『マァムの決意』(2021.2.27) |
《粗筋》 戦士や神官、三賢者のアポロやエイミが見守る中、椅子に座ったマリンに対してレオナが魔法を使っていた。
それと同じ頃、応急手当を施した魔弾銃を試し打ちしたバダックだったが、球を放つと同時に魔弾銃は大破してしまう。 その時、兵士や神官達が騒ぎながら一方向へと走っていく。マリンの名を口にしている彼らの後を、追いかけるバダックとマァム。 マトリフの所へ行くといい、付け足しのように魔弾銃の修復を頼めるかもしれないと言って走り出すマァム。 所変わって、パプニカの海岸。 魔法力を放出し合うポップとマトリフ。 それぐらいで驚くなと、ポップはギラを放つ。自分に向かってきた魔法に対し、マトリフもまた同じ呪文を放出し、受け止める。 ダイはポップを応援しているが、ギラだけで手一杯のポップと違い、マトリフは指をちょいと動かしてヒャドの魔法を放つ。 焦るポップに対し、マトリフはイオラの呪文を放つ。 それを見やったマトリフは、視線を上へと向けた。 彼とは段違いの速度で跳び上がったマトリフの頭突きにより、浮力を失って海に落下するポップ。 かわいげが無いじじいとポップはむくれているが、ダイもまた、呪文を教えて欲しいと不満げに訴える。 しかし、そんなダイに、マトリフはポップと同じ呪文を使える必要はないと諭す。 取り残されたダイは、その説明に納得しきっていないのか、イマイチ不満そう。だが、ポップは、勇気は自分にはない物だと、しみじみと頷いていた。 そして、マァムはマトリフの言葉に強い感銘を受けていた。 それを躱して空中に逃げたマトリフは、馬鹿力だけは父親のロカによく似ていると呟く。
それに対し、ポップは真剣に地図を見ながら悩んでいた。 オレ達はどうしようと、レオナに問いかけるダイ。 どうしたのかとポップに問われ、マァムはやっと決心がついたように話し出す。 驚き、思わず立ち上がるポップ。 これから敵がもっと強くなるし、もっと強い攻撃方法がなければ足手まといになりかねない、と。 マァム「はっきり言うのね。あなたのそんなところ、すっごく好きよ」 マァムに応じるように、レオナもまた微笑む。 レオナの言葉にかえって気が楽になったのか、マァムは笑顔のままで故郷のロモスに戻り、自分だけの特技を身につけるために修行したいと言う。
その時、どこからとなく不気味な笛の音が響き渡る。 魔王軍の暗殺者であり、死神と噂される男の登場に動揺するハドラー。 キルバーンは最近のハドラーの戦績が悪いことを責め、このままでは処刑もあり得るとほのめかす。 ハドラーは予定よりも早く戻ってきたバランに対して、あれこれ言い訳して行動を抑えようとするが、バランは彼の言い分など歯牙にもかけない。 仲間割れよりも自分の用事が先だと、キルバーンはバーンの鍵を取り出す。 六芒星の魔法陣に鍵を差し込むと、城が揺れ始める。 翌朝、手荷物を背負ったマァムは、みんなに別れを告げて一人、歩き出した。 それを見送る、ダイ、ポップ、レオナ。 やけに不機嫌にグチグチ文句を言うポップに、疑問の目を向けるレオナ。ダイがこっそりと、ポップがマァムのことが好きだから、さみしいんだと暴露する。 事情を知ったレオナは、ポップにハッパをかけてマァムに告白するようにとけしかける。 それに危機感を覚えたのか、マァムを追いかけるポップ。 ポップは息をきらしつつもマァムに追いつき、ロモスまで送っていくと提案する。それを遠くから見ているレオナは、まるで芝居見物でもしている下のようなはしゃぎっぷりだ。 一方、遠慮するマァムに重ねて食い下がり、なんとか協力をもぎ取ったポップは、ちょっと緊張した様子でマァムの肩に手を回し、ルーラを唱える。
辺りを確認したポップも、ここが魔の森だと気がつく。 ポップにとって一番印象の強い場所だから、無意識に来てしまった……それに気がつき、顔を赤らめるポップ。 いい雰囲気だと、告白しようとしたポップだが、その時、マァムが先に語り出した。 そんなマァムの言葉を聞いて、ポップは自分の気持ちを打ち明けはしなかった。
そんな事も知らないレオナは、ダイを相手にお茶を楽しみつつ、ポップの恋の行方について話していた。
その夜。半端に欠けた月の下、死の大地付近の航路を進んでいた船が、突然の横波を喰らった。 たった一撃で船は壊れ、乗組員達は海に投げ出された。 《感想》 最初っから無理だとは思っていましたが、原作のこの回の扉絵だった裸(と思われる)マァムのバストショットはでませんでしたね。 マリンに回復魔法をかけながら、レオナが話しかけている演出は改変ですね。専門家っぽくて頼りがいがある感じ♪ うむむ、レオナの出番は地道に増やされていますな。 バダックさんの修理シーン、こちらも改変が大きいですね! 銃を適当に修理して打つシーンなど、原作にはなかったのに。しかし、素人目に見ても銃の方針をつぎはぎに修復するなんて、事故る未来しか見えない怖さなんですが。 それに、マァムの台詞にも改編が。 原作「修理できないの? ……バダックさん」 なんだか、アニメではバダックさんが評価されているっぽい! っていうか、ほんの少し前にバダックさんが爆弾を作った時に心配していたのに、いつの間にか評価が上がっていますね(笑) そして、顔抜きバストショットで走るマァムとバダックのシーン……なんか、マァムの胸が揺れているような気が(笑) え、それを描きたくて原作と構図を変更したとか? お色気シーンを削っているはずが、ところどころでアニメーターさん達の拘りを感じるのは邪推でしょうか?(笑) マリンの回復。顔にひどい火傷を負ったという描写はなかったことになっているのが残念。魔法の力で怪我を跡形もなく治すという描写が見たかったのに。 それに、顔は女の命という台詞も削られていましたね。 マリンの台詞も『私などのために……』から『ここまでしていただいて……』と微妙な改編がありますし、原作ではうっすらと感じられた身分差が薄くなっている気がします。 ドラクエの王様や兵士達が、さりげなく身分を意識した発言をしているのが好きだったので、ダイ大でも身分を意識した言動があちこちにあったのがゲームっぽいなと思っていたのですが……アニメでは、レオナがものすごくフランクなトモダチ王族になっている気がします。 『お互い様』って、王族が配下に言う言葉じゃないと思いますけどね〜。 それはそうとして……なぜかアニメでは、マリンさんが可愛く見える気がしてなりませんっ。なんだか、エイミさんよりもマリンさんの方が妹っぽく見えてしまうのは、庇われるシーンが多いせい? それとも、アップの表情が増えたせい? 原作ではエイミさんとマリンさんのマントの色の差はあまり気にしていなかったんですが、アニメだと配色があるせいか目立ちますね。 つまり、何が言いたいかというと……マリンさんの方が服に色がついている分、影が強調されて胸がおっきく見えてしまうと言う罠(笑) 海辺でのポップ達の特訓は、期待以上でしたっ。 そして、マァムが岩陰に身を隠すのが意外でした。 微妙な差ですが、原作のマァムよりもアニメのマァムの方が、この時に感じたショックが大きくて、人と話したくない気持ちが強かったのかなと思いました。原作ではダイやポップの所へ行くと言っていたのに、アニメではその台詞も削られていましたしね。 ポップとマトリフの修行、見ていていいなぁ。 特に、マトリフのヒャドやイオラの追撃、いかにも軽くはなっているのに威力はすごい、という見せ方がいいですね! ポップの飛び方の頼りなさは、イメージ通り♪ ここはポップの成長に驚いて欲しかったところですが、驚いていたとしてもそれをおくびにも見せない大魔道士というのもカッコイイので、不満はないです。 でも、マトリフさんの台詞から年齢が削られていましたね。なぜ、そこがNG? んでもって、ポップの「かわいげのないじじい」発言は許す辺り、年配者に配慮しているのかしていないのか、分かんないんですけど! ついでにいうなら、ポップを海に落とし、ちゃんと引きずって海から引き上げているアニメのマトリフさんは、原作より優しいです(笑) ダイが呪文を教えてと頼むシーンも、改変が。 マトリフの説得も、実にいい感じ♪ マトリフのセクハラ未遂、ギリギリを責めている感じっ。触ろうとした手つきがいやらしかったのは同意しますが、触れられる前の反応としては過剰防衛になるのでは……? 原作では鼻水を垂らしていたマトリフが、鼻血をだしてましたよっ。 とりあえずマァムのソバット、カッコいい! 後ろ回し蹴り、いいですねえ♪ それを避けたマトリフが空中に跳び上がるのも、アニメならではなの演出でした。 それにしてもマトリフの台詞が旧アニメと同じじゃなくって、ホッとしました♪ 旧アニメでは、マトリフがあそこでロカがマァムを武闘家にしたかったと言っていたと語っているので、マァムが自分で悩んで答えを出した感が薄かったのが不満だったので。 原作ではナレーションだったパプニカの復興、町を直すの人達の姿と三賢者の報告で説明したのは、いい演出ですね! まあ、パプニカが神官国家だというのなら、その順番なのは当然ですね。最終的にレオナがいた場所も、城ではなく神殿だったみたいですし。 ダイ達+レオナと三賢者の会議で地図を見ながらの相談、地図がダイではなくポップの前に置いてあったのに爆笑。 マァムの転職決意発言、原作では魔王軍との動きや回想を交えながらの流れになっていましたが、アニメではまとめての流れになっているのがいい感じ! レオナの方も、きつい表情からニコッと微笑むシーンが追加されていて、よりきめ細かい演出が嬉しくてたまりませんっ。 ダイがまったく理解できず、キョロキョロしているのはそのまんまでしたね。 新装コミックスを見て気がつきましたが……文庫版とも改変されているっ。新装コミックスではただの六角形の星になっていますが、文庫版では三角形を二つ組みあせた六角形……所謂ヘキサグラムだったのに、変えられているーっ。 そのせいか、アニメでの魔王軍の六芒星がどことなく丸みを帯びたデザインに変更されています。おしゃれっすね。 ピロロの声、可愛くない……っ、でも、そこがいいっ。 原作ではハドラーの台詞だったキルバーンの説明が、ピロロのものになっているのが妙に楽しかったです。まあ、この方が自然でいいですねえ。 キルバーンの口調の軽さや動きは、実にいい感じ♪ 魔王軍の仲間割れ、いいなぁ。静かながら迫力を感じさせるバランに比べて、言い訳三昧なハドラーの小物っぷりや必死さが微笑ましい。 ポップの見せ場、マァムへの告白未遂……実にいい雰囲気! 海のきらめきを背負ったマァムの後ろ姿、いい雰囲気でした♪ 全く後ろを振り向かないマァムと、マァムの文句を言いつつ彼女から目を離せないポップのとりあわせが、実に良かったです。 ポップとマァムの様子をはしゃいでみているレオナが、実に可愛い〜っ。ダイの方はポップをけしかけてひどいと言っているし、冷めている感じなのと好対照ですね。 ポップとマァムが対話しているシーン、足下に花が咲いている描写が印象的でした。 マァムの肩を抱くだけで、めっちゃくちゃ照れているポップも可愛くて好きですが……ヒュンケルが顔色一つ変えずにマァムを抱きかかえていたことを思えば……そんなとこだぞ、ポップ(笑) そして、ルーラのシーンでレオナはポップがなかなかやるとはしゃいでいましたが、この時のダイはマァムに頑張れと応援しているだけで、レオナの話を微塵も聞いていないのが判明(笑) ……あー、こんなんだから最後の最後まで恋愛話が進まなかったんだっけなぁと、いまさらながら実感しました。 魔の森でのポップとマァム……漫画では、BGMに小鳥の声が聞こえそうなのどかな雰囲気でしたが、アニメでは怪物の声らしきものが聞こえていました。 でも、ポップの成長を認めるマァムの回想シーンはいい雰囲気だったし、告白をやめると決めたのか俯くポップのシーンも実に良かったですよ〜。 貶し文句も、一部がNGに。大女はダメで、筋肉もりもりのゴリラは良しとは(笑) そして、レオナとダイの会話の時、パプニカ城が夕日に染まって実に美しかったです! 原作では昼だったのに、アニメではポップが帰ってくるまでに時間がかかっている、という設定になったみたいですね。 なのにっ、最後の最後で登場した鬼岩城のせいで甘酸っぱい初恋風味など微塵もなく消し飛ばされた気分です(笑) 次回予告は、色々と楽しみなシーンが満載。 |