H.7.4.10(月)No19 『最期の対峙』

 

 何の策も、体力、魔法力までもなくし、追い詰められたザボエラは、二度と魔王軍に協力しないから見逃してくれと、クロコダインに土下座して頼み込む。
 文字通りはいつくばって懇願するザボエラを、じっと見下ろすクロコダイン。――だが、ザボエラは口とは裏腹に、今の状態でもたった一つ使える毒の爪を使うつもりだった。

 クロコダインの人の良さにつけこみ、殺す隙を虎視眈々と狙うザボエラ。
 やがて、クロコダインは斧の刃を地面に落とし、手を差し出す……ザボエラはその途端、邪悪さを発揮して襲いかかる。

 だが、クロコダインはそれを当然の様に受け止め、手を引いた。
 予めザボエラの行動を予測していたクロコダインは、斧の柄をザボエラの腕の上に落とし、動きを封じる。

 自分のことを棚に上げ、ザボエラはだまされたふりをしたクロコダインを怒るが、クロコダインは迷いのない動きで闘気弾を海だし、ザボエラに叩きつける。
 隠して、ザボエラは対に最期を遂げた。

 ちょうどそこにやってきたバダックはザボエラが退治されたことを知りはしゃぐが、クロコダインは硬い表情のままだ。
 ザボエラもかつては絶大な魔力に一目置かれていた。
 だが、欲に目が眩み、他人の力を利用することばかり考えているダニに成り果てた。

 こいつに、ダイ達のように自分の力を磨く気持ちが一片でもあれば……溶けていくザボエラをクロコダインは見つめていた。
 一度は仲間だっただけに、クロコダインの心境は複雑だった。

 それに、クロコダイン自身も欲の恐ろしさは知っている。自分もダイ達と戦っていなければ歪んだままだっただろうと思うだけに、哀れみも深い。そんなクロコダインの言葉を噛み締め、バダックは恐れるようすもなく巨体の背を叩く。

「…いい奴じゃなぁ、おまえさんは……。だがな、ザボエラとおまえさんは違う。
 ワシの誇るべき友人獣王クロコダインは、たとえ敵のままであったとしても、己を高めるために命を賭ける、尊敬すべき敵であったろうと……ワシは思うよ」

 バダックの言葉に礼を言ったクロコダインは、二人はそろってみんなの所へと帰る。
 一方、バーンパレスで殿を勤めているヒュンケルは、掛かってきた敵の大半を倒していた。

 化け物じみた強さに恐れをなした怪物達は、せめて一斉攻撃をかけようとする。だが、それを無駄なことだと言い放ち、彼らをぶん殴って登場してきた新たなる敵  。
 ヒュンケルを倒すのは自分だと不敵に言い放つ男は、なんとヒムだった……!

 


《タイムスリップな感想》


 ひょおえ〜っ、なんで、なんでっ?!
 なしてハドラーが死んだのにヒムが生き返ってるんだっ?! なぜなぜっ?!
 相変わらず尊大な態度のヒムに、心底仰天。確かにあのあっさりすぎな死に方は、ちょっと変な気はしたんだけど。

 本物…なのか、そしてハドラーの死を知っているのかどうかが、最大の疑問点。
 そして、今回ついに、あのザボちゃんが死んだっ!
 気の毒な……とは全然思えないサイテーの死に様だったが、彼が死んだところでそれを悲しむ者は誰一人としておらんだろう、多分。

 そう思うと、なんとなく不憫な気も。
 ダイやポップは、ザボちゃんの死を知ったら何かいうだろうか……ここんとこ出番なくて寂しいのだが。
 そういえば、楽しみにしていたパラメーター表紙が終わってしまった。アバン先生のパラメーターが見たかったのになー。
 
 

次へ続く
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