H.7.1.23(月)No8  『死神との対決!!』 

 

 何の説明も無しに走れと言われ、多少の戸惑いを感じながらも全力で走るダイ達――。 その行為の裏には、師への絶大な信頼があった。アバンの言葉には、他愛もないことでも必ず深い意味があることを知っていたから……。

 そして、それはまさにその通りだった。
 キルバーンの仕掛けた罠はバーンパレスには数あれど、呪力の罠は使い手が魔力を込めなければ作動しない。それを知っていたアバンは、キルバーンの注意が自分に向けられている間は安全と見て、ダイ達を先に行かせたのだ。

 アバンの頭脳の切れ味に、キルバーンはますますアバンを生かしてはおけないと大鎌を動かそうとするが、彼の半身は動かなかった。
 アバンのしかけた羽の呪力により、動けなくなっていたのだ。

 かつて残酷だった頃のハドラーをさらに下回る残忍さを持ち、そのくせハドラーと違って戦士としての最低限の誇りすら持っていないキルバーンに対して、アバンの怒りの一撃が加えられる!!
 ハドラーに変わっての一太刀は、キルバーンの仮面を割り、半分だけとは言え素顔が覗く。

 呪法は好まぬアバンだが、その方面の知識は詳しい。今後も卑劣な罠をしかけるつもりなら、こちらもそのつもりで応じると宣言するアバンに対して、キルバーンは怒りをむき出しにする。

 絶対に自分の手でアバンを殺すと鬼気迫る迫力で言い切り、キルバーンは大鎌を捨ててその場から去った。
 そしてアバンも念を込め、姿を消す――。

 一方、バーンパレスを目の当たりにしたダイ達は、その大きさと迫力に圧倒されていた。 だが、そこに突然現れるアバン。ダイ達はいつきたのかと驚くが、アバンはすぐ後からついてきたのだと答えた。

 しかし、ヒュンケルだけはアバンのその言葉が嘘だと見抜いていた。アバンがついてきてはいなかったと、確信があった。
 以前のアバンとは何かが違っていると漠然と感じていたヒュンケルは、アバンがポップを助ける際投げてきた白い羽を思い出し、閃いたことがあった――。

 アバンの謎に思い当たったヒュンケルは、何かを話そうとしたアバンを遮って、強い口調で遮った。

『……茶番はよせ! オレにはあんたの力の底が見えたッ……!!』


《タイムスリップな感想》
 さて、ヒュンケルは何に気がついたというんだろうか?!
 今週は謎や伏線めいた部分が多くて、個人の活躍が少ないのが残念っ。アバンvsキルバーン戦も、アバンにポイント1が入ったところで終わっちゃうし、どうも肩透かしな印象だなぁ。

 しかし、よくは見えなかったけど、キルバーンの素顔ってあんまりカッコいいものじゃなさそうだ。ミストバーン並に美形って線はなさそう(笑)
 なんか、ベンガーナのアキームさんに似てるし。

 ところで、キルバーンの執念はどうやらアバンに向かったみたいだけど、その余波でポップにも怒りの矛先が向くんじゃないかと、ちょっち心配になるなぁ。

 



《時を超えたおまけ》

 うっかりと忘れていましたが、この回は連載当時パートカラーでしたっ。
 コミックス28巻の表紙となった時はフルカラーでしたが、元々は二色カラーだったんです。

 さらに、今回絵をじっくり見比べて気がつきましたが、顔のアップの絵が微妙に目許を描き直されて居るのに今頃、気がつきましたよっ。
 コミックス化される際、微妙な修正が加えられることはよくあるとは言え、実際に発見するとなんか嬉しいです♪

 余談ですが、パートカラー版の方は、アバンの視線がやや左側に傾けられている雰囲気で、弟子を優しく見守る師の感じが素敵でした。

 まあ、それはそれとして、表紙の煽りは
『その瞳…悪を射る』
 でしたっ♪
 ……って、視線のイメージと今一歩あわない煽りでしたけど(笑)

 そして、一ページ目の柱は
『先生を信じ、ひたすら走る五人の戦士! 一方、復活した「死神」相手に、大危機(だいピンチ)のアバンは…?!』
 でしたね。

 ……しかし、走っているのは実際には四人で、ポップはマァムの肩に担がれておりましたが(笑)
 この回はカラー部分しかとって置かなかったため、予告は残ってないのがちょっと残念です。
 
 

次へ続く
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