H.6.12.5(月)No1  『炎の中の希望!!』 


 
 炎の渦が勢いよく燃え盛る……!
 二人の身を案じるマァムは、ただ黙って炎を見つめるレオナに問い掛ける。何か、助ける方法はないのか、と。

 だが、ヒュンケル達には手のくだしようがない。魔法以外は効かない特性を持った罠は、現在の一行が使える最強の技、グランドクルスすら弾いてしまう。
 呪法を使っているキルバーンを直接倒そうにも、バーンパレスの奥深くへ戻ってしまった彼を探しにいっても、まず間に合うまい。

 それでもマァムは諦めず、ミナカトールを使おうと言い出す。だが、レオナは冷静にそれは無駄だと指摘する。すでにミナカトールを使っている以上、これ以上の効果は望めないと淡々と語るレオナ。

 その冷静さを思わず責めてしまうマァムだが、レオナは決して平静なわけではない。ただ、必死になって冷静になろうと勤め、感情を抑えているだけだ。握り込んだ拳の震えが、強く手を握るあまり自分の爪で自分の肌を傷つけてしまっている姿に、レオナの本心が見え隠れしている。

 そんなレオナに気がつき、謝罪するマァム。
 それでもじっとしていることができず、マァムは炎に向かって何発も拳を打ち込む。だが、それは何の意味もない行為だった。

 物理攻撃が一切効かないと承知しているからこそ、キルバーンはマァムやヒュンケルには何の手も出さずに立ち去ったのだから……。
 しかし、それでもマァムはただひたすらに、中にいる二人に祈りを届けるような気持ちで、拳を打ちつけ続ける――。

 罠の外側での仲間達のやり取りを、ダイとポップも聞いていた。
 しかし、ダイは戦いの疲れのせいで身体もまともに動かせない状態、そしてポップにも疲れが見え始めてきて、絶望的な想いに囚われだす。

「……ダイ、悪ィな。威勢よく飛び込んできたくせに…役に立てなくてよ……」

 ふらつき、弱音を吐くポップを鋭い声が一喝した!
 それでもアバンの使徒かと叱り付けたのは、なんとハドラーだった。

「……オレが生命を賭けてまで倒そうとしたアバンの使徒! それは不屈の魂を持った希望の戦士だっ! 最後の最後まで絶望しない強い心こそが、アバンの使徒の最大の武器ではなかったのかっ!!」

 アバンを彷彿とさせるセリフに、ダイもポップも目を覚まさせられる。
 敵に教えられた――自分達よりも戦っているハドラーの方が正確に知り、こだわっていた『アバンの使徒』に、ポップは最後まで頑張り抜く決意を固めた。

 ポップの胸で、アバンのしるしが光りだす。勇気を取り戻したポップは、今まで以上に強い魔法力を発揮しだした!
 それを、満足げに見守るハドラー――。

 立ち直ったポップは、冷静に状況を判断しようとする。
 ……ダイは、もう立てない。ポップも、この場から離れられない。打開策がゼロなのには変わりがないが、渦巻く炎の頂点を見上げたポップは最後の脱出策に気がついた――!

 



《タイムスリップな感想》


 巻頭カラーでポップの大活躍から始まった、新年第一号! 新モンスター募集もやっていて、なんか派手!
 そんでもって、ハドラーがカッコいいっ!

 これでハドラーは、以前ポップから受けた借りを返したような気がする。『アバンの使徒』にこだわるだけあって、ダイだけでなくポップにまで強さを求めているみたいだ。
 しかし、ハドラーよりも役に立たない外にいる仲間達っていったい…(笑)

 それにしてもポップの思い付いた策が何なのか、興味津々! 炎の罠を打ち破るのは、ルーラ? メドローア?
 それとも火をもって火を制するで、メラ系の力?
 ポップの驚きの表情から見て、これは盲点っ!! という展開を期待してしまうv


《時を超えたおまけ》


 この回は、カラーページだけでなく新年号ということで新春ポスターまでついてたんですが、これが少し珍しい企画でした! 

 当時ジャンプで連載していた美女7人をセレクトし、全員が晴れ着姿のポスターでしたっけ。超レアなことに、マァムの晴れ着姿がお目にかかれました〜(パーフェクトブックでも、白黒ですがカットが出ています)
 紺をベースにして赤のワンポイントが映える晴れ着マァムに、当時ほれぼれしたものですっ。

 ……が、余談ですが、美女七人の中に…『ジ○ングルの王者○ー○○○』のヒロイン、ヂ○ーンさんがいらっしゃって……なんというか、あらゆる意味でインパクトが強く、視線がそこに引きつけられる構図でしたよ。あれは、ネタだったんですかねえ(<-遠い目)
 さらには過去日記でも書いていますが、新モンスター募集ということで大々的に投稿を受け付けていました。……こっそりと応募しようかなと思ったものの、いいアイデアが浮かばずに挫折したのは、今となってはいい思い出です(笑)
 ちなみに、ここで募集されたモンスターは、後にちゃんと本編に出ていますv

 ところで、この回は251話で、洗濯物を干すダイとそれを見ているゴメちゃんという実にほのぼのとした構図の絵なのですが、煽りが
『束の間の休息…「闘い」を忘れて心も洗たく…』
 という実にほのぼのした煽りでしたv 洗濯、じゃないあたりが少年漫画の配慮ですかね?

 そして1ページ目の柱は
『やばいっ! やばすぎる殺しの罠(キル・トラップ)!! 燃え盛る炎が瞳に落とす絶望の影!! 脱出策は?!』
 と、危機感を煽る感じっ。

 最後のページの、引きの柱は
『一番大切なもの…「勇気」がポップの心に戻った!! こうなったポップは頼りになるぜ!!』
 でしたっ。

 さらに、予告では
『次号、ついに万策尽きる…?! 「失いかけた意識の中で」』
 になっとりますが…コミックスをお持ちの方ならお分かりでしょうが、次の回はこんなタイトルでも、内容でもないです(笑)
   

 

次へ続く
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