Q6『魔界編でのポップの留学していた頃はどんな感じだったんでしょうか?(王様や貴族との関係とか)』

 

レオナ「まず、ポップ君は戦後初めて行われた世界会議の場で、世界各国の王達に自国にくる様に招かれているの。ただし、この時はどの国もポップ君が自国に永久就職してくれるのを期待して、好条件での待遇と役職を用意していたわ」(勇者行方不明編『大魔道士か、魔法使いか』参照)

アバン「その時はポップが断ったのでとりあえず保留になりましたが、どの国の王もその意思は変わっていませんよ。第二回めの世界会議では正式な議題にこそなりませんでしたが、その期待は誰もが抱いていましたしね。


 ポップが倒れるというアクシデントがなければ、世界会議後に開かれるパーティの場では勧誘合戦が始まったはずでしょうね。世界会議の前後は王族は開催国に数日滞在しますし、歓迎のためのパーティもセットで行いますから」(勇者行方不明編『羅針盤は指し示す』参照)

レオナ「あのパーティの時は、苦労したわ〜。どこの国の王様もやれポップ君を見舞いにきたがったし、具合がどうだのって根掘り葉掘り聞くんですもの。
 その時も、同じ勧誘を受けたんでしょう?」

ポップ「ああ、まぁな。あの時は確かに、しつこく誘われたっけ。
 その時も一度は断ったんだけど……ダイを探す方法を変えようと思ってさ。
 世界各国の王様達に協力してもらいたいことがあったし、各国の黎明期の文献を調べたいと思って、留学したいってもちかけたんだよ」(前半のエピソードは魔界編『咎なき罪人』参照)

レオナ「しかし、すごく図々しいというか無視のいい話だったわよね、アレ。
 短期間の留学で秘蔵の文献を読ませてほしい、でも絶対に就職は嫌だなんて言うんですもの、驚くのを通り越して呆れちゃったわよ!
 あの時、他の王族を説得するのにどんなに苦労したことか。世界会議じゃないけど、急遽王族達が集まって相談会を開いちゃったわよ!!」

ポップ「なはは〜、あの時は迷惑かけちまって悪かったよ、姫さん」

アバン「姫の尽力があったからこそ、ポップは宮廷魔道士見習いという気楽な立場で短期留学できることになりましたからねえ。
 復興の手助けをする代わりに、本人の希望する文献の閲覧を許可するという条件でポップはどの国にも三ヵ月ほど滞在していましたね。
 ちなみに各国での評判は極めて良好です、花丸をあげちゃいましょう!」

フローラ「(笑いながら)まあ、王族と一般市民からの評価は、すごく高いのよね。ポップはどこの国でも留学中にそれなりに活躍して、なんらかの形で手柄を立てていたから。 でも、残念ながらと言うべきか……貴族には、少々受けが悪かったみたいね。


 王から気に入られている上、民衆からの人気度の高さが気に入らないと不満を持つ貴族層はかなりいるわ。幸い、表立って行動する者はほとんどいないのだけど」

バウスン将軍「体面を気にする貴族ほど、一般市民の活躍を認めようとはしませんからな。まったく、困ったものです。
 そのことには予測ができていましたし、万が一に備えて滞在中は護衛をつけるようにしていましたよ」

ノヴァ「それのせいでポップがリンガイアに留学している間は正直な話、いい迷惑だったな。ボクが護衛役兼世話係として選ばれたんだけど……ちょっとでも目を離すと、すぐにルーラでどっかに行っちゃうし!」

ポップ「そ、そんなのはたまにしかやらなかったじゃないか、大袈裟にいうなよ〜」

ノヴァ「(皮肉っぽく)週に1、2度は決まって無茶をやらかすのは、世間ではたまとは言わないと思うけどね」

バウスン将軍「ははは…(乾いた笑い)まあ、それはさておくとして、ポップ君の活躍はリンガイアの復興に大きく貢献してくれました。


 ご存じの通りリンガイアでは戦火の中で王が行方不明になり、王がいないというのが一番の問題だったんです。跡継ぎが決まらずに不安定だったのですが、ポップ君の助力のおかげでそれが解決しました。
 無事に王位継承も滞りなく済み、新王も誕生して国家が安定したせいもあり、リンガイアでのポップ君の評価はすごく高いんです」

オーザム王「(幼いながらも毅然として)それは我が国でも同じです、
 ぼくがオーザム王になれたのも、国に人が戻ってきたのも、大魔道士様のおかげです。 オーザムの全ての民に代わって、お礼を申し上げます」(魔界編『数えきれない光』参照)

フローラ「カール王国でも、ポップには大いに感謝しているのよ?
 なんといっても、ポップはパデキアを復活させてくれた恩人ですもの。カールの名産であり国の誇りでもあるパデキアの薬草は、15年前までは豊富に収穫できる名産品だったの。
 だけど、二度に渡る魔王の襲撃で大事にしていたパデキアの畑は焼けてしまい、失われてしまった……」

アバン「ええ、もう二度と手に入らないだろうと誰もが諦めるしかない状況でした。だけど、ポップがパデキアの種を見つけてくれたんですよね、嬉しいですよ。
 国民もパデキアの復活に大いに喜び、復興の勢いも強まりましたしね。……まぁ、一人でこっそりと洞窟探索をしたのは賛成できませんけど」

レオナ「やだ、ポップ君、カール王国でもそんなことしてたの?」

ノヴァ「まったく、反省している気配がないね」

 

 レオナとノヴァに睨まれ、ポップ、いささか慌てます。

 

ポップ「せっ、先生っ?! そんなことバラさなくってもっ?!」

ロモス王「はっはっは、ポップ君はワシの国でもやはり洞窟探索で活躍してくれたものだよ。おかげで廃棄されたはずの鉱山が再発掘され、そこで銀の鉱脈が発見されたのは大助かりだったよ」(魔界編『少し重たい秘密』参照)

テラン王「我が国でも、ポップ君の滞在がよい方向に働いてくれた。彼を一目見ようと、一度は捨てた祖国に戻ってくる民は多かったし、それに彼はテランに新しい可能性を示唆してくれた。
 薬草が豊富なのに目をつけ、薬草の育成や販売に力を入れる方向性を示してくれた。
 未来に繋がる希望を確信してこそ、人は国に住まうもの……ポップ君が留学中に我が国の国民数は数倍に増えたよ」

レオナ「こうやってまとめて聞いてみると、華々しい活躍ぶりよねえ。
 (にっこりと笑いつつ)しかし、それなのにパプニカ王国では……ゆっくり休んでって言ったのに無理したせいで熱を出して寝込んだり、謎の暗殺者に襲われたり、内緒でこっそりと城を抜け出してくれたりと、あなたの師匠のおかげであたし達がメイド服を着るはめになったとか、色々としでかしてくれたわよねえ?」(魔界編『兄弟子の心配』〜『大魔道士の祝福』参照)

ポップ「いやっ、待てよ姫さんっ?! それ、おれとは無関係のも混じっているからっ!
あの陰険暗殺者や師匠への文句なら、本人らに言ってくれよっ!!」

 

 ポップとレオナが揉める中、場の空気をまったく読まずに巨匠が登場します。

 

ムッシュ・カタール「そして、ベンガーナ王国ではポップ君の登場はちょっとしたセンセーションでしたよ! なにしろ我がデビュー作にして、指折りの自信作『ひなげしの君』に瓜二つの少年がやってきたのですからな。
 偶然の一致にしては似過ぎていると、当時は話題になったものです」

ポップ「(頭を抱えて)そんな話題は、死ぬほどいらなかったんだけどよ〜。おまけに、親父をいまだに恨んでいるっぽい大臣にはでっ食わすし、親父の家族にも初めて会ったし、ベンガーナの王様やアキームさんにやたらと勧誘されまくるし、もう、ホントに何とかしてくれって感じの留学だったぜ……!」

 

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