『元気のないダイ』

  


1話『不思議な夢』(イベントシーン)

 明るい森の中の遊歩道。中央にうっすらと石畳が見えるが、周囲の自然は豊かで空も明るい。
 ダイ、ポップ、マァム、全員がデルムリン衣装。

ダイ「う〜ん……」(黒渦巻きマーク)

 ダイ、目を閉じて何か考え込んでいる。

主人公「ダイ、どうしたの?」
 →ダイ「あ、主人公。別に……なんでもないよ」

主人公「ダイ、元気ないね?」
 →ダイ「あ、主人公、そんなことないよ」

 ダイ、ビックリした表情の後、また目を閉じてしまう。

ダイ「………………」

 目を開けて、話し出す。

ダイ「ポップはおれの親のこと、ちょっと知ってるんだけど……。主人公にも聞いてもらおうかな……。
 今日、母さんの夢を見たんだ。母さんって言っても、顔もわからないんだけど。
 おれ、自分にとって親って、じいちゃんだけだと思って来たんだよね。そりゃ、じいちゃんからお前は人間の子どもだって言われてたけど。
 なのに、顔もわからない母さんの、なんだか温かい夢を見て……不思議な気分なんだ。不思議っていうかモヤモヤするっていうか」

 ダイ、また目を閉じてしまう。

ダイ「………………」

 ダイ、パッと目を開けていつもの表情。

ダイ「修行でもしてモヤモヤを晴らそうかな!」

主人公「うん、それがいいよ!」
 →ダイ「じゃあ、ポップたちに声かけて一緒に行こうか」

主人公「ダイが修行するならつきあうよ!」
 →ダイ「ありがとう! ポップたちも誘ってみるよ!」


2話『晴れないこころ』

ダイ「………………」

 ダイ、真剣な表情で目を瞑った後、目を開ける。

ダイ(じいちゃんだけ居れば、おれはいいはずなのに……。なんでこんなにモヤモヤするんだろ……)

ダイ「………………」

 ダイ、また真剣な表情で目を瞑ってしまう。

ポップ(なんだ? ダイのヤツ、今日はやたら静かだな……)

ポップ「主人公、ダイ、なんかあったのか?」

ポップ「なぁんだ、そういうことかぁ!」

 ポップ、満面の笑顔。ダイ、珍しく怒り顔。

ダイ「なんだってなんだよ、ポップ。人が真剣に悩んでいるのに!」

ポップ「もっと重大な悩みかと思ったってことだよ!」


3話『「親」から受け継いだもの』

ポップ「でもよぉ、モヤモヤするだけでそんなに悩んではないだろ?」

ダイ「え? そんなことないよ!」

 ダイ、意外そうな顔。

ポップ「ふ〜ん……」

ポップ「そういやよ、ダイって剣はどうやって学んだんだ?」

ダイ「えっと……じいちゃんは魔法しか教えてくれなかったから、自分でっていうか、島の仲間と遊んでもらったりで覚えたよ」

ポップ「じゃあさ、それってアレだろ。ダイがもともと持ってたものだろ」

ダイ「どういうこと?」

ポップ「親から受け継いだ身体能力とかセンスとかってやつだよ!」

ポップ「ダイの戦い方は迷いがねぇんだよ。わかりやすいってもいえるけどよ。だから、本当にヤバいほど悩んでいるときはわかるって」

ダイ「ポップ……」


4話『ダイの両親』

ダイ(親から受け継いだ……能力……確かに、じいちゃんから教わっただけでないものが、おれに……)

 ダイ、真剣な顔で目を閉じ、考えている。

ポップ「おう、どうしたダイ?」

ダイ「あ、ううん……やっぱりおれにも、両親はいるんだなって」

ポップ「あったりまえだろ!」

 ポップ、満面の笑顔。

ダイ「う、うん……」

マァム「ダイのご両親は勇敢な人なのかもね」

ダイ「えっ?」

 ダイ、意外そうな表情。

マァム「だって、ダイの戦い方ってそうでしょ?」

マァム「そして……優しい人でもあるんだと思うわ。主人公もそう思うでしょ?」

ダイ「みんな……」


5話『それが普通のこと』(イベントシーン)

ダイ「そっか……おれの戦い方や性格って、じいちゃんだけじゃなくて……おれを産んでくれた母さんや父さんから受け継いだものもあるかもしれないんだね」

主人公「かもしれない、じゃないよ」
主人公「あるに決まってるよ」

ダイ「そっか……今まで考えたこともなかった」

 ダイ、目を閉じるがスッキリとした表情。

ダイ「どんな人なんだろうとか、夢に見るまで考えなかったし、考えたら、じいちゃんに悪い気がしてモヤモヤしてたけど……」

 ダイ、目を開ける。

ダイ「おれの父さんや母さんがどんな人なんだろうって考えられることが……普通のことで、それに……みんなにそう言ってもらえて」

 ダイ、満面の笑顔。

ダイ「おれ……なんか嬉しいや!」

マァム「ふふ、よかったわね」

ポップ「な、たいした悩みじゃなかっただろ?」

 ポップ、満面の笑顔。ダイも笑顔のまま。

ダイ「みんな、ありがとう! ちょっとスッキリしたよ!」


《感想》

 まだ見ぬ親に対して、ちょっと悩んでいるダイのお話はほのぼのしていてすごく好きです。
 ポップがダイの悩みを分かった上で笑い飛ばしてくれている感じが、すっごくいいですね。主人公に悩みを打ち明ける時でさえ、ポップのことを言っているダイは、心の深いところでポップを頼りにしている気がします。
 ……ていうか、この悩み相談、主人公とマァムってほぼ空気な気が……(笑)


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