れ出すまで続いた。

 ようやく動きを止めるも、まだ敵に備えているかのように身構えたままのマァム。
 と、そこに気やすいからかいの声がかけられた。
 楽しげに手を振っているのは、ポップだ。
 ポップの姿を見て、マァムは彼の方へ近寄っていく。
 
 水滴を打ち抜く訓練が、スピードアップのためだと見抜いているポップに、マァムは頷く。スピードを上げることで、破壊力も同時に上げられると考えての特訓だった。
 
 だが、ポップに近づいたマァムは、彼の腕を見て驚く。
 焼け焦げた後が大きく残っているが、ポップ本人はこともなげに新しい呪文の特訓中だからだと答える。
 それを、心配そうに見つめるマァム。

 腕を引き上げるポップは、まだ未完成ながら新しい呪文への自信をのぞかせていた。
 それを聞いて、マァムも満面の笑顔を見せる。

 ……と、そこまではよかったものの、マァムのショートパンツがすぐ目の前にあると気づいたポップは、鼻の下伸ばしまくりの間抜け面で、それに見とれまくる。
 幸か不幸か、マァムはその視線に気づかず、集合まであと二日だから修行に頑張る決意を表明していた。

 調子に乗ったポップはスケベ面をさらしまくって、マァムの身体を見回した結果、彼女を怒らせてしまう。
 怒られた途端、ポップは笑いながら身を翻して逃げるが、その際、木の根元に結んであった仕掛けに引っかかってしまい転んでしまう。

 と、その仕掛けに連動して大岩が上から振ってきた。
 びっくりしてその場に硬直するポップだが、気合い一閃でジャンプしたマァムが、その岩に両手をついて突き飛ばし、軌道を変える。
 
 空中で器用に身を翻したマァムは体制を入れ替えて岩の上に乗る形をとり、着地と同時に両膝蹴りを喰らわせ、岩を粉砕した。
 あまりにも豪快な光景を目の当たりにして、ポップがガクガクにビビってしまうが、怪我はないかと問うマァムは全くの通常営業。

 今のは何かと聞くポップに、閃華裂光拳が利かない敵に備えて、組技用の特訓だと答える。
 それと聞き、ポップはもうあの足に見とれるのは止めようとしみじみ思う。

ポップ(アレは凶器だ……)





 その夜。
 マトリフの洞窟で、ポップは床に直接寝転がっていた。ベッドで寝ているマトリフはすでに熟睡しているようだが、ポップは寝付けないようだ。
 暗闇の中、両手を上に伸ばしたポップは呟く。

ポップ「バランス……左右のバランスか……」

 確かめるように手を見つめ直し、ポップはギュッと手を握りしめた。





 翌日。
 メラとヒャドの光を纏ったポップの手が、握りしめられる。マトリフが後ろで見守る中、ポップは両手の魔法を合成させ、ついに光の矢を生み出した。
 珍しくも、驚いた表情でそれを見ているマトリフ。
 歯を食いしばって魔法を制御しようとするポップだが、メラを操る左手がまたも炎を吹き上げた。

マトリフ「だめか……っ」

 しかし、ポップは諦めずに魔法を制御しようとし続け、そして――。






 綺麗に澄み渡った青空の下、ポップは飄々とした口調で言う。

ポップ「どうだい、師匠? まだちょっとメラ系の魔法力が強いけど……ま、こんなトコでしょ」

 魔法の構えをとくポップの左手は、くすぶって煙を上げているままだが、彼の表情はいつもの明るいお調子者のままだ。背後にいるマトリフは、驚愕の表情で目の前の光景を見つめている。

 見事にメドローアを使いこなし、崖に信じられないぐらいの大穴を開けてみせたポップに、マトリフは驚きを隠しきれない。
 初めて、手放しにポップをはめた師匠に対し、ポップは浮かれ気味に喜び、マトリフの引退時じゃないかと冷やかす。

 調子に乗るポップを、いつものごとく貶すマトリフだが、ポップは真顔でマトリフに自分の決意を告げる。
 マトリフの出来ることは、全部自分がしてみせるから、無理をする必要はない――照れたようにそっぽを向きながら、長生きしろよと言うポップ。

マトリフ「フン……おめえ、アバンの弟子になる時、なんで魔法使いを選んだ?」

 背を向けながらそう尋ねるマトリフに、ポップは意外そうな顔を見せる。

ポップ「へ?」

マトリフ「戦士とか勇者とか、考えなかったのか?」

ポップ「アバン先生が言うってくれたんだ」

 胸を張ってそう応えたポップは、思い出す。





 それは旅の最中、木陰で寝っ転がるアバンのすぐ隣で、ポップも座って休んでいた時の頃だった。サンドイッチを食べているポップに、アバンは言ったのだ。

アバン「あなたから、魔法の才能がベリーベリー感じられます。なぜか、私の昔の仲間を思い出しますよ」





ポップ「だから、おれ……迷わず魔法使いを目指したんだ」

マトリフ(あいつ……人を見る目も確かだったか)

 フッと目を伏せたマトリフは、彼に背を向けたままそのまま歩いて行く。

マトリフ「オレを引退させたいんなら、それだけのことをやって見せるんだな」

 師匠を見送るポップは、迷いのない笑顔のままだった――。






 同じ頃、曇天の広がる死の大地の牢屋内では、ザボエラが出せと騒ぎ立てていた。
 だが、牢屋の外にいるシグマとヒムは、牢を開ける素振りすら見せない。
 本来なら死罪になるところを、ハドラーの温情で魔牢幽閉ですんだのだとヒムは説明するが、ザボエラは幽閉される覚えはないと騒ぐ。

 反省が足りないと、ヒム達はあっさり彼に背を向けて立ち去る。ザボエラはなおも騒ぐが、彼らは振り返りもしなかった。






 一方、ハドラーの玉座では、彼の左隣に控えるアルビナスがザボエラの処刑を進言していた。
 ザボエラが役に立たず、この先も害をなすだけだと考えているのだ。

 だが、ハドラーは息子を失ってまで自分の肉体改造をしたことに恩を感じ、ザボエラの頭が冷えるまで幽閉すればいいと寛大に考えている。
 アルビナスの進言とは真逆の判断だが、忠実なる配下である彼女は不満一つ見せずに承服した。

 自分の判断が甘いと思うかと問うハドラーに対して、アルビナスは静かに答える。

アルビナス「いえ、ご立派です。ダニには過ぎた配慮だと思いますが」

 手厳しい部下の言葉に、苦笑するハドラー。






 そして、所は変わって死の大地の本物の玉座――大魔王バーンの座する間に、キルバーンが訪れる。
 本業を頼みたいと呼びかけるバーンに対して、キルバーンはアバンの使徒達をやってしまえばハドラーに嫌われそうだと、返す。

 が、バーンの命じる相手は、アバンの使徒ではない。
 ついでに言うのならば、キルバーンでも勝てるかどうか分からない相手……所詮は人の親であり、今は静観を決め込んでいてもどう転ぶか分からない相手だと告げる言葉から、キルバーンは暗殺相手を察する。

キルバーン「眠れるドラゴンを消せ、と……?」

 手にした大鎌を構え直し、そう問い返すキルバーンをバーンは冷徹な目で見返した。






 死の大地とは違う意味で険しい岩山。
 その洞窟の奥、頭上から日の光が降り注ぐ場所で、バランは静かに座り込んだまま瞑目していた――。

 
 

《感想》

 おお、オープニングから親衛騎団、影の部分が消えましたッ♪
 これまでは親衛騎団の姿の顔の部分に黒く斜めの影で覆い隠して、正体をギリギリ隠していたのに、それがなくなってしっかりと姿が露わになりました!

 今回の話はパプニカ城を正面側から遠景で見た図から始まりましたが、高台にあり、割と城塞的な城だと原作からでも読み取っていたのですが、城へ通じる道がつづら折りになっていたのを初めて知りました。

 どう見ても直進した方が楽そうなのに、無意味に左右に折れ曲がった作りに、少々首をひねりました。
 普通、こういう作りのつづら折りならば、近道を防ぐ意図も含めて迷路のように茂みなどを配置しそうなものですが……。

 イギリス風の城などでは、城の周囲に無駄に遠回りさせるような迷路やら、木々や茂みを駆使したトピアリーを配置して景観アップを狙いますし、あんなイメージかと思ったのですが。

 城の周辺に対して、あまりにも殺風景な禿げ山的な丘に驚きしましたが、よくよく考えたらパプニカは魔王軍に責められた直後なので、本来なら城へ続く道を飾っていた木々が燃やし尽くされた後なのかもと思い直しました。

 ヒュンケルがパプニカを攻めていたのが物語開始後26日目頃で、今回は61日目にあたるエピソードだと思えば、戦いの後片付けをする余裕も少しは出来た頃だし、戦時中なことを思えば見栄えなど度外視し、足場の邪魔となる半端に焼け焦げた木や茂みなどは取り除いた段階と考えれば納得がいきます。
 
 エイミさんの恋愛回と期待したところ、原作とは違う感じになっていましたよっ。

 町で薔薇の花を買い、ときめきながら帰ってくるエイミさんの姿が見たいと切望していたのですが、ヒュンケルの看病をする健気さと、部屋を去り際の笑顔に思わず見とれました♪

 そう言えば、ヒュンケル側のベッドのサイドテーブルには、しっかりと花が飾られていますね。さらに、上半身裸で包帯を巻いているだけのヒュンケルが、胸にアバンのしるしを下げているのを見逃せませんっ。
 いらないと投げ捨てていた頃を思えば、ずいぶんと素直になったものです。

 それにしても、ヒュン兄さんの返答のそっけなさと言ったら!(笑)
 もう少し、愛想を振りまけないものでしょうかねー? んでもって、ダイにしてみたら、この状況はちょっと居づらいのでは?

 ポップとレオナ、並んでの入室には驚きです。しかも、サミットに関しての話がきちんと二人の間で通っていますね。もしかすると、ポップもサミットに多少は関わったか、あるいは傍聴していたのかと思うぐらいです。

 この二人、頭の回転の速さから気が合いそうだとは思っていましたが、原作ではほとんど見られなかったポップとレオナのツーショット姿と、二人がかりでの説明シーンが見られて嬉しい限り♪
 
 マァムとゴメちゃんはどこにいったのと聞きたくなりますが(笑)
 それに、メルルのこともなにか言って欲しかったですよ〜。ポップの服の胸の傷跡が直されているのは、絶対にメルルの手によるものだと勝手に確信しているのに、それが全く触れられていない悲しさ……っ。

 ダイとヒュンケルが旅立ちの決意を固める会話はいいですが……これだとレオナ視点では、ダイ達がいきなり行方不明になっているんじゃないかと心配になるんですが。

 まあ、ポップと共に連絡した時点で、二人が修行に出ていく可能性も考慮済みで、黙認するつもりだったと解釈しておきましょう。
 ポップにしてみれば、キルバーン追跡直後にヒュンケルに煽られていた事実に気がついて、そのお返しのつもりでああ言ったのかもと思えますし♪

 ポップとレオナがそんな打ち合わせをしながら、城の廊下を並んで歩いているところを想像したくなりました。

 エイミが部屋に戻ってからはほぼ原作の流れになっていますが、原作と違って説明部分が大幅にカットされていますね。

 無人の部屋、ヒュンケルのベッドは毛布をきちんと畳んでおいてありましたが、ダイのベッドは毛布はきちんと畳まれているのに、斜めに置かれていました。うん、畳んだのは偉かったですが、なんか微妙に惜しい感じ(笑)

 嘆きのエイミさん、腕に抱えているのが果物籠なのがちょっと残念っ。静物画の仮題になりそうな立派な果物籠とは言え、ここは原作通りに薔薇の花束であって欲しかったです。

 そして、マリンがエイミの恋心をからかうシーンがカットされたのが無念でなりませんっ。えーん、マリンさんのお茶目シーンを楽しみにしていたのにーっ。最後にちょっとからかうだけじゃ、全然足りませんよっ。

 『ヒュンケルがメインで、ダイ君の看病はついで』の言葉が証明されたかのように、実際に病室ではヒュンケルのサイドテーブルは花だの水差しだのコップが置かれ、ダイのサイドテーブルは空っぽという露骨な差別待遇が実地されていたというのに!(笑)

 原作では、アポロは正面からエイミの肩に手を置いていましたが、アニメでは窓をの外を悲しげに見つめるエイミの肩を、アポロが後ろから手を置くシーンに変更されていました。

 ここまでの説明パートは、原作の流れを汲みながらオリジナル要素を加えて話を分かりやすく解説していくのがいい感じだと思いますが……個人的にマリンさんの台詞大幅カットと薔薇を抱くエイミさんがカットされたのが悲しかったです〜。

 ロン・ベルクの小屋でのエピソードから、ジャンクとスティーヌがカットされていたのは残念無念。特に、ジャンクがロン・ベルクの実力に驚くシーンが好きだったのに。

 それにしても、原作とアニメではロン・ベルクの台詞が変化していましたね。

原作ロン・ベルク「特に同じ材質だからって他のナマクラ刀に負けてノコノコ帰ってくるような奴には……焼きを入れてやらんとなっ!!」

アニメロン・ベルク「同じオリハルコンで出来ているからって、覇者の剣ごときに負けてノコノコ帰ってくるような奴には……特に焼きを入れてやる!」

 アニメのロン・ベルクは、覇者の剣を認知した上でライバル心を抱いている印象ですね。ますます、オタク度がアップした気がします。焼きの入れ方も『特に』と気合いが上がっていますし(笑)

 ヒュンケルがフッと笑うシーン、原作では普通に笑っていましたが、アニメでは目を閉じて笑っているので、ドヤ顔に見えてなりませんでした。

 ロン・ベルクがダイに強くなる以外レベルアップ方法はないと宣言するシーン、原作では驚いた表情を見せていたダイが、アニメでは決意をしたような表情を見せていました。
 
 ダイとヒュンケルの特訓シーン、原作では仲間達の訓練が途切れ途切れにばらついていましたが、まとめられていましたね。
 逆にクロコダインの特訓は分割された上で、早めに出現しています。いつの間にか、仲良くなっているチウとクロコダインがいい感じ。

 マァムの修行の場の下見も、原作にはないアニメの改変でした。
 背中に袋状の荷物を背負っているのは、着替えでも入っているんでしょうか。

 ところで、マァムが「よし」と言った時、あそこから飛び込むのかと思いました(笑) マァムの高飛び込み姿を期待してしまったワクワクを返して!

 マトリフ師匠の説明に、フレイザードが登場したのは嬉しかったです!
 しかもただの回想シーンではなく、高笑うアクション付きの姿が段々アップになるという演出付きでしたよ。エコーをかけつつ、ごく抑えた音声にも拘わらず、きっちりとクレジットに声優さんが出ていましたしっ。
 なんか、めっちゃ贔屓されていますね(笑)
 
 呪文の前段階の説明時点で、マトリフやポップの説明はかなりカットされていますね。ただ、アニメオリジナルの台詞が加えられるいるので、それほど会話量が減った印象はないですが。

 個人的には、ポップの「生命が縮むことなんざなんでもねえが、フィンガー・フレア・ボムズじゃダメなんだ!」と言う部分が削れられたのが悲しいです〜。うう、好きな台詞だったのにー。

 後、ポップがマトリフが起き上がろうとしたところで抑えようとするのも、アニメオリジナルですね。原作ではポップはマトリフを心配していますが、手を出して止めていません。

 メドローアの説明はちょいちょい改変や省略が加わっているというのに、フレイザードへの語りは原作通りにめっちゃ丁寧にかたっていますね。こここそが削るには言いシーンかと思っていたのですが、本当に贔屓されていますね、フレイザードって。

 多少ふざけている雰囲気を残しつつ、気合いを入れる時にはマジになるマトリフがいい感じです。特に「おっかねえから」とか、「いいぞぉ〜ものわかりがよくなったな」の台詞、いいですねえ。
 
 メドローアの説明、大幅にカットされていましたが、アニメの方が分かりやすいですね。周囲を暗くし、炎と氷だけを浮かび上がらせるような演出などかっこよかったです。
 特に、炎と氷の魔法をプラスマイナスの表示をつけて表現した辺りは、小学生向けの温度の実験の図を思い出しました♪

 まあ、個人的には呪文を指折り数えるポップを見たかったし、呪文の名前を挙げつつの説明も見たかったですけど。

 メドローアを教えてくれるのか、と発言する時、ポップが一瞬、悩んでいるような難しい表情で俯いているシーン、アニメの改変ですね。
 マァムが閃華裂光拳の話を聞いて、その恐ろしさを感じ取ったように、ポップもメドローアの恐ろしさに思い悩んているようで、よかったです。

 マトリフがメドローアを生み出す際、二つの魔法の合成に手こずっている雰囲気や、服の袖に氷がつくシーンなど、原作よりも大変そう。音楽も緊迫感があるし、二色の魔法の光が徐々に合わさっていく色の変化も綺麗で、いいですねえ。

 ポップの怯えっぷりも、いい感じでした。
 目をやたらとぱちぱち瞬きしていたり、鼻水を垂らしてビビったりと、顔芸も豊かです。

 ポップがメドローアを受ける前に手から魔法を生み出すシーンは、アニメの改変ですね。
 手元を全く見ないで魔法を生み出したマトリフと違って、いちいち左右の手を見て魔法を生み出すぎこちない感じが、初心者っぽくていいなと思いました。

 そして、ポップが炎と氷を作り出すのをちゃんと待ってから、呪文を放つマトリフの優しさに感動!
 メドローアの直撃に、ポップが一瞬だけ驚いた表情を見せてから、気合いの入った表情に変化して魔法を受け止めるシーン、よかったです!

 魔法の威力に砂や波が荒れ狂う表現も入っていて、迫力満点! ちょっと残念なのは、途中でポップの左腕がボワッと燃え上がるシーンが簡略化された点。
 炎の色合いが強まるという表現に弱められていましたねー。

 そこは、残酷だからと軽減したのでしょうか。この先、炎に焼かれかけるキルトラップが待っていることだし、遠慮しなくてもいいのにと思っちゃいましたよ。

 ポップの危機に、マトリフが本気で取り乱している感じが印象的でした。
 メドローアが成功したか、していないかの所でシーンを切り替えて夜のシーンになったのは、嬉しい驚きでした。
 レオナとゴメちゃんのシーン、これもアニメの改変ですがいいですね♪

 原作でも、ゴメちゃんは修行についていかずにパプニカにいたっぽい雰囲気だったのですが、アニメでそれがはっきりした感じです。 
 冒険したいと思いながらも、面倒な仕事をこなしているレオナがイメージ通りで嬉しくなりました。

 両手を合わせて、出かけちゃおうかなんて言うレオナがお茶目で、すっごく可愛い♪ ゴメちゃんとのやり取りも、すっごくなごみます。

 後、パプニカ城!
 レオナの部屋以外は全て明かりが落とされていたのが、ちょっと新鮮でした。現代感覚だと夜でも明るいのが普通の感覚ですが、考えて見れば昔は太陽の動きに合わせて活動する方が自然でしたね。

 翌日になって、チウとクロコダインの特訓になりますが……まさかクロコダイン、一晩中あんな特訓していたんじゃ……? 
 バッタリ倒れたクロコダインが、顎を地面につけながら喋るシーンが、ちょっと面白かったです。

 実際にやってみりゃ分かりますが、顎を硬い部分に乗せて喋ると頭の部分が動くせいで喋りにくいし、絵で描く分にも動きが増えて大変なのに、原作にもない図を敢えてやったアニメスタッフさんの拘りがすごいですね。
 チウとクロコダインの会話も、仲良し度がアップしている感じで嬉しいです。

 でもでも、バダックさんの出番が削られたのは悲しいですよ〜っ。
 アニメではここでバダックさんとクロコダインの会話も増えるかと期待していたら、逆に出番ごとカットされるとは……っ。バダックさんファンとしては、もの申したいところです!

 そして、言いたいっ、やっぱりだったぁあああーーっ。
 マァムのパンツまるだしタンクトップ姿、アニメでは健康的なショートパンツ姿に! 原作通りのパンツ姿はさすがに無理かな〜とは薄々思っていたものの、……せめてブルマーぐらいはと期待していたのに。
 おへそは丸出しだし露出度はかなり高いのですが、なんかガッカリです。

 でも、タンクトップの色合いが真っ白ではなく、薄桃色だったのが似合っていたのは嬉しい点です。ショートパンツもピンクだったし、ピンク系でまとめた色合いも可愛い感じ。

 個人的はショートパンツの色は黒に近いグレーにした方が、色的に引き締まる感じはしましたし、どうせならただの単色ショートパンツではなく、脇にピンクのラインを入れて欲しかったですけどねえ。

 ……まあ、ラインの入った服で動かすと動画で地獄を見るから、原作のデザインでもない限り、アニメスタッフが進んでラインの入ったオリジナル服を着せるとは思いませんが(笑)

 などと、不満が先に出ましたが、水的を打ち抜くマァムの動きや表情は、気に入りました♪
 北○の拳ばりに拳が乱舞する光景が、実に嬉しかったです。

 ポップが腕を水につけ、足をパタパタするシーンも削られなくって良かったですよー。

 そして、原作ではマァムの笑顔のカットがあったのでポップの突然の登場を喜んでいるように見えたのですが、アニメではマァムの顔のアップを無くして全体図にしたせいか、声の印象が強まりました。
 ちょっと驚いたような声のせいで、歓迎感が薄れているような気が。

 しかし、わざわざショートパンツに変更した割には、マァムの下半身のアップシーンは数回に亘って原作通りきっちり残している辺り、本気で基準が分かりません(笑)

 特にポップが見とれるシーンでは、ちゃっかり表裏を見せておりますが!? 原作でさえ、両面は見せてなかったというのに。

原作ポップ「だいたいおめえは胸とケツが重すぎんだよなぁ……」

アニメポップ「だいたいおめえは、あっちこっちが重すぎんだよなぁ……」

 いくら台詞でごまかしをかけようとも、いやらしさ全開の目つきが全く隠せていませんよっ(笑)

 でも、ポップとマァムのやり取りはいいですねえ。
 ポップの腕を見て、心配そうにするマァムの表情が特にいいです。シリアスを長く続けられずにマァムをからかうポップと、それに怒るマァムのやり取りは、大好物です!

 マァムの大岩砕きシーンも好きですが、動きにやや不満が。
 原作ではポップのすぐ側からジャンプし、抱きかかえるような動きでくるりと抱え込んでから膝で砕いていましたが、アニメでは岩の横方向からジャンプしてきて、張り手のようなイメージで両手突きしていたので……なんか、イメージがドスコイなんですけどっ!?

 くるっと華麗に相手を引き込んでからの、組み討ちを期待していたのですが。

 ついでに、ポップに怪我がないかと聞くシーンで、マァムが目を閉じ、パンパンと埃をはたいていましたが……先に汚れをはたき落としたい気持ちは分かりますが、せめて声をかける時ぐらい目をあけてあげて!(笑)

 もう、アレに見とれまいと言うポップのシーンで、マァムの全身図が上からつま先までゆっくりとパンしていくところまで映していたのには、笑っちゃいました。

 ポップがマトリフの洞窟で休むシーンが加えられたのは、嬉しかったです。
 マトリフの洞窟って結構広かったのに、わざわざマトリフのベッドの隣で寝ているポップが可愛いですね。アバン先生の時もそうでしたが、師の側で寝るのが当然と思っていそう。

 手を見ながら一人、考え込むポップのシーンから、翌日のメドローア完成の手の動きに繋げる演出には、感心しました!
 ポップがマトリフの前でメドローアを放つシーンは、原作では打ち終わったシーンを見せると言う演出でしたが、アニメでは矢を生み出すところかは放つ寸前までやってくれたのがいいですね!

 肝心な部分は伏せながらも、見せられるところを増やしてくれたことに感激です。
 ポップが矢を完成させたところで、「へへっ」と笑う表情が、いかにも「どうだっ、やってやったぜ!」と言わんばかりの顔だったのが気に入りました。

 ポップとマトリフの会話のやり取りも実に実によかったですが、ポップとアバンの思い出もあって、超感激! 
 回想シーンでのポップはすでに初登場時の服を着ていたので、職業が決まる前に先生お手製の旅人の服が与えられたみたいですね。

 ポップからアバンの話を聞いて、マトリフが彼を思い出す台詞を言うのも、渋みがあってよかったです。
 これまでさんざん、出番や台詞が削られまくっていたポップが、メドローアと共に一気に存在感が増したのが嬉しくてたまりませんっ。

 ザボちゃん、牢屋シーンアゲイン(笑)
 原作では一回ですんだシーンが「大事なことだから二回言いました」状態に。

 それにしてもアルビナスの声、思っていたよりも可憐系! もっと、熟女風な色気を秘めた声音を連想していたけれど、若々しく綺麗な声音なのに、無機質気味に冷たい口調もいいですねえ♪
 これで、ハドラーに対してだけは情熱を見せる演技が楽しみでなりません。

 ハドラーとアルビナスのやり取り、この目で見られて満足ですっ。旧アニメでは登場しないまま終わっただけに、念願叶いましたよ〜っ。

 バーンとキルバーンの会話も良かったですし、まさかこの段階でバランも登場してくるとは。
 おお、かっこいい……とものすごく嬉しくなってから思ったのですが……今回、ダイ、いいところがぜんぜん無かったような気が(笑) いや、気がつかなかったことにしておきましょう。

 次週予告で、レオナの髪がなびくシーンが実に美しくて印象的でした♪ 決戦の地への集合の画像で仲間達が集まるのも楽しかったですが、ちょいちょい挟まれるキルバーンとバランの画像が不穏すぎです。
 ノヴァ君登場を期待していたのですが、気配が欠片も感じられないのはなぜ?

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