H.6.4.18(月)No19 『ポップの苦悩』

  

 マトリフの洞窟で、沈痛な表情で座り込んでいるポップ。
 一目で苦悩を伺える程辛そうな表情をしているのにも関わらず、ただ、ただ、黙りこくって座っている弟子に対して、マトリフは話しやすいように水を向ける。

 だが、不安や悩みを抱え込んでいながらも、ポップはマトリフに対してでさえそれを打ち明けられなかった。
 話せず、その上、自分の手に負えないかもしれない苦悩に、一人、悩むしかできないポップ。

 だが、そんなポップに対して、マトリフは破顔する。
 ポップの苦悩を、笑い飛ばす気はない。だが、マトリフには嬉しいことだった。
 息子が親離れしていくのを見ているような、むず痒い嬉しさ……マトリフにとっては、ポップはとっくに自分の息子や孫のような存在となっていたのだ。

 自分を認めてくれている師匠を見て、ポップはますます悩みを口に出せなくなる。マトリフに頼ってしまった自分の甘えを謝り、自力でなんとかしようとそこから立ち去ろうとした。
 悩みを打ち明けないまま去ろうとするポップに、マトリフは最後の忠告を与える。

 『自分を信じろ』、と。

 口の悪いマトリフにしては珍しく、素直にポップの力を認める言葉を、ポップは背を向けたまま聞いていた。
 そして、無言のまま去っていく弟子を見ながら、マトリフは思う。

 マトリフには、ポップの悩みはおおよそ読めていた。それがポップにとって、どれ程大きな壁として立ちはだかっているかも――。
 だが、それでもマトリフはポップがそれを乗り越えると分かっているかのように、ポップのその先の成長に思いを馳せていた――。

 失意のまま砦に戻ってきたポップだったが、砦はレオナやダイを中心に、レオナのミナカトール習得を祝う人々で賑わっていた。
 そこにやってきたのは、なんとロン・ベルクとバダック。
 彼らが持ってきたのは、新しいダイの剣だった――。


《タイムスリップな感想》


 うわわ、うわ〜っ、マトリフ師匠の笑顔を見たのって、もしかすると初めてかも?!
 あんなに落ち込んでいて無意識に頼るだなんて、ポップは本当にマトリフを信頼しているんだなぁと、しみじみと思ってしまった。
 それに、師匠もあんなにポップを認めているとは……。この師弟関係っていいなぁ。

 ところで、ロン・ベルクと一緒にきたバダックさんが、棺桶よろしく変な木箱を引きずってきたけど、あの中に何が入っているのかワクワクもの♪
 ダイだけじゃなく、ポップやみんなの分もあると嬉しい。特にポップなんか、いまだにロモス王にもらった服を着ているんだから(笑)、も少し新しい装備とかしてほしいもんである。
 

次へ続く
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