『起て、宿命の騎士』(2021.7.2) |
《粗筋》 戸惑いながらも、生き物かと判断するダイ。 すぐさま臨戦態勢を整えるダイは、上を見上げる。 その時、どこか間の抜けた声が聞こえてきた。止まれと言いながら、近寄ってくる声を聞きつけ、周囲を見たダイは上の方に小窓じみた場所からだと判断し、ジャンプする。 やってきたのは、奇妙な怪物だった。腹を打ちながら近づいてきたのは、四本の腕に下半身が太鼓状になっている怪物だった。怪物は、泣き叫ぶように止まれと繰り返す。 腕を振り回し、動揺しながら誰だと尋ねる謎の怪物。 ???「ダイ……? こいつが!?」 返事も待たず、怪物に駆け寄るダイ。 苦しそうに呻き、そんなに急に全部は答えられないと返す怪物。 苦しそうに喉をさすりながら、敵は自分はドラムーンのゴロアだと名乗り、バーンパレス中央部の管理者だと名乗る。 背後を半ば振り返りながら、ダイはレオナを捕まえた怪物について問う。 それを聞いて、ダイはあれこそがバーンパレスを動かしているのかと察する。
しかし、皮肉にも捕らえられた本人……レオナのミナカトールにより、バーンからの魔力吸収機能は奪われている。 バーン「魔法力に飢えて……暴走しよったか」 ゴロア「だからきっと、魔力炉は自ら触手を伸ばして魔法力を探っていたんだムーン」 ダイ「それで……魔法力の高いレオナを捕らえたのか……ッ」 でも、自分やポップだって城の中にいたのにと疑問に思うダイ。 意を決してベランダじみた柵ぎりぎりに駆け寄ったダイは、レオナにフェザーを手放すように叫ぶ。 なんとかしようともがくレオナを助けるべく、ゴメちゃんが背後へと回り込む。が、どこからか伸ばされた触手に片羽を掴まれ、触手ごと放り投げられてしまう。 ダイ「うっ……くっそぉ! おれがぶち壊してやる!」 柵に足を掛け、乗り越えようとするダイ。狭い足場で器用に攻撃態勢を整え、腰を低く落とす。 だったらおまえがアイツを止めろと、怒りも露わに怒鳴るダイ。 全然止まっていないと、腹立たしそうに言うダイ。 あの触手に捕まったらどんな生き物も肉体ごと吸収されてしまうのだから、逆に感謝して貰いたいと得意げに言ってのけるゴロアだが、ダイは我慢しきれなくなったのか自分がやると言って飛び出した。 勢いよく斬りかかろうとしたダイだが、剣を振る前に何かにぶつかって弾き飛ばされた。見れば、魔力炉の周囲を赤い靄のような物が球体に覆っている。 見えない壁に戸惑うも、ダイは空中で姿勢を立て直し、今度は見えない壁に向かって攻撃を仕掛けだした。二度、三度と剣を振るが、見えない壁は固い激突音を立てるもびくともしない。 ベランダからそれを眺めるゴロアはダイの強さを実感し、このままでは魔力炉が破壊されてしまい、自分がバーンに処刑されるのではないかと案じる。が、ゴロアは何かを思いつき、ほくそ笑んだ。 焦りと怒りを滲ませて攻撃を続けるダイは、左手から炎の魔法を呼び出し、雄叫びと共にどれを魔力炉にぶつけた。が、魔法も弾かれてしまう。剣も魔法も効果が無いと痛感したダイは、少しレオナが危険だがアバンストラッシュで真っ二つにしようと決意した。 身体をひねって、必殺技を放とうとするダイ。 その衝撃で床石にヒビが入るほどの衝撃だった。一緒に落ちたダイの剣は、床に当たるものの、突き刺さらずにそのまま跳ね飛ばされてしまう。 レオナを助ける義理がないと気づいたゴロアが、ダイに重力波をかけたのだ。 ゴロア「勇者のお前を倒せば、大手柄……船底暮らしから抜け出すチャンスだムーン!」 ゴロアの話を聞いて、ダイはハッとあることに気づく。 ダイ(まずい……! おれに重力波がかかっているってことは……!) 無理矢理のように顔を上に向けようとするダイ。 すがるように、ダイの名前を叫ぶレオナ。ダイもまた、レオナの名を叫ぶが身動きが取れない。 レオナの名を絶叫しながら、立ち上がろうとなおももがくダイ。その手の甲には、竜の紋章が浮かび上がる。 ゴロアは余裕たっぷりにすごいパワーだと言いながら、もったいをつけて腹の太鼓を一つ叩いた。生み出された波動のせいで、ダイはその場にぐしゃっと倒れ込んでしまう。 ゴロア「おまえのパワーなんかに負けない」 床に押しつけられながら、悔しそうにゴロアを睨め上げるダイ。 その時、ゴロアは少し離れたところに落ちたダイの剣に目を留めた。剣の輝きを見て、邪悪な笑みを浮かべる。 一方、ダイは自分に言い聞かせるように「起て」と繰り返し、レオナを案じていた。 なんとか立ち上がろうとするダイの目の前に、剣の切っ先が突きつけられた。それは、他ならぬダイ自身の剣だ。 ゴロア「勇者を倒したとあれば、バーン様も必ず褒めてくれるはず……!」 その頃、ダイとゴロアのやり取りを、バーンは水晶玉を通じて見物していた。 バーン「いや……最期まで、分からん」
ゴロア「さあ! これで……お・わ・りムーン!」 手の甲から紋章を光らせ、雄叫びと共に力を振り絞るダイ。 必死に力を振り絞るダイだが、竜の紋章の浮かぶ手の近くに水滴がしたたり落ちる。次の水滴は、右の拳に――まるで熱い鉄板の上に落ちたように、ジュッと音を立てる水滴。 嗚咽交じりの声に、ゴロアも気づく。 自分にはこんな程度の力しか無いのかと、ダイは慟哭していた。 ダイの悔し涙を揶揄し、再び剣を振りかざすゴロア。自分に向かって振り下ろされた自分の剣を、目を見開いて見上げるしかできないダイ。
驚きに目を見張るダイの目の前で、三人の魔法使いがそれぞれに炎を手に宿す。さらにその前にいるのは、柱に後ろ手に縛られ、観念したように目を閉じている男……それは、若き日のバランだった。 そこに、一人の女性が駆け込んでくる。彼女は幻のようにダイをすり抜け、一直線に走る。 炎の照り返しを浴びながら、驚愕の面持ちでそれを見つめるダイ。 バラン「竜の騎士の人生は、戦いの連続……」 先程までとは違う驚きが、ダイを襲う。 毅然と佇んだバランは、落ち着いた口調でダイへと話しかけてくる。 バラン「だが……過去の歴史はどうあれ、おまえはおまえだ」 雲の上に、向かい合って立つ竜の親子。 初めてレオナを助けた時のことを思い出すように諭され、ダイは口元をギュッと引き締める。 次の瞬間、色が反転したダイの目が、普段の色と光を取り戻す。 ダイ(父さんっ……) その時には、ダイは現実に戻っていた。 剣が振りおろされる刹那、ダイは初めて紋章の力に目覚めた時のことを思い出す。 ダイの目に強い光が宿り、温かみのある茶色の目が、青く染まる。そして、ダイの右手だけでなく、左手も光を発しだした。 自分と父親の力はまだこんなものじゃないと、両の拳から紋章の光を放ち、その場に立ち上がるダイ。 何が起こったのか分からないまま目を見開くゴロアは、ダイが全身を仄青い光に覆われたまま立ち上がったのを見て驚愕する。
あの時に、父親の紋章の力が自分に宿ったことを、ダイは今こそ実感する。目をつぶり、ダイは父親の魂が会ったからこそ、夢の中で会ったこともない母親に会えたのだと思いを噛みしめる。
バーン「そうか……バランの力か。あれは言わば……双竜紋」
両手に紋章を浮かび上がらせたダイは、紋章閃と叫んだ。 それは、見えない障壁を突き破り、内部にいた魔力炉を直撃した。初めて、苦痛の悲鳴を上げる魔力炉。 強烈な威力を目の当たりにして、ゴロアの怯えは強まるばかりだ。逆に、ダイは落ち着き払っている。 剣を振り下ろされても、ダイは微動だにしない。 その目は光がなく、普段のダイ自身の意志が感じられない。そこまでなら、竜の紋章に振り回されていた頃の目と同じだが、不意にその目が青く染まる。 ものすごい勢いで突き飛ばされ、再び壁に激突するゴロア。ダイの最初の一撃ですでに気絶状態だったゴロアは、今度こそピクリとも動かない。 歩きながらダイは、ごく当たり前のように剣を上に掲げた。いつでも振り下ろせる姿勢を取るダイの目は、感情が全く感じられず、殺気に満ちあふれている。 痛みか、怒りかに吠え立てる魔力炉は、新たな触手を次々と射出する。槍のように伸びる触手は、一直線にダイに向かった。 巨大な目玉が、大きく、大きく見開かれる。その瞳に最後に映ったのは、青い闘気に全身を包んだ竜の騎士の姿だった。 その一撃は、バーンパレス外部にまで影響を及ぼした。 玉座からそれらを見ていたバーンは、思わず声を上げる程の驚きを見せる。
それらが終わってから、ダイはようやく目を開けた。 一方、そんなダイの姿をバーンは静かに見つめていた。 バーン「驚異だ……双竜紋……さすが死神の予言よ。悪い方にばかり、よく当たりよる……」
遅かったのかと息をのむダイ。 中を見て、良かったと息をつくダイ。 光が消え、レオナが小さく呻いた。 そんなレオナを、ダイは大丈夫だと優しく励ます。 ダイが敵を倒したと知り、礼をいって立ち上がるレオナ。しかし、その表情は浮かない。 ダイ「さあ……?」 考えもせず、首をひねるダイ。 なんでと戸惑うダイに、レオナは顔を真っ赤にして、いいから早くと怒鳴りつける。その勢いに押され、後ろを向くダイ。 レオナ「ダイ君ッ!」 振り返ったダイは、驚きに目を見張る。 ゴメちゃんが縮んじゃったと、仰天するダイ。 わけがわからないまま戸惑うダイに、レオナはゴメちゃんが守ってくれていたのだろうと言いながら、そっとゴメちゃんの身体を、優しく撫でる。 ダイ「あ……だけど、ゴメちゃんは今までの戦いでもみんなを助けてくれた……!」 やっぱり不思議な力があるのかと考え込むダイ。 ダイの時には体力の回復、ポップの時は死の淵からの呼び戻し、チウの時には身体を硬くして、レオナの時には魔法力……いったい、ゴメちゃんの真の力は何だろうと思うも、彼女はフッと笑って言った。 レオナ「まあ、いいわ! 命の恩人に、余計な詮索はなし」 意外さに目を見張るダイの目の前で、レオナはこのサイズのゴメちゃんもちょっと可愛いかもといい、軽くキスをする。 それを、ダイはじーっとガン見していた。 その時、触手がのたうった。 ダイ「ゴロア!」 こうなったら最後の手段だと、ゴロアは自分の魔法力を魔力炉にやり、ダイ達も道連れにしてやるという。 ダイはレオナを後ろに庇い、無駄なことは止めるように勧告する。
倒すべき敵からの言葉を、険しい目で聞いているダイ。
自らの意志で、触手を一斉にダイめがけて射出するゴロア。
走って逃げるレオナも、その構えには覚えがあった。強烈な闘気を吹き上げながら、ダイは叫ぶ。 ダイ「知らないぞ! こいつはただの呪文じゃない……父さんの! 竜の騎士の! 最大最強の切り札なんだ!」 ドルオーラを放ったその瞬間のダイの背後に、同じポーズを取るバランの姿が見えたのは幻か。 バーンもまた、驚きの声を抑えきれない。 《感想》 ゴロアは思ったよりも、普通の敵な印象でした。 ダイの驚きや剣を抜く時の表情、原作よりも切迫感があるように見えます。それだけ、レオナの危機に焦っている感じで好印象♪ そこにさりげなくレオナが苦しむ姿、ダイが憎々しげにそれを睨む姿を挿入するオリジナル改変が、心憎いですね。原作よりも、ダイとレオナの絆が深まっているように感じます。 ダイが誰かの接近に警戒し、一旦、小窓っぽい場所にジャンプするシーン、アニメでは場所の発見とジャンプだけになっていました。 ゴロアが腹を打つ度に赤い靄が余韻のように広がる演出は、彼に特殊能力があるのが分かりやすくていいと思いました! 原作ではそれらの描写は無かったので、単に腹の太鼓を打っているだけの間抜けな怪物に見えて仕方が無かったですし(笑) しかし、ゴロアの台詞が地味に増やされていますよっ!? うわー、出落ちキャラなのに妙に優遇されていますね(笑) ダイが姿を隠さないまま登場したことと、声音の迫力で、原作よりもダイの怒りを強く感じます♪ でも、ゴロアとダイがお互いに誰だと聞き合うシーンがきっちりあったのは嬉しかったです。ちょっとお間抜けなこのやり取り、好きだったのでなくならなくて良かった〜。 原作ゴロア「ダ……ダイ!? こ……こいつが、バーン様の敵の勇者の……!?」 ダイがゴロアに飛び乗って首を締め上げるシーン、原作ではダイは相手の肩に足を乗せていましたが、アニメではゴロアの太鼓腹の縁に乗っている形になっていました。 ダイがゴロアから飛び降りるシーンも追加されているのも、嬉しいところ。 ゴロアが手にしていたバチを腰のベルトにしまうアクションも、ちゃんと描いてくれているのには感動しました! 原作でもゴロアのベルトには四つのポケットがついていて、バチを手放している時にはベルトに挟んでいる姿が記載されていますが、実際にベルトに挟むアクションはさすがになかったので、動きを見ることが出来たのは嬉しい驚きでした。 しかも、動きが思ったよりも滑らか! もっと間抜けにもたつくかと思っていましたが(笑) ダイとゴロアが原作では『バケモノ』と呼んでいた部分が、アニメでは『モンスター』になっていました。 ダイとゴロアの説明の最中、つかまっているレオナとそれをじっと見つめる魔力炉のカットがありましたが……触手がうねうねと動く中、あの巨大目玉に凝視されるなんて、それだけで拷問ですよ〜。 余談ながら、じっとレオナを見ている魔力炉が『……コイツ、美味イノカナ?』と考えているように見えちゃいました。 バーンパレスの設計図じみたカットは原作にもありましたが、アニメでは赤の線がまるで血流のように動いている演出が追加されていました。 バーン様の説明では、こんなことはバーンパレスが完成してから数百年、おこったことがなかったと語られていましたが、そこは省略されていますね。バーン様の台詞も、一部改変が。 原作バーン「……飢えて……、狂ったか……!?」 あー、ここは変えざるを得ないですね。むしろ、この台詞が文庫版、再録版でも校正を免れたのが不思議なぐらいです。 ダイとゴロアの会話も割と改変されています。 原作ゴロア「……だから……! きっと魔力炉は自ら触手を伸ばして、魔力の源を探しに行ったんだムーン」 ダイ「その途中でっ……!! レオナをっ……つかまえたっ……!!」 面白いことに、原作ではここでダイはほぼ同じ目線の物を見るように魔力炉を見ていますが、アニメではダイは明らかに魔力炉を見下ろしています。 で、ここで見逃せないお色気カットが! それはさておき、フェザーのカットは原作では床に落ちたような構図でのイメージカットでしたが、アニメでは実際にリアルタイムでレオナの腰についているカットに改変されています。 ダイがレオナにフェザーを手放すように叫ぶシーン……原作では足を下に吊り下げられたポーズだったレオナが、アニメではほぼ横たわるような姿勢に拘束され、触手の動きのせいでビクッビクッと身体が跳ねる動きがなんともはや性的で……ええと、今は土曜の朝でしたよね?(笑) いいんでしょうか、この時間にこの動きと妙に粘着っぽいこの効果音!(笑) 原作では苦痛に片目を閉じた表情を見せているレオナが、アニメでは両目を閉じて苦痛に耐えているのが、これまた妙に色っぽいんですけどっ! な、なんか手加減なしになってきたような気が、いろいろとっ。 でも、レオナが腰のフェザーを取ろうと手を必死に動かすシーンが追加されたのは嬉しかったです。 ホテルやスチュワーデス……じゃなくて、キャビンアテンダントなどのサービス業で、そこに置いてない新聞などを要求された場合、即座にないと否定するのではなく、実際に一度取りに行ってからないと返答するという対応をしていいると聞いたことがあります。 結果が同じだったとしても、実際に行動を見せることで受取手の意識が変化する心理学の実用方法として、感心した覚えがあります。 ゴメちゃんがつかまるシーン、原作では触手に羽が絡むだけでしたが、アニメではその後、触手に掴まれたまま高く放り投げられるシーンが追加されました。 ダイが見えないバリアと戦っている際、魔力炉の目がゴロアの方に向けられていたのはアニメの改変ですね。 ダイが重力波で床に押しつけられるシーン、細かな線で輪郭をブレさせつつ、色を変化させた演出がよかったです。原作でも、このシーンはスピード線を増やしてトーンを張って欲しいなぁと思っていたところだったので、夢が叶った気分です。 ゴロアの台詞「出世のチャンス」が「船底暮らしから抜け出す」に改変されていますね。ゴロアは後のシーンで「船底暮らし」発言をしているので、そちらの台詞から引っ張ってきた印象です。 昔から下級船員の居場所は船底と相場が決まっていたので、ゴロアはよっぽど役立たずと思われていたんでしょうねえ(笑) 片目をアップにしたゴロアの顔芸は、見ていて楽しかったです。原作ではただただお間抜けキャラでしたが、アニメではそこそこ毒気が追加されてプラスマイナスで普通の敵になった感じですね。 ダイの台詞が一部、改変されています。原作では「まずい」ではなく「そ……そうだ!!」と言っていますが、アニメの方が切迫感があっていいですね。 魔力炉による毛糸玉攻撃、アニメでは一本一本の触手がポンプのように何かを吸い上げるような、脈動が付け加えられたのにビックリ。 ゴロアの自画自賛台詞、後半部分が改変されています。 原作ゴロア「一人のパワーでは、絶対身動きがとれないムーン」 この台詞、後から思えばダイだけでなくバランの力が合わされば動けるという伏線になっていたと思いますが、アニメでは伏線を取っ払ってただの自慢台詞になっていますね。 やりたければ、二本の手を使って同時に出来そうなものなんですが(笑) 実際、原作では二本の手を同時に使い、顎と頭を撫でて悩んでいます。 ゴロアの絵本のシーンがまるっとカットされたのは、悲しいところ。……まあ、確かにこれは描かれなくても問題が無い部分なんですが、正直、ゴロアよりもこの絵本話の方に興味津々だっただけに残念無念! 伝説の不死身の剣豪とは、ヒュンケルの名前の元になった男なのかな〜とか、少女に化けた魔族の女が変身解除するシーンを見せて欲しいなぁとか、いろいろと夢と希望があったのにーーっ。 ゴロアの台詞、アニメではかなり短く、分かりやすく改編されています。 原作ゴロア「これで……これで暗い船底暮らしともオサラバできるムーン……いくらバーン様が恐ろしい方でも、勇者を倒したとあれば必ず恩賞があるはず!」 原作のゴロアの方が、バーン様への恐れが強いみたいですね。しかし、バーンがこのやりとりを聞いていると予想もせずにこんな台詞を言っちゃう辺りから、ダメ臭が漂います(笑) 傍観者バーン様のお言葉、原作ではキルバーンの「ダイは進化する小さな魔神」と言う回想が混じっていたのですが、そもそもその発言自体がアニメではカットされていたため、必然的にキルバーンの回想も無くなっていましたよ、くすん。 ダイに止めを刺そうとするおちゃらけた声音には、笑っちゃいました。原作にはない台詞ですね。 ダイが泣くシーン、真っ暗な中に輝く竜の紋章が青白く浮かび上がり、そこに涙が降り注ぐ演出、印象的でした! だからこそ、次の瞬間にダイの手が実体化したシーンの演出と自然に繋がってみえます。竜の紋章付近では涙が熱で蒸発する演出は、原作通りとは言えやっぱりアニメの方が見栄えがしますね。 ダイの嘆きの台詞、素晴らしい演技でした♪ 止めを刺される寸前のダイが、精神世界に突入するシーンで、原作では白黒逆転コマだったのが、アニメではアップになった目を色彩逆転させる演出になっていました。 少しブレたような画像に、モノクロームな風景。人々の姿はセピアっぽくて、なんとも不思議なレトロ感が実にいい感じでした。バランの回想ではあれほど色鮮やか場面が、色が変わったことでものすごく昔の光景のように見えました。 ソアラがダイの後ろから走ってきてすり抜ける演出も、よかったです! ダイには気づかす、触れた感触も無いままの一瞬の邂逅……ダイにとっては、辛い一瞬ですね。 でも、ダイからは後ろ姿しか見えないはずなのに、それでも母親だと気づいてハッとするシーンが実にいい感じです! ダイとバランの会話、しみじみしました〜。 意識が現実に戻る演出も、実に良かったです! でも、一つだけ残念なのが、ダイが父さんと言った時にはすでに現実に戻っていたこと。 ダイが力に目覚める瞬間、目の色が青く染まったのがかっこよかったです! ダイ大メンバーは基本的に茶色の目が多いので、すっごく新鮮でした♪ 原作ではゴロアを吹っ飛ばした時は、まだ立つ途中の姿勢でしたが、アニメでは完全に立ってから吹き飛ばしていましたね。 ダイが両手を広げて身がまえる前に、手を一度交差させる仕草をしたのはアニメの改変ですが、いい演出ですね! 最初から両手を広げて立つより、印象的でカッコいいです♪ CMのクロスブレイドで、ミストバーンの真の姿が露わになっているのを見て、いくら以前に正体が暴露済みとは言えちょいと早くないかと思った後で、5週間アニメが止まっていたことを久々に思い出しました。 ダイがバランとの別れを思い出すシーン、辛そうに目を閉じるダイと、最後にきっぱりと目を開ける表情の差が好みです。 ダイの手をクロスさせてからの紋章閃、かっこよかったです♪ ゴロアがダイに斬りかかるシーン、原作ではダイが上にジャンプしようとした隙をついていましたが、アニメではダイはゴロアと魔力炉の両方を見張ったまま動きを止めているように見えました。 竜の紋章に暴走状態の光を失ったダイの光のない目は以前から気に入っていましたが、その色が青く変化するとさらにインパクト大! ゴロアがダイの掌底ですでに白目を剥いて気絶していた演出は、アニメの改変です。原作では壁にぶつかった瞬間、苦しそうな表情としているので、多分、そっちで気絶したと思います。 原作ではダイが手を広げて、ゴロアが吹っ飛ぶコマで表現されていたので、直接攻撃か、闘気弾か分からなかったのですが、アニメでは闘気を纏った直接攻撃のようです。 青い目と青い紋章を光らせ、ゴロアに向かって進んでいくダイが、ちょっとホラーっぽいぐらい迫力がありましたよ! 魔力炉が新たな触手を生み出すシーン、原作ではヨレヨレもたもたな印象だったのが、アニメではビシバシッと素早く生み出しているのは反則と思いました(笑) 魔力炉を切り終わったダイが、真っ白な世界の中で逆光となり、シルエットで浮かび上がった後、徐々に周囲が通常の明度に変化してダイや魔力炉の姿が浮かび上がってくる演出はすごいですね! 原作では見開きで表現された迫力を、アニメならではの演出で表現している感じがとても好きです。 ダイ自身の光が青で、剣の色が赤という、相反する色なのも面白いところ。 細かな部分でも実際の動きに拘って原作でのポーズを変化させているからこそ、アクションシーンが映えるのだと思います♪ 少し残念なのは、紋章の光が消えてダイが正気に返ったような様子を見せるシーンが、カットされていたこと。 しかし、レオナの閉じ込められていた触手の残骸……色が汚っ。 ダイ、よく触れたなぁ……さすがは勇者。 レオナが光り輝くシーンが長いのも、嬉しい改変! 足手まといになったとレオナが謝るシーンが、まるっとカットされていますよーーっ。自分の力不足を自覚しているレオナと、それを全く気にしていないダイのやりとりが好きだっただけに、ここが削られたのが残念でなりません! レオナの衣装、思ったよりもひどくはなかった印象。肩当てが黒ずんだり、手甲が多少爛れたっぽくなっていましたが、色事態に変化がなく、ツヤやテカリの演出はそのままだったので、劣化した感が薄かったです。 レオナがなぜ自分が助かったか疑問をぶつける際、ダイが「さあ?」と返すのはアニメの改変ですね。可愛い! レオナがダイに怒るシーン、原作とは表情が違っていましたが可愛くてお気に入り。 でも、原作での真上から自分の胸を覗き込むという、生唾ゴックン物のセクシーカットと、顔を赤らめつつ胸を半分はだけるカットがなくなったのは残念です。くっ、深夜アニメだったら……っ! ダイが驚くシーン、原作ではゴメちゃんを見た後でしたが、アニメではダイが驚いた後、ゴメちゃんが登場しています。 ダイやポップ、せめてマァムぐらいまでならこの手でも文句はないのですが、レオナの手だと思うともう少しほっそりしたイメージがあるのに〜。 ゴメちゃんを投げるレオナの手の作画にも、めっちゃ不満がっ。なんというか、もう少し優雅さを希望したいのですけどっ。動きや手の形自体に基本tねきな問題は無いとは言え、なんか指太で女性というよりも男性の手のような印象があるのが気になります。 レオナの推理にダイが応えるシーン、原作ではダイは全然信じていない風で「そんなバカな」とさえ言っていましたが、アニメでは最初から受け入れている感じですね。ゴメちゃんについての台詞にも、改変があります。 原作ダイ「……だけど……ゴメちゃんは昔、クロコダインとの戦いでもおれを助けてくれた。ポップやチウも助けられたって言うし……」 ゴメちゃんの力の謎を考えるのには、大事なポイントだと思っていたのに、カットされちゃったのはビックリです。 レオナがゴメちゃんを両手で包み込んだ後、その手を離すシーンにも不満はあります。原作では、ここでレオナはゴメちゃんの遊撃隊バッチを指に摘まんで取ってあげているのに、アニメでは握りこんで取っています! レオナがゴメちゃんにキスするシーン、可愛いですが、キスをした後であれほど赤くなる必要はあるかな、とちょっと疑問。原作でもこの時のレオナは頬を染めていますが、レオナの感覚ではペットにキスしたような物だし、キスの前から頬を染めているならともかく、キスの後に恥じらう理由はない気がします。 それよりも、その後のダイとのやり取りがカットされたのが残念で、残念で! 原作ダイ「お……おいおい、そんな問題じゃないだろぉ!」 原作レオナ「平気よ。ただ気を失ってるだけみたいだから……」 ゴロア復活で、ダイが後ろにいるレオナをさりげなく庇っているシーンはアニメの改変ですね、いい雰囲気です。アニメでは原作以上に、ダイがレオナを庇うシーンを見ることが出来るのが嬉しいですよ。 ゴロアが触手に浸食されてメロン柄になるのは、アニメの改変ですね。不気味さがさらに増しています。……これほどまでに嬉しくない触手プレイを見たのは、初めてです(笑) ダイのドルオーラ、カッコいいです! 見終わってからふと思いましたが、ポップの出番が全然なかったです〜(泣) 次週、ついにバーン様との戦い! |