H.7.2.6 (月)No10 『明かされた空白』

 

 ヒュンケルを置き去りにして先に進むことに、心を残しながらもみんなは先に進む。
 自分を子供扱いするヒュンケルに反発心を感じながらも、ポップはただひたすらにヒュンケルの生存を祈る。
 憎まれ口を叩きながらも、本当はポップが誰よりも強く、そう思っているのかもしれない。

 その頃、数十…いや、数百の魔界の怪物達は、たった一人で自分達に立ち向かうヒュンケルの無謀さを、ダイ達の行動の無意味さを嘲笑っていた。
 城には彼らさえ外壁以外は立ち入れない場所なのだ、と。

 だが、ヒュンケルはそんな怪物の嘲笑も鼻で笑い飛ばす。
 怪物達など自分一人で倒せる自信を持ち、先に行った仲間達を揺るぎなく信じているヒュンケルに苛立った怪物達は、襲いかかった。
 しかし、数匹の怪物など一閃で蹴散らすヒュンケルは、不敵に彼らを挑発する――。

 一方、先に進むダイ達は、聞こえる物音からヒュンケルの戦いが始まったの察していた。 敵陣突入の際には、後続の追い討ちを断つことが重要  隊列を組む時は最前列はもちろん、最後尾にも強力な仲間をつけておかなければならない。……アバンが教えた鉄則に、ヒュンケルは忠実に従っているのだ。

 本当は、アバンがその役目を負うつもりで死神の追い討ちを食い止めたのだが、ヒュンケルはそれに気がついていたのだ。
 
 移動しながら、アバンは仲間と合流するための呪文……リリルーラの説明をする。魔王軍の連中もよく使用するそれは、本来は迷宮の中で仲間とはぐれた時に使う呪文だ。
 それを聞いてレオナには思い当たったことがあったが、それを問い質す前にダイが大声を上げた。

 大魔宮入り口の魔宮の門にそっくりな巨大な門を目の前にして、唖然とするダイやポップ。
 だが、アバンは自信たっぷりにみんなに離れるようにと告げる。

 修行の成果を見せるというアバン――彼は、カール王国の破邪の洞窟で修行していたのだ。
 驚くダイ達に、アバンはハドラーに破れた日のことを語る。

 カールの守りの効力によりかろうじて命は取り留めたものの、メガンテで傷つき、上空へ舞い上げられたアバンは気絶した。
 気がついた時は、アバンはボロボロに傷つき、海の上に浮かんでいた。

 島に戻ったアバンは、誰にも気付かれぬように物陰からダイとポップの旅立ちを見ていた。名乗りを上げることは簡単だった――だが、ダイの潜在能力が自分を上回っている以上、共に行動してもダイ達の成長を妨げることになる。

 自分の無力さを許せず、自分の心身を鍛え直そうと決意したアバンは、もっとも得意な破邪の魔法を極めるため、破邪の洞窟へ向かった。
 ダイ達が戦い続けた三ヵ月間――アバンもまた、破邪の洞窟で戦い続けていたのだ。

 レオナがミナカトールを使ったおかげで、最後の戦いが近いことを知ることができたというアバンは、当時は地下150階にいたという。
 驚くみんなに明るく笑いかけ、アバンは事も無げに魔門に向かった――。


 


《タイムスリップな感想》


 そうかっ、そういう事情だったのか〜っ。
 アバン先生も苦労していたんだなぁと思う反面、ハドラーとの戦いから今までたった三ヵ月だったんかいと驚かずにはいられないっ。

 そう考えると、ダイとポップの成長ってすごいスピードだなぁ。
 ところで、対ヒュンケル戦で出てきたのって、DQ5の怪物達だっ♪ 
 数が目茶苦茶多いけど、雑魚相手ならなんとかなる……といいなぁ。今回のポップの、少々ひねくれたヒュンケルへの心配っぷりが、なんともいじらしくてよかったv

 子供扱いされるのを嫌っているポップだけど、でも、実際に6つも離れていたんじゃ、無理もない気が(笑)
 でも、普段はアレでも、さすがに魔法使いだけあって、リリルーラの説明をきいてポップがすぐに思い当たっているシーンが、なんとなくいい。やっぱり、魔法とかには関心があるんだろうな〜。

 で、今週の心に残るシーンは、なんといってもダイとポップの旅立ちのシーンっっ♪
 ダイが帆を張り、ポップが舵を切る  笑顔で旅に出る初期服の二人が、なんとも微笑ましかった。

 それを見守っているアバンの表情も、また格好いいのなんの♪ しかし、アバン先生って髪を下ろして眼鏡を外していた方がはるかにハンサムなのに、何を好きこのんであんなとんきょうな格好をしているんだろ(笑)

 レベルアップしたアバンは、勇者というよりも大賢者に近い気がするんだけど、どんな呪文を見せてくれるのかわくわくものである♪
 
 

次へ続く
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