H.8.5.13(月)No24『魔界への誘い』

 

「レオナ姫…! そなたは余の物となるのだ…!」

 問い掛けではなく、宣告としてのバーンの言葉――バーンはレオナを生かしておく代わりに、ダイが惨たらしく死ぬのを見届け、終生バーンの側に仕え、彼の恐ろしさを語り続ける魔界の歌姫とするつもりなのだ。

 だが、レオナは気丈にもその誘いを払いのけた。
 もしダイが死んでしまったら、レオナも生きているつもりはない。レオナは最後の最後まで、ダイと一緒に戦うつもりなのだ。

 しかし、そんなレオナの健気さはバーンの興味を誘うばかりだ。
 有無を言わさぬ力でレオナを抱き寄せ、バーンは冷たく言い放つ。ダイは『もし』ではなく、『確実』に死ぬ、と。

 バーンはダイをただ殺すだけでは飽きたらず、完膚なきまでに打ちのめし真の絶望を味合わせてから殺すつもりなのだ。
 瀕死のダイに向かって、バーンは魔法を連続で仕掛ける。

 辛うじてそれを避けるダイだが、カラミティエンドが効き過ぎたのか、ダイは攻撃を食らってしまう。
 思わず目を背けるレオナ――だが、レオナは健気にも自分の決意を思い出した。

 ダイと共に戦うと決めた以上、ダイの苦痛から目を背けてはいけない。少しでも、ダイの痛みを軽くするために何かしなければ、と……。
 そんな中、バーンは動けないダイに向かってカイザーフェニックスを放とうとする。
 死を覚悟して、目を閉じるダイ――。

 だが、カイザーフェニックスは狙いがそれて、外れてしまった。その原因は、聖なるナイフでわずかなりとバーンに手傷を負わせたレオナにある。
 ナイフを身構えたレオナは、バーンの身体が無敵の強度を保っていられるわけではないと指摘する。

 この世に無敵の存在なんて、絶対にいないとバーンに向かって言いながら、レオナは同時にその言葉をダイに向かって言っていた。

「これでもあたしを生かしておけるものなら、勝手になさいよ!! でもお望み通り、終生言い触らしてやるからっ!!
 このあたしは天下の大魔王バーンに傷を負わせた、世界最強の女の子よってね!!」

 沈黙し続けるバーンの怒りを感じ、ダイは力を振り絞って床に手を叩き付け、その反動で立ち上がった。 
 レオナの名を叫んで、彼女を助けようとするダイ。

 だがそれより早く、バーンの額の飾りから放たれた光が、レオナの胸を貫いた!! 飾りと見えた水晶に目玉が浮かび、生気を帯びてギロリと動く。

「……後悔しろ。もう抵抗も……しゃべることもできん……」

 


《タイムスリップな感想》

 どぉおお〜っ、バーンってロリコン?!(笑)
 しかし、レオナってなんて強いんだっ! 敵を前にしてこの強気……さすがレオナは大物だっ。

 ここでレオナが死ぬのかと心配したけど、よく考えたらレオナって胸にゴメちゃんを入れておいたはず……きっとゴメちゃんがなんとかしてくれるだろう、……多分っ。
 多少の傷を負っても、ザオリク級の力を持つポップをはじめとして、回復魔法の使い手は数人いるし、きっと助かるっ。と、信じたいっ!
 
 

次へ続く
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