13 腕が立つ奴はいるのか…?ロモス武闘大会出場者達

  
 

 ザムザの陰謀により、ロモスで開かれた武闘大会。そこで集まり、決勝まで進出した6名こそが、ロモスの誇る勇者達だ。

 怪力無双の戦士、ラーバ。           万能ムチの名手、スタングル。
 強大な呪文を誇る魔法使い、フォブスター。 百発百中の狩りの名手、狩人のヒルト。

 大男の格闘士、ゴメス。             旋風のごとき剣の使い手、騎士バロリア。


 この他、マァムと正体を隠したブロキーナが登場していたのだが、ザムザのせいで試合途中で邪魔が入り決着はつかなかった。だが、最後までやっていたとしても、この連中、きっとマァムかブロキーナに負けていただろう。ザムザのバイオプリズンに捕らえられただけでもう駄目だと諦めてしまった、きわめて根性のない連中なのだ。

 でも、そう言い切るのもかわいそうなものだ。みんな、御覧の通りバラェティーに富んだ職業だが、回復系のキャラクターはいない。バイオプリズン内では、毒ガスが発生したため、回復能力のない者は立ってもいられなかったのだから。

 しかし、彼等はしごく素直で、なおかつ向上心に溢れ、自分以上の力を認めることのできるという美徳がある。ダイ達の力を認めた彼等は、これからもっと修行しきたるべき戦いの時は必ず役に立つと宣言し、死の大地に乗り込むメンバーとして、実際に参戦している。

 しかし、万全の体調の時、彼等はちゃんと役に立ったのかといえば……そうはいえなかったりする。

 なんといっても親衛騎団の襲撃でこてんぱんにやられ、魔法使いのみを連絡係りに逃がすのが精一杯だった、という情け無さ……。
 ――単に、足手纏いの頭数という気がしないでもない。

 しかし、そのくせ服装が個性的なせいで、各国からの義援団の中では一番目立ち、台詞数も多い。
 役に立たないけど、コマの隅でなんとなく目立っているキャラクターだ。

 正規の兵士達と比べて、砕けていて話しやすいせいか、ダイたちとも馴染んでいる。
 ヒュンケルへの恋を打ち明けたエイミの度胸に惚れ込んで、応援を約束してみたり、チウたちの変な遊撃隊に一言いってみたり……よーするに、本業以外のところで目立っている連中なのだ。

 ここまで考えると、こいつらは本当に腕が立つのかどうか――という根本的な疑問すら沸き上がってくる。

 しかし、役に立とうと立つまいと、この個性的な6人組は筆者は個人的には結構贔屓にしているキャラクターだった。それに、ダイ達が大破邪呪文を使う時、壁代わりとなって闘い抜いたのは見事な活躍だった――とは、いっておこう。
 
 

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