04 全き血の盟約設定(二次小説道場、魔界編設定。特に『魔界の扉』未読の方、ご注意を) |
『優先順位』でポップが習得し、『魔界の扉』で使用した『全き血の盟約』は、言うまでもなくオリジナル設定。 ダイ大ワールドではバランの血でポップが生き返ったように、はっきりとした奇跡を起こしています。 その血の持ち主のみが使用出来る特殊能力を、代行者の意志で施行するための魔法です。 そして、血の持ち主の意志をないがしろにすることも、できません。その血を流した本人が決して望まないことならば、施行者がどんなに望んでも実行は不可能です。無理やり相手から血を奪い、それを一方的に利用するのは実行不可能なのです。 そして、血の盟約で特定の者の血を、一人の術者が利用出来るのは一度きりです。一度、使用した血は術が成立した直後に消滅します。 また、血は鮮度が高いものの方がよく、血そのものが実在している方が効き目が強いですが、一度でもその者の血を浴びたものであるなら最低条件を満たします。量は少量だろうと大量だろうと効果は同じであり、洗い流されるなどして肉眼で存在を確認出来なくとも、血の盟約の条件には抵触しません。 たとえ血の持ち主が死亡していたとしても使用は可能ですが、血が古ければ古い程、効き目が弱まる傾向があります。ポップが召喚した身代わりのダイがぼんやりとした姿だったのは、そのためです。 一番効き目が高いのは、何のために使うかを説明された上で本人も了承し、本人の意思により流した血液を利用する方法です。 それとは逆に、ポップはバーンの血を使う際は、効果を限定させて術の実現が妨げられないように気をつけています。 これなら、バーンの望みに反することはないだろうと踏んだのです。バーンにとって魔界は故郷でもあるため、地上と魔界を繋ぐ扉を開きたいという条件は問題なく発動しました。 ですが、バーンの血はこの中で唯一死亡者の血であり、本人の意思でポップに与えたものでもなかったため、効き目はかなり薄いものでした。それでもなんとか儀式魔法が成功したのは、黒の核晶に込められた魔法力が桁外れだったおかげです。 ところで、全き血の盟約と、竜の騎士招来の魔法陣を組み合わせた利用方法は、実はポップが思いついた作戦ではありません。 通常の竜の騎士招来と違い、この二つの魔法を組み合わせた魔法陣は冬の最後の新月の夜にしか行えません。 それと同時に代わりの生け贄(大抵は、奴隷身分の人間)を用意して、無理やりな招来を行った記録が何回が残されています。ですが、正義を貴ぶ竜の騎士がそんな非道な方法でやってきた使者の招来に応じるわけもなく、この方法は使用してはならぬ方法として公式記録から抹消され、用途を失った身代わり人形は各国のそれぞれの洞窟に隠されることになりました。 各国の歴史を比較しつつ読み漁ることでそれらの事情を探り当てたポップは、仲間達の安全を図ると同時に黒の核晶を消滅させるという一石二鳥を狙って、この二つの魔法陣を組み合わせる方法に挑むことにしました。 ところで最後に余談ですが、全き血の盟約を利用する気があるのなら、ポップは自分自身の中にある最後の正統なる竜の騎士の血――即ち、バランの力を施行することができます。 バランの遺志に沿った目的……例えば、ダイを助けるためと言う目的のためなら、バランの使えた奇跡の力も引き出せるでしょう。
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