『デパートに行こう』(2021.3.6)
  

《粗筋》

 修復が進み、赤い絨毯が敷かれたパプニカ城の廊下を、エイミはゆっくりと歩いていた。とある扉の前に立ち止まったエイミは、何かを決意したように顔を引き締め、ノックしようとする。

 が、その時、中からレオナ達の声が聞こえてきた。
 アポロやマリンは賢者としての未熟さを悟り、ダイ達に同行して腕を磨きたいと熱心に訴えていた。

 ノックもせずに中に飛び込んだエイミは、自分こそが適任だと主張するが、アポロやマリンも譲らない。言い争いを始める三人を、呆れたように見ているバダック。

 困ったものね、と言いながら、レオナはきっぱりと三人の望みを却下する。
 パプニカを守り抜く使命があることと強く言われ、しょんぼりと頷く三賢者。

レオナ「ダイ君との冒険は、私が行くんだから……」

 ぽそりと呟いたレオナのその一言を聞き、驚く三賢者に、「今、なにかおっしゃいましたか?」とわざとらしく問いかけるバダック。
 なんでもないと笑ってごまかすレオナは、そこにちょうど良くやってきたダイが、相談があると言うのに笑顔で応じた。





 廊下を二人並んで歩きながら、ダイは武器のことをレオナに相談した。
 鋼の剣がそろそろ寿命だと言うダイに、レオナはベンガーナデパートに行こうと提案する。

 小さい頃、一度だけ言ったデパートの素晴らしさ、大きさを力説するレオナに、ダイも釣り込まれたように目を輝かせる。
 行きたいかと聞かれ、元気よく行きたいと答えるダイに、レオナはこれ以上無いほどの笑顔を浮かべた――。






 その頃、ポップはマトリフの洞窟にいた。
 小さなテーブルに向かって、悩みつつもダイの額に浮かんだ紋章を絵に描いていた。

 それを一目見ただけで、顔色を変えるマトリフ。
 本棚から一冊の本を取りだし、そこに描かれた図とポップの絵を見比べ、同一のものだと確信する。
 紛れもない竜の紋章を見て、マトリフは驚愕を隠せない。

 ポップはダイの額の紋章について何か分かったかと尋ねるが、マトリフは何でも無いと本を閉じる。
 ダイと一緒に出かけるというポップに、マトリフは餞別として自分が若い頃使っていたマントや杖、ベルトを与える。

 そして、ポップの肩に手をかけたマトリフは、彼にダイの力になってやれと忠告する。
 近いうちにダイが勇者としてではなく、人間として大きな壁にぶつかるから、その時はポップが支えるように、と。

 戸惑いながらも頷くポップ。
 いつになく優しいマトリフに疑問を感じつつも、いい物をもらったと嬉しそうに輝きの杖を見る。……が、マトリフの顔のバックルのはめ込まれたベルトは『ダサい』とお気に召さないようだ。






 一方、パプニカ城では気球船を繋いでいた舫い綱がしゅるりと解け、兵士達が騒ぎ出した。
 それを聞きつけたアポロ、マリン、バダックが屋上へ駆けつけるも、すでに空に浮かんでいる気球船に、座り込んで動かない兵士達の姿があった。

 気球船に乗っているのは、レオナとダイ。それにゴメちゃんだ。
 兵士達を調べたエイミは、ラリホーで眠らされていると判断する。
 レオナに戻るように呼びかけるバダックだが、レオナは悪びれもなく、すぐに戻るからと行って飛んでいってしまう。

 昔からレオナはこうだったとぼやくバダックに対して、アポロはレオナの行動を黙認する。レオナの自由さの復活をパプニカが平和が戻った証とみなし、ダイも一緒なら数日は大丈夫だと考えたのだ。
 だが、エイミは自分達にはダメと言ったのにと、不満そうに見送る。





 一方、気球に乗ったダイは、この行動が泥棒じゃないかと悩んでいるが、パプニカ王女のレオナは王宮のものは自分の物と言わんばかりに平然としている。
 
 他にも、ポップも連れて行かないのかと問うダイだが、レオナは辛辣に彼の頼りなさをこき下ろす。
 実はこっそりと気球船の下に浮かんでいたポップは、それを聞いて膨れまくっていたのだが。

 我慢しきれなくなって、ついに怒鳴りながら気球船に乗り込むポップ。
 が、それを見てレオナもぷうっと膨れてしまう。せっかく、ダイ君と二人きりの冒険になると思ったにとぼやくレオナ。
 ますます怒るポップに、困ったように笑うダイ――先行き不安なスタートである。






 海の上を走るように飛ぶ気球船から見える光景に、ダイもポップも目を輝かせて見入っていた。レオナは余裕の表情で、ベンガーナの説明をする。
 世界一安全な国と呼ばれるベンガーナは、商業が盛んで豊富な財力により軍備を整えているのだと言う。

 港に着いた彼らは気球を港に預け、馬車でデパートに向かう。
 楽しげに馬車を御するのは、レオナだった。だが、あまり巧いとは言えないのか馬車は大きく揺れているのに関わらず、速度を上げていく。

 スピードを落とせと言うポップに、こんなのなんてことないと、楽しげに馬を走らせるレオナ。
 いささか呆れるポップだが、ダイはそんなレオナの奔放さにかえって安心している様子だった。

 パプニカにいる時のレオナはリーダーとして少し冷たい感じがしたが、今の方が生き生きしていてレオナらしいと、ダイは嬉しそうだ。
 自分達はお姫様のストレス解消の相手かとぼやくポップは、大きな建物を見て城かと勘違いする。

 だが、レオナはそれはデパートだと訂正する。
 特売セールのアドバルーンのついたデパートに向かって、レオナはさらに馬車を速く走らせるのだった。






 デパートの前にやってきたダイとポップは、その大きさに驚いていた。戸惑っている二人の前を、颯爽と進むレオナ。
 デパートはやっぱりデパ地下からとだと、エレベーターに向かうレオナ。その後を追ったダイとポップだが、彼らは何もない狭い部屋に戸惑うばかりだ。

 レオナが足下のスイッチを踏むと、金色の柵のような扉が閉まる。閉じ込められたと大騒ぎするダイとポップ。さらに、部屋が落ちていると大騒ぎする二人達だが、レオナはこれはエレベーターだと冷静に説明する。

 エレベーターが到着するなり外に転がり出たダイとポップは、珍しい種や果物に目を奪われていた。
 が、レオナは迷うことなくとある売り場に行き、スラまん二個にスラタピを買う。

 買ったばかりのスラまんをダイとポップに差し出すレオナ。
 戸惑いながらそれを手に取る二人だが、ダイはスライムを食べて平気なのと心配そう。それに釣られたのか、怯えたようになくゴメちゃん。

 だが、それはもちろん本物ではなく、スライムの形をしたお菓子だという。レオナが太いストローで飲むスラタピも、小さなスライムの形をしたタピオカが入っていた。

 スラまんを食べているポップは、何か固い物が入っているのに気づく。すかさずベルを鳴らし、店のおばさんが小さなメダルが当たったと祝福を告げる。
 掌の小さなメダルを見て、何に使えるんだと呟くポップに、首を傾げるダイ。






 次に、三階の日用雑貨の階に行ったダイ達。
 ダイとポップ、ゴメちゃんはガラスの展示ケースに顔を押しつけてまで、中に入っている光り輝く展示物――超最高級の『馬のふん』に見入っていた。

 そんな男子を放置して、レオナはデパートには高級品が似合うと離れた場所で雑貨を眺めやる。
 馬のふんに夢中なポップに、商人の男が声をかける。

 彼の目当ては、ポップのベルトのバックル。
 バックルを500Gで売ってくれないかと褒める商人。値段を聞いてその気になったポップは、ベルトからバックルをはずそうとするが、どう頑張っても外れない。
 それを見た、商人は一言――。

『呪われてますね、これ』






 次に、四階に行った三人。
 ダイとポップは、武器屋が自信を持ってお薦めする兜でありながら攻撃も出来る、どたまカナズチを見て……呆れていた。

 ダイが目をつけたのは、騎士の鎧。
 長身のマネキンがに見つけた全身鎧に見とれ、ポンポン叩きまくるダイだが、お値段が3800Gと高いのに驚いて、飛び退く。

 触っちゃまずかったかと心配するダイだが、服を山のように抱えて通りかかったレオナは、5000Gまでならどれを買ってもいいと言う。
 思わずこけてしまうダイとポップだが、レオナはパプニカの服や金属は高価で売れるので、大丈夫だという。

 試着室に籠もったレオナを、ダイとポップは外でおとなしく待っていた。
 レオナが試着したのは、天使のレオタード。背中に羽が生えた水着のようなデザインが風変わりながら、どことなく上品な可愛らしさのある服だ。
 が、ポップは呆れ気味に「そんな格好をした賢者がどこにいるんだよ」と呟く。

 次にレオナが着たのは可愛らしいエプロンドレス。ヘアアレンジもした商人の服、遊び人のピエロ服、大きな猫の着ぐるみと、次々に新しい服にチャレン
ジする。
 もっと真面目な物にしろと怒鳴るポップに、レオナもやっと真面目に着替える気になったのか、試着室のカーテンを閉め直す。

 ポップは師匠から装備をもらったので何も買う気は無いが、ダイはやっぱり騎士の鎧を選ぶ。
 そして、レオナが髪を一つにまとめた割と地味めな衣装を選んだ頃、ダイも試着を終えた。

 背丈が小さいダイが無理矢理騎士の鎧を着たせいで、どうにも寸詰まりというか、ちんちくりんな印象だ。
 レオナは遠慮なしに笑うし、ポップはそれでいいのかと心配するが、ダイはすぐになれてみせると、元気いっぱい。





 次にダイの剣を選ぶために、5Fへと向かう一行。
 が、鎧が重くてダイはギクシャクと動くのが精一杯。あげくに、階段から転げ落ちてしまう始末だ。

 先に上に上ったポップとレオナは、大勢の人が集まっているのを見て不思議に思う。
 そこでは、ドラゴンキラーが売られていた。
 値札がついていないそれは、オークション商品だった。

 周囲にいる大人達は、ドラゴンキラーの相場は15000Gで、子供の小遣いでは買えないと笑う。
 それを聞いてムッとしたレオナは、ダイとポップの手を引っ張って隅へ移動し、ドラゴンキラーを買おうと持ちかける。

 ポップは値段のせいか及び腰だが、レオナは16000Gぐらいはあると乗り気だ。
 だが、それに待ったをかけたのは、通りすがりの老婆だった。
 占い師の装束を着た二人組――小柄な老婆に、水晶玉を手にした黒髪の少女。
 
 老婆は辛辣な口調で、力量以上の武器を買うのは馬鹿だと貶す。気色ばむ周囲の連中に、祖母の口の悪さを丁寧に謝罪したのは、連れの少女だった。
 頭を下げ、静かに立ち去る少女を、ポップはじっと見送る。

 不審な二人組に客達は憤っているが、ポップは若い方の子はちょっと美人だったと浮かれている。それをバッカじゃないのと、容赦なくこき下ろすレオナ。






 立ち去った二人組は、ゆっくりと階段を降りていた。
 愚痴りながら降りる老婆だが、後ろを歩いていた少女が足を止めたのに気づき、呼びかける。

ナバラ「どうした、メルル」

 メルルの手に持った水晶玉は、光を放っていた。
 怯えながら、恐ろしい生き物が近づくことを予言するメルル。しかも、すぐにやってくるという。老婆はまだ自分には見えないと言い、孫に自分達の一族の力が備わってきたと驚く。






 その頃、港では海の中から突如、複数の頭を持つ竜……ヒドラが出現していた。
 驚きつつも、大砲を撃ち応戦する兵士達。

 飴のように降り注ぐ砲弾だが、それはヒドラを全く傷つけなかった。しかも、港の砲台付近の地面を割って、ドラゴンが出現した――。





 そんなことをまだ知らないデパートでは、オークションの競り合いの真っ最中だった。
 予算オーバーしてしまっているのにまだ競り落とそうとするレオナと、見知らぬ商人とのやり合うに、ダイとポップはやんわりと止めるが、レオナは引かない。

 が、ゴメちゃんが口を塞ぐというファインプレーをした結果、ドラゴンキラーはゴッポルという商人の物になる。
 ゴメちゃんに怒って、つんつんとつつくレオナ。

 ダイは高い武器でなくてもいいと考えているが、レオナは自分達の方が有効利用できるのにと悔しそう。
 その時、デパートが揺れて天井から破片がこぼれ落ちる。
 あれを見ろという叫びに窓に駆け寄ったポップとレオナは、ドラゴンの軍団を目撃する。

 ヒドラが一匹に、ドラゴンが五匹……火を吐き、家々を壊しまくるドラゴン達を見て、店内の者達はうろたえるだけだ。ドラゴンキラーを買った商人は、銭もうけのために買ったのだからと戦う気はまったくなさそうだ。

 そんな彼らを情けないと言いつつ、ポップはこれからどうするのかと仲間達に問いかける。
 分が悪い戦いだと考えているポップだが、レオナは毅然とした口調で戦いを選択する。

 自分達が原因かもしれないという責任感と、お客さん達を非難する時間を稼ぎたいと考えるレオナの発言に感心したポップ、いち早く窓に飛び乗った。
 レオナを見直したと言うポップに対し、レオナは「私はまだキミを見直していない」と、いささか挑発的に笑いかける。

 それに対し、ポップも自信ありげに応じ、ドラゴンは自分が引き受けるからとダイにヒドラを任せ、レオナには避難誘導を頼んでから窓から飛び出した。
 トベルーラの力で、身体をわずかに光らせて飛ぶポップ。

 レオナは店内の人達に振り返り、避難を促す。
 ダイも張り切って窓から出ようとするが、重い鎧が徒となってふらつき、そのまま落下。

 地面に大きな穴が開くほど、ひどい落下振りだったが、そこから這い出したダイは我慢できないとばかりに兜を毟り取り、鎧を部品をドンドン外していく。必要な部分だけ身につけると、鎧の残骸を残してダイはヒドラへと向かっていった。






 一方、すでにドラゴンの所まで移動していたポップは、ドラゴン五匹の迫力にビビっていた。
 が、彼は覚悟を決めたような顔で言う。

ポップ「よぉし、こうなったら今までの戦いで培った……逃げ足の速さをみせってやらぁ!」

 クルッと身体を反転させ、ダッシュで逃げ出すポップ。ついてこいと叫ぶポップを、ドラゴンたちは一斉に追いかけ始める。






 そして、ヒドラは手のつけられない暴れっぷりをみせていた。
 壁を破壊しながら、好き放題に動いている。
 レオナは客達をデパートの入り口まで誘導し、逃がしている真っ最中だった。その中には、メルルと呼ばれた少女や毒舌の老婆も混じっていた。

 暴れるヒドラがデパートを壊す中、悲鳴が響く。
 避難中のメルルは、ハッとしたように振り向くと、そこには瓦礫に押しつぶされた女性と、その側に蹲る幼い少女の姿が見えた。

 それを見たメルルは水晶玉を老婆に預け、彼女達の方へ走っていく。
 それを止める老婆だが、メルルはあの人達を助けなければと考えている。
 占い師の自分達になにもできないと老婆はさらにメルルを止めるが、メルルはそれに強く反発する。

 傷つく人がいると分かっているのに、占いで魔王軍の動きを読み、自分達だけ逃げ回るのは嫌だと言って女性を助けるために走り出すメルル。
 老婆の呼びかけにも、彼女は止まらない。

「馬鹿な子だよ……」

 そう呟く老婆の声は、どこか悲しそうだった――。





 幼女の側に駆けつけたメルルは、岩をどかそうとするが、女の子二人の力でどうにかできるものではない。
 そんな二人の前に、影が差す。
 ハッとして前を見ると、そこにはヒドラの姿が――。

 五つあるヒドラの頭は、その口の中に一斉に炎を灯す。
 そして、ほぼ同時に吐き出された炎が、彼女達を襲う。とっさに、メルルは幼女を庇うように抱きしめた。

ダイ「海波斬!」

 その声と同時に、炎が蹴散らされ、メルル達は無事だった。振り返った彼女は、自分達を庇って立つ少年の背中を見る。
 騎士の鎧のパーツを、最低限だけ身につけて立っていたのは、勇者ダイだった――。

 

 


《感想》

『メ……メルルが可愛いーーーーっ!』

 と、テレビの前で絶叫しちゃった回でした!
 いや、可愛いというのならレオナのはしゃぎっぷりも可愛かったんですけど♪ 特に、ダイと二人で出かけたかったと膨れるシーンとか!

 エイミさんとマリンさんも予想以上に可愛いし、アニメになってからダイ大女性達の可愛さを思い知る毎日ですよ!
 それにしてもメルル、思ってた以上に色白感があって声も可愛いですねえ。占い師というよりも、深窓の令嬢感が半端ないです!

 ふと思ったのですが、もしもあの日、ベンガーナデパートに『今日は、実は外国のお姫様がお忍びで来ているんだぜ』と噂が立ったのなら、レオナよりもメルルの方が本物のお姫様だと思われそうな気が(笑)

 お付きの人も、ダイやポップよりもナバラさんの方が乳母や感強かったですし。

 と、メルル愛が思いっきり先走りましたが、今回の冒頭部分には不満がっ。
 ううっ、ダイとポップのパプニカの武器屋巡りが思いっきりカットされている〜っ(泣)
 楽しみにしていた、めったにないダイとポップの日常風景がぁあああ〜っ。

 代わりに挿入された、パプニカの廊下を歩くエイミさんのシーンもよかったんですけどね!
 特に、廊下までキレイに整えられた点とか、ゆっくりと歩く感じとか、ドアの前で一瞬、決意する表情なんかめっちゃよかったですよ!

 でも、どんなにいいシーンが増えても、それはそれ、これはこれ!
 原作とは違う形で三賢者の勇者入り希望を表現した演出はお見事だと思いましたが、個人的にダイとポップのやりとりが見たかったのに〜。

 しかし、原作ではエイミが頼み込むシーンだったのが、アポロとマリンが仲良くそろって頼み込んでいますね。
 ……えー、この二人、エイミにナイショで二人で旅立つ気だったとか!? やっぱり、これはすでにカップル成立!?

 もし、これが認められた日には、二代続けて魔王との戦いの最中に妊娠発覚な事態が起こっていたやもしれません(笑) いや、そこは先代を見習わない方がいいかと。

 年上の二人を前に自分が一番と適任と主張するエイミの押しの強さにもびっくりしましたが、どこからその自信が……?
 でも、口喧嘩をする三賢者、仲が良さそうでいいですねえ。原作ではレオナの補佐で真面目な大人のイメージの強い彼らですが、アニメだと年相応な感じです。

 そう言えば、原作ではエイミさんと並んで跪いていたバダックさん、アニメでは部屋の隅で歩兵よろしく立っていましたね。
 呆れたように三人を見ている感じが、良かったです♪ どちらかと言えば、バダックさんの方がそんな目で見られることが多いイメージなのですが(笑)

 後、ちょっと残念だったのが三賢者が賢者の証である冠を外すシーンがなかったこと。アポロとマリンがいつも頭にはめているのを最初から身につけていなかったので、彼らが三賢者の地位を辞す覚悟があることを示唆してはいましたが、原作では頼みながらエイミが冠を外すシーンがあったので、是非アニメで見てみたかったですよ!

 ……まあ、髪の毛と絡む動きってのはアニメとして表現するのには手間暇がかかるので、省きたくなる気持ちは分かるのですが。

 レオナが三賢者を叱責するシーンは、もう少し迫力が欲しかったところ。
 でも、原作にはないバダックの問いかけシーンは、よかったです♪ バダックさん、回を追うごとにキャラがしっかりと立ってきた感じですね、よかったよかった。

 今後、最後の戦いでのクロコダインとの友情の会話が、今から楽しみですよ!

 しかし、レオナがいそいそと「今の話はまた後でね」と逃げ出すシーンやバダック達が姫を怪しむシーンがカットされていたのは、ちょっと残念かも。
 その分、デパートについて力説するレオナへの力の入りっぷりが素晴らしい(笑)

 レオナさん、レオナさん、デパートがすごいというのを説明するために、両手を広げてみせるのは、まあ、分かります。けど、バレリーナのようにその場を一回転してポーズを決めるとわ……っ(爆笑) しかも、三回も!
 どんだけデパートが好きなんですか、姫様っ。

 そんなレオナのプレゼンにほっぺたをピンクにして喜ぶダイが、また可愛いのなんの!
 「行きたい?」とクールを装った様子で聞いておいて、言質をとってからほっぺたピンクにしてはしゃぐレオナの、緩急の利いた態度がまたいいですねえ。

 マトリフの洞窟で、ポップがドラゴンの紋章を描くシーンがリアルタイムになっているのは、いい改変ですね♪
 原作では回想シーンを多用して、誰がどの段階で情報を得たかを、多少の幅を持たせながら共有させているのですが、アニメでは極力リアルタイムで行うことで話を分かりやすく見せている気がします。

 マトリフから装備を一式もらうシーンで思ったのですが、輝きの杖……なんだか、原作より心持ち大きめでコロッと丸い感じが。
 まあ、リメイクアニメでダイ達の武器は全般的にやや大きめ、かつ丸みを帯びたデザインになっていますね。

 違和感と言うほど極端なデフォルメではないし、アップ時の迫力が増している感じなので文句はないですが。

 ポップがいい物をもらったと喜んでいる改変はいいのですが、ベルトをはずそうとするシーンがなくなっている〜っ。
 っていうか、原作では結局、最後の最後まで開かされないで終わった謎のベルトなだけに、存在自体をなくすかと思っていたのですが、これはきっちり残しているのはなぜ?

 気球で抜け出すシーン、エイミさんがレオナへの不満を口にしていますね!
 原作では忠実さを前面に出していただけに、なんだかアニメではエイミさんの普通の女の子っぽさが増しているような気が。
 それも悪くはないですが、王家や主従関係についての描写の甘さが気になります。

 で、アニメではポップを連れていかなくていいのかと最初に口にしているのが、ゴメちゃんになっているーっ。
 原作ではダイ自身が気にしていたのですが、アニメ版ではゴメちゃんに言われて思い出しているような感じに……。

 えっと、これってゴメちゃんの賢さアップや出番アップを喜ぶべき?
 それとも、さりげに増やされるダイの賢さ減少を嘆くべきなのか(笑)

 レオナから貶されまくっているのを気球船の下で聞いているポップの、百面相がいいですねえ〜。ダイの褒め言葉にちゃんと嬉しそうな顔していて、喜怒哀楽の激しさがしっかりと出ているところが面白いです♪

 原作では、ポップが気球の籠に這い上がろうとしているカットで終わっているので、実際の合流シーンが改変されているのは嬉しい限り!

ポップ「言いたいこと言ってんじゃねえ!」

 と、レオナの『言いたいことは言っておくべき』という台詞にかけたやり取りが、また一つ増えています。

 そして、ポップが来たのを見て、ダイと二人きりじゃなくなったと膨れてみせるレオナが可愛いですねえ。ちょっと焼き餅を妬いてたレオナが、実に普通の女の子っぽくていい感じ。
 困ったように笑っているダイも、いいです♪ うん、ここで気の利いたことの言えない気の利かなさがダイっぽいですよ。

 空から見たベンガーナ王国は、見ていて感動しました!
 デルムリン島が原色ばりばりだったので最初は背景を心配していたのですが、町並みはいかにも中世風でファンタジーらしさを感じます。

 パプニカと違って、軍備を整えたベンガーナの雰囲気もいいですねえ。パプニカの城では兵士と神官が半々ぐらいの割合ですが、ベンガーナは完全に兵士一色で軍事色の強さを感じます。原作通りなのですが、白黒だったのに色合いがつくと、やっぱり雰囲気がぐっと増しますね。
 うーむ、イラスト集で見てみたいっ。

 レオナの走らせる馬車が、思いっきり蛇行運転しているのには笑っちゃいました。あー、すっごく納得。
 馬を速く走らせていましたが、運転自体は巧くなかったんですね。

 デパート、いつの間にかデパ地下が増設!?
 と、思って原作を確かめたら、ダイ達が見ていた表示に1Fの下にもちゃんと表示があったんですね。何を書いてあったのかは見えませんでしたが、どうやら地下もあった模様。

 ……ベンガーナ、思っていた以上に建造も発達していたみたいです。でも、エレベーター、地下1階になら階段で行けよと思っちゃいました。
 そういえば、レオナの「やーねえ、田舎者丸出しで」発言はやっぱりカットされていましたね。

 しかし、エレベーターの仕掛けにいちいち騒ぐダイとポップのやり取りが追加されていたり、デパ地下でいきなり買い食いをするレオナとか、オリジナル要素がぶっこまれているのが楽しいです。

 そう言えば旧アニメもこの辺で遊んでいましたが、やっぱり遊ばせたくなる回なんでしょうね、この辺りって。
 個人的には、スラまんに怯えたり、スラタピを間近で見ているゴメちゃんがツボでした♪

 ポップの小さなメダルゲットも、笑っちゃいましたね。さすが、運の良さMAXを超えた256の男!

 さらに、三階にも寄って馬のふん見物とは。
 ガラスに押しつけたダイ達の変顔にも笑いましたが、まさかここで馬のふんネタをぶっ込んでくるとは思いませんでしたよ! エロは絶対禁止でも、小学生レベルな下ネタはOKっぽいですね(笑)

 んでもって、ポップにベルトの買い取りを申し込んだ商人のシーン!
 よく見たら、後姿のメルルとナバラがすでに背後にいましたっ♪ 
 ポップがベルトのバックルをはずそうとするのが、見知らぬ商人の売値に釣られて、と大幅改変されているとはっ。

 しかも、呪われていると言い切ってますよ(笑)
 原作のポップは、ダサいからとバックルをはずそうとしていましたが、アニメではお金に釣られて売ろうとしていた……もらい物に対するこの対応、どっちがより失礼な態度なのか、悩みますね。

 そう言えばマトリフのベルト、過去のコンビニリミックス版では250Gの値段がつけられていたのですが、倍値になっていました。

 どたまカナズチが、まさか敗者復活的にデパートに参戦してきたとは思いもしませんでした。
 ダイが頭につけて頭突きするシーンがなかったり、勇者に対するやり取りもなくなってたのは残念ですが、

ダイ「……ないね」
ポップ「……ないな」

 と、淡々としたやり取りもいいですね〜。ゴメちゃんすら、呆れていたし(笑)
 また、武器屋さんが妙にハイテンション、かつ商売上手に! 二つ買ったら一個おまけって、それ、なんて通販商売!?

 ついでに、4Fが防具、5Fが武器屋になっていたのは、アニメでの改変ですね。原作では4Fが武器、5Fが防具だったのに。

 試着室でのレオナのファッションショー、ダイも見学してるっ。
 踊り子の服から天使のレオタードとお色気を削ったのに比例したように、ポップのツッコミがずいぶんと大人しくなっていますね。
 ダイが見学しているのはいいとして、だまってじーっと見ているだけで、何の反応もしてないけど……勇者的にいいのか、それで?(笑)

 それにしても、旧アニメでも遊び人とかぬいぐるみを着ていましたが、新作でも着るとは(笑)

 ダイの着替え、原作に出てきた怪しげなデパート店員さんが出てこなかったのが残念! いかにも怪しげでテンション高そうだったので、個人的にジャパ
ネット○田的な声までイメージしていたのですが(笑)

 後、ダイが試着している間、ゴメちゃんがポップの頭に乗っているのが可愛いですね! これも地味ながらアニメの改変です♪
 ダイが苦労しながら階段を上るシーン、ここではなぜエレベーターを使わないのかと突っ込みたくなりましたね〜。

 苦労しつつ上るダイを支えようと頑張るゴメちゃんの健気なこと! が、ダイがバランスを崩して転げ落ちた時、あっさりとダイを見捨てて逃げてましたが(笑)
 でも、心配してすぐ戻ってきていたので、よしとしましょう。

 オークションでのやり取り、オークションシステム自体の説明台詞などはカットされていましたね。
 
 そして、ナバラとメルル登場!
 メルルの髪飾りが、なんだか金属を思わせる光沢があったのに、ビックリです! うわっ、ずーっと布で作られていると思っていましたよ!?

 ナバラの毒舌、いいですねえ。思っていたよりも勢いがあって、いい感じです。メルルもメルルで、声がめっちゃ可愛いし♪
 ポップがメルルをじっと見ているシーンが追加されたのが、なんだか嬉しかったです! 筆者はポプマ派なんですけど(笑)

 しかし……メルルが祖母の代わりに謝罪するシーン。
 彼女の背後に、棚に並んだ防具が見えるのですが……なぜそこに、女剣士が身につけるようなお色気ビキニアーマーを置いた!? しかも、上半身から太股半ば辺りまでのトルソーが、ちょっと身体とひねった感じのポーズをつけとりますがっ。

 目立たないところにお色気をこそっとぶち込むスタイル、好きですが……好きですけどっ、よりによってメルルの背景でやるのは止めて欲しかったんですけど〜っ。ダイ大の中でおそらく唯一の清純派ヒロインなのにっ。

 ポップの背後だったら、文句を言うどころかある意味ぴったりだし、遠慮なしにニヤニヤできるんですけどね。
 アニメで見て、自分の中のメルル愛が思っていたよりも熱かったことを再確認しました。

 メルルの予知シーン、水晶玉がちゃんと光っています! 怯えるメルルが、また可愛い感じ♪ 彼女の姿から海へと変化する演出も、いいですし。

 ヒドラとドラゴンの出現シーンは、文句なしに格好良かったです! やっぱり、ドラゴンクラスになってくると可愛らしい雰囲気ではなく、格好良さが際立ってきますね。

 謎の関西商人ゴッポルさん、まさかリメイク版でも名前付きで登場するとわ(笑) まあ、出番はあるとは思いましたが、名前や台詞はもっとカットされるかと思っていました。

 それにしてもダイ、競り合いの最中に予算オーバーしてることをそんな馬鹿正直に言わなくても。
 ダイの、安い武器でも勝てばいいという台詞はカットされていましたが、意外と経済観念のしっかりしている辺り、ブラスさんの教育が偲ばれます。

 ドラゴン襲来時の揺れ、地震かと問いかけるシーンがカットされているのも、ご時世を感じますね。
 そう言えば昔、地震のあった翌週に、ちょうど地震をネタにしたアニメを包装するはずだったのが取りやめられたことを思い出しました。

 ドラゴン襲来で戦いを決意するレオナと、そんな姫さんを見直すポップのやりとりが実に良かったです!
 原作でも好きなシーンなんですが、恋愛要素皆無でお互いに相手を認め合いながら、ちょっと軽口をたたき合う感じがいいんですよね。

 アニメでは、ポップがレオナに店の人達の避難を頼んでいるので、すでに信頼関係が感じられます。
 ポップのトベルーラも、アニメで見ると動きが抜群にいいですよーっ。

 ダイの窓から落下シーン……いやもう、ちゃんと階段かエレベーターを使おうよ、ここ5F!(笑) 原作よりダメージが増えて、大惨事ですよ〜。
 人型の穴を開ける落下シーン、マジでやるとは(笑)

 アニメはギャグは控え目なので、クレーターが出来るかと思っていましたが、そこは原作通りだったんですね。ちょっと、『ヤムチャ死す!』的なシーンになるかと思っていたのですが。

 ドラゴンを前にビビったり、格好をつけた末に逃げ出すポップのアクションや表情はイメージ通りでよかったです。

 壁を突き破って登場するヒドラは、ド迫力でした♪ ドラゴン、動きがいいですね。重厚感がありながらも意外と機敏な感じで。

 デパートからの脱出シーン、メルルとナバラが入るのを見つけて、感動しました!
 原作ではそのコマには二人の姿はなかったので、予知が早かった彼女達は一足先に逃げていたのかな、と思っていたのですが。

 後、メルルの避難シーンで後方に荷物を抱えて逃げる男性、原作では片手に赤ん坊を抱いていたのが、犬を抱っこに変更されていました! 微妙になにかに配慮した改変?

 えっと、原作では嫁に逃げられ済みの子持ち男だったのが、犬大好き独身男になった、と解釈しても?(笑)

 それはどうでもいいのですが、走るメルルの髪のなびき方や、腰の鎖の弾み方が、キレイで惚れ惚れします♪ 後、メルルの着ているワンピース、初期は割と丈が長めに描かれていたのが、アニメでは割と短めになっている感じ。

 人々を助けたいと強く主張するメルル、いいですねえ。
 レオナの主張の根底にあるのが、人々をいい方向へ導きたいと願う正義感だとしたら、メルルの主張には、逃げてばかりの自分に対する罪悪感があるような気がします。

 岩をどかそうと踏ん張るメルル、思いっきり頑張っている感がすごい!
 原作でもメルルは岩をどかそうとはしているのですが、角度的にアニメほど思いっきり力を入れている感じはしなかったんですよ。

 幼女を庇うメルルの姿も、いいですねえ。
 原作でもそうしていましたが、アニメでの動きで見ると感動もひとしおです!

 メルルに見とれすぎて、ダイの狙い澄ました登場の印象が薄れたような気が(笑)
 パーツを装備したダイ、最後にしっかりと出てきたのには満足♪

 次週予告、ポップのベタンが今から楽しみでなりませんっ。しかし、ダイがドラゴンキラーを使うの、思いっきりネタバレしとりますね(笑)


《おまけ・新装再録版13〜5巻感想》

 13巻の表紙は、バランパパンが! 神魔剛竜剣を構えたパパンが、実に格好いいです! 背景は地底の門っぽいですね。
 ダイの剣を握りしめるダイの手が見えていて、親子の共闘シーンを連想させます。

 背後にいるのは、シグマにフェンブレン。ハドラー親衛隊、フル出場ですね。しかし、フェンブレンが思いっきり帯の下に隠れちゃっているのに爆笑しました。ざまぁ!

 13巻は二色カラーが一話に、旧コミックスにあったキャラクターへの質問コーナーがおまけについていました。

 14巻は、迫力のあるダイの突進シーン。
 ちょうど、13と15巻に広げた両腕がかかっている形ですね、すっごく主人公っぽい躍動感のある構図です。

 背景は死の大地を海から見た図ですが、帯をめくったらヒュンケルが隠れていました(笑) 鎧の魔槍パターンで、一人黄昏れて遠くを見やる感じです。
 14巻はフルカラーからの二色カラー回があるので、ボリュームたっぷりな感じ♪

 15巻の表紙は、なんといっても超魔ハドラーの迫力ある睥睨シーンが魅力! 背景は、下から見上げるバーンパレスですね。
 老バーン様も描かれていますが、大きさではハドラーのアップに及ばないのにさすがに迫力がありますね。
 他のキャラと違って、隠しきれずに帯からはみ出る存在感(笑)

 フルカラーからの二色カラー回もあるし、巻末にカラーイラストギャラリーもあるお得感のある巻です。
 何より嬉しかったのは、当時知らなかったダイ、ポップ、マァムの三人が登場するギャグな四コマが収録されていたこと!
 
 これはジャンプ本誌には載らなかったし、旧コミックス、コンビニリミックス、文庫版、公式パーフェクトブックにも未収録だったので、筆者は初見でした♪ すっごい掘り出し物を発見したみたいで、嬉しいです!

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