H.7.8.7 (月)No36,7 『父・バランの遺言』

 

 先に進めというラーハルトだが、まだダイにはためらいがあった。そんなダイの不安を払うため、ラーハルトは槍を無造作にポップに預け、丸腰でミストバーンの前に立つ。
 途端に、十指が伸びてラーハルトを貫く――かの様に見えたが、ラーハルトの姿は寸前でスッと消え、攻撃は空振りに終わった。

 驚くダイの後ろで、ラーハルトは余裕たっぷりに微笑む。
 ラーハルトは拘束で動き、残像を貫かせたにすぎない。ロン・ベルク級の強さを持つ彼に、敵も味方も驚きを隠せない。
 自分の力を見せつけた上で、ラーハルトはダイに先に進む様にと言う。

 ラーハルトがそこまでダイの力になると決めた決意の裏には、バランの遺志があった。 ラーハルトの棺に入っていた、バランの遺言状……それは自分の死を予測していたバランが、ラーハルトに託した願い。ダイに力を貸してほしいと、もう一人の息子であるラーハルトに呼び掛けたものだった。

 ラーハルトにとっても、バランは父に等しい人物だった。
 そんな彼の気持ちを汲み、ダイはラーハルトにミストバーンを任せる。そのついでに、ダイは自分を『ディーノ』と呼ばないで欲しいと頼む。その名は、父を思い出して辛いので……。

 ラーハルトとポップ、マァムにミストバーンを任せ、ダイはレオナの手を掴んでバーンと戦うために先へと進んでいく。
 一方、残されたポップ達は、指示は自分がだすから足を引っ張るなと高飛車にいってのけるラーハルトの性格のきつさに、少々呆れていた。

 が、頼もしい救援者であることは確かだ。ミストバーンもラーハルトの強さを鑑み、万一、全力で戦わなければならないことを考える――。

 一方、ダイは走っていた。
 自分を庇い、身体を張ってくれた仲間達が残してくれた自分の力を、バーンに叩きつけることだけを考えながら。
 そして、ダイ達は巨大な天魔の塔へと辿り着く。

「……早く上がってこい、……ダイ…。丁度、酒も切れたところだ…!」


《タイムスリップな感想》


 うーむむ、バーン戦にはポップは参戦しないのか……。今まで、ダイの戦いにはずっとポップも一緒だっただけに、寂しい〜。
 ダイとレオナだけで、本当に大丈夫なんだろうか。

 ジ○ンプの予告では、レオナに何かが起こるみたいな書き方だったけど、ようやく彼女もヒロインらしく人質にでもなるんだろうか?
 しかし、ついにダイ達の戦いに決着がつくのかな? ……これからが長引きそうな気がするけど(笑)
 
 

次へ続く
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