『超魔生物対チウ』(2021.6.12)

  

《粗筋》

 超魔生物へと変身して見せたザムザ。
 ダイを挑発するザムザに対して、殴りかかるダイ。だが、全体重を載せてジャンプしたその拳は、虚しく空を切った。
 なんとザムザは巨体からは考えられない身軽さで跳び上がり、ダイの攻撃を躱したのだ。

 ザムザの動きの速さに、驚くポップ。
 ザムザはカニのハサミに似た左手でダイを捉え、地面に叩きつける。だが、ダイは巨大ハサミに挟まれつつも、手足をふん張って耐えていた。

 そんなダイをさすがだと、感心したように呟くザムザ。
 しかし、なんとか堪えているがダイにはさほど余裕もなかった。ザムザのパラーが、先程までと段違いに上がっていると肌で感じていたからだ。
 危機感を感じるダイだが、その時、フッと目の色が変わる。

 目の前にいるザムザの姿がぼやけ、ぶれて見える。拳の竜の紋章の光も薄らぎ、ハサミの力に押され始めた。
 一転してハサミに挟まれそうになるダイを見て、ポップは彼が竜の紋章の力を使いすぎて、限界時間をオーバーしてしまったことを悟る。

 ダイを心配し、その意味を問うロモス王。
 ポップはダイの紋章の力が長続きしないことを、教える。

 一方、ザムザはダイを食い殺そうと腹の口を開く。不気味な花弁のように覆っていた部分が一気に花開き、牙の生えた腹の口が露わになった。
 そのあまりの不気味さに、チウやポップもたじろぐ。

 自分の腹へダイを落とそうと、ゆっくりと移動させるザムザ。頭から飲み込まれそうになった瞬間、ダイは全身の力を振り絞ってハサミを破壊する。
 辛うじて着地し、立ち上がったダイだが、またも目の色合いが変わってぼうっとした表情になる。

 ふらつくダイは、名前を呼んだポップの方を見るが、その目に映る光景は殺気まで以上にぼやけ、ブレまくっていた。
 力が入らず、その場でばったりと倒れてしまうダイ。

 倒れたダイを見て、満足そうに呟くザムザ。その際、腹の口や花弁が、その心を顕すように、不気味に蠢いていた。まるで、笑っているかのように――。
 無防備に倒れるダイに、ザムザがのしのしと歩み寄る。

 が、その時、鋭い光弾がザムザの羽を貫いた。二発、三発と連続して飛ぶ光弾がザムザの身体を傷つける。
 驚いたザムザが目を上げた先にいたのは、魔法を放った姿勢のままこちらを睨みつけるポップの姿だった。

 ポップの放つギラが、ザムザの腹の花弁の一部をぶっ飛ばす。
 破壊力が収束されたポップのギラに、驚愕するザムザ。その隙をついて、ポップは杖でメラゾーマを打ち出す。

 ザムザの上半身を包み込むような炎に、悲鳴を上げるザムザ。
 今のうちにダイを助けるよう呼びかけるポップだが、背後にいたチウは背を向けたまま、まだ震えていた。そんなチウを見て、心配そうに鳴くゴメちゃん。

 動物の本能として、ザムザを恐れる気持ちを理解したポップは、それ以上チウに声をかけず、代わりに兵士達に王様を頼み、一人、ダイを助けるためにコロッセオに駆け出す。

 取り残されたチウは、しっぽの震えが止まらないことを心底悔しがりつつも、その場で震え続けていた。
 
 ダイの側に駆け寄ったポップは、ダイを助け起こす寸前でハッと気づき、巨大ハサミの攻撃をとんぼを切って躱す。
 ザムザはポップが見た目に寄らずたいした魔法使いだと褒め、いいモルモットになると言ってのける。

 だが、ポップはザムザの言葉より、彼の左手のハサミや身体が完全復活していることに驚いていた。
 ダイの攻撃で壊したハサミだけでなく、ポップのギラでつけた傷も見る見るうちに治っていく。

 超魔生物はいかなる外傷もすぐに治癒する快復力を持っていると、自慢げに語るザムザ。
 肉体も九割方完成し、問題は魔法が使えなくなる点だといいながら、ザムザは視線をダイに向ける。

 ポップもダイの元へ駆け寄ろうとするが、それよりも一瞬早く、ザムザはハサミでダイを摘まみ上げた。ダイを再び食べようとするザムザに、ポップはやめろと叫んで魔法を放とうとした。
 
 が、ザムザが右手から放った闘気により、ポップは呆気なく吹っ飛ばされてしまう。
 闘技場の壁に勢いよく叩きつけられ、そのダメージで動けなくなるポップ。

ザムザ「覚えておくんだな……! 猛獣は食事の邪魔をされると、怒りが収まらんのだ」

 笑いながら、ザムザはダイを腹の口の上へと運ぶ。
 ポップが悲痛な声で叫ぶも、その手は止まらない。ついに、ダイは真っ逆さまに落とされてしまった。
 落ちざまに、悲鳴を上げるダイ。





 その声を、バイオプリズン内にいたマァムも聞いていた。
 ダイの危機を知り、顔色を変えるマァム。ゴーストものんびりとした口調ながら、呟いた。

ゴースト「急がなきゃ、だね」






 一方、ダイは嫌な音と共にザムザの腹の口へと飲み込まれてしまった。
 ザムザはわざとらしく「ごちそうさま」と言ってのけ、嘲笑う。
 勇者がなすすべもなく敵に食われるという悪夢に、動揺するロモス王や兵士達。

 だが、チウは震える尻尾を手で握りしめて止め、悪魔をやっつけてやると決心した。






 ザムザは丸呑みしたダイの収まった腹を見下ろし、体内の強力な分解液の作用でそのうち溶けるだろう、と考えていた。
 その時、ポップが悔しそうに呻きながらも、立ち上がろうとしていた。

 それを見て、ザムザは無駄な抵抗を止めろと忠告する。すぐに死ぬより、モルモットとして生きながらえた方がマシだろうと言うザムザの意見を、どちらもごめんだとはね除けるポップ。

 バイオプリズンに目をやったザムザは、あの中にも魔法使いがいるからモルモットは足りているといい、ポップはダイと同じように飲み込むつもりで、彼近づいていくザムザ。

 しかし、そこに「待てい!」と叫ぶ声が。
 驚いて振り返ったポップが見たのは、胸を張ってふんぞり返る大ネズミの姿だった。

 ザムザに対し敢然と喧嘩を売るチウを、あっけにとられた顔で見るポップ。ザムザも、ネズミ一匹など物ともしていない。
 なのに、チウは痛めつけられたくなかったら、謝ってみんなを解放し、降伏しろと上から目線で宣言する。

 実力に見合わない大言壮語をするチウに、慌てるポップ。
 ザムザはそんなチウを試すように、吠え立てる。
 より強力な生物からの威嚇を受けて、再びチウの尻尾が震えだした。ザムザにも蔑まれるチウだが、チウは足で自分の尻尾をしっかりと踏みしめ、震えを止める。

 尻尾に震えるなと言い聞かせ、チウは自分を鼓舞するように叫ぶ。

チウ「勇者ダイ君も、このぼくが助ける!」

 勢いよく飛び出していくチウ。ポップが止めるも、チウはそれさえ聞こえていないのか、窮鼠文文拳で殴りかかる。
 が、もちろんそれはザムザに当たることが無かった。ザムザの手が軽く払っただけで、チウは観客席上の壁まで吹っ飛ばされてしまう。

 並の人間のリーチにさえ敵わないチウに、あんな巨体と戦えるわけがないと、ポップは思わずぼやいていた。

 が、吹っ飛ばされたチウは諦めない。
 起き上がり、何度となくザムザに飛びかかり、また投げ飛ばされることを繰り返す。
 そんなチウに、逃げるようにと訴えるポップ。






 バイオプリズンの中で、ポップの悲痛な声をマァムも聞いていた。ポップやチウにも危機が迫っていることを知り、マァムは焦ったようにバイオプリズンの壁に拳を打ち込む。
 しかし、肉の質感を持つ壁は拳の威力を吸収するだけで、ダメージを与えられない。

 それでも続けて拳を打ち込むマァムに、一緒に閉じ込められた男達は無駄だと声をかける。力でも、拳でも、魔法でも効き目が無かったと、男達はすでに脱出不可能と諦めてしまっていた。
 
 だが、マァムはそれに反発し、仲間が危ないのにじっとしていられないと、なおも拳を壁に打ち込む。
 しかし、そんなマァムの腕に、ゴースト君の手が置かれる。

 そのやり方ではダメだといい、修行で得た力を正しく発揮するようにと優しく諭すゴーストに、マァムは何か思い当たることがあるらしい。
 が、マァムがそれを問いただす前に檻の中に煙が立ちこめる。危険を感じて口を押さえる彼らだが、身体が痺れる煙がバイオプリズン内に充満しつつあった――。






 そんなことも知らぬまま、バイオプリズンの外ではチウの奮闘が続いていた。飛びかかってはやられ、それでもまた飛びかかるという行動を愚直に繰り返すチウに、さすがのザムザも疲れたのか息が上がってきた。

 そんなチウを見ながら、ポップは考えていた。
 あれが自分に出来るか、と。
 絶対に勝ち目がない相手に、たった一人でがむしゃらに戦いを挑み続ける――駆け出しの頃の自分にそれが出来たかと自問し、絶対に出来なかったと自覚するポップ。

 それがどんなに勇気が要ることか分かるだけに、昔に自分と引き比べ、チウを見直すポップ。
 
 ふと、ザムザに注目したポップは、彼の腹の口も呼吸している事実に気がついた。それをヒントにとあることを思いつくポップだが、そこにチウが飛ばされてくる。

 やられっぱなしのチウは、ポップにだけはかっこ悪いところを見せたくなかったと悔しそう。

ポップ「そうかい、だが逃げずに戦っているだけでも立派なもんだ」

チウ「ふん、失敬な! 仲間を見捨てて逃げちまうようなヤツは、最低のクズだ!」

ポップ(……耳が痛いぜ)

 ポップはチウに、ダイを救出する策があるから手を貸すようにと持ちかける。腹の口を開かせるから、チウの力で土手っ腹に一発ぶち込めと指示するポップ。

 よろめきながら立ち上がったポップは、目を閉じて集中力を高める。ザムザが襲いかかってくるが、それさえ気にとめた様子もなく魔法に集中するポップ。
 握りしめられた手を開いた時、それぞれの指に炎の固まりが生み出されていた。

ポップ「フィンガー・フレア・ボムズ!」

 ポップの手から、同時に三発のメラゾーマが放たれる。
 先程のメラゾーマとは比べものにならない豪火が、ザムザを襲った――。





 魔法の成功に喜ぶポップだが、打つと同時に力尽きたのかその場にへたり込む。フレイザードの必殺技を再現させたポップは、ひどく嬉しそうだった。
 ポップに反発しがちがったチウも、メラゾーマ三発を同時発射させた腕に驚いている様子。

 本来は五発同時撃ちをする魔法だが、ポップの全魔法力を注ぎ込んでも三発が限界だった。
 しかし、効果は十分にあった。

 まとわりつく炎は、通常の魔法と違いそう簡単には消えない。超回復を持つザムザなら火傷には耐えられるが、炎が燃えることで顔周辺の空気が燃えて息が出来なくなってしまう。

 息が出来ないなら、腹の口を開いて呼吸せざるを得ない。ポップの狙いは、そこだった。
 
 炎のせいで呼吸困難に苦しむザムザは、腹の口を大きく広げ、思いっきり息を吸い込む。
 それを見て、チウに攻撃を頼むポップ。

 勢いよくそれを承知したものの、どうすればいいのかとここに来て考え込むチウ。
 その時思い出したのは、頭突きや体当たりで戦えばいいと言った、ダイの言葉だった。

 こうなったら格好なんか気にしてはいられないと開き直ったチウは、観客席の一番上へと登っていく。
 チウの行動の意味が分からず、戸惑うポップ。

 最上段からザムザを見下ろしたチウは、かけ声と共にまりのように丸まって下へ落ちていく。弾みながら勢いをつけて、体当たりを仕掛けるチウ。
 その勢いでハサミを壊し、ザムザに体当たりを決める。
 ザムザをぐらつかせた後、体当たりの反動を利用してきっちり着地を決めるチウ。

 胃液らしき物を吐き出したザムザの腹を見ていたロモス王と兵士達は、一斉に驚く。
 口の中から、ダイの頭と手がはみ出したのが見えたのだ。
 しかも、手が動いた――まだ、ダイが生きていると知り、活気づくロモス王達。

 が、チウは今の技が案外格好良かったと悦に浸り、こんな状況下だというのに命名に拘って悩んでいた。
 背後のザムザが、すでに炎も消えて自分の方に歩いてくるのにも気がついていない。

 窮鼠包包拳と命名したと同時に、ザムザの足の踏み潰されるチウ。
 思わず、調子に乗ったチウを怒鳴りつけるポップだが、状況はすでに最悪。ポップは魔法力切れ、ダイ救出の要だったチウはザムザに踏まれたまま、動けない。

 しかも、激昂したザムザは怒りも露わに皆殺しだと叫ぶ。
 だめか、と思わずポップは俯いて目を閉じた――。





 その頃、バイオプリズンの中では奇妙なガスが充満しており、中に閉じ込められた者達は咳き込み、苦しんでいた。立てもしなくなり、蹲る男達。
 だが、その中でマァム一人だけが、平然と立っていた。
 なぜ、彼女だけ無事なのかと戸惑う男達に、ゴースト君が説明する。

 身体からわずかな魔法の光を放つ彼女は、身体から微弱な回復魔法を全身から張り巡らせている。

 目を閉じ、身構えたままの姿勢で、マァムはバイオプリズンについて考えていた。あらゆる攻撃が通じないが、生命体であることは変わりは無いと確信したマァムは、目を見開き、武神流秘奥義を使う決意を固める。

 手袋を外し、舞うように両手を構え直すマァムの動きに、周囲のガスは霧散するように押されていく。
 独特の構えを見せるマァムに、彼女がバイオプリズンを破ろうとしていることを察する男達だが、彼らは悲観的だった。
 自分達がいくらやっても通じなかったのに、小娘が出来るはずはない、と。

 だが、身構えたマァムの拳が黄金色に輝き、壁に叩きつけられた瞬間、いっそうの光が輝いた――!





 一方、バイオプリズンの外では、ザムザがチウをゴミ呼ばわりし、踏みにじり続けていた。
 よせとポップが叫ぶも、ザムザが手加減をするはずもない。
 苦痛の中、マァムの名を呟くチウ。

 その時、不審な音を聞いてザムザはバイオプリズンの方を向く。
 雷のようなヒビが入り、光と共にバイオプリズンが爆発した。それが信じられないとばかりに叫ぶザムザ。

 そんなザ無差の前に立ちはだかったのは、武闘家マァムだった。

マァム「みんなを放してもらうわ!」

 マァムの話を聞いて嘲笑い、なお一層チウを踏む足に力を込めるザムザ。
 次の瞬間、マァムは飛び上がってザムザの顔に、光り輝く肘打ちを決める。よろめき、後方の穴へと倒れ込むザムザ。

 穴にすっぽりとザムザがはまり込んだ隙に、マァムはチウの側に屈み込み、回復魔法をかける。あっと言う間に元気になったチウに、マァムはポップを助けてあげてと頼む。
 チウは「なんであんなヤツを」と不満そうだが、ザムザが起き上がってきた上、マァムに強く言われて素直に従う。

 ダメージが残るのか頭を抑えながら、超魔生物はすぐに回復すると自分に言い聞かせるように呟くザムザ。

 ロモス王はバイオプリズンから解放されたとは言え、倒れている男達を心配して、自分のことはいいから助けるようにと兵士に命令を出す。
 王の命令に従い、ロモス兵達は動き出した。

 ザムザはマァムに対して怒りを露わにし、モルモットにせず廃棄処分にすると言い切る。
 だが、怒りを感じているのはザムザだけでは無かった。
 
 マァムはザムザをこれまでの敵の中でも最低だと決めつけ、命を弄ぶ行為を非難する。しかし、超魔生物実験の崇高さに取り憑かれたザムザには、彼女の言葉は届かない。

マァム「なら、教えてあげるわ……! 生命の痛みを」

 気迫のこもったマァムのその言葉さえ、ザムザは一笑した。
 マァムをひ弱な生き物と決めつけ、超魔生物の不死身さを誇るザムザ。だが、その時、ザムザの左の角――先程、マァムの肘打ちを食らった部分が粉砕し、砕け散ってしまう。

 再生しない自分の体に驚き、うろたえるザムザ。
 それを、チウとポップは少し離れた所で見ていた。チウは目を輝かせ、マァムの最強拳だと力説する。
 ブロキーナ老師から伝授された、武神流最大の秘奥義、閃華裂光拳。





 その名を知らないはずのザムザだが、それでも再生が無効化されたことと、バイオプリズンが壊されたことを関連付け、同じ技だと気がつく。
 だが、それでも超魔生物の無敵さを信じ、吠えながらマァムへと襲いかかるザムザ。
 それに対し、マァムはスッと半身を引いて身構えた――。


《感想》

 変身シーンは、もう一度やると思っていました(笑)
 ザムザのジャンプシーン、思ったいたよりも印象的な構図になっていました! そして、アップで見てザムザの足がなんとなく鳥の爪っぽく見えることを発見(笑) でも、鳥の足特有のかかとに当たる部分の蹴爪がないので、やはり相当いろんな生物を混ぜ込んでいるみたいですね。

 ザムザのカニバサミ、アニメでは筋が入っていました! 原作よりも、より研がれた印象で切れ味がアップしている見た目です。

 しかし、何よりビビったのは腹の口っ。
 開き方といい、色合いといい、気持ち悪すぎでしょっ。外側は青かったのに内部は紫色って……すっごくドクドクしい色合いすぎですよ。
 効果音までなんか怖かったですよっ。シュビッと素早く開く動きの速さにも驚きましたが。

 ダイがハサミを壊した後、ふらつくシーンで、ポップだけでなくロモス王や兵士達の姿もそろって霞んでいましたが、ここはちょっと残念。
 原作ではポップが単独で写っていたシーンだったので、ダイがポップにだけ注目している感じがして、好きだったんですが。

 ダイの倒れる姿勢、原作では手足を広げてバタッと言ってましたが、アニメではお行儀良く手足をそろえて倒れているという改変。倒れるシーンで気遣うのは女性キャラ限定かと思っていたんですが。

 「あがきよって〜」のザムザのセリフの後、腹の口が蠢くついでに花弁がわずかに揺れる表現、不気味すぎますよっ。原作でも確かに、ここで口のアップと吠え声があるのですが、まさか花びら部分も揺れ動くとは思いもしませんでした(笑)
 アニメの演出って、あちこちで予想を超えていきますね。

 ギラを連発するポップ、いいですねえ! ただ、残虐さを抑えるためか、ザムザへのダメージ表現は控え目になっているのがちょっと残念ですが。ダメージ表現が少ないと、魔法の威力が低いように見えますね、やっぱり。

 ポップのメラゾーマが当たる寸前、ザムザが手で顔を庇うような仕草を見せているのが意外でした。炎ぐらいなら利かないと思いますが……まあ、実戦経験がなさそうなので、とっさに反応しちゃったのかもしれません。

 魔法使いとして反応するなら、つい対抗呪文を打とうという反応を見せてもいい気もしますが、自称妖魔学士ですし、デスクワーク中心で実戦には疎いのかもと思った瞬間でした。

 ポップがコロッセオに走り出すシーン、躍動感があっていい動きでした。走るシーンがダイナミックなアニメって、やっぱりいいですね♪

 チウが震えるシーン、ゴメちゃんが心配そうに見ているのがキュンとしました。原作でもゴメちゃんはこの時ずっとチウの側にいるのですが、表情的にはあまり心配そうでもなく、じーっと見ている感じだったので、アニメのゴメちゃんの表情の豊かさ、かわゆい鳴き声が嬉しいです。

 ポップがザムザのハサミを避けるシーン、後ろにバク転してますね、すごい運動神経! しかも、杖を手に持ったまま! 原作通りなんですが、原作寄りも動きが洗練されている印象です。

 ザムザが前に進み出た際、ポップが怯えて一歩下がり、それでも杖を身構える動きがリアルで実にいいです。魔法使いのポップからすれば接近戦は避けたいところでしょうが、ダイを置いて逃げるにもいかないのでその場に踏みとどまる……初期のポップからは考えられない成長ぶりがいいですね〜。

 ザムザの台詞、微妙に改変されていました。

原作ザムザ「覚えておくんだな……! 猛獣は食事の邪魔をされると、怒り狂うのだ」

 『狂う』が放送禁止用語に引っかかったんでしょうか? それとも、分かりやすい表現にするための改変か……微妙ですね。
 どちらにせよ、ザムザの口調は落ち着き払っていてひどく理性的に聞こえるので、口先だけの皮肉に聞こえます。

 しかし、ザムザの腹の音、ぬちゃぬちゃした音まで不気味さがこめられていますね〜。そして、アニメの方が原作より飲み込み速度が速いです。
 飲み込みシーンは原作にも無かったぐらいだし、カットするとは思っていましたが……見てみたかった気もしますねえ。

 以前、R18な大人向けゲームに『丸呑み』という分野があるのを知って以来、ちょっと興味があったのですが(笑)

 それはさておき、バイオプリズンの中でのゴースト君の台詞も、追加されていました。

 チウが尻尾を掴んで決意するシーン、原作では尻尾を握りしめただけでなく、口で噛んでいましたが、アニメでは手で掴むだけに改変されていました。

 驚いたのが、ザムザが魔法使いのフォブスターを名前で呼んだ点!
 え、意外とモルモットに名前をつけたり、覚えたりするタイプだったとは(笑) 正直、筆者はフォブスターの名前をしょっちゅう間違えていたりしたので、ザムザに思いっきり負けた気分でした。

 チウが助っ人として声をかけた時、原作ではポップが誰か助っ人に来てくれたと期待するモノローグがあり、その相手がチウがと知ると、失礼なぐらいガッカリしているシーンがありましたが、そこはまるっとカットされていましたね(笑)

 でも、チウ君の頑張りが微笑ましいです!
 ふんぞり返るシーンでは、下から見上げる構図にしたり、尻尾を踏んづけるシーンでも原作とはカットを変えて雄々しくしてみたりと、チウの画像が凝りまくっていますね。

 声も、無理して頑張っているのが見え見えな、力んだ声なのが実にいいです。

 バイオプリズンの中で、男達の諦めの声……なんか、全員渋い声ですね、どの声もなかなか好みです♪
 しかし『女なのに』的なセリフは徹底してカットしているのに、『男のくせに』という台詞はそのまんまなんですね(笑)

 ポップがチウを見て、自分と引き比べるシーン、台詞にすごく実感がこもっていていい感じ。
 しかし、笑ってしまったのがアニメ版では「いや、無理だ」という台詞が追加されていた点。ポップ、どんだけ自分を信用していないんだか(笑) 

 チウとポップのやり取りが、実にいい感じですね。ちょっと息切れしているように発音しているのが、いかにも戦いの合間の会話って感じで雰囲気がでています。

 ポップのフィンガー・フレア・ボムズ、初見参っ♪ 
 拳を開いた時はちゃんと全部の指に炎が宿っていたのに、途中で四本指に鳴り、最終的には三本の指から魔法が射出されるという動きが再現されていたのはすごいです!

 ポップはちゃんと五発分のメラゾーマを作り出したものの、腕が未熟だったせいか途中で二発分は消滅してしまった……と、解釈してよさそうですね。

 ポップのフィンガー・フレア・ボムズの解説シーン、台詞も略されずにきっちりと説明されていたのには感心しました。のたうつザムザの動きがあるせいか、説明だけなのに動きも多くて説得力を感じます。

 しかし、思ったのですが以前ハドラーが持続性のあるメラを放とうとしていましたが、それこそがフィンガー・フレア・ボムズの原型だったのかもしれないですね。

 そう思うと、フレイザードはハドラーを母体にしつつも、彼よりも魔法特化な方向に成長しつつある分身体だったわけで、マトリフが予想していたように、もっとレベルが上がればさらに高度な魔法を使った可能性があったのかも。

 チウの悩みシーン、原作ではもっとグダグダ悩み、ついでにポップをディスってた台詞がまるっとカットされていましたね(笑) 
 
 チウ君の階段上りシーン、よく見るとすごい! あの身体の小ささで、上に上っているのに2、3段飛ばしで上っていますよっ。体力は十分にあるみたいですね。

 チウの体当たりシーン、身体の弾み方が思っていたよりも愉快な感じに跳ねていました! 原作ではもっと直線的な動きに見えたのですが、弾む感じとチウのテーマソングの相性がぴったりでしたね。
 きちんと着地を決めて、なおかつ両手をピシッと伸ばして決めているのには爆笑しました。原作にはこのポーズは無かった!(笑)

 ザムザの腹から出てきた胃液(じゃないかもしれない)、色が緑色でしたよ〜。まったくもう、どこからどこまで隙なく色彩感覚が悪いキメラですね! まあ、胃液が結構サラサラした液体っぽいのが、唯一の救いです。これで妙にねばっとしたとろみのある液体だったりしたら、グロ度がさらにあがるところでしたよ。

 ゴースト君の説明、一部がカットされた上、ゴースト君の身体が光るシーンが無かったのが、ちょっと残念。
 でも、魔法力で全身を光らせたマァムのカットは実に美しかったので、そこは大満足♪

 そう言えば武術メンバーの台詞に、微妙な改編を発見!

原作ラーバ「小娘の力でなにができる……」

アニメラーバ「女の力でなにができる……」

 えー、女性蔑視発言はアウトで、小娘はOK? 個人的感想かもしれませんが、女と呼ぶよりも小娘と呼ぶ方が、より小馬鹿にしているように感じるんですが、そこはいいんでしょうかね?

 バイオプリズンの破裂シーン、これは残念でなりませんっ。
 原作では割とコマ数を使って、ぶわっと一膨れ上がってから爆散するシーンを見せているのですが、アニメでは一瞬でおわっちゃいました〜。しかも、壊れ方が眩い光のせいでよく見えないし!
 爆発シーンは、もう少しこだわりと描き込みがほしいところっ。

 武闘家マァム、実にかっこいいです!
 でも、肘打ちで光が出るタイミング、なんか先にザムザの身体の方が光っているように見えたんですが。なんか、ズレている?

 そして、原作時からの謎のコロッセオの大穴。都合良くザムザの背後にあった大穴、これがいつのタイミングで空いたのか、何回原作を読み返しても見当がつかないです(笑)
 
 ザムザとマァムの言い合いも、いいですねえ。
 けど、手と頭だけはみ出しているダイの手が真っ赤に塗られているのが気になって、気が散ってしまいました。え、色指定ミス? それとも、影による変色表現?

 でも、次にダイが見えるシーンではちゃんと手が肌色に塗られていたので、指定ミスっぽいですね。

 角が無くなったザムザが、うろたえて何度も顔をさするのが意外と可愛い♪
 マァムが半身に構えるシーンは原作にはなかったですが、かっこよくっていいですね。
 しかし、あのタイミングで終わるとは思いませんでした。

 次回予告、すでに予告の段階でダイの復活がネタバレしまくっとりますが(笑) ダイが戦うことを前提にした予告の中で、移るのはマァムのアクションオンリー……もしもーし(笑)


《ものすごくどうでもいい懺悔》

 思いっきり余談な上に個人的感想になっちゃうんですが、アニメを見ていると、ロモスの決勝進出者達に対してなんだか申し訳ない気分が一杯に……っ。
 以前、地下道場で思いっきり悪役をやらせちゃってすみませんと謝りたくなりましたっ。

 声を聞くとすごく真っ当な人達に聞こえるので、罪悪感が増し増しです。……まあ、フレイザードとかザボちゃんとかその他魔王軍メンバーには、それほど悪いコトした気もしないのですが(笑)

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