H.7.8.21(月)No38 『予期せぬ難関…?!』

 

 どこからともなく聞こえてくるバーンの声に、ダイもレオナも緊張を隠せない。だが、バーンは余裕たっぷりの声でダイをかつてない挑戦者と認め、上に上がってくる様にと促す。

 レオナに目を止め、竜の騎士は代々女を不幸にする存在らしいと思わせぶりにからかうバーンに、ダイはギクッとして足を止める。
 バーンに気を取られている二人は、階段の下から伸びてくる触手に気がついていなかった――。

 考え込んだ末に、ダイは借りていたパプニカのナイフを、レオナに帰す。
 別れの印、という意味ではなく、丸腰のレオナが使う武器として。ダイはレオナに、自分の身は自分で守ってほしいと望んでい―― 相手が相手なため、ダイには一人で勝てる自身も、レオナを守りきれる自信もない。

 だからこそダイは、無茶と知りつつレオナと一緒に戦いたいと思っている。
 ダイの拙い説得に、言葉もなく身を震わせるレオナ。それを見て、ダイは自分の無茶さ謝るが、レオナは謝罪を否定して強くダイを抱き締める。

 彼女は嬉しいのだ――一番大好きな人と、一緒に戦えることが……。
 抱き締められたままで抱き返す余裕もないダイだが、顔を赤くし、どこか照れくさそうな様子だ。

 レオナの腰の後ろにナイフをつけながら、ダイ達は一番最初の冒険のことを懐かしく思い出す。
 ダイとレオナとゴメちゃんとで、ドキドキしながらデルムリン島の洞窟へ向かった時のこと……だが、今はそんな胸が躍る様な感覚よりも、引き締まる思いの方が強い。

 まだ子供なのに、地上の人々の希望がかけられたダイは、もうただの冒険好きの男の子ではいられないのだ。

 ダイにかけられたプレッシャーを想い、レオナはダイの力になってあげとうと決意する。 少しでも彼の負担を軽くし、いつの日かまた、ダイがときめく気持ちで世界を駆け巡れるようになる日のために――。

 だが、背後から伸びてきた触手が、いきなりレオナの口を塞いだ。胴に、足にからみつく触手に、レオナは助けを求めて空しく手を伸ばす。
 変な気配に振り返ったゴメちゃんの叫びに、やっとダイはレオナの危機に気がついた。
 辛うじて口の触手だけは外したレオナがダイを呼ぶが、がんじがらめに絡み付かれた彼女はそのままパレスの中へと引きずり込まれていく。
 バーンにさえ予測外の事態だった。

 動揺しながらもレオナを追うダイが辿り着いたのは、不気味な音の響き渡る大広間。
 そして、その中央にある巨大な不気味な生き物めいた物に囚われたレオナは、助けを求めていた――。


《タイムスリップな感想》


 今回はダイとレオナが主役っ♪
 お互いに相手を思っている幼い恋人達は、まるで『リトルロマンス』のようでとってもほほえましかったなぁ。

 願わくば、平和な世界になってから、楽しむためだけに旅をしてほしいもの。
 そのためにもまずはバーンに勝たないといけないんだけど、力を貸すどころかいきなり足を引っ張っている、レオナって…(笑)
 
 それにしても、最近触手系の敵が多い気が。あのブッキーな物は、バーンパレスの動力源だと予測するけど、どうだろ? 来週が楽しみだ♪
 

次へ続く
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