『デパートに行こう』(2021.3.6) |
《粗筋》 修復が進み、赤い絨毯が敷かれたパプニカ城の廊下を、エイミはゆっくりと歩いていた。とある扉の前に立ち止まったエイミは、何かを決意したように顔を引き締め、ノックしようとする。 が、その時、中からレオナ達の声が聞こえてきた。 ノックもせずに中に飛び込んだエイミは、自分こそが適任だと主張するが、アポロやマリンも譲らない。言い争いを始める三人を、呆れたように見ているバダック。 困ったものね、と言いながら、レオナはきっぱりと三人の望みを却下する。 レオナ「ダイ君との冒険は、私が行くんだから……」 ぽそりと呟いたレオナのその一言を聞き、驚く三賢者に、「今、なにかおっしゃいましたか?」とわざとらしく問いかけるバダック。 廊下を二人並んで歩きながら、ダイは武器のことをレオナに相談した。 小さい頃、一度だけ言ったデパートの素晴らしさ、大きさを力説するレオナに、ダイも釣り込まれたように目を輝かせる。
それを一目見ただけで、顔色を変えるマトリフ。 ポップはダイの額の紋章について何か分かったかと尋ねるが、マトリフは何でも無いと本を閉じる。 そして、ポップの肩に手をかけたマトリフは、彼にダイの力になってやれと忠告する。 戸惑いながらも頷くポップ。
気球船に乗っているのは、レオナとダイ。それにゴメちゃんだ。 昔からレオナはこうだったとぼやくバダックに対して、アポロはレオナの行動を黙認する。レオナの自由さの復活をパプニカが平和が戻った証とみなし、ダイも一緒なら数日は大丈夫だと考えたのだ。 一方、気球に乗ったダイは、この行動が泥棒じゃないかと悩んでいるが、パプニカ王女のレオナは王宮のものは自分の物と言わんばかりに平然としている。 我慢しきれなくなって、ついに怒鳴りながら気球船に乗り込むポップ。
港に着いた彼らは気球を港に預け、馬車でデパートに向かう。 スピードを落とせと言うポップに、こんなのなんてことないと、楽しげに馬を走らせるレオナ。 パプニカにいる時のレオナはリーダーとして少し冷たい感じがしたが、今の方が生き生きしていてレオナらしいと、ダイは嬉しそうだ。 だが、レオナはそれはデパートだと訂正する。
レオナが足下のスイッチを踏むと、金色の柵のような扉が閉まる。閉じ込められたと大騒ぎするダイとポップ。さらに、部屋が落ちていると大騒ぎする二人達だが、レオナはこれはエレベーターだと冷静に説明する。 エレベーターが到着するなり外に転がり出たダイとポップは、珍しい種や果物に目を奪われていた。 買ったばかりのスラまんをダイとポップに差し出すレオナ。 だが、それはもちろん本物ではなく、スライムの形をしたお菓子だという。レオナが太いストローで飲むスラタピも、小さなスライムの形をしたタピオカが入っていた。 スラまんを食べているポップは、何か固い物が入っているのに気づく。すかさずベルを鳴らし、店のおばさんが小さなメダルが当たったと祝福を告げる。
そんな男子を放置して、レオナはデパートには高級品が似合うと離れた場所で雑貨を眺めやる。 彼の目当ては、ポップのベルトのバックル。 『呪われてますね、これ』
ダイが目をつけたのは、騎士の鎧。 触っちゃまずかったかと心配するダイだが、服を山のように抱えて通りかかったレオナは、5000Gまでならどれを買ってもいいと言う。 試着室に籠もったレオナを、ダイとポップは外でおとなしく待っていた。 次にレオナが着たのは可愛らしいエプロンドレス。ヘアアレンジもした商人の服、遊び人のピエロ服、大きな猫の着ぐるみと、次々に新しい服にチャレン ポップは師匠から装備をもらったので何も買う気は無いが、ダイはやっぱり騎士の鎧を選ぶ。 背丈が小さいダイが無理矢理騎士の鎧を着たせいで、どうにも寸詰まりというか、ちんちくりんな印象だ。 次にダイの剣を選ぶために、5Fへと向かう一行。 先に上に上ったポップとレオナは、大勢の人が集まっているのを見て不思議に思う。 周囲にいる大人達は、ドラゴンキラーの相場は15000Gで、子供の小遣いでは買えないと笑う。 ポップは値段のせいか及び腰だが、レオナは16000Gぐらいはあると乗り気だ。 不審な二人組に客達は憤っているが、ポップは若い方の子はちょっと美人だったと浮かれている。それをバッカじゃないのと、容赦なくこき下ろすレオナ。
ナバラ「どうした、メルル」 メルルの手に持った水晶玉は、光を放っていた。
飴のように降り注ぐ砲弾だが、それはヒドラを全く傷つけなかった。しかも、港の砲台付近の地面を割って、ドラゴンが出現した――。 そんなことをまだ知らないデパートでは、オークションの競り合いの真っ最中だった。 が、ゴメちゃんが口を塞ぐというファインプレーをした結果、ドラゴンキラーはゴッポルという商人の物になる。 ダイは高い武器でなくてもいいと考えているが、レオナは自分達の方が有効利用できるのにと悔しそう。 ヒドラが一匹に、ドラゴンが五匹……火を吐き、家々を壊しまくるドラゴン達を見て、店内の者達はうろたえるだけだ。ドラゴンキラーを買った商人は、銭もうけのために買ったのだからと戦う気はまったくなさそうだ。 そんな彼らを情けないと言いつつ、ポップはこれからどうするのかと仲間達に問いかける。 自分達が原因かもしれないという責任感と、お客さん達を非難する時間を稼ぎたいと考えるレオナの発言に感心したポップ、いち早く窓に飛び乗った。 それに対し、ポップも自信ありげに応じ、ドラゴンは自分が引き受けるからとダイにヒドラを任せ、レオナには避難誘導を頼んでから窓から飛び出した。 レオナは店内の人達に振り返り、避難を促す。 地面に大きな穴が開くほど、ひどい落下振りだったが、そこから這い出したダイは我慢できないとばかりに兜を毟り取り、鎧を部品をドンドン外していく。必要な部分だけ身につけると、鎧の残骸を残してダイはヒドラへと向かっていった。
ポップ「よぉし、こうなったら今までの戦いで培った……逃げ足の速さをみせってやらぁ!」 クルッと身体を反転させ、ダッシュで逃げ出すポップ。ついてこいと叫ぶポップを、ドラゴンたちは一斉に追いかけ始める。
暴れるヒドラがデパートを壊す中、悲鳴が響く。 それを見たメルルは水晶玉を老婆に預け、彼女達の方へ走っていく。 傷つく人がいると分かっているのに、占いで魔王軍の動きを読み、自分達だけ逃げ回るのは嫌だと言って女性を助けるために走り出すメルル。 「馬鹿な子だよ……」 そう呟く老婆の声は、どこか悲しそうだった――。 幼女の側に駆けつけたメルルは、岩をどかそうとするが、女の子二人の力でどうにかできるものではない。 五つあるヒドラの頭は、その口の中に一斉に炎を灯す。 ダイ「海波斬!」 その声と同時に、炎が蹴散らされ、メルル達は無事だった。振り返った彼女は、自分達を庇って立つ少年の背中を見る。
『メ……メルルが可愛いーーーーっ!』 と、テレビの前で絶叫しちゃった回でした! エイミさんとマリンさんも予想以上に可愛いし、アニメになってからダイ大女性達の可愛さを思い知る毎日ですよ! ふと思ったのですが、もしもあの日、ベンガーナデパートに『今日は、実は外国のお姫様がお忍びで来ているんだぜ』と噂が立ったのなら、レオナよりもメルルの方が本物のお姫様だと思われそうな気が(笑) お付きの人も、ダイやポップよりもナバラさんの方が乳母や感強かったですし。 と、メルル愛が思いっきり先走りましたが、今回の冒頭部分には不満がっ。 代わりに挿入された、パプニカの廊下を歩くエイミさんのシーンもよかったんですけどね! でも、どんなにいいシーンが増えても、それはそれ、これはこれ! しかし、原作ではエイミが頼み込むシーンだったのが、アポロとマリンが仲良くそろって頼み込んでいますね。 もし、これが認められた日には、二代続けて魔王との戦いの最中に妊娠発覚な事態が起こっていたやもしれません(笑) いや、そこは先代を見習わない方がいいかと。 年上の二人を前に自分が一番と適任と主張するエイミの押しの強さにもびっくりしましたが、どこからその自信が……? そう言えば、原作ではエイミさんと並んで跪いていたバダックさん、アニメでは部屋の隅で歩兵よろしく立っていましたね。 後、ちょっと残念だったのが三賢者が賢者の証である冠を外すシーンがなかったこと。アポロとマリンがいつも頭にはめているのを最初から身につけていなかったので、彼らが三賢者の地位を辞す覚悟があることを示唆してはいましたが、原作では頼みながらエイミが冠を外すシーンがあったので、是非アニメで見てみたかったですよ! ……まあ、髪の毛と絡む動きってのはアニメとして表現するのには手間暇がかかるので、省きたくなる気持ちは分かるのですが。 レオナが三賢者を叱責するシーンは、もう少し迫力が欲しかったところ。 今後、最後の戦いでのクロコダインとの友情の会話が、今から楽しみですよ! しかし、レオナがいそいそと「今の話はまた後でね」と逃げ出すシーンやバダック達が姫を怪しむシーンがカットされていたのは、ちょっと残念かも。 レオナさん、レオナさん、デパートがすごいというのを説明するために、両手を広げてみせるのは、まあ、分かります。けど、バレリーナのようにその場を一回転してポーズを決めるとわ……っ(爆笑) しかも、三回も! そんなレオナのプレゼンにほっぺたをピンクにして喜ぶダイが、また可愛いのなんの! マトリフの洞窟で、ポップがドラゴンの紋章を描くシーンがリアルタイムになっているのは、いい改変ですね♪ マトリフから装備を一式もらうシーンで思ったのですが、輝きの杖……なんだか、原作より心持ち大きめでコロッと丸い感じが。 違和感と言うほど極端なデフォルメではないし、アップ時の迫力が増している感じなので文句はないですが。 ポップがいい物をもらったと喜んでいる改変はいいのですが、ベルトをはずそうとするシーンがなくなっている〜っ。 気球で抜け出すシーン、エイミさんがレオナへの不満を口にしていますね! で、アニメではポップを連れていかなくていいのかと最初に口にしているのが、ゴメちゃんになっているーっ。 えっと、これってゴメちゃんの賢さアップや出番アップを喜ぶべき? レオナから貶されまくっているのを気球船の下で聞いているポップの、百面相がいいですねえ〜。ダイの褒め言葉にちゃんと嬉しそうな顔していて、喜怒哀楽の激しさがしっかりと出ているところが面白いです♪ 原作では、ポップが気球の籠に這い上がろうとしているカットで終わっているので、実際の合流シーンが改変されているのは嬉しい限り! ポップ「言いたいこと言ってんじゃねえ!」 と、レオナの『言いたいことは言っておくべき』という台詞にかけたやり取りが、また一つ増えています。 そして、ポップが来たのを見て、ダイと二人きりじゃなくなったと膨れてみせるレオナが可愛いですねえ。ちょっと焼き餅を妬いてたレオナが、実に普通の女の子っぽくていい感じ。 空から見たベンガーナ王国は、見ていて感動しました! パプニカと違って、軍備を整えたベンガーナの雰囲気もいいですねえ。パプニカの城では兵士と神官が半々ぐらいの割合ですが、ベンガーナは完全に兵士一色で軍事色の強さを感じます。原作通りなのですが、白黒だったのに色合いがつくと、やっぱり雰囲気がぐっと増しますね。 レオナの走らせる馬車が、思いっきり蛇行運転しているのには笑っちゃいました。あー、すっごく納得。 デパート、いつの間にかデパ地下が増設!? ……ベンガーナ、思っていた以上に建造も発達していたみたいです。でも、エレベーター、地下1階になら階段で行けよと思っちゃいました。 しかし、エレベーターの仕掛けにいちいち騒ぐダイとポップのやり取りが追加されていたり、デパ地下でいきなり買い食いをするレオナとか、オリジナル要素がぶっこまれているのが楽しいです。 そう言えば旧アニメもこの辺で遊んでいましたが、やっぱり遊ばせたくなる回なんでしょうね、この辺りって。 ポップの小さなメダルゲットも、笑っちゃいましたね。さすが、運の良さMAXを超えた256の男! さらに、三階にも寄って馬のふん見物とは。 んでもって、ポップにベルトの買い取りを申し込んだ商人のシーン! しかも、呪われていると言い切ってますよ(笑) そう言えばマトリフのベルト、過去のコンビニリミックス版では250Gの値段がつけられていたのですが、倍値になっていました。 どたまカナズチが、まさか敗者復活的にデパートに参戦してきたとは思いもしませんでした。 ダイ「……ないね」 と、淡々としたやり取りもいいですね〜。ゴメちゃんすら、呆れていたし(笑) ついでに、4Fが防具、5Fが武器屋になっていたのは、アニメでの改変ですね。原作では4Fが武器、5Fが防具だったのに。 試着室でのレオナのファッションショー、ダイも見学してるっ。 それにしても、旧アニメでも遊び人とかぬいぐるみを着ていましたが、新作でも着るとは(笑) ダイの着替え、原作に出てきた怪しげなデパート店員さんが出てこなかったのが残念! いかにも怪しげでテンション高そうだったので、個人的にジャパ 後、ダイが試着している間、ゴメちゃんがポップの頭に乗っているのが可愛いですね! これも地味ながらアニメの改変です♪ 苦労しつつ上るダイを支えようと頑張るゴメちゃんの健気なこと! が、ダイがバランスを崩して転げ落ちた時、あっさりとダイを見捨てて逃げてましたが(笑) オークションでのやり取り、オークションシステム自体の説明台詞などはカットされていましたね。 ナバラの毒舌、いいですねえ。思っていたよりも勢いがあって、いい感じです。メルルもメルルで、声がめっちゃ可愛いし♪ しかし……メルルが祖母の代わりに謝罪するシーン。 目立たないところにお色気をこそっとぶち込むスタイル、好きですが……好きですけどっ、よりによってメルルの背景でやるのは止めて欲しかったんですけど〜っ。ダイ大の中でおそらく唯一の清純派ヒロインなのにっ。 ポップの背後だったら、文句を言うどころかある意味ぴったりだし、遠慮なしにニヤニヤできるんですけどね。 メルルの予知シーン、水晶玉がちゃんと光っています! 怯えるメルルが、また可愛い感じ♪ 彼女の姿から海へと変化する演出も、いいですし。 ヒドラとドラゴンの出現シーンは、文句なしに格好良かったです! やっぱり、ドラゴンクラスになってくると可愛らしい雰囲気ではなく、格好良さが際立ってきますね。 謎の関西商人ゴッポルさん、まさかリメイク版でも名前付きで登場するとわ(笑) まあ、出番はあるとは思いましたが、名前や台詞はもっとカットされるかと思っていました。 それにしてもダイ、競り合いの最中に予算オーバーしてることをそんな馬鹿正直に言わなくても。 ドラゴン襲来時の揺れ、地震かと問いかけるシーンがカットされているのも、ご時世を感じますね。 ドラゴン襲来で戦いを決意するレオナと、そんな姫さんを見直すポップのやりとりが実に良かったです! アニメでは、ポップがレオナに店の人達の避難を頼んでいるので、すでに信頼関係が感じられます。 ダイの窓から落下シーン……いやもう、ちゃんと階段かエレベーターを使おうよ、ここ5F!(笑) 原作よりダメージが増えて、大惨事ですよ〜。 アニメはギャグは控え目なので、クレーターが出来るかと思っていましたが、そこは原作通りだったんですね。ちょっと、『ヤムチャ死す!』的なシーンになるかと思っていたのですが。 ドラゴンを前にビビったり、格好をつけた末に逃げ出すポップのアクションや表情はイメージ通りでよかったです。 壁を突き破って登場するヒドラは、ド迫力でした♪ ドラゴン、動きがいいですね。重厚感がありながらも意外と機敏な感じで。 デパートからの脱出シーン、メルルとナバラが入るのを見つけて、感動しました! 後、メルルの避難シーンで後方に荷物を抱えて逃げる男性、原作では片手に赤ん坊を抱いていたのが、犬を抱っこに変更されていました! 微妙になにかに配慮した改変? えっと、原作では嫁に逃げられ済みの子持ち男だったのが、犬大好き独身男になった、と解釈しても?(笑) それはどうでもいいのですが、走るメルルの髪のなびき方や、腰の鎖の弾み方が、キレイで惚れ惚れします♪ 後、メルルの着ているワンピース、初期は割と丈が長めに描かれていたのが、アニメでは割と短めになっている感じ。 人々を助けたいと強く主張するメルル、いいですねえ。 岩をどかそうと踏ん張るメルル、思いっきり頑張っている感がすごい! 幼女を庇うメルルの姿も、いいですねえ。 メルルに見とれすぎて、ダイの狙い澄ました登場の印象が薄れたような気が(笑) 次週予告、ポップのベタンが今から楽しみでなりませんっ。しかし、ダイがドラゴンキラーを使うの、思いっきりネタバレしとりますね(笑) 《おまけ・新装再録版13〜5巻感想》 13巻の表紙は、バランパパンが! 神魔剛竜剣を構えたパパンが、実に格好いいです! 背景は地底の門っぽいですね。 背後にいるのは、シグマにフェンブレン。ハドラー親衛隊、フル出場ですね。しかし、フェンブレンが思いっきり帯の下に隠れちゃっているのに爆笑しました。ざまぁ! 13巻は二色カラーが一話に、旧コミックスにあったキャラクターへの質問コーナーがおまけについていました。 14巻は、迫力のあるダイの突進シーン。 背景は死の大地を海から見た図ですが、帯をめくったらヒュンケルが隠れていました(笑) 鎧の魔槍パターンで、一人黄昏れて遠くを見やる感じです。 15巻の表紙は、なんといっても超魔ハドラーの迫力ある睥睨シーンが魅力! 背景は、下から見上げるバーンパレスですね。 フルカラーからの二色カラー回もあるし、巻末にカラーイラストギャラリーもあるお得感のある巻です。 |