『絆にかけて』(2021.9.10) |
《粗筋》 悔いるように、目を固く閉じ、玉を手にしながらアバンの名を呼ぶポップ。 ポップ「……見ててくださいよ。必ずおれたちで、大魔王に一発かませてやりますからね!」 真剣な表情で、アバンに向かってそう誓うポップ。 ラーハルト「な、なにをしている!? バーンが攻撃してくるぞ!!」 ヒム「早く構えろよ!」 だが、ポップは落ち着き払った表情で、ジッと手の中の玉を見つめていた。 ポップ「……いや、心配ねえ」 言いながら、ポップは丁寧に床に玉を置いて立ち上がった。バーンの方を振り向きすらしないその態度に、ダイ、ヒム、ラーハルトは驚いたように目を見張る。 が、ポップは相変わらず敵に背を向けたまま、バーンがあの構えを取っている限り絶対に攻撃してこないと断言した。 ポップ「見抜いたぜ……!」 バーンに向き直ったポップは、天地魔闘とは受けの奥義だとの考察を述べた。 天地魔闘の構えとは、バーンが真の強敵に会った時のみに使用する技……相手に先手を打たせた上で、攻撃、防御、呪文の三大超必殺技を叩き込み、完膚なきまでに敵を粉砕する必勝の奥義。 それを聞いて、悔しそうに歯ぎしりしながらバーンを睨むヒムとラーハルト。 ポップはなおも説明を続ける。 ポップの話をジッと聞き終わった後、バーンはどこか満足げな表情で目を伏せた。 バーン「……アバンの言葉も苦し紛れの捨て台詞でもなかったようだ」 お前のような小僧がそれを見抜くとは、と呟くバーンの言葉に、悔しそうな表情を見せるポップ。 バーンの目が、カッと見開かれる。 そして、時間稼ぎも無意味と決めつける。 その言葉に、歯がみをするダイ。 ポップ(それだぜ、問題は……! さっきからダイが全っ然回復してねえ!) ちらっと、ポップはダイに目を向ける。が、その目はすぐに鋭さを交えてバーンを睨みつけた。 ポップ(おれの考えじゃ、バーンに攻撃を加える方法はただ一つ! 一回目の攻撃から、次にエネルギーが蓄積されるまでのわずかなスキをつくしかないんだが……!!) 仲間達の様子をちらっと確かめ、みんながこの調子では……と思い悩むポップ。 バーン「いつでも余の方から攻撃できると言うことも……忘れてもらっては困るぞ!」 バーンが構えを解き、攻撃の気配を見せたことに警戒するヒムとラーハルト。 ポップ「赤の他人のおまえらにこんなこと頼むのは気が引けるけどよ!! ……おまえらの生命、おれにくれっ!!」 意表を突いた頼みに、驚き、思わずポップを振り返る二人。 一瞬、それを見てからバーンに向き直るヒムとラーハルト。 その光は、地上からも見えた。 フローラを初めとして、ノヴァ、バウスン将軍、バダックも驚愕の表情で空を見上げていた。彼らの背後には、未だに気絶したメルルを抱きかかえた栄美の姿も見える。 太古の人間が雷鳴を天上の神々の争いだと思っていたという逸話を、口にするフローラ。空を見上げる彼女の顔には、怯えの色が見て取れる。 座り込んでいたロン・ベルクも、これほどとは、と改めて思い知る。 一方、バーンパレスでは、マァムが玉の中で悲痛な叫びを上げていた。 バーンの攻撃に、吹き飛ばされるヒムの姿が見える。
ダイとポップがそろって、吹き飛ばされていた。なのに、バーンは平然と足を踏みしめる。
バーン「フハハハハッ、おまえの仲間達の悲痛な叫びが聞こえるようだぞ、ダイ!」 高笑いをするバーンの前で、ダイは倒れ込んだまま。ダイのすぐ隣にいるポップは、なんとか起き上がろうと床や膝に手を当てているが、荒い息をつくばかりだ。 救援が現れても、レオナの二の舞だと嘲笑い、勝利宣言をするバーン。 それでも、なんとか顔を上げるダイ。 ポップ「やっぱ、無謀だったのか、おれの策は……!」 その時、押し殺したような声が問いかけてくる。 ラーハルト「聞かせろ……」 声の方向にポップが目をやると、うつ伏せに倒れ込んだラーハルトが、必死に身体を起こそうとしていた。 ラーハルト「一つでも勝ち目があるなら、今言え! ……もはや、凌ぎきれん」 そんなラーハルトに対し、ポップは自分の考えていた策を打ち明ける。 その話を聞いていたヒムは、苦しげに身を起こして過去形なのかと、問いかけた。 振り絞るような声で言い、悔しそうに拳を床に打ちつけるポップ。そんな親友の姿を、ダイはじっと見つめていた。 ダイより一歩遅れて、ポップやラーハルトもそれに気づく。
チウは、その声を玉の中で聞いていた。 チウ「ひぃいいいっ、ぼくなのねーーっ!?」 バーン「スピードはかなり遅めにしておいてやろう。じっくりと恐怖を味わうがいい!」 ニヤリと笑ったかと思うと、バーンは勢いよく腕を振り抜き、カラミティウォールを放った。 ポップ「ちっくしょう、バカ笑いしやがって!」 下から噴き上がるオーロラのように、刻々と色を変えながらこちらに迫り来る光の帯は美しかった。――だが、見た目の美しさとは裏腹に、それは触れれば即死級のダメージを与える死の壁だ。 ポップ「諦めねえ……」 そう呟いたのは、ポップだった。 ポップ「絶対に諦めねえぞぉおっ!」 ふらつきながらも、ポップは気迫のこもった目で迫る魔法の壁を睨みつける。 ポップの発言に、ギョッと驚くヒム。 しかし、ポップは一瞬の迷いもなく即答する。十人でかかっても天地魔闘の構えは敗れはしないと答える声は力強く、ポップが本心からそう思っているのは明白だ。 ポップ「だが、最大の奥義を放った瞬間こそ、最大のスキが生じる瞬間でもあるはず!」 真剣なポップの言葉に、ダイが続く。 ダイ「ポップ……おれと同じことを……」 驚いたようにダイを見下ろすポップ。 ダイ「でも……おれ一人じゃ、確実に死んでしまうのが分かっていたから……」 ポップ「……見抜いてたか、おめえも。さすが相棒、話が早ぇぜ」 すぐ側にまで魔法の壁が迫る中、ポップの横顔に笑みが浮かぶ。 ポップ「今はもう、おまえは一人じゃねえ! 代わりに超必殺技を全部くらってくれる仲間がここにいるんだ!」 三発、全部自分が受けてでもダイにトドメのチャンスを作ると断言するポップ。 ヒム(……そういうことだったのか。こいつら、正気じゃねぇや) 呆れたように、フッと表情を緩めるヒム。俯いたラーハルトは、苦しげに息をついている。 ポップ「へへっ、夢のまた夢みたいな話だよなぁ。相手にまだ、奥義の構えさえとらせられねえってのに……」 自嘲気味に笑うポップは、自分の言い分がどれほど無謀か自覚している響きがあった。だが、それでもポップは魔法の壁に臆することなく立ち続ける。 ポップ「まず、この目の前のもの凄ぇのをどうにかして……大魔王様がその気になってくれるかどうか……すでにもう大バクチだがなぁ!」 気迫のこもったポップの声は、玉の中にいるチウにも届いた。
雄叫びを上げながら、ヒムは光の闘気を振り絞ってカラミティウォールに対抗しようとしていた。 チウ「ヒムちゃん……!」 両手を組み合わせ、目を潤ませて感激するチウ。
苦しげに、だがそれでも一歩も引かずに魔法の壁に立ち向かうヒムは、振り返って苦笑じみた笑みを見せる。 ラーハルト「……初めておまえを尊敬した」 苦しそうな声に、振り返ってラーハルトを見るポップ。ラーハルトは強く、手にした槍を握りしめる。 ラーハルト「だが、おまえごときにダイ様への献身で負けるわけにはいかない! もはや目が見えん……バーンはどっちだ!?」 叫ぶラーハルトの目は固く閉じられ、涙のように血が流れていた。 ヒム「バーンならこっちだ! こぉーいっ!」 力強く、ヒムが叫ぶ。それを聞いて、身がまえるラーハルト。 その表情は、先程までのように楽しんでいるものではなかった。 カラミティウォールからは逃れられたとは言え、煙と爆風に襲われて己のみを庇うダイとポップ。 その間も、バーンは静かに前を見つめ続けていた。 黒煙の向こうから、飛び上がってかかってくる人影を見て、息をのむバーン。 ヒム「くれてやるぞ!」 ラーハルト「オレの生命ッ!!」 二人の特攻に、驚くダイとポップ。 ダイ「ラーハルト! ヒム!」 ポップ「あいつら、やってくれた!!」 雄叫びを上げ、バーンに挑む戦士達。まさに命を懸けたその特攻を、バーンは冷徹な目で見つめていた。
ヒム(どうせこんな身体だ……なにやったって、利きゃしねえだろ。かくなる上はっ) ラーハルト(肉弾ッ! この身体ごと武器に変えて突撃あるのみっ!!) 身動きすらせず彼らを見ているバーンは、それが玉砕覚悟の攻撃だと見切った。 緩やかに、舞いでも舞うかのごとく広げられる手の動きに、目を見張るポップとダイ。 バーン「天地魔闘!」 まず、ラーハルトの穂先が砕かれた。続いて、ヒムの残った片腕が砕け散る。それだけでダメージを負い大きくのけぞった二人に比べ、バーンにはまだ手が残っていた。 容赦なく追撃するカイザーフェニックスの炎が、二人を飲み込む。 炎に巻かれながら、空中に投げ出されるラーハルトとヒム。満足げな笑みを浮かべ、バーンは迎撃した敵の姿を見つめていた。雪のように舞う炎が、次第に小さくなっていき、最終的には儚く消える。 が、その瞬間に飛んできた光の球があった。 バーン「メドローア……!」 触れた物、全てを消滅させてしまう極大消滅呪文。さすがの大魔王バーンとて、無視しきれない大呪文だ。 見る見るうちに迫る巨大な魔法が、バーンを覆い尽くしかける。 さしもの大魔王の顔にも、焦りの色が見て取れる。 が、次の瞬間、バーンは手からフェニックスウィングを放ち、メドローアを弾き飛ばした。 バーンが動き出したその時から、時間は正常に流れていく。 勝ち誇ったように、笑い出すバーン。 バーン「驚いたぞ、小僧。余に再びこの奥義の構えを取らせたこともさることながら、メドローアでの時間差攻撃とは……さすがの余もヒヤリとしたわ」 敵からの称賛とも言える言葉を聞き、表情をわずかに引き締めるポップ。 バーン「だが、残念だったな。これで完全に、うぬらの望みも費えた……」 構えた手を下ろそうとしたバーンだが、手がふいに動きを止めた。まるで、手が自ら意志を持って拒むような動きに、ハッとして目を見開く。 バーンは自分の中に警戒心があり、構えを解けないことに驚いていた。無意識のうちにダイ達に対して脅威を感じている事実に、彼らにまだ何か手があるのかと疑問を抱き出す。 バーンを睨んでいたポップは、わずかに目だけ動かしてラーハルト達の方を見やる。 生存を示し、激励の意志を伝えてくれたその動きに、ポップは笑みを浮かべる。 腰の後ろに手を回し、ブラックロッドを引き抜いて身がまえるポップ。ダイもそれに合わせて、自分の武器を握る手に力を込めた。 ポップ(おかげで、万に一つの勝機が見えた!) ダイ(絶対に無駄にはしない!) そんな二人を見ながら、バーンは呟く。 バーン「最後の攻撃か……」 バーンのその言葉に、ダイもポップも答えない。答えるまでない質問だからだ。 バーン「面白い……さあ、来い!」 天地魔闘の構えを崩さないまま、誘いを掛けるバーン。が、ポップはどこか軽さの感じられる口調で声をかけた。 ポップ「そのままでいいのかい? 大魔王さんよ……!」 わずかに目を見開き、質問の意味を問うバーン。 それを、失笑で返すバーン。 ポップはバーンを倒そうと思ってメドローアを撃ったのではなく、ダイに必殺の瞬間を見せるためにそうした――それを聞いて、バーンの目に険しさが増した。 ポップ「……思った通りだったぜ」 ダイの言葉を引き継ぎ、ポップは天地魔闘の構えの直後にかすかな隙があることを指摘し、そのタイミングを見切るためにメドローアを放ったと言い放つ。 実際、バーンは一瞬、硬直した。その上、メドローアを正確に弾き返すこともできなかった。ミストバーンに出来たことが、本人であるはずのバーンに出来なかったとも指摘する。 ポップ「つまり……! その瞬間をつけば、この傷だらけのおれ達でも、最後の大逆転ができるってことさ……!」 強気にそう言い放つポップに、バーンはどこまでも冷静に返す。 バーン「初耳だな。なるほど、先程の硬直はそういうことだったのか」 敵からの指摘を受け、自分自身でそれを納得してもなお、バーンは弱点を弱点としては重視していない。 愚問とばかりに、当然だと答えるバーン。 ごく当たり前のようにそう語るバーンに、ポップは不敵な笑みを浮かべて、だからこそ隙が生まれたのだと指摘した。最強最後の技だからこその、大きな穴――その指摘に、バーンが不快そうに瞼をひくつかせる。 が、ポップはわざとらしいジェスチャーも加え、どんなに凄い技でも2度も3度も見せるべきでは無かったと茶化すように貶し、大胆にも大魔王を挑発する。 ポップ「確実に勝ちたいのなら、普通に攻めてくることをおすすめするぜ……大魔王さん」 不遜にも程のあるその態度に、バーンの目が凄みを帯びて光る。
アバン(これは賭けだ……! 実際、普通に攻められた方が、体力が残り少ない彼らには不利だったはず……。しかし、奥義で最後の勝負をさせるためにポップは敢えて挑発した。奥義に対する大魔王の絶対なる自信に、全てを懸けて……)
天地魔闘の姿勢のまま、ダイ達を睨みつけるバーン。ダイもポップも、その目をしっかりと睨み返す。 ポップ(来たぁ〜っ、後は、のるかそるか……!) バーン「……のってやるぞ、うぬらの挑発に!」 興味があるからという理由で、敢えて弱点込みで対決すると決定したバーンは、第三の瞳を輝かせた。 バーン「だが!」 倒れていたヒムとラーハルトの身体が雷鳴に包まれ、消滅した後には二つの玉が転がっていた。 バーン「残るは二人!」
クロコダインは顔をしかめながら、肝心な時に彼らの盾にもなってやれない自分を悔いていた。
どう考えても、二人だけでは先程のポップの策は実現不可能。それ以前に、奥義を凌ぎきることすら出来ないはずだ。 バーン「どうやって余に決めの一撃を食らわせる気なのか、是非みたい……!」 見学気分の魔王に、ポップが応じる。 ポップ「どっちが決めの一撃か……ってったら、決まってんだろ!!」 握りしめたポップの右手に、魔法の光が宿る。 ポップ「大魔王を倒すのは勇者だと、昔から相場が決まってらぁ!」 左手に握りしめたブラックロッドが、緑色味を帯びた光を放った。 ポップ「奥義のくらい役は……このおれの方だッ!!」 全身から魔法力をみなぎらせ、左右の手でそれぞれに魔法を発動させながらポップはそう宣言する。 玉の中で、ヒュンケルはそれを見て目を見張った。
だが、バーンはそんなポップを見て高笑う。 それに反発し、食ってかかるポップ。 フェニックスウィングで魔法を弾き、カラミティエンドで杖を砕き、無防備になったポップはカイザーフェニックスで一瞬で燃え尽きる。 バーン「せめて、あと何人かいれば話は違うものを」 鼻で笑うバーンに、ポップは悔しげに歯を食いしばる。だが、次の瞬間、ポップは覚悟を決めた。 ポップ「いくぜ……ッ! バーン!」 バーン「それでも……来るか」 わずかに顔を逸らして笑っていたバーンは、真正面に向き直る。 ダイ「ポップはちょっと頼りないところも初めはあったけど……この戦いを最初から生き抜いてきた仲間なんだ。何度も危機を救ってくれた、信頼できる仲間だ」 ダイの目からは、バーンではなくポップの背中だけが見える。 ダイ「ポップがスキを作ると言ったんだから、絶対にスキは出来る! それを信じて、おれは全力を高めておくだけだ!!」 ダイの強い主張を、無言で聞いているバーン。しかし、その表情は不機嫌さがにじみ出ており、その言葉に心を動かされている様子がない。 ポップ「ひとつだけ覚えておくといいぜ……おれ達は二人っきりじゃない」 二人で始まった冒険の旅だが、これまで旅の間に様々な人達に出会い、戦い、救われた……誰一人欠けていても、こうして大魔王に向き合うことは出来なかった。 ポップ「たとえ、遠く離れていたって……」
ポップ「動くことができなくたって!」 床に転がる、複数の瞳。中に誰がいるのかは分からないが、太陽の光を受け、どの玉も強い輝きを放っている。
強く、訴えるように叫ぶポップ。 バーン「前にも言った……何度も言わせるな」 目を見開き、天地魔闘の構えを見せるバーン。 バーン「魂などでは、余は殺せんっ!」 大魔王の姿を、太陽が神々しく照らし出す。 ポップ「やるぞぉっ……ダイッ、後は任せた!」 ダイ「うんっ!」 トベルーラで跳び上がり、一気にバーンへと距離を詰めるポップ。空中で右腕を後ろへ振りかぶり、まずはイオナズンをバーンへとぶつける。 不動の姿勢を取るバーンに、魔法が迫る。 バーン「天地魔闘! 灰になれッ!!」 炎を纏ったバーンの右手が、イオナズンを弾いた。反対の手が、ブラックロッドをあっさりと折る。 そして、バーンはポップのイオナズンを飲み込ませるように、炎の巨鳥を呼び出す。自身の魔法のエネルギーも上乗せした炎に包まれるポップ。
クロコダインも目を固く閉じ、バーンの言った通りになったと嘆く。 バーン「予想の通り!」 燃えさかる炎の前で、バーンは高らかに笑う。 瞠目するバーンの目の前で、全ての炎はポップが胸につけていた縦に吸い込まれてしまった。 服こそ破けてしまったものの無傷のポップは、気合いを込めて叫ぶ。 ポップ「はねかえせぇえええっ!」 その叫びと共に、カイザーフェニックスがバーンめがけて襲いかかる。今度は、バーンが炎の渦に飲まれる番だった。
《感想》 ポップの頭脳、度胸、ダイとの友情がどこまでも強く感じられる素晴らしい回でした! ポップがアバン先生の玉を拾い上げる時、最初は両手で握りしめている改変、ものすごく大切そうに持つ仕草に感動しました。 ラーハルトやヒムの焦りの表情、ポップをちゃんと戦力として数えているんだなと思えます。 バーンの技をそういう技だと語る際、ポップが目を開けるのはアニメの改変ですね。強気な表情が、すっごく好みです♪ おお、説明シーンにラーハルト、アバン先生、ヒムがやられたシーンの回想が入りました! ポップの説明を聞いているダイ達、原作ではポップに思いっきり顔を向けていましたが、アニメでは目だけでポップに注目しつつも、バーンに備えるように身がまえているよう改変されていました。 戦士っぽくて実にいいですが、バーンに完全に背を向けてポップに注目している原作ダイの後ろ姿が妙に可愛かったので、それがなくなったのがちょっと残念なんですけど。……大魔王に対する態度じゃないですから、アニメの方が正しいとはおもいますが……正しいと可愛いは別物!(笑) 原作では、バーンのシルエットと手の動きを三コマに分けて説明していたコマが、ダイが天地魔闘を食らった時の回想になっていました。 ダイも、引き締まった表情でバーンを睨みつけているシーンが追加されていました。 ところでバーン様の目を閉じたシーンを見て、ふと気づきました。 今までずっと、バーン様の目の周囲のアイラインは入れ墨的なものかと思っていたのですが、あれってまつげだったんでしょうか……! バーンがアバンの言葉が捨て台詞では無かったというシーン、一瞬、アバン先生の回想が流れました♪ ここでポップが怒りを感じたのは自分が貶されたからではなく、アバン先生のための怒りだと思いたいところです。 バーンがダイが回復しないと言い切る時、原作ではポップは驚いたような表情を見せていますが、アニメでは平然としているのがいいですね。 原作だとポップは、ダイが回復していないことをバーンに見抜かれていると思わなかったように思えますが、アニメだとそれも見抜いてるように思えます。 真剣な表情でダイをチラッと見た後で、バーンを睨む表情への変化も、実にいいです! ポップの見つけたスキのシーン、バーン様の回想として表現されていました。一連の動作までは通常の色で、カイザーフェニックス直後にピタッと動きを止めたポーズをモノクロで表現していて、実にスキの部分が分かりやすかったです。 満身創痍仲間達のアップ、いいですね。ダイがすごく苦しそう……! バーンの攻撃の気配に叫んだヒムのアップに、ラーハルトの目元当たりが漫画のコマのように割り込んで警戒の台詞を口にした後、真ん中に割り込むようにポップの叫ぶ口が挿入される、凝った演出に感心しました。 バーン様が自分から攻撃を仕掛ける際、瞳に赤い光を放つ白い線をだぶらせていたのが印象的でした。すっごく嬉しそうな表情で、喜々として攻撃を仕掛けています。 ダイとポップが飛ばされるシーン、原作では頭が下、身体が上のポーズでしたが、アニメではポーズは同じでも頭が上になっていました。それに、原作では先に玉が飛ばされて、次がダイとポップでしたが、アニメでは玉ごと飛ばされています。 その様子をチラッと見てから、バーンに向き直るヒム達の表情の変化はアニメの改変ですね。仲間の被害を見て、悔しいと思いながらも戦いを優先する姿勢にシビれます。 地上から見上げたバーンパレス、黒い色合いだと鳥というよりも雲に見えて怖いです。 メルルやバダックさんなどの登場は嬉しかったですが、光が上から当たった瞬間をベタなしのトーンで表現したコマが気に入っていたので、そこが再現されなかったのが残念です。 バーン様が勝利宣言をするシーンで、ダイが一生懸命起き上がろうともがき、頭をガクッと落とす動きがいいですね。 起き上がろうともがくラーハルトの台詞が、ぐっと胸に響きました。 ヒムちゃん、身を起こすシーン左右反転していますね。 そんなポップを見つめるダイの顔が、また、なんとも言えずにいい表情ですっ。ちょっと大人びたような、どこか寂しげな表情が勇者としてのダイらしい顔だと思えてなりません。 ダイがバーンの攻撃に気づくきっかけが、差し込んだ光なのはアニメの改変ですね。 ほっぺたを押さえて泣きながら叫んでいるチウが、なんか可愛いです♪ バーン様の台詞、一部改変されています。 原作バーン「速さはかなり遅めにしておいてやる。じっくりと痛みを味わうがいい!」 原作では痛みを味わえと言っているのに対し、アニメでは恐怖を、と違いがあります。すぐ物理に物を言わせたがる原作バーン様に比べ、アニメのバーン様は、精神的に相手を追い詰めるのがお好きなのかもしれません(笑) 原作では無表情に近いですが、アニメでは口端をあげてニヤッと笑ってますよっ。 ポップが諦めないと呟くシーン、彼の横顔のアップが追加されたのは嬉しい改変です。顔を見せず、口元だけの横顔や、生まれたての子鹿のようにふっらふらに立ち上がる動きがたまりません! ダイ達が敵の攻撃にどう反応すればいいかさえ分からないでいるのに、その攻撃を凌いだ先を見据えているポップの思考が、やっぱり惚れ惚れするぐらいカッコいいです! それにしても、ラーハルトの顔を影で隠した俯き加減、絶妙だなぁと感心します。よく見ると、ハドラーの攻撃の後からずっと目を見せていないんですよね。 ポップが奥義を食らう仲間がここにいると言うシーン、ポップの足元が映し出される奥にヒムとラーハルトの姿が見える構図もシビれました。 ラーハルト達がそうだったように、ポップもこの二人を仲間と思っているんだなと感じられます。 吹き出しのようなコマで、引きつった表情のチウのアップが表示されたのには笑いました。 微妙に引きつった表情は、単に迫り来るカラミティウォールに怯えているのか、それともポップの叫びを聞いたせいなのか判別が突きにくいですが、ここはやっぱりポップの叫びを聞いて、あの変態魔法使いはまだ諦めていないと勇気をもらうシーンであって欲しいです、個人的意見かもしれませんが。 ポップがまだ諦めていないなら、恋のライバルである(自称)自分も諦めないと、せめてもの抵抗として手を前に突き出した、と解釈したいです。 ヒムがカラミティウォールを止めたと気づいた時、ポップとチウの表情が横並びにアップになっているのには笑いました。なぜここを二分割にした!?(笑) チウがヒムの名を呼ぶシーン、左右逆転していますね。手を組み合わせる乙女なポーズと溢れる涙……女の子なら絵になるのですが(笑) ヒムちゃんの吠えるような叫びと、ポップへの優しさの感じられる声かけのシーン、すごく好きです。 ラーハルトも自分と同類と見なし、死なせると分かっていても方向指示をするヒムちゃんがいいですね! ダイやポップでは、分かっていてもためらいがありそうですが、根っからの戦士のこの二人ならば必要とあれば自分自身をも切り捨てられるんだなと思えます。 ヒムちゃんがカラミティウォールを真っ二つに裂くシーン、原作にはないだけに見られて嬉しかったです! また、ダイとポップが爆風に身がまえているシーンの追加も嬉しい限り♪ バーンに特攻を仕掛ける時のヒムとラーハルトの台詞、原作では二人でハモっていると思っていたのですが、アニメでは割台詞になっていました。 CM後のヒムとラーハルトの特攻、気迫がこもっていてかっこよかったです! 天地魔闘の構えに入ってから、スローモーションのように流れるアクションが凄絶でした! スピードで押すのも迫力がありますが、こんな風に緩やかな動きで圧倒的な力の差に敗れる演出も、ゾクゾクします♪ ヒムとラーハルトが散った後、絶妙のタイミングで突っ込んでくるメドローアが、また迫力でした♪ メドローアを弾いた後、原作では手前にダイとポップ、奥にバーンがいる構図での全体図になっていましたが、アニメでは逆に手前がバーンで奥にダイとポップがいる視点になっていました。 そのおかげで、立ち上がったダイが剣を手にしつつも身がまえてはいない姿勢がよく見えたのが感激です♪ ポップ自身もこのメドローアでバーンを倒せるとは思っていなかったし、ダイもポップの意図を見抜いたからこそ、追撃を全く考えずに見切りに徹していたんだと思えて、二人の絆を強く感じます。 バーンの褒め言葉に、ポップがちょっと表情を引き締めたのは、バーンがこちらの思惑を勘違いしたような発言をしているのが、本気か、フェイクか、見極めようとしているようにも見えました。 でも、ダイはポップが侮られるのが我慢できないとばかりに、この後で駆け引きもなにもなく、真相をぶちまけちゃってますが(笑) まあ、ダイがストレートに暴露することで、かえってバーンの本音を見極めやすくなるというメリットもあるので、結果的にはいいサポートになっている気もします。 並んで立つダイとポップのシーン、原作では背景は集中線で画面の左右にダイとポップの目が片方ずつアップになると言う構図でしたが、アニメでは並んで立ちポーズは同じでも、背景が二人のアップになっています。しかも、ピッタリと寄り添い合っていますよ♪ 黄色みを帯びた背景の中で、アップになったダイ達のそれぞれの目の輝きの色がわずかに違っていたのに感動! 原作のシャープな構図も好きですが、アニメの心が重なっているかのような寄り添い方はもっと大好きです♪ そんな二人に警戒するバーン様、黒いバックに青みがかったモノクロな色彩が似合っています。原作ではやや斜めな構図でしたが、アニメでは真正面ですね。 ラーハルトのグッジョブサインに笑みを浮かべるポップ、左右逆転していますね。 また、ポップが二人への感謝を心の中で呟くシーン、ポップの目がちゃんとヒムの方を見ているのも、嬉しい改変でした。 それが、ポップはヒムに感謝し、ダイはまっすぐにバーンを睨むという表情づけがなされています。 ポップの天地魔闘の考察台詞、長いのにちゃんと全部語られたのは嬉しかったです! 原作では台詞だらけのコマになっていただけに、やっぱり動きは必要でしょうし(笑) ポップが「知らねえわけだよな〜」の台詞を言うシーン、立っているダイとポップからバーンの方に横に視線が流れる演出が入っていますが、途中に太い柱の後ろを視線がよぎるのがちょっと面白かったです。 位置的にはレオナが隠れていた柱っぽいので、まるで視聴者がレオナのいた場所から、ダイ達とバーンの戦いを覗き見しているような臨場感が湧きました♪ バーン様の自分の技への信頼感、ものすごっ(笑) ポップが技を何度も見せるべきでは無かったと言うシーン、腕を広げてまで呆れた見せるのは原作通りですが、アニメではさらに首を軽く左右に振って、否定感を強めているのに感心しました♪ あー、これって、なんとなくアバン先生に「いけませんねぇ〜、ポップ」と言われている時の仕草っぽくみえますね(笑) しかも、ポップってば敵を前にして目を閉じて腕を腰に当て、声を跳ねさせてさえいますよ! ふざけたこの口調と言い、小馬鹿にしたような大魔王さん呼びと言い、本当にすごくいい演技です♪ ウィンクする時の顔の角度が、原作よりも斜めになっていて、ちょっと小首を傾げた風になっているのが、さらに挑発的でいい感じ。 返答前に俯いているバーンの顔の影、怖っ。 真っ暗な画面でモノクロっぽいポップがこぼすモノローグ、地味すぎる色合いにポップの密かな弱気が見えるような気が(笑) 原作バーンは「のってやろう、うぬらの挑発に」と発言していますが、アニメでは「のってやるぞ」に変更されています。 二種類の魔法を使うポップ、カッコいいです♪ でも、実際に使えるかどうか本人にも分からなかったのなら、あれだけ大口を叩いてバーンの気を引きつけ、時間稼ぎしたのは納得です。 バーン様の脳内シュミレーション、めっちゃリアルですね。 バーンの不吉な予想を聞いたポップが、息をのんでいるのがいいですね。原作では右向きの顔が、アニメでは真正面を向いています。 バーンがあと何人かいれば、と語るシーン、アニメで聞くと、ついさっきヒムとラーハルトがいた時点でその作戦をとらなかったポップを笑っているように感じます。 その後でポップが歯を食いしばるシーンが入ったのは、アニメの追加です。 ポップの特攻宣言に、バーンが正面に向き直る顔がカッコいいです。 ダイのバーンへの自己主張シーン、感動しまくりました! なのに、ポップのことだけは自分から進んで、強く主張してるんですね……うう、涙がこぼれそう……。 人間達に嫌われてしまうことを恐れ、自分が純粋な人間じゃ無いことを気にしているダイは、その点はあっさりと諦めているんですよね。嫌われるならしょうが無いと、何かを主張するまでもなく身を引くつもりでいますし。 ポップの後ろ姿が映し出されるシーン、アニメの改変ですが見覚えを感じるような懐かしさが込み上げてきました。 原作319話「勝機をかけて」で、ポップが青空の見える窓を背景に振り返る扉があり、柱の文章で「いつもアイツの陰についてきた……今度はおれが勇者(ダイ)を守る番だ!!」と書かれた回があって、筆者のお気に入り扉の一つなんです。連載時から、ずーっと表紙を切り取って保存していたぐらいに(笑) 窓こそありませんが、その時のポップをダイ視点から見ているような頼もしさを感じる背中が、その時の扉絵のポップの姿と重なって見えます。 目を1度閉じて、カッと見開いて主張するダイの強い口調……聞き入ってしまいました。 ポップの主張も、感動物です! 一番手のかかるわがままだった弟子のこの成長は、教師にとってはさぞや感慨深いでしょうねえ。 ポップに後は任せたと言われ、うんと答えるだけでなく頷くダイが可愛いです。ポップは前にいるから見えないのに……(笑) ポップの突撃シーン、原作では低い位置で一直線にバーンに向かってるように見えますが、アニメでは山なりに高く跳び上がっています。 アニメでは度々、ポップが勢いをつけて魔法を放つシーンがありますが、野球っぽくて好きです。 ポップのブラックロッド、真っ二つに折られたのを見て驚きました。 ポップの驚きの表情と、バーンの顔、ついでにポップの魔法直撃シーン、左右逆転していますね。 ハッ、もしやクロコダイン、持ち前の怪力を瞼に集中しまくって、力業で強引に目を閉じているとか!?(笑) バーン様の高笑いシーン、ロンパリ目がなんか怖 ええー、ポップの服が一瞬で破ける○ューティーフラッシュなシーン、密かに期待していたのに〜。見えない間に破けたことになっていただなんて……失望したっ(笑) 反射したカイザーフェニックスと、炎に飲まれたバーンを見つめるポップ……ここで終わり!? と叫びたくなったラストシーンでした! 次回予告、ポップの姿が無かったのが残念ですが、ダイとバーンの対決がド迫力♪ |