『大勇者の復活』(2021.4.23)

  
 

《粗筋》

 青空に立ち昇っていく、白い煙。
 その中に佇むアバンを前にして、ダイ達は一歩も動けずにいた。ハドラーの死に、寂寥感を強く感じるアバンの使徒達。

 特にポップは、ハドラーへの仲間意識すら感じていただけに、別れを強く意識していた。
 目を閉じ、かつては仇敵だった仲間の死を悼むポップ。

アバン「ぃよいしょっと」

 軽い声と共に、宙に持ち上げられ戸惑うポップ。
 アバンに横抱きに抱え上げられて、呆然と師を見返す。そんな弟子に対し、アバンはいい顔をするようになったと褒める。

 だが、ポップは手足をばたつかせて抵抗し出す。
 先生が今更生き返るはずがないと言い張り、夢か幻か、ザボエラ辺りが化けていると決めつける。

 それを否定したのは、レオナだった。
 レオナは光の魔法陣を指さし、姿形を似せたとしても悪の魔道士には使えない呪文だと指摘する。

 レオナの指摘に、呆然とした顔で魔法陣を見下ろすポップ。
 ダイもマァムも泣き笑いのような顔で、レオナに確認を取るように話しかける。
 自信ありげな微笑みで頷くレオナ。

 それをきっかけに、ダイがよろめく足で歩き出した。その顔には、笑顔が浮かんでいる。
 喜びの表情で走り出したマァムの目から、こぼれた涙が水滴となって落ちる。
 ゴメちゃんも喜びの声で鳴き、笑顔で後を追う。

 まじまじとアバンを見上げるポップは、アバン自身から本物だと聞かされ、顔をくしゃくしゃにして泣き出した。
 本物だと言うアバンの首に、がしっとしがみつくポップ。駆けつけてきたダイもマァムも、ポップごとアバンに抱きついた。

 声を上げて泣くポップに、ダイやマァムも歓喜の表情のまま再会を喜び合う。
 それを見て釣られたのか、レオナも涙をこぼしていた。無言のままのヒュンケルの頬にも、涙が伝う。

 一塊になって喜びを分かち合う師と弟子達――その背後には、倒れているキルバーンの姿があった。
 動かない死神……が、その目だけが不意に、ギョロリと動いた。嘲笑の意味を込めて、目だけでほくそ笑む。






 一方、地上では真空の斧を振りかざし、クロコダインが戦っていた。

クロコダイン「唸れ、豪火よっ」

 そのかけ声と共に振り下ろされた斧から炎が飛び、近くにいたサイ男らを焼いていく。

 チウはズタズタヌンチャクで敵と戦っていた。ビースト君や、オオアリクイ、ドロル、マリンスライム、アルミラージらも一段となって奮戦している。
 豪傑グマも大ガエルと組んで一体のモンスターと戦い、パピラス、ドラキー、キラービーなども飛行能力を生かして空飛ぶ怪物らと戦っていた。

 人間達も、もちろん負けてなどいなかった。巨体のサイ男の斧と剣で打ち合う兵士らは、元処刑台を守って戦っていた。
 処刑台に一人立つフローラは、ミナカトールの基となった魔法陣にゆっくりと歩み寄る。

 魔法陣の中央に立ったフローラは、空を見上げた。
 棒立ちのフローラを見て、これ幸いと突っ込んでくるモンスター達。
 サイ男を一体切り倒したノヴァは、それに気づいてハッと驚く。次の瞬間、彼は大技を放った。

ノヴァ「食らえ! ノーザングレンブレイドォ!」

 一撃でモンスターを粉砕し、見事に着地を決めたノヴァは、フローラの基に駆け寄る。

ノヴァ「どうかしましたか? フローラ様」

フローラ「何か感じたのです」

 短くそう答えたフローラは、再び目を空へと向ける。その目には、一途でひたむきな光が宿っていた。

フローラ「あそこに……」

 フローラが見上げているのは、巨鳥にも似たバーンパレスだった――。







 その頃、アバンは弟子達との再会を喜び合っていた。
 涙の止まらない弟子達の名を、静かに呼びかける。……が、ポップはいくらなんでも泣きすぎというか、鼻水がべったりとアバンのマントについていた。

ポップ「先生〜っ!」

アバン「あ〜っ!! 私の一張羅がぁ〜」

ポップ「そんなこと言ったってよ……先生ーっ」

 またも、顔をくっつけて泣き出すポップに、さすがのアバンも困り顔になる。

アバン「あー……、あー、もう……」

ポップ「今はひっつきてぇんだよっ……」

 まだ泣きじゃくっているポップを、アバンはなんとか下へおろす。

アバン「降りてくださーい!」

 困った顔でため息をつきながらも、アバンは改めてポップへと呼びかける。

アバン「ポップ。遠くからでも、あなたの魔力を感じました。とんでもないパワーでしたよ」

 アバンの褒め言葉に、ポップはようやく鼻を擦って笑顔を見せる。

ポップ「へへ……っ、おれだって成長したんだぜ!」
 
 鼻声で、それでも自慢そうに強がるポップ。

マァム「先生……っ」

アバン「まさかマァムが武闘家になっているなんて……。びっくりです」

 アバンの言葉に、マァムは照れたように頭の後ろに手を回す。
 そして、アバンの目はマァムからダイへと向けられた。

アバン「ダイ。君も本当に立派な勇者になりましたね」

 アバンの褒め言葉に、屈託の無い笑みを浮かべるダイ。
 みんな、見違えるようになったと弟子達を褒めるアバン。自分達の力だけでこれほど成長したことを誇りに思うと、手放しに喜ぶ。

アバン「それに……」

 目線を後方へと向けるアバンに釣られ、みんなも振り返った。アバンの眼差しの先にいるのは、ヒュンケルだった。
 レオナからも離れ、階段際に立つヒュンケルはみんな――いや、アバンに背を向けている。

アバン「ヒュンケル」

 その呼びかけに、ヒュンケルは動かない。
 振り向きもしないヒュンケルに対して、レオナは近づいていって、優しく忠告する。時には、自分の気持ちに素直になっていいのだ、と――。

 しかし、ヒュンケルはこれが素直な気持ちだと、背を向けたまま答える。
 その声はわずかに震え、彼の足元にごく小さな水滴が落ちる。
 涙をこぼしながら、ヒュンケルは顔向けが出来ないという言葉を、実感しているところだった。






 思い出すのは、ヒュンケルが卒業の証としてアバンのしるしを貰った日のことだった。
 アバンが父の仇と信じ、殺気に満ちた剣を放った幼い頃の記憶。

 次に思い出すのは、まだ魔王軍の一員としてダイ達に会った時のこと。
 正義に失望した気持ちをぶつけるヒュンケルに、マァムはただ驚いていた。






 青空を見上げながら、ヒュンケルは過去を悔いる。

ヒュンケル(オレには……あなたに許される資格はない……!)






 鼻をすすり上げたポップは、今ならヒュンケルの泣き顔を拝めるとワクワクしつつ彼のところへ行こうと言う。
 マァムは意地悪なことはしないでとたしなめるが、ポップは悪戯っけ満々でそそくさと歩き出す。

 が、その肩をアバンが手を置いて止めた。

アバン「今はそっとしておきましょう」

マァム「先生。ヒュンケルは……」

 マァムはヒュンケルを庇うようにそう言いかけるが、アバンは優しく微笑みかける。

ヒュンケル「大丈夫です。なにも言わなくとも」

 微笑み、アバンはヒュンケルの背中へと目をやった。その目は、どこまでも穏やかで優しさに溢れている。
 ヒュンケルが生きていて、ダイ達に力を貸していると言うだけで、夢のように幸福だと感じているアバン。

 と、足音を立ててレオナがアバンへ近づき、声をかける。
 レオナまでこの戦いに加わったことを驚くアバンに、レオナは胸元からアバンのしるしを取り出して、掌の上に乗せる。
 フローラからこれをいただいたというレオナの言葉に、アバンは彼女が認めた方なら大丈夫だと笑顔を見せた。

 再び、アバンのしるしを胸元に隠しながら、レオナはアバンがどうやって死の淵から蘇ってきたのかと、疑問をぶつける。
 要を鋭くついた質問に、ポップが、続いてダイやマァムも息をのむ。

レオナ「あなたは、デルムリン島でのハドラーとの戦いで亡くなられたと聞きました」

ダイ(あの時……先生は……っ)

 不意に真顔になったダイは、思い出す。






 カッと目を見開いたアバンが、ハドラーのコメカミに指を打ち込み、メガンテを唱えた時のことを。
 ダイとポップに後を頼み、アバンは確かにメガンテを唱えた。島を揺るがすような爆破シーンを、見た日のことを――。






ポップ「そうだよ……先生はおれ達をまもろうとして……」

ダイ「メガンテを唱えた……」

 僧侶以外の者がメガンテを唱えたのなら、その身が砕け散り蘇生は出来ないはずだと疑問をぶつけるレオナ。
 その疑惑に対し、アバンは眼鏡の奥に表情を隠したまま微笑んでいる。

 答えを、息をのんで待つポップやダイ達。レオナはアバンを疑うわけでは無いがと前置きしつつも、真相を問う。
 それに対し、アバンはあっけらかんと答えた。

アバン「なぁに、簡単ですよ。私は死んではいなかった」

ポップ「えぇええええええ!?」

 にこやかに笑うアバンに、手放しで驚くポップ。
 レオナ、マァム、ダイもきょとんと目を見開くばかりだ。






 一人、離れた場所に佇むヒュンケル。
 他のメンバーはアバンを囲み、彼の説明を聞いていた。あの日からずっと生きていたという、あまりにも軽すぎる説明を――。
 すぐには受け入れられないような話に、ポップ達の表情が険しくなる。

ダイ「で、でも、先生はあの時……っ」

アバン「死んでません」

 目を閉じ、すました顔で言い切るアバン。

ポップ「だって……確かに……」

アバン「死んでません」

 にっこり、微笑むアバン。

マァム「私も、先生は死んだって聞いて……」

アバン「死んでません」

 目を細め、思わせぶりな笑みを浮かべて言い切るアバン。
 三連続で言い切られ、どこか憮然とした表情を浮かべるポップ達。さすがに慌てたように、レオナが割り込んだ。

レオナ「ちょっと待ってください! それって……どういうこと?」

 アバンは、レオナ姫同様、フローラから貰った物があると言い、服の中から壊れたペンダントを取り出した。
 命を救ってくれたアイテムを、物珍しそうに覗き込むダイとマァム。






 アバンの回想として、夕日の中、フローラからカールの守りを貰った時のことが思い出される。







 かつて、魔王ハドラーと戦った時にフローラより授かった王家の宝……それは、時を経て復活したハドラーにメガンテを仕掛けた時、効力を発揮した。
 メガンテの反動で、ボロボロになりながら宙に飛ばされるアバン。回転しながら飛んでいくアバンの胸元で、砕け散るカールの守り。
 
 アバンの命の代わりに、カールの守りが砕け散ったことで、デルムリン島を揺るがすような爆破の中でもアバンは助かった。

 服は破け、カールした髪もほどけた姿のまま、海上に仰向けに浮かぶアバンの姿が映る。気絶しているのか、目は閉じたまま。
 その胸元のカールの守りは、壊れていた。







 一種の身代わりアイテムだったと説明し、瀕死ながらも一命を取り留めたと話すアバン。
 アバンが再び壊れたカールの守りをしまい直すのを、ダイやマァムは唖然として見ていた。

 が、ポップがそこで感情を爆発させる。
 なぜ、今までずっと助けに来てくれなかったのかと、不満をぶちまけるポップ。先生が死んだと思っていたからこそ、命がけで戦ってきたと訴えるポップに釣られたように、マァムも師の訃報に悲しんだことを不満げに訴える。

 感情的になる弟子達を、落ち着いた目で見返すアバン。
 ダイは仲間と、先生の顔を見比べた後で、アバンに問いかける。

ダイ「なにか、理由があったんでしょ、先生」

 ダイの質問に、アバンが答えかけた時、彼は不意に目を見開いた。
 アバンが血相を変えたことに、ポップやみんなも気がつく。が、その理由までは分からない様子。

 その時、倒れたキルバーンの手の影が伸び、死神の鎌へと絡みついていた。

 それに気づいたアバンは、一瞬、目を伏せた後、つかつかと弟子達の方へ歩み寄る。
 ポップの肩を抱き、笑顔で理由は追々説明するから、中央の城まで全力でダッシュするように、と指示を出した。

 突然の指示に、驚く一同。だが、ヒュンケルだけは険しい目でそれを受け止めていた。
 なぜこんなところで徒競走をしなければいけないのかと食ってかかるポップを、アバンは一喝する。

 アバンは不意に真顔になり、自分が大魔王打倒のために現れた男だと宣言した。自分はもはや彼らの師ではなく、新たな同志であり、戦う仲間だと言い切るアバン。

 それを、ハッとした表情で受け止めるポップ、マァム、レオナ、ダイ。そしてヒュンケルは、目を閉じ、その言葉を誰よりも深く受け止めていた。

 次の瞬間、ダイは質問もせず、歯を食いしばってよろける足取りで歩き出した。それを追うゴメちゃん。
 歩くだけでも辛そうなのに、アバンの指示に従って階段を目指すダイを、レオナはすぐに追いかけ、彼に肩を貸す。

 ヒュンケルも踵を返し、ダイよりも早く先頭を切った。
 それを見て、ポップが焦ったように手を伸ばす。

ポップ「ちょ、ちょっと待ったぁ! おれ、まだ走る体力が……」

 ヘロヘロな足取りで前に進み出したポップの背後から、マァムが走り込む。と、無言のまま後ろからがっつりとポップを担ぎ上げ、彼を肩に担いだまま階段を駆け上り出す。

 指示に従う弟子達を、下から見上げるアバン。
 疑問を問うことなく素直に従ってくれた彼らに、心の中で礼を告げる。

 だが、その時、大鎌が閃き、アバンの首筋にピタリと刃をあてがう。
 落ち着き払ったアバンは目だけを動かして、自分のすぐ真横に現れたキルバーンに話しかける。

アバン「おやおや。ご無事でしたか」

 心臓を貫かれた男が復活し、自分の首に刃物を当てているのに、アバンは全く動揺した気配もない。
 そんなアバンに対して、キルバーンも余裕たっぷりに自分は不死身だと嘯いた。

 先程は死に損ないのハドラーに邪魔をされたが、今度はキチッと殺すと宣言するキルバーン。
 だが、それでもアバンは動じない。

アバン「ご自由に。やれるものならね」






 その頃、ダイ達は振り向きもせずに一直線に城へ向かって走っていた。
 ポップを担いだマァムを戦闘に走る一団。さっきまでは仰向けの俵担ぎだったポップも、身体を起こして楽な姿勢を保っている。
 腕を組んで考え込んでいるポップは、アバンがなぜ城まで走れと言い出したのかを気にしていた。
 
 分からないと答えるダイだが、先生が走れというなら黙って走るつもりでいる。マァムも、アバンに全幅の信頼を置いていて、笑顔で師の指示を全面肯定する。
 ヒュンケルは鋭い目で、少しだけ後ろを気にしていた。







 同じ頃、アバンの命を狙うキルバーンは、自分の復活を知りつつダイ達を先に行かせたアバンの言動を自信の表れと見て、気に入らないとばかりに脅しつけていた。

 ダイヤナインを破った実力を認めつつも、キルトラップは一つでは無いからダイ達は先には進めないと断言するキルバーン。アバンがどんな呪文を持っているにせよ、この状況では役に立つまいと刃を光らせる。

 だが、それでもアバンは動じない。
 キルトラップとは、人が罠にかかると勝手に作動するのかと、問いかける。
 わずかに目を光らせるキルバーンの答えを待たず、アバンは自分で答えを導き出す。

 あの手のトラップは、使い手の魔力の指令で初めて作動するとアバンは知っていた。そして、今、死神の手が塞がっていることも指摘する。
 それを聞いたキルバーンは感情を剥き出しにして、最初からそれが目当てだったのかと怒鳴る。

 自分を引きつけておけば、城までのキルトラップはとりあえず作動しないと読んで、ダイ達を先に行かせたと……。
 キルバーンの激昂に、アバンは目を閉じたまま軽く笑う。

 アバンを危険視し、雑談は止めてさっさと殺すというキルバーン。キルトラップでダイ達も全滅させると言うキルバーンは、キルトラップの過半数が城の中にあると言ってのける。

 アバンにマウントを取りたいがために、情報を自ら暴露しているキルバーンに、アバンは軽い口調でいいことを聞いたと言い、今後の参考にするとさらりと返す。
 その態度こそがキルバーンを煽り、必要以上に怒りを掻き立てる。

 怒りのままに叫び、大鎌を引こうとしたキルバーンだが、その手はガクガクとふるえるだけで力がこもらない。

 アバンの顎に今にも触れそうな刃先は、危うげに揺れ動く。
 だが、髭剃りなら結構だとアバンは軽口を叩くだけだ。

 自身の以上に驚愕するキルバーンは、腕だけではなく半身が動かないことにようやく気がつく。自分の右胸に、金色に輝く羽が刺さっているのに気づいたキルバーンは驚愕する。

 数歩、先へと進みながら、アバンはキルバーンが最初に倒れた時に、殺気を感じたので念のために羽を刺したことを教える。距離を置いて振り返ったアバンは、腰の剣を抜き放った。

アバン「どうです? 自分が呪法の罠にはまった気分は?」

 キルバーンは胸に刺さった羽を抜こうとするも、羽から電流のようなしびれが広がり、かえってダメージを受けてしまう。

 アバンは剣を手にしたまま、ハドラーについて語る。
 ハドラーは残酷な男だったが、それを自分の手で行っていた。アバンとの戦いも、自ら戦線に赴いてきた、と。

 ゆっくりと近づきながら、アバンはハドラーとキルバーンを比較する。
 自らの手を汚さず、敵を罠に掛けて喜ぶキルバーンをハドラー以下と決めつけ、戦いの最低限のルールもない相手だと怒りを露わにする。
 剣を振り上げたアバンは、ハドラーに代わってそれを振り下ろす。

アバン「これは……一足先にあの世に行った、ハドラーの怒りの一太刀だっ!」」

 一閃した剣が、キルバーンに振り下ろされる。
 斬られてようやく、キルバーンはたたらを踏んで後方へと下がる。その顔に真っ二つにヒビが入り、仮面の半分がずれて落下した。
 それを見て、声を上げるピロロ。

 乾いた音を立てて、半分となった仮面が床に落下する。
 顔が剥き出しになったキルバーンだが、手で覆い隠されてその要望は窺えない。ただ、指の隙間から覗く目だけが、戦慄いていた。

 アバンは、好んで使いたくは無いが自分も呪法についての知識があると宣言し、そちらが罠を仕掛けてくるなら応じる覚悟があるとの意思を見せつけた。

 にらみ合うダイ勇者と死神。
 風の吹く音だけが、やけに大きく響く。
 顔を隠し続ける死神の目に、暗い炎が宿った。地を這う声で、キルバーンも宣言する。

キルバーン「……そっちこそ……覚えておきたまえよ……」

 ハッとするアバンの目の前で、キルバーンは手にした鎌を捨てた。堅い音を立て、大鎌が床に落ちる。
 キルバーンは震える手を握りしめ、アバンを自分の手で殺すと断言した。執拗なまでに、絶対に殺すと繰り替えずキルバーンを、アバンは険しい表情で見つめていた。

 そして、キルバーンはピロロと一緒に姿を消した。
 フッと二人が消えた後には、壊れた仮面と、大鎌が取り残されていた。残された大鎌を険しい表情で見下ろしたアバンは、ため息を一つついていつもの表情へと戻る。

アバン「行ってくれましたか。……さて」

 中央の城へと続く階段を見上げたアバンは、気合いを入れる。少しの間を置いて、彼の姿がフイッと消えた。







 その頃、アバンの指示通り城の前まで進んだダイ達は、見上げるような城の大きさに圧倒されていた。

ダイ「ここに……ッ、大魔王バーンが……」

ポップ「おおぅ……間近で見ると、迫力が違うっつーか」

マァム「ホントだわ」

 城の大きさに飲まれていた彼らの背後から、暢気な声が聞こえてきた。

アバン「いやー、でっかいですよねえ」

 ひょうきんな顔で城を見やるアバンがすぐ後ろに要るのを見て、ダイ達は驚く。だが、ヒュンケルだけは警戒の表情でそれを見ていた。

 ポップはアバンがどこから湧いて出てきたのかと驚き、マァムも自分達が全力で走ってきたのにと戸惑う。
 アバンは笑いながら、自分もすぐ後からついてきたのだと打ち明けるが、ヒュンケルはそれを信じてはいなかった。

 後を追ってくるような気配はなかったと、ヒュンケルは考える。
 アバンが確かに、あの場に残っていたはずと確信している。

アバン「実は……私が編み出した、抜き足差し足アバン足という新しい技を使いました〜」
 
 笑顔のまま、手をコソコソと動かすアバンの言葉を、ポップはジト目で聞いていた。

ポップ「なんだ、それ!? なら、抜き足差し足ポップ足だっていいじゃないっすか」

 アバンがやった手の動きを真似てそう言うポップに、アバンは手をポンと打ち合わせる。

アバン「確かに! ポップが使えば、そういう名前になりますね」

 二人のやり取りを聞きながら、ヒュンケルは以前のアバンと違うと言う違和感を覚えていた。何か、別の力が宿ったような……そう考えるヒュンケルは、ポップとハドラーを救った魔法陣を思い出す。
 羽の輝きから、ハッとあることに気づくヒュンケル。

ヒュンケル(そうか……そうだったのか。この人は……ッ!)

 ふくれっ面のポップを、笑顔でいなしているアバンを見やるヒュンケル。
 アバンはおどけた表情で、みんなに次の課題を与えようとする。それを、ヒュンケルは低い声でぶった切った。

ヒュンケル「……もういい」

 その声に、みんながヒュンケルの方に注目する。
 
ヒュンケル「おれには、あんたの力の底が見えた」

 敵意すら感じさせるヒュンケルのその言葉に、アバンは訝しげに問い返す。

アバン「ヒュンケル? 私の力の底……ですか?」

ヒュンケル「ああ。あんたは弱い……! 弱すぎる……!!」

 思いがけないヒュンケルの言葉に、ダイ達は目を見張る。だが、アバンはヒュンケルの真意を探るように、真顔で彼を見返した――。
 


《感想》

 アバン先生との再会シーンの前に、ポップのハドラーへの台詞をもう一度繰り返していたのが嬉しかったです。ええ、ここ、めっちゃ大事!
 アバン先生によるポップのお姫様抱っこシーン! 原作でも好きなお姫様抱っこシーンの1つですが、アニメで見られるとは♪

 アバンが偽物だと、ポップがジタバタ暴れるシーンが実に可愛かったです。暴れ方が本気の抵抗と言うよりも、甘えが感じられるのがいいですね。
 アバンが本物だと信じて、騙されるのが怖くてたまらないからこその否定っぷりがいい感じです。

しかし、暴れる子を無理矢理抱っこしていると、先生、まるで誘拐犯か怪しい人のようです……(笑)

 ダイとマァム、泣き笑いじみた表情が実に良かったです。特に、マァムは前回のすごく悲しげな泣き方から、喜びのあまりに涙を滲ませる表情に変わったなぁと実感しました。

 ダイのフラフラと足を引きずっての歩き方と、マァムの走り方の差がよかったです。涙がこぼれきるところなんかは、これでもう悲しみは終わりと区切りをつけているみたいで、感動しました。

 ポップがぶわっと涙をこぼすシーン、顔の向きが左右逆転していました。と言うよりも、このシーンに限っては原作の方がなぜかポップの顔の向きを逆転させていたという雰囲気ですね。

 ポップが泣きだすタイミングが、原作寄りも一歩早かったです。
 本物だと笑いかけるアバン先生の顔が、優しげでいい感じ♪
 しかし、アバン先生に駆けよったダイとマァム、抱きついているのはどう見てもポップにたいしてなんですが(笑) いや、原作でもそうでしたけど。
 
 四人と一匹が抱き合うシーン、水彩画風の柔らかな色彩の一枚絵が止め絵として入っていましたが、懐かしの表紙絵の再現に嬉しくなりました!
 当時はカラーじゃなかったですしねえ。

 アバン先生を後ろから見た側からのカットから、キルバーンの生存を知らせるシーンが入ったのもいい感じです。しかし、死神に似つかわしくない、太陽の差し込む光の美しさに笑っちゃいました。
 逆さ向きでほくそ笑むキルバーンの目、左右逆転して不吉さがなおさらアップしていました。

 原作では1ページっきりだった地上軍の戦いが、アニメでは時間を取って描かれていたのには、思いっきり歓喜しましたとも!
 原作では一回きりで終わった『唸れ、豪火よ』のかけ声を、アニメでは何度も聞けるのが嬉しいです。

 チウ、いつの間にかズタズタヌンチャクを使いこなしていますね(笑)
 しかし、チウ達が戦っていた黄色いマシーン系の怪物、名前が思い出せませんでした。クマチャと戦っていた不細工顔でかモンスターや、パピィ達が奮戦してた空飛ぶ鎌を持った連中などは、絶対に見覚えがあるのに名前が出てこないという、一番気になる忘れ方ですよ〜。うう、喉元まで答えが出かかっているのに、出てこない気分〜。

 獣王遊撃隊の方はフルメンバーの名前を覚えているのですが、種族名の方が伝わりやすいと思ってそっちで書いています。

 サイ男と戦っている兵士、獲物の差が大きすぎて見ていてヒヤヒヤしました。
 フローラに襲いかかろうとしたモンスター達、胸と股間だけを隠している鎧、女性戦士が身につけていたのならセクシーなのにと思っちゃいましたよ(笑)

 フローラを心配するノヴァの台詞や行動が増えていたのは、嬉しいサービスです。本来ならフローラの台詞も無かったのに、増えていましたよ!

 フローラ様が何かを感じ取っているのがいいですね。でも、メルルの姿を一目でいいから見たかった……!
 原作では、ほんのすみっこでもエイミさんがメルルを治療している図が映っていたのに〜。

 ダイが鼻を真っ赤にして泣いている図が、子供っぽくて実に可愛いです。
 でも、ポップの鼻水、ここまで存在感を主張するとは(笑) ねばっとマントにくっついちゃっていますよっ。アバン先生も、さすがに嫌そうな、困ったような顔をしていました。

 ゲーム版では勝負服と言っていましたが、アニメ版では一張羅になっとりましたね(笑)

 ポップとアバンのやりとりは大きく改変されていて、実に嬉しかったです。ついでに、ポップの鼻水の最大量が更新されとりました(笑)
 弟子達、一人一人への言葉かけが追加されて、再会シーンを丁寧に描かれたことに感激しました。

 マァムが武闘家に転職したと気づくシーン……でも、なぜに股間部分からのアップから上へパンしていく展開に!?(笑) まあ、セクシーシーンを堪能させて貰いましたけど。

 っていうか、あの格好って武闘家に見えるのかと疑問も感じますが。肩当てが見えていたら、マァムが武神流を引き継いだと分かって、ブロキーナ老師の話になったかもと残念さを味わいました。

 後、気になるのがマァムが頭の後ろに手を回すシーン。
 ポニーテールに全く影響を与えずに敬礼のようにピシッと動く手に、どうにも不自然さを感じてしまいます。もうちょっと、自然な動きが欲しかったですねえ。

 一人、佇むヒュンケルに話しかけるレオナが、思っていた以上に優しげな印象だったのが驚きでした。レオナはヒュンケルを裁いて、正義に邁進させる道を選ばせた負い目があって、彼には優しくしたいのかなと思えた一瞬でした。

 ヒュンケルの落涙シーン、原作とは左右逆転していますね。ポップの泣き顔と違い、なんて絵になる男でしょう……!

 ヒュンケルの回想シーンが追加されたのも、嬉しい驚きでした!
 ちょっとセピアがかった色彩での懐かしのシーンの再送、いいですねえ。個人的に僧侶戦士マァムの登場と、魔王軍六団長カットが嬉しかったです。

 回想シーン後のヒュンケルのモノローグは、アニメの改変ですね。
 でも、原作でも言葉にしないだけで、そう思っていそう。是非、ミストバーン戦を経て、過去を吹っ切ってアバンに許されるエピソードを見たいものです!

 レオナのアバンのしるし、胸元に隠すのは……原作の絵だと、胸元が見えないデザインだったので分かるのですが、アニメのデザインだと……アバンのしるしはモロ見えになりそうなのに、わざわざ首もとのマフラー部分に隠しているんですね(笑)

 レオナがアバン先生へ蘇生追求するシーン、原作では彼女だけのセリフになっていましたが、回想と交えてダイとポップの台詞が追加されたのがいい感じでした。
 
 ちょっと白じんだ色彩の回想シーン、ヒュンケルのとはまた色合いが違いますね。ダイとポップがごく自然に言葉を繋げて話しているのが、仲良し感があって気に入りました♪

 アバン先生がレオナに追求されているシーン、白い眼鏡で表情を隠しているのは原作のままですが、原作では口元を引き締めているシーンが、アニメでは微笑みになっていたのがいい改変だと思いました。
 すっごく胡散臭い感じが、かえってアバン先生っぽいです(笑)

 アバンの真相暴露、軽っ。
 ポップの驚きっぷりといい、アニメの方がよりコミカルさを強調していますね。……ハドラーが見たら、嘆きそうな光景です(笑)
 ギャグな顔芸を披露しまくってるポップに比べ、レオナ、マァム、ダイのきょとんとした顔の可愛いこと。
 アイキャッチが復活して、ホッとしました。

 CM後、ヒュンケルの後ろ姿のカットが入ったのは嬉しかったですね。原作ではずーっと放置されていた印象だったので、忘れられていない感じがして安心しました。
 聞いてない振りして、ずーっと聞き耳を立てていたんでしょうね(笑)

 今回、アバンの言動に対して、ポップがまずアップで表情を動かし、ダイとマァムが次に表情を変化させる演出が多いのにも感心。
 アバン先生に関しては、ポップの方が付き合いが長い分、反応が強く、早くなるだろうという雰囲気がしてよかったです。

 アバン先生の三連続の「死んでません」宣言には、爆笑しました。
 原作ではすんなりと進んでいた説明回が、アニメではアバンのごり押しターンになっちゃっていますよっ。

 レオナがちょっと焦って話を聞きたがるのも、アニメの改変です。
 ダイとマァムがカールの守りを覗き込むシーン、原作よりも熱心さを感じる表情になっていました。

 原作では、アバンの復活なんてとんでもない話をダイ達が淡々と受け入れていたのに、当時、不満やらボーゼン感が強かったので、アニメで彼らの動揺を表現してくれたのには感動しました。

 アバン先生の説明に、過去の回想を流してくれたのは分かりやすかったです。アバン先生がくるくるっと飛ばされていく新カットも混じっていたのが嬉しいですね。

 アバン先生へ不満をぶつけるポップやマァムのシーン、左右逆転していました。
 二人とも怒っているというより、甘えを前面にだした演技がいいですね。

 二人に比べてダイは、全然怒っていないのに感心。
 思えば、ポップに先に逃げられても怒りませんでしたもんね、彼は。

 原作ではダイの問いかけにアバンは頷いているのですが、アニメでは頷いていませんでした。細かい改変ですが、ちょっと気になるところです。
 キルバーンの手の影の動き、アニメだと不気味感がすごくアップしていましたよっ。

 アバン先生がポップの肩を抱くシーン、原作よりも馴れ馴れしさがアップし、ポップがちょっと嫌そうにしているのに笑っちゃいました。
 アバンの指示に対し、驚くダイとマァム、戸惑うポップとレオナ、目を険しくするヒュンケルと、反応が分かれているのが面白いですね。

 ダイとマァムは、素直なだけに意味が分からないと単に驚き、頭脳を巡らせるタイプのポップとレオナは意図がつかめずに戸惑い、戦いに関しては抜群の勘を持つヒュンケルは、それが戦いに関する指示だと見抜いたからこその反応だと見ました!

 アバン先生の「シャラップ」のシーン、ポップ共々ギャグな顔が可愛かったです♪

 マァムがポップを担ぎ上げるシーン、思っていた以上に豪快でした(笑) ポップも文句を言いつつ、走ろうとふらついていましたね。マァムにいきなり担ぎ上げられ、ポップがずっとあーあと悲鳴を上げていたのにも笑っちゃいました。
 
 アバン先生よりも、抱き上げ方が豪快なマァムに呆れるべきか、お姫様ポジション(笑)なポップに呆れるべきか。

 キルバーンの大鎌が、暗闇の中で弧を描くシーン、ゾクッとする不気味さでした。原作に無いアニメ改変シーンが、いい味を出してます。
 キルバーンとアバン先生のやり取り、いいですねえ〜。

 特にキルバーンが「くたばりぞこないのハドラーくん」と言った時、アバンが鋭い目でキルバーンを見ているところが気に入りました。まるで、ハドラーを貶されたことに怒りを感じているように見えてしまいます♪

 アバン先生の「ご自由に」の台詞、もっと挑発的に煽る感じかと思っていたら、さらっと自然に語る感じなのが意外でした。

 ダイ達が走るシーンの上下運動は、ちょっと不満でした。動きが単調すぎる上に上下運動も幅が狭すぎて、疾走感が感じられません。
 ダイを心配するレオナの表情や手の繋ぎ方など、絵はすっごく好みだっただけに、動きには不満です〜。

 キルバーンとアバンの距離関係、アニメだとやけに近く見えますね(笑) いや、構図などを見比べれば原作通りの距離であり、位置関係なんですが、粘り着くような台詞の演技のせいか、やけに密着しているように感じるのは……気のせいでしょうか?

 ところどころで、刃が光ったりとか、鎌を動かすキルバーンの指の動きを見せるなどするシーンが、意味ありげでスリルを倍増させます。

 アバンがキルバーンの手の内を読んでいたと知った途端、キルバーンが本音を剥き出しにしたようなしゃべり方をしたのは驚きでした。
 キルバーンが本性を現すとしたら、アバンに仮面を斬られてからだと思っていましたよ。

 でも、その後から立て直したように、また余裕を持ったしゃべりを復活させようとしているのがいいですね。やや焦りを残しつつ、キルバーンらしい余裕を滲ませた演技がたまりません♪

 アバン先生が、ハドラーの代わりに怒るシーン、良かったです♪
 ポップが完全にハドラーを仲間として見ていたのとは違って、アバンはハドラーのしてきた行為に非難の意思を持ちながらも、彼の良さも認めているというスタンスなのが面白いです。

 仮面を斬られた後のキルバーン、怒りを抑え込んだ印象の声になったのに感心しました。早めにキレた演技の後で、怒りの頂点を突き抜けた演技が際立った気がします。

 キルバーンが去った後のアバンの独り言は、アニメの改変ですね。
 原作では無言でしたが、アニメでは独り言の効果で、アバン先生が無理して相手を煽っていた感が強まりました。

 城を見上げている時のダイ達の台詞のうち、ダイとマァムの台詞はアニメで追加された物ですね。元から合ったポップの台詞と上手く合っていて、すぐ後のアバン先生とのやり取りもいい感じです。
 しかし、アバン先生、シリアスが長続きしないな〜(笑)

 『抜き足差し足〜』なやり取りには大爆笑しましたよ! アバン先生のお間抜けな言い訳もさることながら、ポップ、どーゆー反論しているの!? と、笑いすぎてお腹がツルかと思いました。
 この二人、会話させているとほとんど漫才コンビに……アバン先生の修行は本当に魔法使い用の物だったのか、ちょっと問い詰めたい気分です(笑)

 そんな二人のやり取りの間も、マイペースにシリアスなヒュンケル……空気を読まないと言われるのは、そーゆーとこだと思います。

 ヒュンケルが何かに気づいた時、ポップとアバン先生が会話している風な動きをしているのに、台詞が聞こえないのが残念でなりません……ッ。どんなくだらない話をしているのか、聞いてみたかったです〜っ。

 原作では、ポップはアバンに何か訴えるように話しかけていたのに、アニメではジト目で疑わしそうに話していると言う差もあるので、興味津々です。

 ついでに思いましたが、ダイやマァムはアバンの意図が分からないまま、完全に信じているのに対し、ポップとヒュンケルは懐疑的なんですね。ただ、ポップは会話して情報を聞き出そうとするのに対し、ヒュンケルはジッと相手を見て情報を得ようとすると言う正反対差がありますが。

 アバンの台詞とヒュンケルの台詞に、それぞれ微妙な改変がありますね。
 原作通りで切っているようでいて、次回の話の台詞も微妙に混じっているので、

 ヒュンケルの台詞にみんなが注目するシーンで、原作ではポップがコケかけたのをアバン先生が腕で支えていたのですが、アニメではそれがなくなっていたのが残念です。
 まあ、無くなっても問題の無いシーンなのですが。

 とりあえずエンディング復活にも、一安心♪
 予告、アバン先生がアバンを語っているのについ苦笑。
 それはいいとして、ヒュンケルとの話し合いの結果をすでにネタバレしとりますがっ!?(笑) 破邪の洞窟や、キルバーンの仮面コレクションやら、気になる画面がちらほら見えているのが楽しいです。

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