『ザボエラの奇策』(2021.5.22) |
《粗筋》 バーンの御前を辞して、廊下を歩くハドラー。歯がみし、怒りを隠そうともしないでザボエラに魔王軍の残存兵力を集めるようにと命じる。だが、その作戦はすでに失敗していると進言するザボエラ。 正攻法ではなく策を弄した暗殺を進言するザボエラに、ハドラーは不快な表情を見せるものの、反論するだけの根拠が無いのか黙り込んでいるだけだ。そんなハドラーに、ザボエラは自信満々に自分に任せるようにと告げる。 ザボエラ「勝者とは、強い者のことではありませぬ。たとえどんな手を使っても、最後まで生き残っていれば勝者と呼ばれるのです」 ザボエラの説に、まるで、それだけは認められないとばかりに低く唸りながら、ハドラーは瞑目した――。
その頃、テランの森の小さな小屋でダイ達は休息を取っていた。 周囲を見回すと、壁際の椅子に腰掛けたレオナがうつらうつらとうたた寝しているのが見えた。 そんなレオナに目をとめたダイに、ベッドの反対側にいたクロコダインが、彼女を寝かせておいてやれと気遣う。 生き残れたのが不思議なぐらいの激戦の後……だが、ヒュンケルは包帯だらけの身体で無理矢理立ち上がる。 バランが退いてもまだ他の軍団長が襲ってくる可能性を踏まえ、見張りに立とうとして、ふらつきながらも近くに立てかけておいた槍を手に取る。 強がりを言うなと咎めるように言うヒュンケルに対し、ポップは近くにあった花瓶から花びらを一枚つまんで落とし、花びらが指先に重なった瞬間、魔法を放った。 床に落ちた花びらには、ギラで焼け焦げた穴が空いていた。極小さなその穴は、ポップの魔法力の収束の高さを表している。 それを見て、ヒュンケルは腰を落として椅子に座る。現状で一番戦えるのはポップだと認め、見張りを任せることにしたのだ。 ヒュンケルは、竜の血を飲んだ人間が不死身の力を得たと言う伝説について話す。バランの血の影響で、ポップの身体は以前より強靱になったのかもしれないという予測している。 それを聞いて、ダイは自分の血を飲んだら、みんな、強くなるのかなと無邪気に喜ぶ。 ダイはガッカリして、寝っ転がる。自分にそんな力があれば、みんなを死なせないで済むと思ったと本気で残念がるダイに、ヒュンケルはいつになく優しく声をかける。 ヒュンケル「安心しろ、ダイ。オレ達はそう簡単には死なない。……無論、ポップもな」
自爆を仕掛けたのに外してしまい、敵に助けられたことを気にするポップは、無理をしてでも仲間のために役立とうとしているのだ。 その様子を、メルルは木の陰からそっと見ていた。 誰何の声を上げるポップに、明るく手伝いを申し出る声がかけられる。 茂みをかき分けて現れたのは、別れた時、そのままの姿をしたマァムだった。 ゴメちゃんやポップは目をこすり、本当にマァムかと確かめる。 その様子を、メルルは木の陰からそっと見つめていた。 メルル(でも……) ポップは、マァムに修行の成果について訪ねる。 そしてメルルも、マァムへの違和感を消せなかった。 一方、ポップも自分の中に浮かんだ疑問を打ち消し、マァムを仲間達に引き合わせようと小屋へ向かおうとする。 驚いて振り返れば、すぐ側にまで顔を寄せたマァムがそこにいた。 マァム「……それに……もう少し、このままでいたい」 ポップの指を包み込むように、マァムの手が絡みつく。その身体も、いつもよりもずっと距離が近く、寄り添っていた。 マァムに気を取られているポップは、ゴメちゃんが眠り込んでマァムの方から転げ落ちたのも気づかなかった。 ポップの名を切なげに呼び、ポップの後頭部に手を回すマァム。ポップに寄り添い、上目遣いに見上げながら顔を近づけたマァムは、目を閉じる。 マァム「……おやすみ!」 激痛と驚きに身をのけぞらすポップ。 そこに現れたのは、ハドラーだった。 ポップがマァムを好きだと知っていて、ザボエラはマァムの姿を借りて騙したのだ。 ザボエラの爪に仕込まれた毒のせいで、身体の自由が利かない。みんなに呼びかけようとするポップだが、もう声も出せなかった。 地面に落ちているゴメちゃんだけで泣く、小屋の手前ではメルルが日午後と地面に倒れ、小屋の内部でもダイ達だけでなくナバラまで倒れ込んで眠っていた。 全員、確実に暗殺できると喜びつつも、ポップだけ魔香気の効き目が薄かったことをいぶかしがるザボエラ。 だが、倒れて動けないままなのに、ポップはハドラーに対して文句をぶつける。 その言葉に、ハドラーは必要以上に怒り、自分には失敗は許されないのだと言い訳するが、ポップは怯まない。以前、同じようなことを言っていたクロコダインと比較し、言い放つ。 ポップ「男の戦いには……勝ち負けより大事なことがあるんだってことをな!」 ポップの言葉に、ハドラーは動揺を見せる。 高々とザボエラが手を振り上げた時、その手が閃光に焼かれた。 マトリフ「薄汚え手でそいつにさわるんじゃねぇ……」 冷徹な目で魔王を見下ろす魔法使いを前に、ハドラーは名を問う。だが、それに対する返事はない。 ポップ「マトリフ……師匠……」
アバンと旅をしていた頃の魔法使いの心得を説くマトリフの言葉に、ハドラーはようやく彼がアバンの仲間だった大魔道士だと気がつく。 マトリフ「……よぉ。元気そうじゃねぇか。三流魔王」 仲間であるロカやアバンの死を嘆き、ハドラーをあの世に送るからアバンに謝ってこいと言ってのけるマトリフに、激昂したハドラーはベギラマを放つ。 しかも、ベギラマを放ちながら、マトリフは残る片手でキアリーの呪文をポップに放つ。同時に二つの呪文を操るマトリフに、ハドラーは驚きを隠せない。 キアリーの魔法に包まれたにも拘わらず、すぐに全快しないポップを見て、マトリフは厄介な毒を盛ったと舌打ちをする。 ベギラマの打ち合いが終わり、魔法の光が消えたのと同時に、ハドラーは両の拳を打ち合わせて魔法力を高め、両手の間に閃光の橋を作り上げる。 ハドラーの得意にして閃熱系の極大呪文、ベギラゴン――それを放とうとして、ハドラーは目の前にいるマトリフもまた、両手で同じ閃光の橋を操っていることに気づいた。 できるはずはないと動揺するハドラーに向かって、マトリフはベギラゴンを放つ。凄まじい魔法の奔流に対抗すべく、自らもベギラゴンを放つハドラー。 じりじりと後ろへ押されるハドラーは、未だに手を抱えて蹲っているザボエラに加勢を促す。 二対一の戦いとなり、初めてマトリフが戦いの中で顔をしかめた。 呪文を操る手が焼け、口から血を吐くマトリフ。 このままでは師匠だけで無く、仲間達も危ない……声に出さぬまま、仲間達を、ダイを喚ぶポップ。 マトリフが弱ったのを見て、嵩にかかって責め立てるハドラー達。一段と勢いを増したベギラゴンの光に、マトリフとポップが飲み込まれかける。 ザボエラ「やりましたぞーっ!」 勝利を確信し、笑うハドラー。 深い眠りに陥ったいたはずなのに、ポップが自分を呼ぶ声がしたと言うダイは、決意を込めて叫ぶ。 ダイ「消えろ、ハドラー。おれはもう絶対に仲間を殺させない! 二度としなせるもんかぁあああ!」 ダイは掌に集めたベギラゴンのエネルギーに、自分のベギラマを上乗せして撃つ。 まるで夜明けのような光の輝きが収まり、小屋の周辺は焼け焦げだらけの荒れ地へと変化していた。 紋章が消えるのと同時に力を失い、その場に座り込むダイを見て、ポップが声をかける。 その様子を『甘ちゃん』と評しながらも、マトリフが二人を見る目は優しかった。 その時、小屋の方から音が聞こえる。 が、大きく広がる戦いの痕跡に、目を剥くヒュンケル達。こんな爆発が起きたというのに、自分達が寝入っていたことに衝撃を受ける。
ハドラーをすでに死んだ者と見なし、ミストバーンに取り入る算段を考えているザボエラの足を、何者かが掴む。 驚愕するザボエラに、ハドラーは凄まじい形相で裏切りは許さないと迫る。ザボエラが密かに研究していた、超魔生物の身体を望むハドラー。 力を求めて止まないハドラーの手は、足掻くように空に向かって伸ばされた――。 一方、小屋に戻ったダイ達は、ベッドを占領したマトリフを取り囲み、これまでの事情を説明していた。 ヒュンケルはザボエラの奸計にかかったことを気にして謝罪するが、マトリフは恋心を悪用された奴もいるから気にするなと取りなしつつ、チラッとポップの方を見やる。 レオナとヒュンケルの注目に赤面し、口笛を吹いてごまかそうとするポップ(まったく、ごまかしきれていないが) クロコダインは恋バナより、あのハドラーがザボエラと組んで行動してきたのが気になる様子だ。ヒュンケルも魔王分の動きを気にしているし、小屋の中に沈黙が落ちる。 そんな中、ポップはマトリフがダイが竜の騎士だと知っていたことを指摘し、なぜ教えてくれなかったのか、もっと早く来ることだって出来ただろうと責める。 マトリフはダイの正体を知った時、ダイも仲間達も傷つくことが分かっていた。自分では何もしてやれないと思ったマトリフは、探してきたという一冊の本を差し出す。 汚い本だと言ったポップは、表紙に書かれた紋章がアバンのマークだと気がつく。 勇者アバンが後生のために残した、世界に一冊しかない手書きの書。 敗北した時の心得として、自分を見直すように悟る教えの言葉――それは、アバンの教えを受けた者だけではなく、レオナの胸にも強く響いた。
《感想》 『師匠、今回はあんたが主役っ』 バーンが不機嫌に廊下を歩くシーンは原作にもありますが、原作では終始無言のままだったのに対し、アニメのハドラーはおしゃべりですね。 力押し作戦を推したがるハドラーとザボエラのやり取りが、よかったです。ザボちゃんの言う通りただでさえ前に失敗した作戦な上、フレイザードとミストバーンが欠けていることを考えれば、力押しでは勝てっこなかったでしょうね。 爪をキラーンと光らせるザボちゃん、悪党っぷりがお見事です! 森の小屋のシーン、ダイの木箱ベッドの描写の細かさに感動しました。原作でも木箱だし、枕の代わりにタオルのような布を丸めて使っているんですが、ちゃんと再現されていましたね! 寝室の方をポップに明け渡し、他のみんなは玄関に近い方の部屋に全員そろって押し込められている辺り、彼らがいかにポップを心配し、優遇しているかが見て取れます。女の子でお姫様のレオナでさえ、椅子で寝てるのに(笑) ダイが、いかにも眠そうに周囲を見回す改変が嬉しかったです♪ また、レオナのマントに注目しました。原作ではレオナはマントは普通に着ていましたが、アニメではマントの前を閉じて身体を冷やさないように工夫していますね。マントの汚れぐあいもしっかり描写されていて、いかにも激戦後な気がします。 ヒュンケルが無理をして立ち上がるシーン、壁に一度背をもたれかけさせて態勢を整えたり、肘から手首に当たる部分を壁に押しつけるようにして身体を支えたりしているのが細かいですね。本当に、立つだけでも精一杯という感じです。 ポップのお調子者っぽい台詞、想像以上でした♪ 特に、「そ・そ!!」がどんな感じかと気になっていたので、元気いっぱいなポップの台詞が聞けて嬉しいです。 しかし、ポップの横顔のシーンだけ作画が変というか、やけに頭が大きいデフォルメな絵になっているのに驚きました。えー、ここだけチェックミス? ポップの肩に乗って寄り添っているゴメちゃんが、運動と同時に飛び上がる辺り、空気の読める子だなぁと感心しまくり♪ ポップの魔法を使うパフォーマンスもいいですね! 原作ではモノローグだったクロコダインの解説が、きちんと語られているのがいいです。よく考えたら、クロコダインとヒュンケルはともかく、ダイには言わないと分からない可能性が高そうだし(笑) 絶好調だと得意がるポップの背景、原作ではシンプル日の出風の集中線だったのに、アニメでは黄色の背景にクレヨンで描いたような水玉が飛んでいるという不思議背景に改変されていました(笑) ポップの頭にバンダナがないだけに黄色の背景がよく似合っていましたが……誰が考えたんだろ、この背景。と言うか、この先もチウ君のバックにはよくシンプル日の出風集中線が多用されるはずなのですが、この先もこんな感じのアレンジが入るんでしょうか?(笑) ちょっと楽しみになってきました。 ダイが自分の血について語るシーンで、クロコダインが満面の笑みを見せていますが、その格好良さに打ち抜かれました♪♪♪ ついでに、長年の勘違いが発覚。 原作「おまえは人間の血の方が濃いとバランが言ってたよ」 この台詞、ヒュンケルの台詞だと思っていました! クロコダイン「おまえは人間の血の方が濃いとバランが言ってたぞ」 と語尾が改編されていたので、ヒュンケルからクロコダインの台詞に改編しただけかもしれませんが。 その後の、ヒュンケルがダイにかける言葉がすっごく優しく聞こえたのには、感動しました。ヒュンケルの声は旧アニメよりも感情豊かだと思っていましたが、優しい声という方向性でも情感に溢れている気がします。 見張りに立ったポップを見守るメルル、手に籠のようなものを持っているのを発見! 原作ではメルルは手ぶらだったので、ポップの様子を気にしてストーカーのように外へ出て行った説も有りえたのですが、アニメでは元々メルルは雑用のために外にいて、そこでポップを見かけた……という設定みたいですね。 ポップとゴメちゃんの会話も、いいですね〜。 ポップが掌を広げたら、ゴメちゃんが当たり前のようにポテッとそこに乗るのが可愛くてたまりませんっ。ゴメちゃんを掴んで、むにむに引っ張るポップもいい感じ。 ゴメちゃんはちょっと嫌そうにぴーぴー泣いていても、別に逃げない辺り、痛くもかゆくもなさそうですね。 それにしてもポップを心配するメルルの乙女な姿が、実に可愛いです〜。祈るように目を閉じ、気配を感じてハッと目を見開く演出は実に良かったですし。 でも、ちょっと不満なのがマァムとの再会シーン。 しかし、メルルはマァムに禍々しいものを感じる、と言っていますが、絵的な表現は一切無かったのが無念。 メルルが能力で見ている風な画面……出来れば、体温を測るサーモグラフィティー的な特殊映像で、視覚的にマァムの違和感を表現して欲しかったですねえ。 マァムの誘惑シーンは、思っていたよりもずっといい雰囲気! え、さりげに原作以上にマァムがポップに寄り添っているんですけど!?(笑) それにしても、ザボちゃんのなんたる女子力の高さよ! ポップが毒で倒れるシーン、原作ではバタッと横倒しに倒れていましたが、アニメでは気分が悪くなるのにつれ蹲り、ザボエラに蹴飛ばされて横倒しになっているのが、いい改変だと思いました。 普通、人間が気絶する際は頭を庇おうとする意識が働くため、前のめりにくずれ込むのが自然なので、アニメの動きの方がいいですね。ザボちゃんの性格の悪さも、よく出てますし。 みんなの熟睡シーン、原作のメルルの乙女な眠りを楽しみにしていたのですが、ポーズが地味な感じに変更されていましたね。しょぼん。 え、なぜナバラさんだけ人形のようにバッタリ倒れちゃったんですか!? 原作では一応、手足にポーズをつけていたのに、アニメではばったりしすぎていて思わず笑っちゃいました。 ポップのハドラーへの一喝シーンは、思っていた以上に良かったです! やたらと力んだ口調に、これだけはどうしても言いたい、言わずにはいられないというポップの拘りを感じます。 ハドラーの動揺っぷりもいいですね。歯をガチガチ鳴らしたりとか、図星を疲れて激昂するシーンがいい感じです。 ザボエラの止めを刺そうとするシーン、「放っておいても死ぬが」の台詞がカットされていましたね。即死はそのまま使っていたので、死を暗示させる台詞がダメというわけでもない、と……うむむ、本気でアニメのNG台詞の線引きが分かりません。 師匠の助っ人っぷりは、見事の一言! ザボちゃんの手が切り落とされるのではなく、焼かれる描写に。ズパッと小気味よくザボエラの腕を切り裂いた魔法が格好良かっただけに残念でしたが、欠損表示は残虐すぎると判断したのか、それともザボエラの傷が次回に登場する際には完全復元するはずなので、自然さを優先したのか。 ポップへ語る魔法使いの心得とか、三流魔王と煽る態度や、アバンの死を嘆くマトリフ師匠の述懐が格好良すぎ……っ、しぶい! 動きがほとんど無い台詞だけのシーンなのに、心に染みるような演技力はさすがですね。 それまでの淡々とした語りのシーンと、目をカッと見開き、手に魔法を浮かべるシーンのアクションの激しさが、差が大きいだけにインパクト大です。 後、これはただの偶然かもしれないですが、ポップの前に立ったマトリフの左手が気になりました。原作では拳を握りしめ、戦いに備えているのですが、アニメでは手を広げてポップへと向けているんですよね。 魔法合戦はド迫力でしたね! まず、ベギラマ合戦! ハドラーとマトリフ師匠のベギラゴン合戦……っ、夢にまで見たシーンの実現に感動しまくりでした! 魔王相手に一歩も引かず、むしろ余裕を持って対応する大魔道士の姿に惚れ惚れしましたよ。 ハドラー達がベギラゴンで飛ばされるシーン、ザボちゃんがクルクルと飛ばされていきましたが……え、ここ、ギャグを入れるとこ? と、一瞬、目を疑いました。原作ではいつの間にかいなくなっていたのに、なぜここで存在感を出した!?(笑) 戦い後のダイとポップの会話、やっぱりいいですねえ。 ヒュンケルとクロコダインが起きるシーンで、よく見たらメルルがぼうっとした感じで地面に座り込んでいるのが超可愛い……! 原作ではふらつきながら立ち上がっているのですが、まだ状況を理解していない感じの座り込みメルルもいいですね。 ダイがハドラーが来たとバラすシーン、原作ではポップのカットが無かったので、動けないくせにふてぶてしく横たわっているポップの姿が描かれていたのが嬉しかったです。 逃げ延びたハドラーとザボエラ、ザボちゃんは手を、ハドラーは下半身を隠したカットにしていましたね。 しかし、原作ではハドラーの片目に血が入っている描写だったのが、アニメでは終始片目を瞑っているにとどめていました。それに、原作では爪が半ば剥がれ落ちた無残な手が、アニメではうまく爪を隠した構図になっていました。 残虐シーンを抑えつつ、ハドラーの執念を表現しようと頑張っている印象でした。……ハドラーの下半身切断は、インパクトがあるので見たかった気もするのですが……朝から見るには不向きですしねえ。 マトリフの皮肉で、原作では「恋を囮にされて〜」が、アニメでは「恋心を悪用されて〜」に改変されていました。やはり、わかりやすい言葉にするように気をつけているみたいですね。 原作クロコダイン「だが……あのハドラーという男、褒められた人格ではなかったが……ザボエラほどひどい策謀家でもなかった。どちらかと言えば力押しで、な」 アニメクロコダイン「だが……あのハドラーがザボエラの策にのせられてこようとはな……。力押しで攻めてくる男だったが」 こうやって比べると、原作クロコダインはハドラーに対して距離がある感じですね。アニメのクロコダインの方が、ハドラーに対して一種の理解を示しているというか、ある意味で親しみを抱いているように思えます。 また、ヒュンケルは魔王軍で大きな動きが起こっているかもしれない、と言っていますが、原作では言い切っているので、アニメのヒュンケルの方が慎重ですね。 しかし、全員が横並びになっているのを後ろから見たカットがありましたが、右からクロコダイン、ヒュンケル、ポップ、レオナ、ダイと、見事に身長順に並んでいるのに笑いました。 全員、満身創痍なんですが、一番激闘を繰り広げたダイだけが服も無傷で、本体にも傷一つありませんよ……これだから、竜の騎士は。 また、この回ではポップが腰のナイフをさしていないことも発見! 上半身裸のヒュンケルの方が包帯量も多いのですが……傷が多いのに、彼の方がたくましく見えますね。ついでに、クロコダインは鎧を脱いでから包帯を巻いた方がいいのではないかと思ったのですが(笑) ポップがマトリフに文句を言うシーンで、原作ではマトリフの不在を責めていたポップが、アニメでは 「そ・れ・か・ら! もっと早く来ることだって、師匠なら出来たんだろー?」 と、思いっきり顔をしかめて言っていたシーン、気に入りました。わがままですが、それだけにマトリフへの甘えや信頼が見えますね。 絶対、ポップに持たせたマトリフのベルトのせいだと思っているんですけどね。 文句を言ってビビった後、お地蔵さんのような顔をしてしらばっくれている顔も、かわいいです。いや、シリアスなシーンでその顔はどうよ? って気もしましたけどね! ダイが字を読めない事を知って、ポップとマトリフがこけるギャグシーン、しっかり入っていたのは嬉しかったです! 盛大にこけるポップの隣に、真顔のヒュンケルがいるのが、また笑いを誘いました! そして、ダイの本の読み方を見て思ったことが。 でも、ダイはどう考えても視力的には問題が無いので、この癖はブラスから譲られたものなんじゃないかなーと推測! ブラスじーちゃんなら、老眼でもおかしくない感じですし。 国民的漫画「サ○エさん」で、字が読めない子が、おじいちゃんが眼鏡をかけると本が読めるのを見て、まねっこして眼鏡をかけて本を眺めるネタがありましたが、ダイも同じように字が読めない時は形だけでもブラスを真似ているんじゃないかなーと、推理してみました♪ アバンの書、説明に関してもずいぶんと詳しくされていたし、レオナの声にアバンの声を被せ、アバンの笑顔が浮かぶシーンも入ったいてのが、嬉しかったです。 原作通りの上からの俯瞰図と、横から見た構図じゃ無く、下から天井を見上げるような構図だったのにはちょっと意外でしたが。 最後に、湖を見つめるシーンで原作コミックス通りに黄色いシャツを着たダイが登場しました! レオナが用意した馬車、白馬をつけた荷馬車でベンガーナデパートに行く時に乗っていた奴みたいですが……もしもーし、一頭引きの荷馬車でクロコダインも含めた5人乗るのは無理がありませんかっ、姫様ッ!? っていうか、そもそもクロコダインは荷台には乗りきれないよーな気がするんですがっ。 え、えーと、クロコダインはもちろん、馬車の外を歩いてもらって、ヒュンケルもできれば重そうな槍を持って歩いた方が。 ポップとレオナだけなら、馬もなんとか持つでしょう。ベンガーナの港まで行けば気球船もあるはずだし、ふうっ、これで一安心。 次週予告で、やたらと顔を隠した女武闘家を押してくるのが素敵です♪ マァムのことは、めっちゃ焦らしますね! |