09 家庭教師主任
 

出身地:パプニカ王国 年齢:41才
家族:別れた妻(38才)、息子(15才)


 現在こそ勇者ダイの家庭教師主任の座にいますが、彼は本来は一級学士。国内のみならず、他国でも王宮への出入りを認められる地位を獲得した、れっきとした学者です。

 ちなみに専門は数学で、物理の法則を数式で表現することに最大の情熱を注いでいる彼の著書は専門家には高く評価されていますが、一般人には見向きもされません(笑)

 真面目で勉強熱心、おっとりとした性格の人格者ではありますが、学者にありがちな頭でっかちさの目立つタイプ。非常事態には極めて弱く、いざという時にはパニクってしまうタイプでもあります。

 さらに言うのならば学者として本の世界にこもりがちで人付き合いがいい方ではない上に、世渡りもヘタだったりします。

 そんなわけで著書はさっぱりと売れず、貧乏さ加減と家族を省みずに研究だけに夢中な夫に愛想を尽かして、十年ほど前、妻は息子を連れて家を出て行ってしまいました。

 それにショックを受けつつも、彼はずっと独り身を通しています。また、別れたとは言え妻や子に愛情を持っていて仕送りを細々と続けていますが、会って拒絶されるのが怖くて面会はしていません。

 実は、妻の方も未だに彼を憎からず思っていて、チャンスを待っていたりするのですが、未だにこの元夫婦はすれちがっています。

 そんな彼に転機が訪れたのは、魔王軍の攻撃によりパプニカが一度滅びた時。避難民の一人として他の一般人と同様に避難所である避難所に向かった彼は、戦火に苦しむ人達を見て、初めて勉学の世界だけに逃げ込まず、誰かのために役に立ちたいと考えるようになりました。

 ボランティアとして避難所の手伝いを始めた彼は、得意の数学的能力を活かして避難者達への食料の効率的な分配を計算し、誰よりも的確な数学的管理能力を発揮しました。

 その結果、三賢者の補佐とも言える形で町の復興などにも協力しています。
 大戦後、能力を買われた彼は、アポロの強い推薦でパプニカ城の文官として招聘されています。

 政務には関わりませんが、国家機密に関わるような秘匿性の高い会計監査として地道に活躍したりしています(この監査役は、現在の勇者の家庭教師と兼任中です)

 そんな彼が勇者の家庭教師となったのは、レオナの依頼がきっかけでした。
 最初は王侯貴族に評判の高い専門の教師を数人雇ったのですが、ダイの覚えの悪さとレベルの低さに教師としての自信を喪失し、次々とやめていくという事件がありました。

 ダイの成績の悪さが多くの人に知られ渡るのは考えものだと考えたレオナは、城内の信頼の置ける役職で、口が固く、勉強を教えるのを向きそうな人物をピックアップしました。

 その結果、白羽の矢が立ったのが彼でした。
 勇者の家庭教師という立場に感激し、名誉なことだと喜んで仕事を引き受けた彼は――そりゃあもう、さんざんな辛酸をなめることになります(笑)

 元来教師を目指していた人間ではないため、子供の扱いを苦手にしていることもあり、教師としてはさして優秀というわけではありませんが、根気強い彼はダイに何度も何度も同じことを反復して教えることができるので、少しずつでもダイの学力は上がっています。

 なお、作中では家庭教師達と複数出てくることが多いのは、勇者の家庭教師達が多い時は数人いるためです。

 基礎的な読み書きと算数は家庭教師主任が教えていますが、マナーなどの一般常識を教えるために時折新しい家庭教師を募集したり、城の司祭やシスターに時折神の教えや結婚の概念などの授業を要請したりしています。

 ですが、大半の教師はダイの物覚えの悪さに辟易して早ければ当日、遅くとも数ヶ月程度で辞職していきますので、初期からずっとダイの面倒を見ているのはもはや彼だけです。

 成り行きから勇者の家庭教師主任になった彼は、ダイの物覚えの悪さに手こずりつつもそれでも地道に、ザルで水を汲むような仕事を延々と続けています。

 ……と、ここまで設定をしておきながら、家庭教師主任の名前は未決定のまんま♪ おまけにやっと決まった外見も『頭髪に乏しい貧相な中年男』だったりして、いやもう……なにやらごめんなさいな気分(笑)

出演作品:初出は意外に早く、二次小説道場の『優しい嘘』で間接的に、裏道場・恋愛以前の『勇者様の平和な一日』が初台詞だったような気がします。
 大半は存在を匂わす程度の出番しかありませんが、地味な割には出番だけは多いキャラです。

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