『頼れる未熟者 ー後編ー』

  
 

 その日のロモス城は、朝からひときわ賑やかだった――。

「くぉおーーん……っ」

 長く、尾を引く獣の叫び声がロモス城内に響き渡る。
 それを直接聞いた者は、思わずビクッとせずにはいられない。猛獣の吠え声に警戒心を抱くのは、当然だろう。

 が、その声が聞こえてくるのは森の外からではなく、ロモス城の大浴場からだった。本来ならば兵士達が身体を浄めるのに使う簡易的な風呂場であり、訓練後でなければ誰も近寄らないような場所なのだが、今日ばかりは騒がしい。

「くぅううーーーん……っ」

 なまじ、声が反響しやすい作りになっているせいで、その声はやたらと大きく響き渡る。しかし、よくよく聞けばその声は威嚇や怒りが感じられない。むしろ、どこか切なげな声に思える。
 そして、その声に被さるような声も響き渡る。

「これこれ、大人しくしといてくれ。もっとちゃんと洗わないと、臭いが落ちんからのう」

「くううん……」

 しょんぼりな鳴き声と、なだめる声は交互に聞こえてくる。
 そして、それ以上の賑やかさが大浴場から響いていた――。






「やれやれ、魚の臭いは取れにくいのう」

 ため息交じりに、バダックは豪傑グマの腕に石鹸を擦り付ける。普通ならばそのいかにもゴツい豪腕や鋭いツメを恐れるだろうが、その豪傑グマはおとなしかった。

 『前にならえ』をするように両手を前に揃えて突き出し、突っ立っているだけだ。
 ごわごわした毛並みが、石鹸のフワフワした泡で覆われていく。

 生魚を数日に亘って持ち続けていたクマチャの手には、すっかりその臭いが染みこんでしまっていた。それを落とすため、バダックはせっせと洗っているのだが、クマチャにとってはそれは結構辛いことのようだ。

 クマの手では身体を洗うのにはむかないし、ヘタに動けばバダックを傷つけかねないのでジッとしているしかないのだが、両手を伸ばした姿勢のままじっとし続けるというのは、地味にしんどい物だ。

 更に言うのなら、鼻のいいクマにとっては石鹸の匂いは強烈すぎるらしい。人間にとってはいい匂いに思えても、クマにとっては嫌な臭いにすぎない。クマ的には、腐った魚の方がよっぽど良い匂いに感じるようだ。

 せっかくの良い匂いを嫌な臭いで上書きされる苦痛のせいもあり、クマチャはしょんぼりしつつも大人しくバダックに従っている。
 そして、毛並みを洗われているのはクマチャだけではなかった。

「ッ! ッ! ッ!!」

 ぶるぶるっと身体を激しく震わせつつ、ダンダンと床を足で強く踏みならして不機嫌さを表明しているのは、アルミラージのラミただ。どうやら、毛皮が濡れるのが嫌なようだ。

 やんちゃで反抗的なラミたに対して、オオアリクイのアリババなどは諦めた表情をして、身体を丸めて大人しくしている。

 しかし、一切抵抗はしないとは言え、そうやって徹底的に丸まられると洗いにくいという点では同じなのだが。
 その横で、チウも部下同様に身体を洗われていた。

「もう、ジッとしていて! 洗いにくいじゃない」

 小さな子に注意するように文句を付けているのは、マァムだった。
 バダック同様、マァムも怪物達の身だしなみに協力している。服を着たままで、犬でも洗うような感覚でチウに石鹸を塗りたくっているが、チウはもじもじと落ち着かない。

「で、でも、濡れて毛並みがこんなにぺったりしてるのに〜」

 いかにも恥ずかしそうに、チウはもじもじと恥じらう。全裸姿よりも、ずぶ濡れになった姿を見せる方が恥ずかしく感じるらしい。……ネズミの価値観は、人間とはずいぶん違うようである。

 そして、マァムにはそんな怪物心も、初恋の女の子に対する思春期ボーイの繊細さも、まるっきり分かっちゃいなかった。

「とにかく、今日は忙しいんだしさっさとすませちゃいましょ!」

「あっ、あああっ、マァムさんっ、そんな乱暴なっ!?」

 遠慮のない手つきで、大雑把にガシガシ洗っていくマァムの手つきに、チウがさっきとは違う意味合いの悲鳴を上げる。
 毛皮組は色々と大変だが、それ以外の怪物達は割と穏やかに身体を洗っていた。

 パピラスのパピーやドロルのドルやす、ドラキーのドナドナなどは、お湯も嫌がらない上につるりとした皮膚は洗いやすいせいもあり、三人の兵士達の手を借りて大人しく身体を洗ってもらっている。

 この三人は、以前、ロモス王の命令でデルムリン島でブラスを守っていた兵士達であり、一般兵よりもずっと怪物に馴染んでいるということで抜擢されたらしい。

 チウ達とはほぼ入れ違う形でロモスに戻ったため面識こそないが、いつの間にか怪物達との付き合いに馴染んだ三人の兵士は、なかなか手際よく怪物達の身体を洗ってあげている。

 ただ、ハンターフライのバタコは身体はともかく、羽が濡れるのが嫌なようで少し洗われるとすぐに天井近くに逃げてしまい、兵士達がなだめすかすか、チウが命令してやっと戻ってくる、という動きを繰り返していた。
 それとは逆に、お風呂をお気に召して離れないメンバーもいた。

「あのー、そろそろ上がってもらわないと困るんだけど……」

 どこか控え目なエイミの言葉に、抗議の文句が返ってくる。

「リィンッ!」

 そう強く言ったかと思うと、風呂の底まで潜り、ついでに殻の中に身体を引っ込めたのは、マリンスライムのマリべえだった。お湯は徹底的に嫌がったが、用意されているのが水風呂と気づいた途端、喜んで飛び込んだのがマリべえだ。

 貝殻を背負った見た目とは裏腹に、意外と敏捷で活発なマリべえは水風呂が大いに気に入った様子だ。

 怪物は基本的にお湯を嫌うと、ダイとの話から知っていたレオナがロモス王国側に伝えて、風呂を沸かさずに水風呂のままで準備を整えてくれたのだが、それが見事に徒となってしまったらしい。

「ゲロゲーロ♪」

 大王ガマの大吾も、嬉しそうにスイスイとカエル泳ぎを披露しまくっている。彼らにとっては水中の方が楽なのか、エイミや兵士に捕まりそうになると水の中に深く潜ってしまう。

 所詮は湯船だから浅いのだが、服を濡らさずに底まで手を伸ばすのは不可能なので、手を伸ばすのに一瞬躊躇すると、マリべえも大吾も見事な速さでささっと泳いで逃げる、ということを繰り返している。

「ああっ、これじゃいつまで経っても支度が終わらないわーっ!」

 エイミの悲鳴じみた叫びが響き渡るのを、大浴場の隅に控えていたヒムが呆れた目で眺めていた。

「……にしても、オレらはいつまでここにいたらいいのかねえ……?」

 ヒム、鬼小僧の二人にクロコダインなど、一応は人型で自力で身体を洗える組にとっては入浴は楽なものだった。が、他の仲間達が風呂で手こずっている上、いざという時のためにこの場に残ってくれとバダックから懇願されたため、無意味に風呂場で待機している状態だ。

 戦いなら何時間続こうとも平気なヒムだが、こんな形で待たされるのは初めての体験なだけに落ち着かない。鬼小僧などは待ちくたびれてすやすや眠ってしまっているのだが、睡眠すら不要な金属生命体にとっては手持ち無沙汰もいいところだ。

 しかし、同じ立場のはずのクロコダインは退屈した様子もなく、微笑ましいものでも眺めるようにその光景を見ていた。

「ハハッ、そうぼやくな。なに、パーティーは昼からと決まっているんだ、そう長く待たされることもないだろうさ」

「それはそうかもしれねえけどよぉ〜、いったい何を見せられてんだが……」

 盛大にため息を吐くヒムのすぐ隣で、クロコダインは聞こえるか、聞こえないかぐらいの小さな声で呟く。

「――これこそが、ダイの望んだ世界……なのかもしれんな」

 それは、独り言に近い呟きだった。
 おそらく、ヒムの疑問に応えているという意識すらなかっただろう。

 魔王軍の六団長として、勇者ダイと真っ先に戦い、誰よりも早くその意志に賛同した獣王は、目の前の光景を眺めているようでいて、どこか、遠くを見ているような目をしていた。

 それに気づいたヒムは、続け様にぼやくはずだった文句を飲み下す。

 ハドラー親衛騎団だったヒムにとって、勇者ダイは敵だった。彼が何を望み、なんのために戦っていたのか――それを深く知る前に戦いは終わり、勇者ダイは行方不明になっていた。

 皮肉な話だが、ヒムにとってはダイよりも、ダイと共に戦っていたヒュンケルやポップ、クロコダイン達の方がよほど話す機会も多かったし、考え方も理解できる。

 彼らが未だにいなくなったダイを探していることも、ダイがいない間も彼の望みを叶えようと必死に努力していることも、知っている。
 その一人であるクロコダインが、今の光景こそがダイの望みだというのならば――それは多分、そうなのだろう。

「……なら、しっかりと見届けてやりゃあいいじゃねえか。あいつが戻ってくるまでは……あいつの代わりに、よ」

 わざと、少し乱暴にそう言ってのけると、クロコダインは夢から覚めたような顔でヒムの方を向く。それから、いかにも彼らしい豪快な笑みを浮かべた。

「ああ、そうだな。――そうするとしよう」






「いいかっ、みんな! いよいよ、パーティーが始まるぞっ。練習した通り、みんなでお祝いを言って、順番にプレゼントを渡すんだっ! わかったなっ!?」

 太陽が中天に上る頃、元気のいいチウの声が城の裏手に響き渡る。
 毛並みはフサフサ、ピッカピカの状態――それは、チウだけでなく獣王遊撃隊全員がそうだった。

 元気いっぱいの彼らと違って、少し後ろに控えているバダックやエイミ、三人の兵士などは疲れ切っているようなご様子だが、まあ、それは今は別に良いだろう。

「それはいいんだけど……せっかくだから、もうちょっとおしゃれをしてもいいんじゃない?」

 と、少しばかり不満そうにそういうのは、レオナだった。
 色とりどりのリボンを手に、チウの隣に並んでいるレオナもまた、いつもよりもちょっとだけお洒落をしている様子だ。

 ちょうど、遊撃隊の数に合わせたリボンの数々はレオナ一人では持ちきれず、バダックやエイミも持つのを手助けしている。
 いかにも上質なリボンの数々だが、チウは勿体ぶって手を横に振って応える。

「いえいえ、お気持ちだけで結構ですとも、姫! ぼくらには、全員に共通する飾りがすでにありますのでっ!」

 びしっと敬礼してから、胸を突き出してみせる隊長の動きに従って、メンバー全員が胸を張る。

 そこにきらきらと輝くのは、独自のデザインの上にナンバーを振ったバッチだった。いかにも子供が喜びそうな安っぽいバッチだが、隊長であるチウお手製で、遊撃隊が他の怪物とは違うと一目で区別できるように作られた品だ。

 隊員らは誰もがこれを大事にしていて、一番の宝物として誇らしげに胸に飾っている。

「うー、リボンの方が可愛いのに〜」

 レオナは少々不満のようだが、そんな彼女の方をマァムは軽くポンと叩く。

「まあ、いいじゃない。本人が気に入っているんだし、それにリボンなんてつけたら動きにくそうじゃない?」

 ごく当たり前のようにそう言ってのけるマァムは、戦闘服である武闘着のままだ。村娘としての普段着よりはマシかも知れないが、年頃の娘らしからぬ飾り気の無さに、レオナもちょっぴり呆れ顔だ。

「あなたの服もどうかとは思うんだけど……まあ、もう時間もないわね」

 ため息交じりに呟くレオナの言葉が終わるか終わらないかのうちに、花火が空に上がる。
 そして、この場所にまでロモス王の声が響いてきた。

「みなのもの、わしと妻の銀婚式のためによく集まってくれた! まずは礼を言おう!」

 聞こえてくる歓声は、予想以上に大きい。
 解放された中庭の中央に、ロモス夫妻が立っているのが見える。声を通りやすくするためか、台の上に立っている彼らは取り囲まれている国民から頭一つ抜きん出て見えた。

 ロモス王夫妻を祝うために、大勢の国民が城へとやってきたのだ。
 この場にいる中で、マァムだけはその光景に見覚えがあった。

 ダイがクロコダインを倒した直後、勇者として認められたときもこんな風にお披露目が行われ、集まってきた国民が勇者誕生を祝ってくれた。

 今、集まってきた国民はそれ以上の数がいるだろう。
 ロモス国民にとって、温厚で人当たりの良いロモス王は自慢の王様だ。誰もが自国の王夫妻を祝い、寿ぐ気持ちで溢れている。

 そして、ロモス王も今日の祝いを国民と共にするために、誰でも参加可能で開放的なガーデンパーティーを開くことにしたのだ。バルコニーから見おろすのではなく、国民と同じ目線で同じ庭に立ったロモス王は、声と腕を振り上げる。

「喜ばしいことに、本日を祝うために勇者と共に戦った仲間達も駆けつけてくれた! 紹介させてもらおう……獣王クロコダインと、獣王遊撃隊のメンバー達だ!」

 その声と紹介に応じて、クロコダインとチウ達は揃って中庭へと足を踏み入れた。突然、現れた怪物達を目の当たりにして、その場に居た者達がギョッとするのも当然だろう。

 なにせ、怪物達が魔王のせいで凶暴化して人々を襲ったのは、ほんの数ヶ月前の出来事なのだから。

 まかり間違えば、この場でパニックが起こっても不思議ではない――そう理解しているからこそ、クロコダインやヒムは用心深く周囲を窺う。自分達を敵視する者に身構えるためではなく、もしパニック状態になる者がいたのなら素早く遊撃隊メンバーを撤退させ、穏便に事を抑えることができるように。

 しかし、国民達が反応を示すよりも早く、脳天気かつ元気いっぱいな声が響き渡った。

「ロモス王! お誕生日、おめでとうございますっ! これ、プレゼントです!」

 そう言いながら、チウが手にした巻き貝を得意げに差し出す。――剥き出しのまんまだが。
 続いて、遊撃隊メンバーも揃って巻き貝を一つずつ差し出したのを、ヒムはあっけにとられて見ているしかなかった。

(え……まずっ、誕生日じゃねーよっ、そっから分かってなかったのかよ!? つーか、せめて包むとかしろよ、それこそあのお姫様のリボンぐらい巻いとけばよかったんじゃねえの!?)

 怒濤のごときツッコミが、ヒムの脳裏をよぎる。
 これは失敗かと目眩すら感じたヒムだったが――次の瞬間、中庭いっぱいに笑いが広がった。

「おうおう、これはすまないな。ありがとう、嬉しく思うぞ」

 暖かな笑顔を浮かべながら、ロモス王や王妃が怪物達から貝殻を受け取っていく。それを見守る人々の顔にも、笑顔が浮かぶ。
 チウのお間抜けな挨拶と同時に広がった暖かな笑いは、一気にその場の空気を解きほぐしたようだ。

「今日は、そなたらも楽しんでいってくれ。城や、我が国の民とも仲良くしてもらえるといいのだが」






(ふぅーん、なかなかやるじゃない、あのネズミ君)

 和やかなガーデンパーティーを、レオナは内心ホッとしながら眺めていた。
 予め用意されたご馳走に舌鼓を打つ怪物達を、この場に居る人間達は予想以上に好意的に受け止めてくれたようだ。特にチウなどは周囲の人間に気軽に話しかけ、文字通り人間と怪物の架け橋を担っている。

 いざとなったら、自分やマァムが出てなんとかしようと思っていたのだが、この和やかさは嬉しい誤算だった。

『チウってね、不思議なやつなんだよ。あいつを見ていると、自分が人間かそうじゃないとかって悩んだことが、ちっぽけに思えてくるんだ』

 ダイが、いつか言っていた言葉を思い出す。
 なぜ、あのネズミ君を仲間にしたのかを聞いた時に、ダイはそんな風に言っていた。

 レオナの視点から見れば、実力が全然足りないのに大口を叩いてばかりで、勇者ごっこをしているお子様のようだと最初は呆れたのだが、ダイやポップがチウを信頼しているのは明らかだった。

 そして、しばらくチウを見ているうちに、レオナもダイの言葉を理解できるようになってきた。

 どうしようもないぐらいに実力不足だが、それでもあの器の大きさや人を和ませる明るさは、否定出来ない。ふと気がついたら、あの頼れる未熟者をすっかり仲間と認識してしまっていた。

 そして、その力は魔王軍との戦いだけではなく、平和な世界でも有効らしい。

 ダイが半ば諦め、それでも望まずにはいられなかった人間と怪物が仲良く暮らす世界――その理想のために、チウの存在はきっと大きな意味を持つ。すでに今日、ロモス国民に怪物が受け入れられる足がかりを作ってくれたのだから。

 まず、これは第一歩。
 まだまだ道は険しいだろうし、すぐにはうまくいかないことなど百も承知の上だ。だが、それでも動きはじめた以上、この先にきっと道はあるはずだ。

「頼りにしているわよ、未熟なネズミ君♪」

 誰にも聞こえないよう、レオナはこっそりと一人、そう呟いた――。  END 


《後書き》

 750000hit その2『クロコダインやチウ達獣王遊撃隊がパーティーの参加準備をする話」でした♪ ……が、出番こそチウ達の方が多いですが、レオナが美味しいところを攫っていった気がしますが(笑)

 チウ君率いる獣王遊撃隊は、ほぼ名前が決まっているのに名乗らせる機会がほとんどなかったので、頑張ってフルネームを書いてみました♪ 最後に仲間入りした鬼小僧二匹以外は、ちゃんと名前が公式発表されているんですよね。
 連載当時、読者から名前を公募したと言う由緒正しいお名前です。

 でも、鳴き声は思いっきり捏造が入っていますが(笑) 一部、アニメを参考にはしていますが、鳴き声が確認できなかった子も多いので割と適当に鳴かせています。

 ところで、今回のタイトルの「頼れる未熟者」は、当時のジャンプの連載作品に向けて付けられたキャッチコピーでした。

 まだダイが未熟な勇者だった時期だったので、このキャッチコピーが決定しました。後に、もっとカッコいい感じのコピーも付けられましたが、個人的にはこの未熟勇者なコピーが一番気に入っています♪

 余談ですが、デルムリン島からロモスまで、原作では15日かかって辿り着いていますが、これはダイとポップが迷いに迷いまくってネイル村を経由して進んだせいもあるので、直線距離だともっと近い気がします。

 少なくとも、島から小舟で三日でラインリバー大陸にはついていますし、キメラに乗ってロモスに向かった時もそれほど時間がかかっていたようには見えませんでしたしね。

 作中では省略していますが、レオナの上陸は小舟で行われています。デルムリン島には港がないので、船をある程度島に近い場所に停泊させて小舟で行き来するスタイルなので、気づかれないうちにこっそりと上陸するのも可能だったというわけです。
 


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