『銀髪のヒム』(2021.5.28) |
《粗筋》 そして、槍を構えたまま走り、不意に腕を伸ばすようにして突き出す。頭部を正確に狙ったその一撃を、ヒムは軽く頭を振って躱し、逆に左拳でヒュンケルに殴りかかる。 驚愕の表情でそれを見つめるヒュンケルの頬に、まともに拳がぶち当たった。頬を守る兜の一部が壊れ、破片が散る。すかさず右手で二撃目が叩き込まれ、ヒュンケルの鎧の肩部分が砕ける。 だが、まだ連撃は止まらない。 棒立ちで殴られるままになるヒュンケル。 そんなヒュンケルを、ヒムは至って冷静な目で見下ろす。 苦痛に耐えながら起き上がったヒュンケルは、槍を手にしながら撃っても無駄だと言い切った。 自分の技がほとんど通じないといいながら、ヒュンケルはゆっくりと立ち上がる。 チェスのルールにある、敵陣深くに切り込んだ駒が昇格し、女王などの力を得るプロモーションになぞらえた説明に、ハッとした表情を見せるヒム。 賞賛に等しいその台詞を聞いて、ヒムはむしろ腹を立てたように言い返す。手も足も出ない存在になったから諦めたのかと、再びヒュンケルの腹を狙って拳を打ち込むヒム。 再び、石床に投げ出されるヒュンケル。 肩で息をし、即座に起き上がることも出来ずに片膝をついた姿勢で一度動きを止めているヒュンケルは、満身創痍だ。 その目に驚愕し、自分の思い違いを悟るヒム。 ヒュンケルもまた、鋭い目をヒムへ向ける。 ヒムが最大の破壊力を持つ左の拳を打つ際に、ほんのわずかだけ身体が硬直する一瞬があると回想するヒュンケル。 槍をゆっくりと回し、穂先を下にした姿勢で身がまえるヒュンケル。 ヒュンケルの足が一瞬沈み、次の瞬間動き出した。同時に、ヒムも拳を構えて走り出す。 そのブーメランを、ヒムは右手で一蹴した。一振りでバラバラに壊し、いまさらこんな玩具が利くかとご立腹だ。 真っ直ぐにつっこんでくるヒュンケルに向かって、渾身の左ストレートが打ち込まれる。が、ヒュンケルはジャンプしてそれを躱した。 驚きながら上を見上げたヒムの目に、空中に逆さまに飛び上がったヒュンケルの姿が映った。空中で右手の手甲から短い刃を出し、左手で鎧の胸元から壊れかけたナイフを取り出したヒュンケルは、そのままヒムの真後ろに舞い降りる。 そして後ろからヒムを羽交い締めにし、二つの刃物を彼の胸元で十字に合わせた。ヒュンケルの身体に、白い闘気が宿る。 ヒュンケル(グランドクルス……まともに放ったらかわされるが、このまま内側に放てば逃げようがない) ヒュンケルは自分自身もグランドクルスを受ける覚悟で、ヒムに自爆攻撃を仕掛けようとしていた。 ヒュンケル「ヒムッ、オレと一緒に地獄を味わえ!!」 光が強まり、ヒムが絶叫じみた叫びを上げる。 吠え立てながら、肘鉄砲で後ろにいるヒュンケルを払いのけるヒム。そのまま身体を反転させたヒムは、よろめいているヒュンケルに対して左手でアッパーカットを食らわせた。 身体ごと上に飛ばされる強烈なパンチに、のけぞった姿勢のまま飛ばされるヒュンケル。 一方、ヒムは今の自爆技にヒュンケルが全てを懸けていたことを理解した。確かに食らったら終わりだったろうと呟くヒムの目の前で、落下したヒュンケルが床石にたたきつけられる。 ヒム「破ったぜ! オレの勝ちだ、ヒュンケル!!」 誇らしげに自分の胸を叩くヒムを、ヒュンケルは見てはいなかった。目を閉じたまま、大の字に横たわるヒュンケルは、万全の態勢でなかったことを悔やむ。 すでに二発のグランドクルスを放ったせいで収束に時間がかかってしまったと、悔しそうな表情を見せる。
ダイ「なんか、どうも違和感あるなぁ、ポップに回復してもらってるのって」 ポップ自身もその意見に同感する。覚え立ての呪文で、まだ馴染んでいないらしい。 ダイ「でも、回復呪文使えるなら……わざわざマァムに甘えることなかったよね」 ポップをからかうように、ニヤニヤ笑うダイ。ゴメちゃんまで同調するように、後ろでピーと鳴く。 それが分かっているから、余計にニヤニヤするダイ。 マァム(……すごいわ、ポップ。なんだか、どんどん私の出番がなくなっちゃう感じ) わずかに頬を染め、柔らかな笑みを浮かべてポップを見やるマァムの表情は、弟の成長を喜ぶ姉のような慈愛深さがあった。 手をついて立ち上がったポップは、ガッツポーズを取って完全回復完了だと言ってのける。それに釣られたように、並んで立つダイとマァム。 ポップ「いつでもかかってきやがれ、魔王軍!」 威勢良くそう叫んだポップだが、広い城の中に吸い込まれるように消えるその声はかすかにこだまするだけで、かえって城の広さを意識させるだけのものだった。 すぐにしずまりかえってしまった城を前にして、ポップはマァムの方を向き、その静けさが逆に不気味だと言う。 ポップはダイに向かって、敵の本拠地で急に敵の出現率が少なくなるのはあまりよくないという話をする。 ミストバーン「……そうだ! おまえの知る通り……」 ハッとしてから、険しい目を声の方へ向けるダイ達。 ポップ「ミ、ミストバーン!!」 敵を前にして、身がまえる三人。 急に観光案内かといきり立つポップに、ミストバーンは余裕たっぷりに笑う。 ミストバーン「フフフ……あの世に行く前に、自分たちの死に場所の名前ぐらい、知りたかろうと思ってな」 怒りを見せるポップ。ダイもまた、戦いを決意した険しい表情でミストバーンを睨みつけていた――。
彼は、まだ諦めない。 ふらつきながらもまだ立ち上がるヒュンケルを見て、不死身かと驚くヒム。 最後まで戦って死にたいのが望みなら、叶えてやるとばかりに、ヒムは近くに突き立ったままだった魔槍に手をかけた。それを、無造作にヒュンケルに向かって放り投げる。 取りやすい速度、高さで投げられた槍を当然のように受けとったヒュンケルだが、彼は言い切った。 ヒュンケル「せっかくだが、この槍はもう使わん」 槍を持ち替え、石突きで強く床石をついたヒュンケルは、槍だけではないと言い、全身から紫色の光を発しだした。 処刑台にいた時のまま、ズボンのみで上半身裸となったヒュンケルは、槍をほぼ真上に向かって高く放り投げた。 両手を組み合わせ、ヒュンケルは言う。 ヒュンケル「闘気には闘気! ヒムよ、おまえと互角に戦うため、オレはあえて全てを投げ打った」 この拳で最後の勝負だと、右手を握りしめるヒュンケル。 振り返り、自分のはるか背後に落下した槍を見ていたヒムは、ヒュンケルの正気を疑う。 だが、ヒュンケルは落ち着き払った口調で言い返す。 その覚悟を見て、ヒムはヒュンケルが武装を解き、槍を捨てた意味を悟る。ヒュンケルは軽く目を閉じて、答えた。 やはり、と納得するヒム。 残り少ない生命を全て闘気に換え、拳一点に集中すればヒムの身体を貫けるかもしれないと言うヒュンケル。 ヒュンケル「最後の力を、この拳に全て込める!」 力強く、拳をヒムに向かって突きつけるヒュンケル。 ヒムはその無謀すぎる決意に、驚きを通り越して呆れすら感じている様子だった。 ヒムは、ヒュンケルに止めておけと忠告する。 ヒムの髪が靡き、気合いを込めたヒムの手から闘気があふれ出す。毛を逆立て、吠えるヒムの身体全体が白い闘気の靄に覆われた――。
ヒムの必殺技、ヒートナックル――それは、今や黄金に輝いていた。今はオーラナックルと呼ぶに相応しい拳を見せつけ、ヒュンケルがいくら闘気を込めても問題外だと決めつける。 拳を見せつけ、この一撃が決まれば人間の身体など原型も残らないといい、ヒュンケルにはそんな惨めな死に方はして欲しくないと説くヒム。 拳の闘気を一旦収めたヒムは、ヒュンケルを倒すことが自分が生まれて初めて持った生きがいだったと語る。 最初に見た時から意識し、最強なんだと顔に書いているような奴だと思い、そのすまし顔を恐怖に変えてやることだけが夢であり、ハドラーへの甲拳になると信じた。 だから、同じ死ぬなら見苦しい死に方はやめてくれと頼むヒム。最後までヒュンケルらしく、かっこよく散って欲しいと望んでいる。 ヒュンケルはそれを聞き、初めて戦った時も同じようなことをヒムが言っていたことを思い出す。 確かに自分も死は恐れないと言うヒュンケル。 しかし、ヒュンケルは揺るぎのない目で、仲間達が自分の目を覚ましてくれたことを語る。 無様でも、見苦しくても、わずかな勝算に懸けると、拳を握りしめるヒュンケル。 無言で、静かに佇むヒム。その表情は陰になっていて見えない。 その発言を静かに聞いた後で、ヒムは空を見上げるようにしてしみじみと言う。 ヒム「たいした男だったよな、やっぱりあんたは……。オレは……あんたの何に勝ちたかったのか、今、やっと分かったぜ」 ヒュンケル「おまえもたいした男だ……ヒム。オレにここまでの覚悟をさせたのは……おまえが二人目だ」 わずかに目に力を込めたヒュンケルが見つめる先は、ヒムではなく床石につき刺さった魔槍があった。 まず、最初に動いたのはヒムだった。 ヒュンケル(距離を取った! 今こそ、奴の渾身の力を込めた攻撃が来る!!) 吠えるように叫びながら、ヒムが全力で走り込んでくる。闘気を込めた彼の左拳は、虹色に輝いていた。 ヒムの全てを込めた渾身のオーラナックルが、ヒュンケルに叩き込まれようとしていた。 迫るヒムの拳。 それを見て、歓喜の表情を浮かべて勝利を喜ぶヒム。が、次の瞬間、ヒムは嘔吐き、わずかな液体を吐き出した。 無防備に開かれたヒムの拳の隙間から、無傷のヒュンケルの顔が覗く。鋭い視線をヒムに向けながら、ヒュンケルはヒムの拳が自分には触れていないと告げる。 ヒュンケル「勝ったのは、オレの拳だッ!!」 ヒュンケルの勝利宣告を裏付けるように、ひび割れがさらに広がり、ヒムは苦悶の呻きと共に仰向けに倒れ込んだ。重い金属音を立て、床石に転がるヒム。 震えの残る手を握りしめながら、ヒュンケルは敵の強さと勝利を噛みしめる。 吐血し、ヒムは苦しげになぜオリハルコンの身体が砕けたのかと疑問を口にする。 ヒムを倒すために、ヒュンケルはカウンター……敵であるヒムの力を利用した。わずかに空を仰ぎ見、アバン流の奥義に似たような技があるが、それを自分なりの応用したと語るヒュンケル。 無刀陣は一度敵の攻撃を受けてから反撃する技のため、今のヒュンケルでは敵の拳が当たった時点で死んでしまう。だから、高めた闘気をヒムよりも先にぶち当てるしかなかったと説明する。 奇跡的なタイミングで、それを成し遂げたヒュンケル。 ヒム「……やるもんか……」 弱々しいその声に、驚いたようにヒムの方を見るヒュンケル。 痛みを感じ、呻くヒム。 死を急かし、瞑目するヒムだが、その目がハッと見開かれる。 自分の仲間達に追いつけば回復呪文が受けられると言い、立つように促すヒュンケル。 ヒュンケル「情けではない。これは、オレの命令だ」 ヒュンケルの言葉に、虚を突かれるヒム。 ヒュンケルはヒムを、悪ではないと判断した。 それでもためらうヒムに、ヒュンケルはヒムの生命はヒム一人の物ではないと諭す。今のヒムにはハドラー親衛騎団の命も宿っていると考えるヒュンケルは、仲間の分まで生きる義務があると説得する。 そこまで言われては言い返すことも出来ず、ただ、身体を震わすヒム。 それにも、ヒムは応えずに震えるばかりだ。 ヒュンケル「……オレが仲間達から言われた時は、もっと優しさを感じたが……」 拳を握りしめ、涙をこぼすヒム。 ヒム「……くそったれめ、えらそうに言いやがって……ッ! この身体が自由に動くなら、その面をぶん殴ってやるのに……っ!」 ヒムの憎まれ口を、涼しい表情で聞くヒュンケルは静かに応える。 ヒュンケル「……生き延びてからにしろ」 ヒムの手を、ヒュンケルの手が握る。涙の浮かぶ目で、彼を見返すヒム。 金属音を立て、チェスの兵士状の物体が複数降りてきた。それは、ヒムがポーン状態の時とそっくりの金属製の大きな駒だった。
ミストバーン「……あいつか。とうとうしびれを切らしたな……バーンパレスの掃除役がな」 ダイ「掃除役……!?」
ヒュンケルも驚いているが、ヒムの動揺はそれ以上だ。 そこに、笑い声が響き渡る。 驚愕するヒムの前で、シルエットは16個の駒の中で、唯一意志を持った駒が自分だと自慢げに言う。 城壁を蹴り、その巨体からは信じられない身軽さで飛び降りた彼は、バーンが信頼を寄せるバーンパレス最大再挙王の守護神、王(キング)マキシマムと名乗った。 その光景を見て、弱気になるヒム。 ヒュンケル「ヒム……おまえはこの場でじっとしていろ」 ヒムをそっと床に横たえ、ヒュンケルはさっきの約束をもう守れなくなりそうだと謝罪する。 ヒュンケル「それでもおまえは生きろ……! いいな、必ずオレの仲間のもとへいけ。こいつらは絶対に倒す……!」 覚悟を決めたような表情を見せるヒュンケル。 ヒュンケル(……戦ってきた。戦い抜いてきた) ヒュンケルは自らの足で、オリハルコン軍団に向かって歩を進めていく。 ヒュンケル(この身体に受ける痛みだけが、過去を忘れさせると思って……) ゆっくりと進むヒュンケルの背中が映る。 彼の目の前にいるのは、ハドラー親衛騎団と似た姿を持つオリハルコン軍団と、マキシマム。 ヒュンケル(今日……この戦いで終わる。間違いなく、これがオレの最後の戦いだッ!!) 敵を見るヒュンケルの目には、一片の曇りもなかった。
《感想》 ヒュンケルの捨て身攻撃、無謀すぎてカッコいい……ッ! それはさておき、原作ではいきなりの連打攻撃でやられまくっているコマから始まるシーンが、ヒュンケルの攻撃シーンから始まったのは嬉しいです。……すくやられちゃっていますけど(笑) 倒された時のヒュンケルの表情、左右逆転な以上に、ちょっと怯えているように見えるのが印象的でした。原作では苦痛の余り片目を閉じているという感じでしたが、アニメではヒムの脅威の力に恐れを感じているように見えます。 プロモーションルールの時、原作には出てこなかったチェスの駒を使った説明が出てこないかなと期待したのですが、それはなくて残念! 原作ではただの前蹴りだったのが、回し蹴りになっていました。動きが派手でいい感じです♪ 仰向けに倒れているヒュンケルの遠景に、後ろ姿のヒムが立つ構図が、めっちゃかっこよかったです! 床を斜めに捕らえた構図が、原作の水平構図とはまた違った不安定なイメージがありました。 ヒムの蔑んだような目も、いい感じ。 原作でもほぼ展開は同じですが、ヒムの目元が黒く影になっているので表情が窺えず、すでにヒュンケルを倒したと思い、その死を悼んでいるのかと思っていました。 が、アニメでは表情がはっきりと見えているので、ヒュンケルの反応……というよりは、彼の反撃を期待しながらじっと観察しているように見えます。 ヒムの隙について語るシーン、真っ黒な背景にヒムがスローモーションでパンチを放つ動きが綺麗。最後に、硬直した隙のシーンで画面が黄色にそまる変化もいいです。 まあ、大抵のスポーツでは左利き有利なので、戦闘特化のヒムが生まれながらに左利き設定になっているのは、納得できます。 ヒュンケルがヒムにブーメランを投げつけるシーン、原作ではヒムの左手が光っているのを見て投げていますが、アニメでは右手を前に出しているのを見て投げています。 ということは、原作では左手の攻撃を抑える目的だったのに対し、アニメでは右手の攻撃を抑えるために投げたのかなと思いました。 ヒュンケルに空振りするシーン、原作ではピタッと動きを止めていましたが、アニメでは動きと止めつつも勢い余ったように髪の毛が逆に靡き、驚いて振り仰ぐ動きで髪の毛が戻るという細かい動きを演出! グランドクルス不発だった時、ヒュンケルが薄目を開けてから悔しがる表情を見せているのがいいですね。 原作ではここからヒュンケルは、すぐに諦めないと思い直すシーンが続くのですが、アニメではダイ達の出番がやってきました♪ ポップの回復に戸惑っているダイが、妙に可愛いですね。 ポップがどもりつつ言い訳するシーン、原作でもどもっているのですが、アニメで実際に聞くと動揺っぷりがすごいです(笑) マァムの慈愛の表情、可愛くていいですね! ところでお弁当、すでに綺麗に片付けられていました〜。食べているシーンを、ワンカットでも見たかったですよー。お弁当、美味しそうだっただけに……っ! 原作ではレオナが連れ去られるように去った後で、すでにお弁当の箱が開けられて食べられていた形跡があるのですが、アニメではダイがお試しのように先に開けて、みんなで回復しようという話になっていましたから、後で楽しいお食事タイムがあると思って期待しまくっていたのにっ。 見ただけでは食べた後で片付けたのか、それとも、アバン先生やレオナが戻ってきてから一緒に食べたいと思って手をつけていないのか、分からないですね。 ポップが魔王軍に叫ぶシーン、背後にあるピクニックシートが恐ろしいまでに魔王がいる城に似合っていません(笑) ポップな黄緑色に、向日葵っぽい茶色の芯と黄色の花びらの模様入りなのがめっちゃ目立ちます。 ちょっと後のシーンになりますが、どんなに目が悪くて飲み逃すはずがないぐらい目立つのに、スルーしたミストバーンって、実はスルースキルが高いのかも(笑) ポップの声のこだま、もっと山彦みたいに派手に聞こえるかと思っていましたが、抑えたような演出でこだまが吸い込まれるような印象を受けました。不気味さが際立っていて、すっごくいい感じです♪ 真ん中の位置に居るポップが、最初はマァムの方を向いて、次はダイの方を向いて話すのがいいですね。 ミストバーンの声が聞こえた時、ダイがきょとんとしたような顔から、警戒心に変化するシーンが気に入りました。 ミストバーンが歩く足がアップになるシーンは、珍しくていいですね。原作では足音しか聞こえていませんでしたし。 登場時にミストバーンの名前を呼んだの、アニメではポップになっていました。原作では特に誰のセリフとも分からない感じでしたし、三人の声がハモったのかと思っていましたよ。 ミストバーンの観光案内、ちょっと略されていますね。 ミストバーンを睨みつけるダイの隣に、怒り顔のゴメちゃんが浮かんでいるのはアニメの改変ですね。原作ではコマの大きさの関係上、出番が削られがちなゴメちゃんが、アニメでは密かに活躍の場が増えているのが嬉しいです。 大の字に倒れているヒュンケルの上を、雲の影がよぎっていく描写、いいですね。 原作では割とヒュンケルの周囲に破片が散っているのですが、アニメではヒビが入っているだけで結構綺麗なせいか、手の中に石を握り込んでいるのが唐突で、ちょっと不自然に見えました。 原作では手の近くにあった石を握り込んでいるのですが、アニメでは最初から手の中に握り込んでいましたし〜。 ヒムのハドラー追悼、青空を見上げるのがいい雰囲気でしたが、欲を言えばハドラーの幻が見たかったです〜。 ヒムがヒュンケルに槍を投げるシーン、速度が緩やかでヒュンケルの頭の上辺りに投げられているのに感心しました。攻撃ではなく、本当に相手に受けとりやすいように投げていたんだなと軌道でも分かるのっていいですね。 漫画だと、投げたコマの次にすぐ受けとっていたので、ヒムの狙い目が分かりませんでしたし。 鎧化の解除、原作では一瞬で代わっていましたが、アニメでは光の後で渦巻きのようなものが身体を包んでいました。身につける時とは広がる動きとは逆回転の要領で部品が縮むのかなと思っていましたが、そうでもなかったようです。 ヒュンケルの台詞、原作にあった『目には目を……歯には歯をという言葉もある……』という部分がカットされていますね。 細かな説明を飛ばし、原作より短くすることでテンポ良くする台詞回しは、正直、かなり気に入っています。 ヒュンケルは原作だと意外と説明台詞が多いのですが、説明が理屈っぽい場合が多いので、アニメ版の熱さや若さを感じるヒュンケルの声には、説明を省いたパターンの方が合っている気がします。 ヒムが闘気を高めるシーン、髪の毛がなんか……ハリセンボンに見えてしまうのですが(笑) ここでCMになるとは、予想外でしたね。 ヒムのオーラナックル、黄金になっていたのは驚きです。そこから漏れる光も、ちょっと虹色っぽい光が混じっていました。 ヒムがヒュンケルへのライバル心を語るシーン、原作では怒鳴るヒムの背後にヒュンケルのイラストが浮かぶ描写でしたが、アニメではヒムの横顔がアップになり、雷のような形で画面が二分割され、反対側にヒュンケルの横顔が浮かぶ演出になり、ライバル対決感がましています。 ヒュンケルが「無様に生き残るぐらいなら〜」の台詞を言う時、原作ではノヴァと対決した時のヒムが回想されていたので期待していたのですが、回想シーンはありませんでした、ぐすん。……ノヴァ、ただでさえもう出番が皆無に近いのに〜。 ヒュンケルの仲間達の回想に、ポップが一番先に思い出されていました。原作とほぼ画像で、一度に二人の人間が画面に映る形で下から上にスクロールしていました。 ヒュンケルが仲間として一番、意識しているのはマァムだと思いますが、戦いに関する姿勢に対しての意識は別基準なのかなと思わせるシーンです。 ヒムがヒュンケルを認める台詞、過去形で語っているのに興味を引かれます。 名前を出さずに、ラーハルトを思い出すヒュンケルの台詞、実にカッコいいですね! ヒムが距離を取った際のヒュンケルの分析で『あれは奴の全体重をのせる時の助走距離』という説明部分が削られていました。 ヒムとヒュンケルの激突シーン、大迫力! あの瞬間こそ、ヒュンケルはヒムの隙を見切ったのだと思えます。 ヒュンケルのお腹のアップを見ていて思いましたが、見事なまでに腹筋が六つに割れていますね。 ヒュンケルの無刀陣の説明、原作では名前を出さずに解説していましたが、アニメでは名前を言っていますね。 ヒムを助け起こす際のヒュンケルの手の角度が、アニメで改変されています。 握手のように伸ばされた手を普通に横から見た構図になっていましたが、原作ではヒムの視点……つまり真正面から見て、何かをすくい上げるような形で伸ばされた手が好きだったのにーっ。この改変はちょっと残念です。 ヒュンケルの説得の中、ハドラー親衛騎団が回想として登場したのは嬉しかったです。ただ、ヒム抜きのメンバーなのがちょっと寂しかったですが。 ヒュンケルの仲間の優しさの台詞、原作では「もっと優しさを感じられる言葉だったが……」でしたが、微妙に改変されていますね。 ヒュンケルがヒムの手を掴むシーン、原作ではガシッと書き文字がありましたが、アニメだとギュッと控え目に指を包みこむイメージです。 空から降ってくるチェスの駒、下から見ると丸いけれど、いざ降ってくるとポーンの駒だったのに妙に納得しました。確かに、あの形だと下からだとただの丸に見えますよねえ。 ダイ達のシーンで、原作では両手から爪を生やしているミストバーンが、アニメでは片手しか見えませんでした〜。 ミストバーンの台詞に、微妙な改変が。 原作ミストバーン「バーンパレスの掃除屋……最大最悪の番人がっ……!!」 原作ダイ「……番人……!?」 ……なぜでしょう、ミストバーンのマキシマムへの評価が、アニメでより下がっている気がします(笑) ヒムがオリハルコン軍団に驚くシーンで、仲間達の名を呼ぶ時に声に苦みが帯びていたのが、実にいい演技でした♪ 登場時のヒムの抑えた演技を思うと、どんどん人間味を強めて熱くなっていく変化がいいですね。 マキシマム、初お目見え! ……本音をぶっちゃければ、こやつの出番こそなくなっても全然構わなかったんですが(笑) まあ、せいぜいお笑い要素に期待しましょう♪ ダイ大の敵方は美形声が多いからもしかしたら……と思わないでもなかったのですが、すでに『声だけはいい男♪』の夢は儚く来去りました(笑) マキシマムが登場する前、シルエット部分の肩やら、足やら、胴、頭と、丁寧にゆっくりと映していましたが……なぜにここまでこやつに時間を使うのかと思いましたよ! 手足を展開させたアルビナスの全身図さえ、ここまでじっくりゆっくりと魅せてはくれなかったのにー。いや、ほぼシルエットだから姿はしかとは見えないのですけどね。 ところで、マキシマムが飛び降りた際、足元の石床が砕けませんでしたね。 アニメでは、踏み込みの強さを示すために足元を強く蹴られて足場が壊れる描写が多いのに、逆に原作よりも軽い表現に変えられていますよ、こやつ! ヒュンケルがヒムを抑えるシーンと台詞が改変されていました。 原作ヒュンケル「……しゃべるな、ヒム!! 屍のように、この場でじっとしているんだ……!!」 ヒムの口を塞ぎながらのこの台詞、結構好きだったのですが削られて残念です。その代わり、アニメではヒュンケルがヒムを丁寧に横に寝かせるシーンが加わっています。 ヒュンケルの最後の死闘の決意! ところで、髪が生えてから、ヒムの表情や輪郭線がハドラー寄りになってきた気がします。 次回予告、ヒュンケル無双でしたね。とりあえずネタバレがなかったのにホッとしました♪
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